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2025年5月12日

働き過ぎとメンタルヘルス問題

メンタルヘルスの問題は、以前に比べると理解されるようになって来ていますが、ある日本の女優さんが先日公表された「双極性障害」という病気はよく知らない方もいらっしゃるでしょう。以前は「躁うつ病」と言われていた病気です。

力がみなぎって気分が高揚して活動的になる「躁状態」の時期と気分が落ち込んでやる気が出なくなり外出も出来なくなったりする「うつ状態」の時期を周期的に繰り返す脳の病気です。

珍しい病気ではありません。世界的には100人に1人がなると言われているそうですし、俳優、ミュージシャン、アーティスト、小説家など、芸術的な仕事をする人にはとても多いです。歴史上の有名人物にも大勢います。「躁状態」の時に目覚ましい才能を発揮するからでしょう。

病気とは気が付がつかずに、それがその人の性格だと思っている場合も多いと思います。私も、うちの夫はそういう性格だと思っていましたから。「うつ状態」になってから気が付いて診断されました。

双極性障害には、Ⅰ型とⅡ型の2種類があります。

「あの人がこんな言動をするなんて」「人が変わってしまった」と周囲の人がびっくりするような「躁状態」になるのがⅠ型です。普段では考えられないような浪費をすることも特徴の一つです。高額な買い物をしたり、全財産をギャンブルや投資につぎ込んだり、性に奔放になってトラブルを起こしたり、会社の上司と喧嘩をしてクビになったり。家族や周囲の人にも大きな影響が出ます。

「躁状態」が軽いのがⅡ型です。軽いか重いかは判断が難しい場合もあるでしょう。うちの夫はⅡ型だろうと私は思っていますが、そう診断されたわけではありません。もしかしたらⅠ型だったのかもしれませんが、薬のお陰で安定しています。しかし、気分が高揚する時期と落ち込む時期の波は今でもあるのです。

力がみなぎって活動的になる時期が必ず来ます。とても元気で明るくて、良いアイデアをいろいろ思いついたりして活動的になりますから、他人から見れば好感が持てる感じなんですが、長年一緒にいる私には「注意報発令」です。

必ずその後に「うつ状態」になるからです。

「うつ状態」が何ヶ月も続いたことがありました。その時は仕事も辞めてしまいましたから私達は経済的に苦労しましたし、暗く落ち込んで何もしないお父さんというのは子供達のメンタルヘルスにも影響しました。もちろん私にも影響しましたけど、私は頑張るしか無いのですから頑張ったんです。

ここ数週間、うちの夫はちょっと元気過ぎました。仕事が休みの日にも仕事に行っていました。身体を休めないと口唇ヘルペスでは済まなくなるぞと思っていたんですけど、木曜日の夜に活気がなくなっているのに気づきました。

金曜日の朝には確信しましたよ。「軽い躁状態」は一日のうちに消えていました。「うつ状態」へ変化し始めています。今朝もしんどそうでしたが、これまでの経験から判断すると、ひどい「うつ状態」にはならずに普通の状態に戻りそうな気がします。


皆さんのご家族の中に、周期的に激しく気分の違う状態を繰り返している方がいらっしゃったら、きっといろいろご苦労されていると思います。

うつ病かもしれないと思っている方が、実は双極性障害である場合があります。治療薬が異なりますので、正しく診断されないと症状が改善されません。双極性障害については、このウェブサイトの情報が分かりやすいと思いますので、参考にしてみてください。

双極性障害に限らず、心の病気については厚生労働省が運営する「心の情報サイト」や若者向けの「こころもメンテしよう」も大変役に立つと思います。

病気になったら、まずはその病気について知ることが大切ですからね。近年は治療法も治療薬も研究が進んでいます。それは、身体の病気だけではなく心の病気(脳の病気)についても言えることです。

うちの家族は、4人全員がメンタルヘルスの問題がありますが、現在は皆んな普通に暮らせています。

これをお読みの皆さんの中には、ご自分や身近な方のメンタルヘルスの問題でお困りの方がきっといらっしゃると思います。適切な治療を受ければ改善出来るということをお伝えしたいです。


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2024年10月8日

飴と鞭の話とトラウマ

寒いです。今の気温は5度です。

最近暖かい日が続いていたんですよ。昨日の朝も暖かくてね、暖房も必要なかったんです。うちの夫は半ズボンで仕事に行きました。

ところが、昨日は気温が上がらないどころか、どんどん下がって行くだけみたいな一日で、お昼過ぎからは暖房を入れましたよ。

これがメルボルンの天気の特徴だとはよく知っています。気圧配置の関係で、内陸部の北から空気が流れ込めば気温が上がり、風向きが変わって南から空気が流れ込むと、それは南極からの冷たい空気ですから、場合によっては真夏でも山の上で雪が降ったりするほど寒くなる。

旅行でメルボルンに来られる方はご注意くださいよ。一年中の服装の準備が必要ですからね。

今年はまだ花粉症が始まらないから変だと思っているんですが、度々こういう寒さが戻って来ると、草も順調に成長出来なくて花粉を飛ばせないのかもしれません。

それは私にはありがたいですけどね。


ところで、先日「アンヘドニアとは」という記事で、家庭内でちょっとした出来事があって家族がつらい思いをしたということを書きましたけど、ほとぼりも冷めたので今日はその時のことについて少し書こうと思うんです。

その記事は、うちの息子に関することでした。

いまだにメンタルヘルスの問題で苦労しているうちの息子が、再び心理カウンセリングを受け始めたんですけど、「アンヘドニア」(Anhedonia)だと言われたという話題でした。

「アンヘドニア」とは、「楽しい」とか「うれしい」といったポジティブな感情を抱けなくなる状態のことで、物事への意欲を失うという面があります。

これを聞いたうちの夫がですね、「飴と鞭」の例え話を始めたんですよ。英語では「Carrot and Stick」(ニンジンと棒)と言います。おだてと脅しの両方で人を支配することの例えです。

うちの息子が「アンヘドニア」で喜びを感じられなくなっているのなら、飴ではやる気が出ないということだから鞭を使おうと言ったんですよ。息子が子供の頃は、恐怖や不安の方がやる気を出させることが出来たから、鞭の方が効果的だろうと。

私は「それはやる気を出させたんじゃあなくて、恐怖と不安で何かをせざるを得ない状況に追い込んでいたということだ」「そういうのはトラウマを生むだけだ」と夫を批判しました。

息子は顔色が変わってしまって部屋にこもってしまいました。私も似た経験があるもんですから動揺してしまいました。

夫はこういうことをニコニコと笑いながら言っていたので、「冗談で言ったのなら、こんな冗談は言ってはいけない」と私は夫に言ったんですが、どういうつもりで言ったにしても、夫は言ったことをすぐに後悔したらしくて一晩落ち込んでいました。

心理学を勉強している娘にもこのことを話して助言を求めました。娘は息子と話をしてくれて、私も息子と話し合ったのでお互いに精神状態は改善したんですけど。

発言した夫は何も言っていません。娘からは話題にするなと言われているので、夫とはこのことを一度も話していませんが、うちの夫と息子は腹を割っての話し合いというのをこれまでずっと避けているんですよ。

あの二人の間には見えない大きな溝があるように思えます。息子が子供の頃、鞭の方がやる気を出させることが出来たなどと冗談にしても言うということは、その鞭が大きな溝の原因になったとも思えます。

息子には、父親から距離を取って生きて行くことを勧めているところです。父親が視力を失って来ているから自分が助けないといけないなどとは考えなくてもいいと。自分のことを第一に考えて、一日も早くこの家を出て好きな暮らしをしろと励ましています。

本当に早くそうなって欲しいです。


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2024年9月29日

「アンヘドニア」とは

うつ病になったことがない人には、うつ病がどういう病気なのか理解するのは難しいと思います。多くの人は「気持ちが落ち込んでやる気が出なくなっている心の病気」という認識ではないでしょうか。

最近は、さすがに根性論をふりかざして「気の持ちようだ」とか「甘えている」などと当事者を苦しめるようなことを言う人は減りましたけど、まだそういう人達はいます。

うつ病は、様々なことが原因となる過剰なストレスによって脳の神経伝達物質の機能が低下したりバランスが崩れたりすることで生じる「脳の病気」なんですよ。

症状は様々ですし、軽度なものから重症なものまでいろいろです。

名前が示すように「抑うつ感」は最も特徴的な症状です。気分が沈んで何もする気になれなくなります。いろいろなことに興味も関心も湧かなくなり、以前なら楽しめたことが楽しめなくなります。

「楽しい」とか「うれしい」といったポジティブな感情を抱けなくなる症状を「アンヘドニア」(Anhedonia)と呼ぶそうです。私は「アンヘドニア」のことを最近知りました。

いまだにメンタルヘルスの問題で苦労しているうちの息子が、先週から再び心理カウンセリングを受け始めたんですけど、「アンヘドニア」だと言われたそうなんです。

心理学を勉強しているうちの娘は、以前からそうではないかと思っていたそうです。

日本語では「無快感症」とか「快感消失」と言われるこの症状は、快感や喜びを感じられなくなっている状態だそうで、「アンヘドニア」はうつ病だけでなく不安障害など様々な精神疾患の症状でもあります。

簡単に言ってしまうと「何をしても面白くない」「楽しくない」という感じだそうで、抑うつ感とは異なる心理状態です。

「アンヘドニア」には、物事への意欲を失うという面もあります。特定のことに関して意欲が出ない人もいますし、全く何もしたくなくなり、深刻な場合は生きていることさえ嫌になる人もいるのです。

脳の神経伝達物質の一つであるドーパミンの減少や機能低下が影響しているそうです。甘いものを食べるとドーパミンが分泌されて気分が良くなるので、「アンヘドニア」の人の中には無意識のうちに甘いものを欲して食べ過ぎてしまい、過度の肥満になる人もいるそうです。

ちなみに、脳の神経伝達物質にはセロトニンというのもあって、皆さんも耳にしたことがお有りかと思います。大雑把に言うと、セロトニンには精神を安定させたり脳の働きを活発にする作用があり、ドーパミンには快感や喜びをもたらしてやる気を高めてくれる効果があるとされています。

私は自分が「うつ病」になったので、この病気や治療方法についてはいろいろ本を読んで学習しましたが、「アンヘドニア」についてはよく知りませんでしたので、勉強を始めたところなんですけど。

先日、家庭内でこのことに関してちょっとした出来事がありましてね、家族は少しつらい思いをしました。

うちの家族は、4人全員がメンタルヘルスの問題を抱えているので、お互いに理解し合うことが出来ていると思っていたんですけど、自分が経験していない症状については、無理解のために傷つけるようなことを言ってしまうことがあります。

無知が一番の問題です。

気をつけたいと思います。


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2024年8月25日

メンタルヘルスとスティグマ

オーストラリアで日本のNHKに相当するのがABC(Australian Broadcasting Corporation)です。放送受信料の支払いなんていうものが無いという違いはありますけどね。

朝6時から始まるABCのニュース&トーク番組「The Breakfast Couch」というのがあるんです。男性キャスターのマイケル・ローランドさんは「いい人だ」というのが画面から伝わって来る方ですが、先日うちの娘がアルバイトをしているレストランにいらっしゃいまして、娘が「あの人は本物のジェントルマンだ」と言っていましたよ。

女性キャスターのリサ・ミラーさんは、若手リポーターだった頃からマイケル・ローランドさんとは友達だったという方で、海外特派員なども務められた方です。先週の金曜日をもってこの番組を降板されましたので、明日からは別の女性キャスターが加わることになっています。

この番組で天気予報を担当するネイト・バーンさん(Nate Byrne)という方がいらっしゃるんですけど、先日この方に起きた出来事が日本の新聞にも載っているのを見ました。

ネイト・バーンさんはオーストラリア海軍に12年間勤務された方で、もちろん気象局で訓練を受けた気象予報士でいらっしゃいます。同性愛者であることを公表しておられて、SNSなどでは誹謗中傷を受けることも珍しくない方なんですけど。

このバーンさんが、先々週の生放送中にパニック発作を起こしたんですよ。天気予報を伝えていた時、突然「ちょっとストップする必要があるみたいです」と切り出して、カメラに向かってこう言いました。

「私が時々パニック発作を起こすことを知っている方もいるでしょうが、今まさにそれが起きているんです」

バーンさんは「リサ、後をお願いします」とおっしゃって、カメラはすぐにリサ・ミラーさんに切り替わりました。

ミラーさんは全く落ち着いた様子で「もちろん大丈夫ですよ」と答え、バーンさんが自身のパニック発作について書いた記事がABCのウェブサイトで読めることなども紹介し、天気予報はマイケル・ローランドさんが代わりに伝えました。

少し休んで発作から回復したバーンさんが席に戻り、「皆さんを驚かせてしまったらごめんなさい」と謝りましたが、ミラーさんは「パニック発作は誰にでも起こりうるということを人々に知ってもらうことは素晴らしいことです」と、バーンさんがこの問題を公表してオープンにして来たことを称賛したという出来事でした。


ネイト・バーンさんが最初のパニック発作を起こしたのは、2018年だそうです。その時の動画がABCのウェブサイトに載っています。交代して天気予報を伝えたローランドさんの動画も載っています。

この日はリサ・ミラーさんとは別の女性キャスターが司会をしていましたが、「ウェザーマンがアンダーウェザーなのでマイケルが代わりに天気予報をお伝えします」とジョークを交えて伝えました。

「ウェザーマン」というのは天気予報士のこと、「アンダーウェザー」というのは体調が悪いという意味です。

ネイト・バーンさんは2020年にも生放送中にパニック発作を起こしています。この時の動画のバーンさんは明らかに具合が悪そうです。似たような経験をされたことがある方は、この動画を見るのは注意して下さい。

その後、バーンさんはパニック発作や不安症についての記事を書き、病気のことをオープンにすることで病気の啓発に取り組んで来られましたから、ABCはバーンさんの記事だけでなく生放送中にパニック発作を起こすバーンさんの動画もウェブサイトに載せているのです。

当然番組のスタッフはバーンさんの問題を知っていました。こうした理解のお陰で先々週のような対応が出来たわけですけど、パニック発作はいつ誰に起きても不思議ではないことなんですよ。

パニック障害は100人に1人がなると言われている病気です。この病気で苦労している人は多いのに、職場の人々に理解してもらえなくてつらい思いをしている人も大勢いるわけです。


メンタルヘルスの問題には「スティグマ」という問題がつきまといます。スティグマというのは「ネガティブなレッテル」のことで、偏見とか差別と関係しています。

精神的な病気、エイズ(HIV)などの特定の病気、性指向や性認識にかかわる人の特徴(LGBTQI+)、障害などに対して、否定的な意味づけをされたり不当な扱いをうけたりすることです。

精神的な病気については、おおやけに話をすることをためらうような風潮がいまだに存在します。精神的な病気になることがまるで恥ずかしいことのように考える人達もいます。それもスティグマです。

上記のネイト・バーンさんの出来事が起きた日に、オーストラリアで大変人気のあるキャリー・ビックモアさん(Carrie Bickmore)という方が、20年間もパニック発作と不安症に苦しんで来たことをラジオ番組で初めて公表されました。

ビックモアさんがもっと早くに公表できていたら良かったのでしょうけど、公表できるかどうかは職場のメンタルヘルスに対する理解度や仕事の内容にもよるでしょうし、ビックモアさん自身がこの問題を恥ずかしいことのように感じていたそうです。

スティグマを減らすために最も効果的だとされるのは、当事者に会って交流することだと言われていますよね。そのためにも、精神的な病気に苦しむ当事者はもっとオープンに話題にするべきなんですよ。

テレビ番組に出演するような方がオープンにすることは大きな意味があるし、ネイト・バーンさんの生放送中の発作にABCのスタッフがポジティブに対応する様子を見せたことは、スティグマを減らす上でも素晴らしいことでした。

とにかく皆さん、メンタルヘルスのことはもっとオープンに話題にしましょうよ。

誰だって病気になるし怪我もするでしょ?心が怪我をしたり病気になったりするのも当たり前なんですよ。心の病気というのは脳の調子が悪くなっているということで、恥ずかしいことでも何でもないんですからね。


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2024年8月19日

レシピサイトへのコメント

このブログは、私の日記でもあり、愚痴や不満をこぼす場所でもあり、社会問題等に関する意見を述べる場所でもあり、編み物やお料理のアイデアや知識をシェアする場所であったりもします。

決まったテーマというものがなくて、毎日書きたいことを書いているわけなんですが、こんなブログの記事にもありがたいメッセージをいただくことがあるんですよ。

メンタルヘルスに関する記事に励まされたとかね、靴下のかかとの編み方に助けられたとか。靴下の件でメッセージをくださった方の中には、お子さんの病気のために暖かい靴下を編む必要があって、私の「世界一簡単なかかとの編み方」に助けられたとおっしゃってくださる方もいました。

私はレシピをシェアするウェブサイトも趣味でやっているんですが、それは英語でやっているので世界中のいろいろな国の人からコメントをもらいます。

昨日は、あるレシピに対してちょっとうれしいコメントがありました。

ウェブサイトに載せているレシピの中でも一番大事なレシピの1つが「モンブランケーキ」のレシピです。プロの方が作るようなモンブランケーキではありませんが、長年私が作っているものです。

モンブランケーキというのはですね、私にとってはとても特別なケーキなんです。もともと一番好きなケーキでしたけど、ある出来事のせいで特別な思い出と結びついたものになったからです。

うちの子供達が幼かった頃、私達家族は夫の仕事の都合で一時期ですが岡山県の総社というところに住んでいました。その頃、私は「うつ病」が悪化していました。具合が悪い時は家から出られなかったり、家事も出来なくなったりしていたのです。

当時うちの娘は6歳でした。私が元気ではないことに当然気が付いていたでしょう。

ある日、仕事から帰宅した夫が娘と一緒にどこかに出かけてしまいました。外はすっかり暗かったので、あれは秋の終わりか冬のことだったと思います。

随分時間が経ってから夫と娘がやっと帰宅して、二人がどこに行っていたかを知りました。夫と娘はケーキ屋へ行っていたのですよ。

夫の話によると、娘は元気のないお母さんのために、お母さんがこの世で一番好きなケーキだと言っていたモンブランケーキを買ってあげようと思ったらしいのです。

そして、以前にモンブランケーキを売っているのを見たことがあったケーキ屋さんの場所を6歳の娘が夫に教え、夕方の薄暗い道を夫に車を運転させて行ったそうです。

娘の道案内で無事にケーキ屋さんに着いたら、お店はまだ開いていました。娘は「このケーキ」と指差してモンブランケーキを頼み、家族の分もそれぞれ選んで買って帰ったのです。

「お母さんはこのケーキが大好きなんでしょ?」と言って、娘がモンブランケーキを勧めてくれました。私は娘を抱きしめて涙を流しました。

夫はモンブランケーキのこともそのケーキ屋さんのことも何も知らなかったそうです。6歳の娘の思いつきと行動力に感動して、もらい泣きしていましたよ。

モンブランケーキのレシピページでは、このエピソードを簡単に紹介しています。

コメントをくださった方がどうやってそのページを見つけてくださったのか分かりませんけど、この方もモンブランケーキがお好きなようです。そして、現在うつ病で苦労されているようなんです。

このケーキを作ってみようと思うだけでも頑張っていく価値があると書いてくださっていました。

こういうコメントに励まされて、私は12年もレシピウェブサイトを続けて来ました。掲載しているレシピの数は、現在2,700です。

来年か再来年には3,000レシピを達成したいです。最近アイデアが尽きかけていますけど、老化する脳みそのボケ防止にも役立つでしょうからね、頑張りますよ!


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2024年7月21日

心因性の顎関節症

子供の頃というのは、「家庭」と「学校」という二つの世界で生きているのでして、その「家庭」の方が苦しい場所だった私にとっては「学校」は救いの場所でした。

私は、勉強も体育も図工も音楽もそこそこに良くできて、先生達に認められるので気分が良く、学ぶこと自体が楽しかったですし、私は学校が大好きでした。

恵まれた家の子供達に負けたくないという思いと、頑張って良い成績を収めることで苦労している母を喜ばせたいという思いがありました。いわゆる「出来る子」だった私は、常に良い成果を出すために頑張っていました。

学校では、強く、明るく、前向きで、元気いっぱいだったかもしれません。しかし、非常に脆いところもあったのです。

学校は確かに救いの場でしたが、良い成績を出せないことや期待に応えられないことに対する不安をいつも感じていたんです。恵まれた家庭の子供達に劣等感を持っていましたから、そいういう子供達に負けられないというプレッシャーもありました。

そんな私でしたから、希望していた高校に進学出来なかったことは大きな挫折となったのです。

中学時代に親しくしていた人達は皆んな希望の学校に進学し、私は不本意な高校進学で目標というものを失い、勉学への意欲を無くしました。

一方、家庭では常に不安と怒りを抱えて緊張していました。

そんなある日の朝、目が覚めたら、

口が全く開かなくなっていたんです!

顎関節が完全にロックしてしまっていました。痛みは無かったです。ただ、口を開けることが出来ないのですから食事に困りましたし、普通にしゃべることも出来ませんでした。

地元の病院や、接骨院にも行きましたが、何をどうやっても口は開くようにならず、最終的には専門医に診てもらうしか無いということで、母と一緒に岡山大学の附属病院に行ったんです。

病院に行くだけで2時間以上かかり、長い待ち時間の後やっと診察してもらえて言われたのは、心因性の顎関節症だということでした。

「何だそれ?」という感じでしたね。

当時、顎関節症は珍しい病気でした。全く口が開かない私に、大学病院の医者も困惑気味だったことを覚えています。精神的なものが原因で開かなくなっていると言われても理解出来ませんでした。

特に治療はしてもらえず、歯の中心の位置をずらさないように真っ直ぐに口を開ける練習をしなさいと言われただけで、非常にがっかりして帰宅したのを覚えていますよ。

しばらくして指1本分くらいは開くようになったので食事は出来るようになりましたが、指1本分では様々な苦労がありました。指2本分くらい開くようになるまでに何ヶ月もかかりました。

私のように食事もできないほど口が開かなくなった場合、現在なら治療法があるそうです。弛緩剤で緊張し過ぎている筋肉をゆるめ、口を開くんだそうですけど。

心因性で口が開かなくなったことも、今なら理解出来ます。

あの頃は、家にいると息が詰まるようでした。父親と出来るだけ顔を合わせないように自室にこもりっきりでしたが、顔を合わせれば何か言われて腹が立ち、腹が立っても何も言い返すことが出来ないので、私はよく自室の壁や机の見えない所になぐり書きをしたり鉛筆を突き立てたりしていたんですよ。

そして、しょっちゅう声を殺して泣いていました。

ものすごいストレスを感じていたわけですからね、無意識に歯を食いしばったり寝ている間に歯ぎしりをしたりして、顎関節に負担をかけていたのでしょう。

そう言えば、肩こりがひどくて病院にも行きましたが、肩こりもストレスが原因だったと思います。

頭痛もひどくてバファリンという鎮痛薬を頻繁に飲み、その度に耳が聞こえにくくなったりもしていました。

今から思えば不安障害の発作のようなものも経験していました。理由の分からない動悸や身体の力が抜けるような感じがしたり、非現実的な悪いことが起きることを想像して冷や汗をかいたりしていたのです。

しかし、当時はこうした悩みを相談出来る人はいなかったですし、精神的な病気への理解も全くありませんでした。

ですから、心因性で口が開かなくなるなんていうのは、わけが分からなかったのです。

今は顎関節症も精神的な病気も研究が進んでいます。お困りの方は、お医者さんに相談して下さい。


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2024年7月18日

トラウマからの回復

火曜日の朝起きてキッチンに行くと、夫が朝ご飯のポリッジを食べていました。「今週の水曜日は休みなの?」と聞きましたら「今週は金曜日が休みだ」と言いました。

うちの夫が勤めるツールショップで新しく副店長になった人の休みの関係で夫の休みの日が変わるという話があって、ちょうどその件を聞こうと思っていたので、「ああ金曜日なの?ちょうど今そのことを…」と言った途端に夫が大声を上げました。「金曜日かどうかは確認してみないと分からない!」と怒鳴りました。

突然理由も分からずに怒鳴られて、私はびっくりしましたよ。「なんで怒るの?」と言うと、夫は家を出るまで無言でした。夜の間に不機嫌になったんでしょうか。

もしかしたら、夫のメンタルが「躁期」に入って来ているのかもしれません。夫の「躁期」の特徴は怒りやすくなることですから。うちの夫は双極性2型なんです。薬のおかげで安定していますけど、気分には波があります。

突然大声を出された私は、たったそれだけのことで心臓がバクバクしました。私のトラウマ経験のせいです。トラウマとは「心的外傷」のこと、簡単に言えば「心の傷」ですね。

私の場合、大きな怒鳴り声は「恐怖」や「苦しいという感情」を呼び起こすのです。

私の父親は突然激昂する人で、私は幼い頃から父親に怒鳴られて育ちましたから、それがトラウマの一つになっているんですが、思っていることを口に出すことが許されなかったので耐えるしかなかったわけで、そういう時の喉に何かが詰まっているような「苦しさ」の方が「怖い」という感情以上に大きなトラウマになっています。

何か言おうとすると「口ごたえするな!」と怒鳴られます。つらくて泣いていると「泣くのを止めろ!」と怒鳴られます。

「泣くのを止めろ」と怒鳴られた私は、しゃっくりのようにウッウッと言いながらも泣くのを止めたそうですよ。幼い子供なのに、よくもまあそんなに怒鳴り散らしたもんです。

泣くのを止めろと言われても泣き止まなかった時は、真っ暗な押し入れや物置きに閉じ込められたり、家の外に締め出されたりしました。

常にガミガミと叱られていた記憶がありますが、何を叱られていたんだろうか、私はどんなに悪いことをしていたんだろうかと思うんですけど、食べ方だったりお箸の持ち方だったり靴の脱ぎ方だったり、ありとあらゆる些細なことで叱られていたように思います。

私は幼い頃の家での出来事をほとんど覚えていませんが、うつ病になったのをきっかけに断片的な記憶が湧き出て来るようになりました。

その記憶というのは壁だったり、ふすまの絵だったり、畳だったりするんです。そういうものと「苦しい気持ち」が結びついているというのはどういうことですかねえ。「苦しい気持ち」を耐えていた時にそうしたものを見ていたんでしょうか。

自分が怒鳴られるのはもちろん怖いですけど、妹達が怒鳴られたり叩かれたり柱にロープで縛られたりしているのを見ることも、私に恐怖を与えました。

私は長女で妹達よりも歳上ですから、そうした出来事を見て覚えているんですが、当の妹達は覚えていないかもしれません。叱られている間は泣き叫んでいるので、状況を理解していなかったかもしれませんし。でも、それを見ている私は恐怖を感じましたよ。

父親は家族に身体的な暴力をふるうことはなかったと思いますけど、私に殴りかかろうとしたことはあります。脅しのためのアクションだったのか、本当に殴りかかりそうになったのか、それは分かりませんが、飼っていた犬を蹴ったり棒で叩いたりするなどの暴力はふるっていましたから、とても怖かったです。

親の言う通りにする良い子でないと、いろいろと恐ろしいことが起きるというのは、父親の実家の人達からも繰り返し脅されましたしね。本当に、あの家に行くのは嫌だったんです。

親が子供の誤った行動を叱ることは必要ですけど、心を傷つけるような方法はいけませんし、感情のままに怒鳴るなんて暴力に等しいです。

父親には傷つけられるようなことをたくさん言われました。いくつかは決して忘れることが出来ません。

私は5年生の時に盲腸の手術で入院している時に初潮が来て、退院してからうちの母が晩ご飯にお赤飯を作ってくれたことがあるんです。お赤飯を作った理由を知った父親は怖い顔をして「汚え!」と吐き出すように言いました。

これも5年生の時ですが、お風呂に入ろうとして服を脱いだところへ父親が突然入って来て、私が「きゃあ」と声を上げると「何を言よんなら、この小娘が!」とぞっとするような顔をして怒鳴ったことは、死ぬまで忘れないでしょう。

父親のことを大嫌いになったきっかけがそれでした。

私は、父親が家にいる時は常に緊張していました。理不尽なことで怒鳴られても何も言い返せないので、自分の部屋にこもって勉強しているのが最も安全でしたけど、ストレスが原因で私は口が開かなくなったりもしたんです。

本当にいろいろつらいことがありました。


それにしても、半世紀以上も前の出来事が今も苦しみの原因になっているんですからね、トラウマというのは厄介なものです。

うちの夫が大声で怒鳴ったというだけのことでこの有様です。次々に悪い記憶が湧き上がって来ました。以前なら、そういう記憶とともに襲ってくる負の感情のせいで暗いうつの穴に落ちたんですが、今は大丈夫です。

落ちてしまわないようにする方法の一つが、私にとってはこうして書くことなんですよ。

これまでにたくさん書いてきました。すべてこのコンピューターに保存してあります。誰かに話せるといいのかもしれませんが、それはなかなか難しいことです。

思っていることや気持ちを書くことは癒しにつながり、トラウマからの回復にも有効だと言われています。確かに私は書くことで助けられました。しんどいことがあってお悩みの方にはオススメします。


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2024年5月8日

見えないメンタルヘルス問題

2週間ほど前だったか、オーストラリアのスコット・モリソン元首相が、在任中にメンタルヘルスの問題が生じて治療を受けていたことを公表したというニュースがありました。

波のように襲ってくる不安感に対処するために抗うつ薬を服用していたそうですが、全くそんなふうには見えませんでしたからニュースを聞いて驚きましたよ。

モリソン氏の在任中は、いろいろ国際的な問題を抱えていたし新型コロナのパンデミックも発生しましたからストレスは大きかっただろうとは思いますけど、モリソン氏はね、同性婚を批判したり難民の受け入れに反対したりと物議を醸す発言と政策で批判された人だったんです。

最悪だったと私が思うのは、教会の権利を法律で保護する「宗教自由法」なるものを成立させようとしたことです。その法律というのは別の言い方をすると「宗教の教義に基づいて人々を差別する権利を認める法」だったんですよ。

差別の対象となるのは、LGBTQI+の人々でした。「宗教自由法」の最大の争点は、宗教系の学校が性的指向や性自認を理由に生徒や教師を差別することが出来るようにする点だったんです。

最初に聞いた時には「そんな法律が作れるわけがないだろう」と思っていたんですけど、法案は議会に提出されて審議されるに至ったのでございます。与党内からも反対する議員が出て、結局は廃案になりましたけど。

それはともかく…

私がここで言いたいのは、メンタルヘルスの問題を抱えている人が苦しんでいることは、他人には見えないことが多いということです。あの厚顔で恥もへったくれも無いようだったモリソン氏が抗うつ薬を服用するほどメンタルが悪化していたなんて、誰も知らなかったでしょう。

私がここ1週間ほどメンタルが悪化していることも、誰も知りません。

うちの家族は全員がメンタルヘルスの問題を抱えています。現在一番深刻な状況なのは、うちの息子です。私はね、息子も薬による治療が必要だと思っているんですけど、息子は薬は飲んでいません。

私は15年間も「Aropax」というのはパロキセチン薬のお世話になりました。抗うつ薬と呼ばれる薬もいろいろありますが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)というのに分類される薬です。

私は2019年に服用をやめることが出来ましたけど、うちの夫と娘は今でもこの薬が必要です。夫は他にも興奮を抑制するための薬も服用しています。双極性障害2型の夫には「躁」と「うつ」が周期的にやって来ますので、これを安定させるためです。

気分の波はどうしたってやって来るんですが、むちゃくちゃ躁状態になったり、うつ状態になって寝込むようなことになったりしないためです。

私は薬の服用をやめましたけど、すっかり治って元気になったわけではなくて、何かきっかけがあると一気に奈落の底に落ちて行きそうな不安はいつも感じています。

メンタル悪化の引き金になりそうなことを避けて、注意しながら暮らしているから何とかやれているわけですよ。

しかしね、身近にいる家族の具合が悪くなるとたちまち影響を受けます。

「うつ」はうつるんです…

現在息子のメンタルの具合が良くないので正直言って私も苦しいんですが、出来るだけ影響を受けないようにするために用事を作って忙しくしています。

夫のメンタルもダウン期に入っていますが、あまり悪化していないように見えます。何とかなっているのは薬のおかげだと思いますよ。

娘は元気なんでしょうかね。数日前には住んでいるシェアハウスで問題が起きていてストレスがたまっているという話をして来ましたけど、何とかやっているんでしょう。

家族全員が問題を抱えているので、お互いの問題を理解しやすいということはありますが、必要な治療を受けることが重要だということも分かっています。そうしないと問題は改善しません。

うちの息子には医者と相談して欲しいと思っていますが、こればかりは本人の意志次第ですからね、具合が悪くなっている時にああしろこうしろと言うべきではありません。

今日はこんなブログ記事でスミマセンね。こうやって不特定多数の皆さんに向けて書くことで、私は自分のメンタルを安定させているんですよ。誰かに話を聞いてもらっているのと同じような効果があります。

でも、書くことも誰かに話すこともせずに自分の中に溜め込んでいる人は多いです。あなたの身近な人が元気がなくて普段と様子が違うと思ったら、「最近どう?」「困っていることはない?」って聞いてみてあげるのもいいことですよ。

その人は何も言わないかもしれないけど、自分の中に溜め込んでいるような人は、誰かに「大丈夫?」と聞いてもらえただけで少し楽になったりしますから。


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2024年4月30日

気分の浮き沈みと双極性障害

ここ数日、大きなため息をつくことが増えていたうちの夫は、朝起きる時間が来ると「あ〜」とか「う〜」とか唸っていたんですが、昨日の朝は「じゃあ、行ってきますよ。家賃を払って光熱費を払って家族を食べさせるために稼ぎに行ってきます」と言いました。

そういうことを言う時は、メンタルがダウンしているんです。長年一緒にいる私にはすぐ分かります。

こういう時に身体的に無理をしたりストレスが大きい出来事があったりするとすると、気持ちの落ち込みが悪化して「うつ期」が始まってしまいますから気をつけないといけません。

うちの夫は双極性障害2型なんです。かつては「躁うつ病」と呼ばれていた病気ですが、2型というのは「躁期」の症状が軽いタイプです。

「明らかに異常」とは感じないかもしれない夫の「躁期」の特徴は、普通とは違う元気さ、饒舌さ、すごいアイデアを次々と思いつく、高揚感と自信に満ち溢れた感じなどで、ちょっと度が過ぎた感じはするものの一見すると「活動的でポジティブな人」なのですよ。

ただし、怒りやすくなることとへっちゃらで高額な買い物をするという特徴もありましてね、これがこれまでトラブルを引き起こして来ました。

怒りやすくなると家族との関係にも影響しますが、仕事でトラブルを引き起こすわけです。自分よりも上の立場の人と対立してクビになったことが2回もありますからね。

最近は非常に元気がありました。泥棒を捕まえようとスタッフと計画を練って襲撃に行ったりしたでしょう?やっぱり「躁期」だったんですよ。怖いものなしですから泥棒に襲いかかったり出来たんでしょう。

ここ数年は薬のおかげで安定していますけど、メンタルの上下の幅は大きいですし、そういうのが特に原因もなく周期的にやって来ます。

「躁期」の後には、必ず「ダウン期」がやって来ます。それが「うつ期」になってしまうと大変です。仕事に行けなくなって寝続けることになりますから、気持ちの落ち込みが悪化しないように気をつける必要があるのです。

本人も良く分かっているので、昨日は仕事を早退して帰って来ました。

お店が忙しくなかったのと、副店長のスタッフが2週間後に別の店舗に移ることになっているので、その人がいなくなると当分は余裕がなくなるから、休めるうちに休もうと思ったそうです。

こういう微妙な状態の時、私は感じていること客観的に指摘することにしています。

「今はメンタルが落ちて来ているダウン期なんでしょ?」
「その通りです、良く分かりますねえ」
「お茶でも入れましょうか?久しぶりにクッキーを焼いたから」
「はい、いただきます」

夫はクッキーをボリボリ食べながらオーディオブックを聞いていましたが、すぐに寝てしまいました。

最近ちょっと寝過ぎています。寝過ぎるのは夫の「うつ期」の特徴ですから私が気付くきっかけにもなるんですけど、今朝は商品搬入のトラックが来るからということで5時前に仕事に行きましたよ。

明日は休みの日なので、気分転換に屋外で身体を動かすことを勧めてみます。


しかしね、そんなに深刻に考えなくても大丈夫なんです。

誰にでも気分の浮き沈みはあるでしょう?絶好調の時もあれば元気が出ない時もあるのが普通じゃないですか。

そういうアップダウンが普通の人よりも大きくて、特に原因もなく周期的にやって来るのが双極性障害なわけですが、ありがたいことに夫の場合は「躁期」の症状が軽い2型ですし、薬でアップダウンはかなり抑えられていますからね、本人と家族が気をつけていれば普通の暮らしができるのです。

まあ、気持ちがアップしてもダウンしても、それが極端な「躁」や「うつ」になると、うちの夫の場合は失業という問題に直結しますので気をつけないといけないわけですが。

目が見えなくなって来ているという問題もありますので、これが今後どう影響するかが心配なところです。

いろいろありますけど、毎日仕事に行って稼いでくれていることには感謝しています。そんな夫をサポートするために出来ることをするのが私の役目です。

でもクッキーを焼くのはちょっとやめておくわ。昨日すっごい食べ過ぎていましたから。


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2023年9月25日

新しい「男らしさ」を教えるプログラム

オーストラリアでは、9月の第2木曜日は「R U OK?」の日です。今年は14日が「R U OK?」の日でした。

「Are you OK?(R U OK?)」とは、体調を崩しているのではないかと思われる人に「大丈夫?」とたずねる時のフレーズです。

あなたの家族や友人や仕事の同僚の中に、最近元気がない人や心の病気に苦しんでいる様子の人はいませんか?あなたが「Are you OK?」「大丈夫?」と声をかけることで、一人で苦しんでいるかもしれない誰かを救うことができるかもしれません。そんな自殺予防キャンペーン運動です。

「Are you OK?」の運動は、ギャヴィン・ラーキン(Gavin Larkin)さんという方が始められました。自殺したお父さんの苦しみに気づいて助けてあげられなかったことを悔やんだことが、この運動を始めるきっかけだったそうです。

これに関連して、「The Man Cave」という団体の活動に関する新聞記事を読みました。

メンタルヘルスの問題は、男女の差なく誰にでも起きるものですが、男性は心に抱えている問題を誰にも言わずに一人で我慢し続ける傾向があります。

声をかけることで、苦しんでいる人が心を開くきっかけを作り、誰にも言わずに一人で抱え込んでいる問題を話せるようにしようというのが「Are you OK?」の運動ですが、「The Man Cave」という名前の団体が行っているのは、若い男性の自殺の要因にもなっている有害な「男らしさ」というステレオタイプ(固定観念)を変えようということなんです。

私達女性は、「女のくせに」と差別を受けることがよくあります。男性と平等な機会を与えられなかったり、不当な扱いを受けたりします。だから、少女達には差別に立ち向かい、問題意識を持って世の中を変えていくために声を上げ、行動していくことの大切さを教えます。

一方、男性達には「男らしさ」という社会のステレオタイプによるプレッシャーが存在するのですよね。男はこうするべき、こうあるべきという「男らしさ」を教えられて育つ少年達は、教えられた「男らしさ」というものによって苦しむことが少なくないのです。

メンタルヘルスについて話す時、この「男らしさ」というのが問題になるんですけど、「The Man Cave」の活動は、大人になる前の少年達がまだ若いうちに介入して有害な「男らしさ」という固定観念を変え、自殺や家庭内暴力につながる不安やうつ病を減らそうということだそうです。

少年達が、健全な人間関係を築き、自分の可能性を最大限に発揮して、地域社会で前向きな行動を起こせる大人の男になるために必要な態度、信念、行動を身につけさせることが活動の目的だそうです。

少年達に「良い男とは何か」「本当の男とは何か」と尋ねると、彼等は「良い男とは、敬意を持ち、正直で、勤勉で、親切な人」であると答えます。 しかし、実際には「本当の感情を隠し、弱みを見せないように強気でいて、同性愛者であってはならず、女の子みたいではいけない」のです。

よく聞きますよねえ?「男のくせに泣くな」とか「男なんだから我慢しろ」とかね。少年達は、男は強くなければいけないと教えられて育つのですよ。女性のように感情を表したり、助けを求めたりしてはいけないと。そして、経済力と権力、地位、影響力がある男が価値がある男であると。

この有害なステレオタイプのせいで、男性達は心に抱えている問題を誰にも言わずに一人で我慢し続ける傾向があるのです。これが若い男性達の最大の死因が自殺であることと関係しています。

ハイスクールの年齢の10代は、人間関係の悩みや将来への不安、両親の不和や暴力といった家庭の事情や、性自認や性指向に関わる悩みなど、多くの不安や苦しみを抱えているものです。親から期待されることと自分自身がやりたいと思うことが違う場合の葛藤などで苦しむ少年達もいるでしょう。

そうした不安や苦しみを抱えている少年達が、自分の「男らしさ」を証明しようとする時に、他者への攻撃や危険な行動をとることがあります。

激しい怒りを持っている少年達の、その怒りの下にあるのは悲しみだったり不安だったり苦しみだったりするのですけど、自分の激しい感情とどう向き合っていくべきか。そういうことも「The Man Cave」は教えているわけです。

オーストラリアでは、家庭内暴力の問題は深刻です。毎週1人の割合で女性が男の手によって命を落としているそうですが、ほとんどの場合、その相手は女性達の夫やパートナー、恋人なのですよ。

こうした暴力を無くすためには、男性への教育が不可欠なわけですけど、「The Man Cave」はこの問題にも取り組んでいるそうです。


私が読んだ新聞記事というのは、あるハイスクールの8年生(日本の中学2年に相当)を対象としたワークショップについての話でした。どのようなアクティビティーをしたのか、セミナーでどんなことを教えたのか、詳しいことは分かりませんけど、心を開くというセッションで、ある一つの質問が少年達を変えたという話でした。

その質問というのは、

「How is your life really going?」(あなたの人生は本当にうまく行っていますか?)

しばらく沈黙が続いた後で、勇気のある一人の少年が家庭の問題で苦しんでいることを打ち明けたのだそうです。それを話しながら少年は泣きました。少年の隣りに座っていた2人の友達がすぐに彼の肩や背中に腕を回したそうです。

その少年が心を開いて打ち明けたのがきっかけとなり、他の少年達が次々に悩みや苦しんでいることを打ち明けたそうです。そこにいた8年生の少年達全員が涙を流したそうです。

何ヶ月も、あるいは何年間も一人で苦しみ続けていたことを、この時初めて解き放つことが出来た少年達も多かったのです。

一人で苦しみを抱え込まなくてもいいんです。ツラいことや苦しいことは話を聞いてくれる誰かに話せばそれだけでラクになることもあるし、解決の方法が見つかるかもしれません。

誰だって、泣きたいほどツラい時は泣けばいいんだし、涙を流すことは弱さでもなんでもないんです。困っている時には相談できる人がいます。学校にはそうした相談ができるカウンセラーがいるはずですが、電話相談という方法もあります。

「The Man Cave」のワークショップに参加した少年達の多くが、人生を変えるような経験だったと言っているそうです。

この団体の活動に注目して行きたいと思います。


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2023年9月23日

津波のように押し寄せる悪い思い出

ドバイ在住の義妹(うちの夫の妹)と彼女の英国人パートナーが、2ヶ月ほど前からオーストラリアを旅行していました。

もちろんずっと旅行していたわけではなくて、旅行していない時は義母の家に滞在していましたから、家族と一緒に過ごすこともあったんですけど。

私達の家で一緒に焼肉をしようという話が度々出ていたのに、出来ていませんでした。

2人が月曜日にドバイに帰ることになったので、最後のチャンスということで、昨日の夜に焼肉をすることになっていました。

焼肉はタレさえ作っておけば、後は材料を切って準備するだけですから私には簡単です。デザートは、現在旬で安くなっているイチゴを使ってショートケーキを作ることにして、後は和食のおつまみを作ることにしていました。

午前中に買い物を終えて家に帰り、ケーキ作りを始めた頃、ある些細なことがきっかけで私はメンタルがおかしくなってしまいました。

詳しいことは書きませんけど、私のこれまでの人生で起きたつらかったこと、苦しかったこと、無理して頑張るしかなかったこと、いろいろな悪い思い出が津波のように押し寄せて来たのです。

トラウマ体験があって心の病気になったことがある方ならお分かりでしょうが、元気になった後でも何かをきっかけに突然メンタルのバランスを失ってつらい状況に陥ってしまうことがあります。

私は涙が止まらなくなって、ベッドに潜り込むしかありませんでした。

義妹とパートナーは、ずいぶん早くやって来ました。その時、私はまだベッドで泣いていました。顔を合わす元気も出ず、息子が対応しました。

とても焼肉の準備など出来ないと思いました。スポンジケーキは焼き上がったのをオーブンから出してそのままでした。デコレーションなどする元気もありませんでした。

でもね、2時間ほど寝ているうちに気持ちは落ち着いたんです。

義妹達は、敷地内の掃除をしていたのでまだ家にいました。うちの夫が仕事から帰って来たら、どこかに食事に行くとのことでした。

このまま義妹達とサヨナラしてしまったら後悔すると思ったので、起きて焼肉の準備をしました。おつまみを作る時間はなかったけど、ご飯を炊いて、ショートケーキのデコレーションもしました。

頑張って良かったです。

焼肉の準備を始めた頃はまだ気持ちが落ち込んでいましたけど、とても楽しい夜になったので、私は落ち込みから回復できたのです。

義妹のパートナーは、焼肉は生まれて初めての経験だったようです。焼肉のタレが美味しいと言って、タレにご飯を混ぜて食べていましたよ。

買ったタレではありません。私の母がいつも作っていた我が家のタレです。お肉は奮発して良い肉を買って来ていたのですが、美味しい肉でしたから皆んなが満足していました。野菜も山ほど準備しておいたのに全部なくなりました。

義妹のパートナーは、甘いものが好きではなくて、レストランなどではいつもデザートは食べないのだそうですけど、イチゴのショートケーキは2切れ食べましたよ。

20cmのケーキ型で作ったクリームもイチゴもたっぷりのケーキでしたが、そのケーキの4分の1を食べたことになるんですから、作った私は嬉しかったです。


義妹のパートナーは、とても感じの良い人です。義妹は40代半ば、パートナーは50歳なんですけど、そういう年齢で良い相手にめぐり逢った2人は幸運でした。

いつかまたオーストラリアに来ることがあれば会うこともあるでしょうが、それがいつになるか分からないんですから、私は頑張って良かったです。

これで後悔することもありません。

それにしても、一度壊れた心というのはもろいものですね。本当に些細な出来事が悪い記憶をよみがえらせて、せっかく治った心を一気に壊しにかかるのですから。

一晩で回復できたのは、義妹達を含めた家族と心が和む時間が持てたおかげです。その場に緊張や不安を生むような人が誰もいなかったことも助かりました。


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2023年7月14日

他人を思いやる優しい社会

昨日のような記事は、読んで下さる方へのメッセージという意味もありますけど、自分のために書いているというのもあります。書くことで心を落ち着けるのですよ。

一昨日お亡くなりになったryuchellさんのことは、私はよく知りませんでした。最後に日本に行ったのが17年も前のことですからね、日本のタレントさんのことはよく知りません。ただ、日本のニュースは毎日インターネットで見ますので、ニュースに書かれていたことは知っていました。

ryuchellさんは、クィア(Queer)だったんですね。クィアとは、既存の男女というカテゴリに当てはまらないすべての性的マイノリティを包括する表現で、LGBTQIA+などと表現される人々の総称です。

クィアの皆さんにとって、日本という社会は生きづらいだろうと思いますけど、心配した通りryuchellさんはいろいろ苦労されている様子でした。お亡くなりになったと聞いて、私は自分が思っている以上にショックを受けていたようです。

昨日は具合が悪くなりかけましてね、なんだか体調がすぐれないのでどうしたのかなあと思っていたら、具合の悪さが不安発作に似ていることに気づいたんです。心臓がバクバクするような感じとか、身体に力が入らない感じとか。

ryuchellさんのニュースでしんどくなっているのだと思いましたから、掃除をしたり薪運びをしたりと昨日は身体を動かしたんですけど。身体を動かすのも心を落ち着けるための一つの方法です。

度々このブログで話題にしていますが、うちの娘は同性愛者ですからクィアなんです。うちの娘は、自分で認識している性は女ですから性自認についての苦労は無かったのですが、性的指向(好きになる性)が同性の女ということで、そのことに気づいた小学校の高学年くらいからハイスクールを卒業するくらいまでは大変苦しみました。

そのことだけが原因ではありませんけど、抜毛症に始まって拒食症やパニック発作など不安障害の様々な症状に苦しみ続けたんですよ。一時期は自傷がひどかったし、家から出られなくなっていた時期もありました。

私も娘と一緒に苦しみましたからね、ryuchellさんのような方がご苦労されている様子を見聞きすると他人事ではなかったんです。

日本で性的マイノリティへの偏見や差別がいかに根強いかが分かるニュースを聞いて、うちの娘が「ああ日本で大きくならなくて良かった!ずっと日本にいたら私はもう死んでるわ!」と叫んだことは「日本で大きくならなくて良かった」という記事に書きましたけど。

つい先日は、日本の最高裁判所がトランスジェンダー女性の女性用トイレの使用制限を認めた国の対応が違法だとする判決を言い渡したというニュースに驚きましたよ。

日本ではトランスジェンダー女性は女性用トイレが使えないんですか?トランスジェンダーの皆さんは、偏見や無理解だけでなくトイレの使用でも差別されているわけですか?それってひどいじゃあないの!

私が知っている日本は、

もっと他人を思いやる優しい国のはず!

誰に優しくしてあげるか、対象は選んで差別するということですか…

私はね、大多数の日本人は多様性を受け入れて差別をしない良心のある人達だと信じていますよ。他人を思いやり、困っている人がいれば助ける人達のはずだと思っています。

自分さえ良ければそれでいいと沈黙する人達ではないと、悪いことや人として間違っていることには立ち向かえる人達だと信じたいです。


それでも、私は自分の娘が日本ではなくメルボルンで育ったことを良かったと思わざるを得ません。

平等な権利が法律で認められていること、あらゆる差別をなくす取り組みが進んでいること、市民や学生の政治活動が活発なこと、だからこそ変化を起こせていること、理由はいろいろありますけど。

一番の理由は、うちの娘がクィアであることによって不利益を被ったり差別されて苦しむことは無いと思えるからです。

差別をなくすためには差別を禁止する法律が必要なように、人を言葉で攻撃して傷つける行為を止めさせるには法律が必要だと私は思います。例えば、投稿者の身元を特定することをもっと容易にするとか、身元を隠した匿名では利用出来なくするとか。

あとね、SNSは便利なツールですけど、SNSでつらくなっている方はSNSをやめた方がいいですよ。SNSなんて無かった頃も私達は不便もなく暮らせていたんですから、やめてしまっても心配は無いです。

何事も我慢して無理に続ける必要はありません。メンタルが不安定になっているならなおさらです。


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2023年7月13日

みんな違ってあたりまえ

男はこうあるべきとか女はこうあるべきとか、

夫婦というのはこうあるべきとか家族というのはこうあるべきとか、

そういう偏見は、

もういい加減やめましょうよ!

人はみんな違うんです。

世の中にはいろんな人がいて、みんな違ってあたりまえなんですから、いろいろな生き方があるんです。それぞれ事情も違うんですから、夫婦にもいろんな夫婦の形があるし、家族の形もいろいろです。

当事者が幸せなら他人がとやかくいうことではありません。

他人を自分の価値観で判断して、ああだこうだと批判するのはもうやめましょうよ。

アナタの価値観から外れるタイプの人達が幸せそうだと悔しいですか?平等な権利を認められて活躍しているのを見ると気に食わないですか?それで批判せずにいられないのですか?

アナタはそういう価値観を親から教育されて育ったのかもしれませんね。

いじめをする人や差別をする人というのは、不幸な育てられ方をしている場合が多いですから、アナタもツラい経験をされているのかもしれません。

人の多様性を知らないアナタは、視野を広げて世の中をもっと知る努力をする必要があると私は思いますけど、アナタは強い偏見を持ってしまっているのかもしれません。

そうだとすればお気の毒です。でも、そういうのはアナタ次第で変えることが出来ますよ。人の多様性を受け入れることができるようになれば、あなたの世界は広がります。

出来ないのなら、とにかくああだこうだと他人を批判して傷つけるのはやめて下さい。

心配する必要はありません。あなたが批判の目を向けているような人達が自由に生き生きと生きて行けるように社会が変わっても、アナタの狭い世界はこれからも同じように続いて行きますから。


人はみんな違うのがあたりまえなんだということを受け入れられるアナタは、違いを受け入れるだけではなくて、もっとできることがありますよ。

違いを受け入れずに批判して人を傷つけている人達に対して、行動を起こすことです。

「みんな違ってあたりまえだ」と教えてあげることは簡単ですよ。そして傷つけられている人達に対して「自分はアナタの味方ですよ」と知らせてあげることも簡単なことです。

味方が1人いると知るだけで救われる人もいますから、アナタの一言が誰かの命を救うかもしれません。

行動を起こすと、人を批判して傷つけている人達の攻撃がアナタにも向かって来るかもしれませんが、アナタには仲間がいるんだし、どうか強くなって下さい。

傷つけられて苦しいアナタは、とにかく一人で苦しんでいないで誰かに話して下さい。話せる人がいないなら、話を聞いてくれるサービスに電話をしたりメールを書いてみたらどうでしょうか。

たとえアナタを産んで育ててくれた親でも、アナタを傷つけて苦しめている親なら育ててもらった恩など感じる必要は全くありません。早く家を離れて自由になれる道を探して下さい。

友達だと思っている人がありのままのアナタを受け入れてくれないなら、一緒にいても苦しいでしょう?そんな人は友達ではありませんからもう付き合うのはやめなさい。

アナタを理解してくれる人が必ずいますからね、自分が自分らしくいられる場所で理解してくれる人と生きて行けばいいじゃあないですか。

困っていることがあったら誰かに話すことです。苦しかったら助けてもらうことが大事です。

助けられて強くなったアナタが、いつか誰かの話を聞いてあげたり助けてあげられる人になるかもしれませんよ。


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2023年6月26日

話を聞いてもらうとラクになる

一昨日、怒りやフラストレーションを大爆発させたうちの夫のせいでメンタルが不安定になっていた私ですが、もちろん一番ツラかったのは夫でしょうけど、今日は夫も私も落ち着いています。

それは娘のおかげだと思っています。

娘が土曜日に家に帰って来たのですよ。現在、大学院で心理カウンセラーになるための勉強とトレーニングをしている娘は、話を聞くのが上手いのです。まあその勉強をしているんですから、上手くて当たり前ですけど。

うちの夫は、娘に気持ちを吐き出すことでかなり落ち着いたようでした。私には詳しいことを教えてくれていなかったけど、仕事でいろいろあったようです。

店舗に勤めているといろいろな問題に直面します。優秀なスタッフが次々に辞めて行くことも問題の一つで、会社の組織のあり方とか運営のやり方に問題があるわけなんですけど、うちの夫は問題解決のためにプライベートな時間を使ってプロジェクトに取り組んだりするのです。

以前勤めていた店舗で同僚だったTさん(頭に皮膚がんが出来た人)とは会社の改革に取り組んだりしましたが、あの提案は会社の上の人から全く相手にされず、努力は水の泡となりました。

最近は「近頃話題の ChatGPT と人工知能」という記事に書いたようなプロジェクトに取り組んでいたんですけど、そのプロジェクトは私が聞いても理にかなっていて会社にとっては利益になることだと思ったんですが、これについても上の人から「こういうのはあなたの仕事ではない」「あなたは店でセールスをやっていればいいんだ」と言われたんですって。

求められる仕事以上の努力をしても認められない会社なんですよ。そして問題は解決されない。だから、やる気のある優秀な人達は次々に辞めて行くのです。

こういうフラストレーションを感じている中、頼りにしていたスタッフが3人も辞めることになったそうです。どの人も、もっとやりがいのある仕事を見つけたのです。

うちの夫は、こんな会社のツールショップで働くにはもったいない知識や才能があると私は思っていますけど、双極性障害で感情が不安定になることがありますし、目が見えなくなっていること、車の運転ができなくなったことなどから、辞めたくても辞められないのですって。

本当に気の毒なんですけど、我慢して働き続けてくれていることには感謝していますよ。

とにかく、こういう心の中に抱え込んでいたフラストレーションや苦しみをうちの娘に話したことで、気持ちが少しラクになったようです。

そして昨日、娘は私を誘ってカフェに連れて行ってくれました。パンを焼いているベーカリーのカフェです。コーヒーを飲みながらたくさん話をしました。


そして、私も夫のせいで抱え込んでいた苦しさやツラさを吐き出したら気持ちがラクになりました。

私はね、娘が小学生の頃からあらゆる不満や不安を娘に聞いてもらっていたんです。そのせいでうちの娘は心の病気になりましたから、娘にはあまり話さないようにしていたんですけど。

今はもう大丈夫だから何でも話して良いと言ってくれましたので、昨日は話したんですよ。そうしたら、本当に気持ちがラクになったのです。


どうして、誰かに話を聞いてもらうと気持ちがラクになるのでしょうね。

不思議ですけど、話すことに心理的な効果があることは事実です。誰かに話を聞いてもらうだけで、あるいは話を聞いてもらえる人がいると思うだけでも、心が軽くなったりしますよね。

寂しさ、苦しみ、不安、悲しみといったネガティブな感情と結びついている出来事の記憶を言葉にして吐き出すことで、脳の中での記憶や感情のつながり方が変わるんですね。記憶そのものが薄れるようにも私は感じます。

私が思うもう一つの大きな効果は「気づき」の効果です。言葉にして話す過程で、気づいていなかったことに気づけたりします。自分が抱えている感情や考えの理解が深まることで、心の中が整理されるのですよ。

昨日は、娘と話をしながら、引越しのこととか今後のことについてもっと冷静に判断できるようになりました。不満に思っていたことやイライラしていたことが整理されたんです。

そして、話しながら娘と一緒に強く再認識したのは、うちの夫がどれだけいろいろと不運だったかということでした。

あまりにもプライベートなことなので、このブログでも一度も記事に書いていませんが、あの人は幼い頃にトラウマになる経験をしているんです。

そのためにパニック障害で長年苦しみましたし、パニック障害から回復した後は、今から思えば双極性障害のエピソードが始まるんですけど、当時は誰も分かっていませんでした。

心理カウンセラーになろうとしている娘のおかげで、夫も私も助けられています。「出来ないことが増えるたびに自分の世界が小さくなる」とツラくなっている夫には、現実を受け入れてもっと肯定的に物事を考えるようにするための心理療法が役に立つかもしれないと言っていました。

ちなみに、話を聞いてもらえる人がいない方は、書くといいんですよ。私は長年ずっと話せる人がいませんでした。だから娘に話していたわけですけど。話せる人がいない場合は、書くといいとどこかで読んだので書いてみたら明らかに効果があったんです。

作文のように文章の構成だとかそんなことは気にしなくていいです。ただ書くだけでいいんです。私はブログに書くことでも助けられて来たと思っています。

書く時にも頭の中で言葉にしながら処理しているわけですからね、誰かに話すのと同様の効果があるのですよ。書いたのを声に出して読むというのも効果があると、私は経験から思います。

書いて気がすんだら捨てるのもいいですよ。手書きの方がより効果があるとどこかで読んだ覚えがありますけど、私はコンピューターで書いています。手で書くと手が痛くなるからという単純な理由からです。自分にとって楽な方法で書けばいいです。

誰にも言えないような出来事の記憶がある方は、きっと様々なネガティブな感情と結びついて苦しめ続けている記憶だと思いますけど、ただ書き出すだけで頭の中に変化を感じると思います。

何度か同じことを書いているうちに、他人事のように感じられるようになって来るのですよ。忘れてしまうことは無いですが、同じことを思い出しても感じ方に変化が生まれるのです。

肝心なのは、一人で心の中に抱え込まないで外に解放することですからね。


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2023年5月29日

気分の落ち込みと回復

やっぱりお天気の影響もありますよねえ、気分が落ち込む時って。

昨日は、どんより暗くて一日中冷たい雨が降っていました。最近お天気が悪いんです。ラニーニャが終わってエルニーニョが始まったと聞いたのに、なんでこんなに雨ばっかり降るの?

家の中は超寒いし私は風邪気味だし、気分も落ち込みやすいわけですが。

長いこと忘れていた「うつの泥沼」に足を取られそうな感じが昨日は蘇って来ましてね、「これはやばい」と思いました。

そういう時には気分転換に何か楽しいことをすればいいんでしょうが、風邪気味だから外出はしたくないし、そういう気分になると何もしたくなくなるものです。

気分が落ち込んだ理由は、昨日の朝、うちの夫を勤めているツールショップに送って行く時に義妹(夫の妹)の話を聞いたからです。

朝の5時頃でしたが、夫が義妹と電話で話しているのが聞こえたんですよ。てっきり家を売るか売らないかという話をしていると思ったんですが、そういう話題は出なかったそうです。

売らないのなら売らないとはっきりして欲しいから義妹に聞いてくれと頼んでいるんですけど、話題にならなかったということは今は家を売るつもりは無いということでしょう。

家の話ではなくて、義妹のこれからの予定などが話題になったそうです。

義妹はドバイに住んでいるんですけどね、仕事でもいろいろな国に行っていましたが、旅行が趣味なので世界中行っていない国がほとんど無いほど世界中を旅行しています。

南極クルーズ旅行もしているんですよ。本当に地球のありとあらゆる場所に行っているんです。

私が若い頃に夢見ていたことを実現している人なんですけど、それが出来るだけの経済力があるし、独身ですから好きなことが出来るのです。

昨年の11月には、うちの夫を招待してカリブ海の島バルバドスに行きましたが、その後はエチオピア旅行をして、再びカリブ海の島ケイマン諸島に行っています。

5月に仕事を辞めてリタイア生活になってからは旅行に拍車がかかり、ドバイのアパートにいる時間よりも旅行に出ている方が多い暮らしです。

イングランドに行ってからドバイに戻り、その後ヨーロッパのどこだったかに行きました。その後スコットランドを旅行して、今またドバイに帰ったところだそうです。

近いうちにポーランドに行き、その後スペインで夏休みを過ごす義弟(夫の弟)家族と合流した後でポルトガルへ行き、それから8月に従姉妹の結婚式のためにオーストラリアに帰って来るそうです。

そういう話を聞いて、私は義妹が羨ましくてたまらなくなったんです。

私には旅行をする経済力がありません。毎日家の片付けをして不用品をわずかなお金のために売ったりしています。これも引っ越しという一つの変化のためでしたが、どうやらそれも無くなったようだし。

ワクワクするような楽しいことなど何もない退屈な暮らしですよ。そんな自分が惨めになってしまってね。

私の残りの人生は、きっとずっとこういう退屈な暮らしなんだろうな。経済力が無いんだから旅行なんて夢なんだし。

ずっとこの家にいて、どこにも行けないんだろう。夫の目が見えなくなれば、私は夫の運転手をしないといけないし、夫の世話をしなくてはいけないから、自由は無くなる。

そういう事を考えたせいで、もしもうつ病になっていなかったら、仕事を辞めていなかったら、夫と結婚したり子供を産んだりしていなかったら、

もっと面白い人生を生きて来れたかもしれないのに…

とか考えてしまったのですよ。


他人を羨ましがってもしようがないですね。

現在の自分のあり様は、全てこれまでに自分が選択し決定したことの結果です。そして、これから先の自分のあり様も、自分が選択し決定することによって決まります。

誰かが何か楽しいことを与えてくれるのを待っていても楽しいことは起きませんから、起きて欲しいことは自分で起こさないといけません。

いつだったかどこかでそういうのを読んだんですけどね、それを思い出したら気分の落ち込みは消えました。

誰にでも、今もし死んだら「あれがやりたかったなあ」と後悔すると思うことがありますよねえ。

やりたいことが分かっているなら、やりたいことが出来ないと不満に思うんじゃあなくて、今やりたいことをするべきなのです。

それが出来ない理由があるのなら、やりたいことをするために必要な選択と決断を自分でして行くしかないのです。誰かがやらせてくれるのを待っているんじゃなくて。

最近、私は毎日毎日家にいて片付けをやっているのでウンザリして来ているわけですが、とりあえず片付けは中止です。家の中がダンボール箱で大散らかりですが、これを不満に思うことも止めます。そんなに重要なことではありません。

どこにも出かけないことに不満を感じていましたが、うちの夫はもう車の運転ができないんですからね、夫と一緒にどこかに出かけたかったら私が運転するしかないんです。

だから、私の方から提案して、私が運転して出かければいいのですよ。運転するのは好きではないけど、それが私がするべき選択ですよね。

夫の運転手になって夫の世話をしないといけないから、もう自分には自由がないというのも間違った考え方です。私にはいつだって自由があるんです。

要は選択の問題なんです。

ということで、気分の落ち込みからはあっけなく回復しました。

さあ今日は月曜日、いろいろしなくちゃあいけないことがあります。まだ風邪気味ですが、頑張ります。


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2022年12月6日

メンタル回復とパラノイア的思考

ワールドカップの日本代表、残念でしたね。

クロアチア戦のキックオフがメルボルンでは夜中の2時でしたから、観戦する体力などございませんのでね、3時頃に目が覚めた時に試合経過をチェックしたら1点先制してリードしていたんですけど、次に起きた時にはPK戦で負けていました。

残念でしたけど、日本代表にはわくわくするサッカーを見せてもらいました。新世代の選手達の今後に期待します。

さて、

メンタルが落ちていた件なんですけど。

先日、フェイスブックでシェアした私のレシピ記事の英語の些細なミスをからかわれたことに端を発する出来事のせいで、落ち込んでいたんですが。

抗うつ薬を飲んでいた頃の私だったら、何かのきっかけで一旦落ち始めると坂を転げ落ちるように悪化してうつの溝(どぶ)にはまり込んだりしていたので、今頃は寝込んでいたかもしれません。

でも、私はやはり良くなったみたいです。

だって、たったの3日でほぼ回復したんですもの。

涙が出て、何もやる気が無くなって、一日だけですけどゴロゴロ寝ていた自分が「バカみたい!」と感じます。そういう状態になったこと自体が信じられない気分です。

私のレシピを紹介するフェイスブックのページをフォローしてくださっている3千人のうちの、たったの4人ですよ。英語のミスをからかったり笑ったりしたのは。

それも実に些細なミスでした。

私の英語を添削して送って来た人もね、悪気は無かったんだろうと思いますし、はっきり言ってその人はちょっと常識はずれ。

貴方ね、もしもどこかで日本人じゃあない人が書いた日本語がちょっとヘンテコなのを読んでね、それを添削して送ってあげようとか思います?普通しませんよ。

他にも英語が間違っている記事があるのでスクリーンショットを送ってあげましょうかとか言って来た人も、同類です。

はっきり言って、その二人は普通じゃない感覚の持ち主ですよ。そういう人達の言動で私がクヨクヨするのも馬鹿みたいな話だなって思いました。

ということで、今ではもうどうでもいいわと思っています。


メンタルが何らかの原因で弱ることは誰にでもあることですが、私はもともと不安が強い体質なので、メンタルが弱って来るとパラノイア的な思考が強くなる傾向があります。

不安が強い体質なのには理由があるのですよ。くり返し精神的に傷つく経験をしたことが原因です。そりゃあまあ生まれ持った性格というのもあるでしょうけど、育つ環境の影響は大きいです。

私は幼い頃に強い不安を感じる環境で育っているんですが、そのために負の要素に対して非常に敏感なのです。

何ごとも一生懸命頑張る子供でしたけど、失敗することや負けることに常に不安を感じていましたしね、頑張っているがゆえに他人からの批判や侮辱などには激しく動揺する子供でした。

挫折も失敗もいろいろ経験して、オーストラリアに来てから理不尽な人種差別を何度も経験したことで、パラノイア的な思考がさらに強くなりました。

アジア人というだけの理由で、バカにされたり見下されたり、不当な扱いを受けても、それに対抗するメンタルの強さが無いんですからね、どんどん萎縮して行ったんですよ。

外出時には、必ずマシな服を着て少しはメイクをしてからでないとスーパーに行くのも怖かったりしたものです。

繰り返し精神的に傷つく経験をしたこと、要するにトラウマのせいで、良くないことが起きるんじゃあないかという強い不安を感じるパラノイア的な思考にとらわれるようになったわけです。

最近はトラウマと結びつくような状況を避けて暮らしていますが、3年前からは抗うつ薬のお世話にもならずに暮らせているのですけど、本当にもうね、しょうもない些細なことがきっかけで突然メンタルがおかしくなることが今でもあるのですよ。

脳みそというのは複雑ですね。脳みそのどこに何がどう作用するのか分かりませんが、いきなり心臓に何かがグサリと刺さるような感覚に襲われたりするんです。

大変苦しくつらいのですけど、今回は短時間で回復できたので本当に良かったです。

このブログを読んで励ましてくださった匿名さん、ありがとうね。


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2022年6月3日

新型コロナ感染で嬉しい理由

誰にでも普通以上に元気が出てやる気がみなぎる時や、気分が沈む時はあるものですが、気分が沈んだ状態が長引く人の中には、気分の変動を周期的に繰り返す双極性障害という病気である場合があります。

かつて「躁うつ病」と呼ばれていたことから分かるように、「躁状態」と「うつ状態」が数ヶ月から年単位で繰り返し、その間には「躁」でも「鬱」でも無い普通の期間があったりします。

「躁状態」の時には、周囲の人々とトラブルになることが多く、家族や友人との関係、仕事での人間関係を破綻させたりすることも多いのですが、「躁状態」が軽度であまり目立たず、治療も必要でない場合があります。

むしろ元気があって前向きで気分が高揚している「軽躁状態」が、その人の性格だと思われることも多いのですけど、このような「軽躁状態」と「うつ状態」を繰り返すのが双極性障害の2型です。

「軽躁状態」に関しては特に問題がなくても、「うつ状態」の再発をくり返しますから社会生活に大きな影響がありますし、家族もしんどいです。

うちの夫はこの双極性障害の2型なのですよ。ここ数年は安定していていますが、いずれ「うつ状態」が来ることに対して心構えをしておかなくてはいけません。

先日から明らかに元気がありませんでしたので、「うつ状態」が始まるのを私は心配していました。前回「うつ状態」が数ヶ月も長引いた時には、仕事を辞めてしまいましたし。

火曜日と水曜日を休んだ後、昨日の朝は自転車で出勤しました。しかし、途中で仕事に行くのは無理だと感じたのだそうで、迎えに来て欲しいと連絡して来ました。

すぐに迎えに行って、家に連れて帰った後、夫はずっと寝ていました。うちの夫の「うつ状態」の時の顕著な症状が「眠り過ぎること」です。「うつ状態」になると眠れなくなる人が多いですけど、うちの夫は逆なのです。

午後3時頃になってやっと起きて来ました。

「どう?少しは気分が良くなった?」
「最悪…」
「そうなの…」
「これはもう新型コロナだと思う」
「え?」
「頭が痛い、熱が出てる、喉が痛い、咳が出る、身体がだるい」
「え?」
「RATテスト(簡易抗体検査)をしてみます」
「え?」

そう言うと、夫は先日友人のエクリーさんと一緒にビールを飲んだ後にエクリーさんが感染していたことが分かった時に1箱買って来ていた抗体検査をやってみました。

あっという間にクッキリと2本の線が出て、

はい、陽性です!

なんだあ、元気がなかったのは新型コロナのせいだったのか?

「うつ状態」が始まったかと思って心配したわよ。

良かったわあ!

夫が新型コロナに感染していたと分かって、こんなに嬉しいとは。

新型コロナはね、ワクチン3回接種済みですから重症化はしないと思いますから。実際、普通の風邪のちょっとひどいのっていう感じです。


月曜日に、勤めているツールショップで2人のスタッフ(その2人は兄弟)の感染が分かったんですって。その2人は、家族に感染した人がいたのですが、現在は家族が感染した場合でも簡易抗体検査で陰性なら通常通りに出勤できます。

ところが、仕事に来てから体調が今一つなので、抗体検査をしてみたら2人とも陽性だったのです。すぐに家に帰ったそうですけど、うちの夫はその2人と一緒に仕事をしていたわけですから、感染していても不思議はないということでして。

ということは、私も感染している可能性があります。

今のところ症状はありませんが、夫には近づかないようにしています。手遅れかもしれませんけどね。

それにしても、夫は仕事が休みだった火曜日と水曜日は、いろいろ出かけているんですよ。GP(一般開業医)のクリニックに行ったし、目の検査にも行ったし、床屋にも行っています。スーパーにも行っています。

床屋ではマスクをしていなかったんですからね、感染させた人がいるでしょうね。


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2022年4月4日

どうしてそんなことができないんだ?

自分にとって当たり前にできることができない人がいます。

あなたの身近にそういう人がいらっしゃったら、「どうしてそんなことができないんだ!」と思うのではなくて「どういう事情があるのかな?」と考えて接することができると、その人には助けになるかもしれませんよ。

昨日、娘をメルボルンのアパートまで車で送って行きました。勤めている心理クリニックに頼まれたとかで、クリニック内に置く鉢植えや前庭に植える花や木や土をたくさん買ったので、電車で帰ることができなくなりましてね。

誰かが送って行かなくてはいけなくなったんですけど、誰かと言っても、うちの夫は視力の問題で車の運転はできませんし、息子は痔の手術後でまだ長時間座っていることができませんので、私が行くしか無いのでした。

メルボルンは人でいっぱいでした。

カフェやレストランが並ぶ通りは特に大勢の人で賑わっていました。新型コロナの規制で一時はゴーストタウンのようになっていましたけどね。

車も多くて道路は混雑していましたし、市内のあちこちで工事をしていて道路が通行止めになっていたりしましたが、回り道をしながら娘が勤めるクリニックに寄って荷物を降ろしてから、アパートまで送って行きました。

そして、運転しながら思ったんです。

こんな混雑したメルボルン中心部を車で運転するなんて、以前の私には考えられないことだったなあと。

不安がひどくなったのは娘がまだ幼かった頃ですが、いろいろなことができなくなりました。最も困難だったのは電話でした。電話が鳴ると怖くて心臓がバクバクしてしまい電話に出られなくなりました。

そして、車の運転も、道をよく知っている家とスーパーの間くらいしか運転できなくなりました。スーパーに買い物に行くのも苦しかった時期がありました。

昨日混雑したメルボルン市内を運転しながら、自分でも「なぜこんなことができなかったのだろうか」と不思議でしたけど、できなかった頃は怖くて怖くてどうしようもなかったんです。

うちの娘が具合が悪かった頃は、家から外に出られませんでしたし、バスや電車に乗ることが困難でした。大学に通えるようになるために何ヶ月もかけてバスや電車に乗る練習をしました。

「電話に出ること」や「バスや電車に乗ること」が問題なくできる人は「どうしてそんなことができないんだ?」と不思議でしょうね。でも、できない人がいるんですよ。

歩くこととか、立っていることとか、息を吸うこととか、誰でも当たり前にできると思うようなことが簡単ではない人もいます。

周囲の人に思いやりを持ちたいものです。


ところで、

現在うちの娘は引越し先のアパートを探しているのですが、車からいろいろなアパートを見ながらアパート探しの話になった時に、娘は高層アパートには住めないと言いました。高所恐怖症だというのも理由だそうですが、自殺衝動が起きた時に飛び降りてしまいそうで怖いからだと言いました。

ハイスクールの頃には自傷行為がひどかったのですけど、パニック障害を克服し、不安の発作も起きなくなり、元気になったのかと思っていましたけど、双極性障害のうちの夫のように気分の浮き沈みがあるようで、気持ちが沈んだ時に自殺を考えてしまうことがあるんだそうですよ。

それを聞いて、お母さんはびっくりしました。

とにかく、自殺を考えてしまった時に簡単に飛び降りれるような高い所にあるアパートには住まないようにすると言いましたから、ホッとしましたけどね。

娘も夫も、メンタルの状態を安定させるための薬は今も服用し続けています。

私が15年間も服用した抗うつ薬をやめたのは、2019年の終わり頃です。やめてから2年以上になりますが、この間、不安を引き起こすようなことをできるだけ避けて暮らして来ましたけど、電話には出られるようになりました。

運転の不安も徐々に解消して、夫が車の運転ができなくなってからは避けていられなくなり、遠くの知らない街まで運転しましたし、トラックも運転できるようになり、そのトラックでトレーラーを牽引して高速道路を走ったりと、以前の私には考えられないようなことをしてきましたけど。

夫の目がどんどん見えなくなって来ていますからね、運転が怖くなくなったのは本当に良かったと思っています。


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2022年2月3日

突然の悲報と家族

英語で「coming for a long time」という表現があります。直訳すれば「長い時間来ていた」という意味です。

「This has been coming for a long time」と言うような使い方をしますが、「いつかはこれが起きると分かっていた」というような意味になります。「This was a long time coming」というような言い方もされます。

前々から発生が見込まれていた出来事がついに起きたという文脈で使われる表現ですけど、発生が見込まれていた出来事なら人々はそれほど驚かないのかもしれませんが、たとえそうだとしても出来事次第では大きな衝撃をもたらします。

例えば、家族の誰かが自殺したという場合です。

先日、夫と私の知人Dさんが亡くなりました。89歳という高齢でした。亡くなられる2週間ほど前に病院に運ばれたという話を聞きました。脳梗塞の疑いがあって救急車を呼んだということでしたが、幸い脳梗塞ではなかったのですぐに退院しました。

そして先週の水曜日の朝、Dさんは普通に起きて来て、奥さんと普通に会話をして、その朝はいつもよりも優しかったと聞きましたが、一人でどこかに車で出かけて行きました。奥さんには何も言わずに。

キーホルダーに付けてある鍵は、置いてあったそうです。後から分かったことですが、彼はキーホルダーから車の鍵だけを外して、黙って出て行ったのです。

奥さんは「あれ、どこかに行ったな」と思っただけで、全く不審に思わなかったそうです。

彼は人気のない場所に車を停めて、排気ガスを車内に引き込んで自殺しました。家族への手紙が残されていて、お葬式についての希望が書いてあったそうです。

Dさんは、何十年も前から不安症を患っていました。症状を悪化させる要因は様々ですが、昨年可愛がっていたネコが死んでからは、気分が落ち込むことが増えていたそうです。

古くなってきた家はいろいろと修理が必要になり、そういうことにも強いストレスを感じていたようです。健康のことが心配だったのかもしれません。

もう人生を終わりにしようと思ったのは何がきっかけだったのか、それは誰にも分かりません。

奥さんにも子供さん達にも、Dさんの自殺は「coming for a long time」だったと聞きましたが、たとえいつかこういうことが起きるかもしれないと分かっていたとしても、実際にこういうことになれば家族は動揺したはずです。

お葬式は近親者だけで行うようにと手紙に書いてあったそうですが、お葬式でやって欲しいリクエストも書いてあったんだそうです。この方はスコットランド移民の子孫であることを誇りに思っておられましたから、お葬式ではバグパイプの演奏もリクエストしていたんだそうで、演奏する曲目も書いてあったとか。

ショックで不安定になっている高齢の奥さんに代わって、子供さん達がお葬式やその後の親族の集まりの食事のことなど手配に忙しかったそうですが、葬儀場はどこも新型コロナのせいでスタッフが足りなくて順番待ちが長くなっているんだそうで、お葬式は来週の水曜日になったそうです。

子供さん達にもいろいろ事情があるようで、他の州に住んでいる方はお葬式に出席しないそうですし、日頃から仲の良くなかった兄弟姉妹間でいさかいが勃発したりと、お葬式を前にすでにいろいろ問題が起きていて、これから財産相続をめぐってどういうことになるのかと、部外者の私達は聞いているだけでしんどくなります。

Dさんが正式な遺言を残しておられたらいいのですがね。


遺言ですけど、ある程度の年齢になったら書くべきものなのでしょうが、私は時々うちの子供達と自分が死んた時のことを話します。

私は、自分が死んだら、まず提供できる臓器があれば提供してもらいます。そして、葬式は不要です。お墓も不要です。将来子供達がどこに住むかも分からないのに、お墓なんて作っても意味がないと思っています。

火葬してもらい、遺灰を2つのきれいな壺か何かに入れて、息子と娘にそれぞれ持っていて欲しいと言ってあります。

将来世界を旅行する機会があれば、いろいろな場所に灰を撒いてくれたらうれしいとも言ってあります。つまり遺灰をずっと手元に置いておく必要はないということです。

子供達に残す遺産など私には無いですし、持ち物も多くはないので片付けに苦労することもないでしょう。唯一頼んでいるのはレシピサイトのことです。何らかの形で残して欲しいと思っています。

ということで、私が死んだら後片付けは簡単ですよ。

でも、うちの夫が死んだら大変です。

夫は葬式をして欲しいと言っています。家族や親戚や友人が集まって自分のことを思い出して語り合ったりして欲しいらしいです。お葬式では、亡くなった人と親しかった人達がユーロジー(Eulogy)という追悼のスピーチをしますが、ああいうのをやって欲しいのです。

そして、遺灰は実家の牧場の丘の上に撒いて、そこに大きくなる木を植えて欲しいそうです。

樹木葬みたいなものです。それもなかなかいいですよね。

お葬式と木を植えること、この2つはそれほど大変なことはないんですけど、夫が死んで大変なのは大量の持ち物の始末ですよ。あの大きなガレージいっぱいの道具やガラクタをどうしろと言うんでしょうかね。

歳をとる前に目が見えなくなることは分かっているんですから、それこそ「coming for a long time」なんですからね、あのゴミ屋敷状態のガレージにあるものを本当に何とかしてもらわないといけません。


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2021年12月29日

猛暑予報とメンタルの不調

天気予報によりますと、我が家の辺りの30日から元旦までの3日間の予想最高気温が、35度、39度、35度ということになっております。

大晦日は39度なんですか…

夜中も気温があまり下がらないようです。25度は下回るらしいから熱帯夜にはならないんですけど、畑の水やりが大変ですよ。娘が植えている野菜や果物の水やりです。

どの野菜も果物もろくに収穫できていませんから、水やりするのも無駄な気がします。枯れたら枯れたで仕方がないと思ったりもしますが、やはり枯らしてしまうことはできません。特に、チェリーや桃やクルミの木はね、枯らすのはもったいないですから、娘に代わってお母さんが水やりするしかないのです。

ところで、

最近ちょっと気分が沈んでいます。

メンタルの状態がおかしくなったのは、TVドラマ「北の国から」がきっかけだと思います。

あのドラマでは、いろいろと心の健康にはヨロシクない出来事が起きますしね。あらすじを読んだり動画を見たりしているうちに、私は自分が子供の頃のしんどかったことをいろいろと思い出して、気持ちが沈みました。

気持ちが沈んでいた時に、娘がベッドフレームを買いに行くのに付き合ったんですけど、他にもいろいろ買ったので、荷物をアパートに持って上がるのを手伝ってから一緒にランチを食べて、別れて家に帰ってくる時にとても寂しくなりました。

私は娘が一人暮らしを始めたことは嬉しく思っていて、寂しいという気持ちは感じていなかったのですけど、初めて寂しさを感じました。

おそらくメンタルの状態がすでにおかしくなっていましたから、脳のバランスが狂っていたんでしょう。「北の国から」の影響もあるかもしれませんよ。

家に帰ったら、娘が散らかしたまま片付けずに行ったものがたくさんあって、文句を言いながら片付けているうちに寂しさは忘れましたけどね。

娘がアパートに泊まりにおいでと誘ってくれたので、いつか泊まりに行こうと思っています。私を連れて行きたいお店がいろいろあるんだそうです。娘のアパートに泊まって街の暮らしを楽しむのも面白そうです。

泊まりに行って大掃除をするはめになるんじゃあないかと言いましたら、お母さんが泊まりに来る前にちゃんと掃除をしておくから心配するなと言いましたよ。

掃除をしないので困っていた娘ですが、アパートのバスルームがきれいになっているのに私は気づきました。どうやら、アパートの掃除は一応しているようです。

それにしても気持ちが沈みがちです。

こういうのは久しぶりなんです。

お正月が近づいて来て、ストレスレベルが上がって来たせいかもしれません。私にとってのお正月は、不安や緊張が高まる時期なんです。

暑くなるというのもストレスですよ。39度ならそれほど緊張しませんけどね、これが45度なんてことになると話が違ってきます。いざという時に備えて準備をしておかなければいけませんから。「いざという時」というのは森林火災が近くで発生した場合のことです。

判断を誤ると死にますからね。

まあ、39度ではそこまでの心配はないでしょうけど、マッチ1本で燃え上がるユーカリの大木に囲まれていますからね、高温になる日には火災のことを考えます。

なんだかとりとめのないことをダラダラと書いてしまいました。メンタルが不調だとこういうことになります。脳みそがちゃんと働いていないのです。

今日は、うちの夫を娘のアパートに連れていかなければいけません。アパートの本来の住人であるJさんの車を動かすためです。何ヶ月も駐車場に停めたままにしている車で、動くようになったら娘が使うのだそうです。

このようにしょっちゅう会うのですから、寂しくなる必要はないんですよ。


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