2024年4月30日

気分の浮き沈みと双極性障害

ここ数日、大きなため息をつくことが増えていたうちの夫は、朝起きる時間が来ると「あ〜」とか「う〜」とか唸っていたんですが、昨日の朝は「じゃあ、行ってきますよ。家賃を払って光熱費を払って家族を食べさせるために稼ぎに行ってきます」と言いました。

そういうことを言う時は、メンタルがダウンしているんです。長年一緒にいる私にはすぐ分かります。

こういう時に身体的に無理をしたりストレスが大きい出来事があったりするとすると、気持ちの落ち込みが悪化して「うつ期」が始まってしまいますから気をつけないといけません。

うちの夫は双極性障害2型なんです。かつては「躁うつ病」と呼ばれていた病気ですが、2型というのは「躁期」の症状が軽いタイプです。

「明らかに異常」とは感じないかもしれない夫の「躁期」の特徴は、普通とは違う元気さ、饒舌さ、すごいアイデアを次々と思いつく、高揚感と自信に満ち溢れた感じなどで、ちょっと度が過ぎた感じはするものの一見すると「活動的でポジティブな人」なのですよ。

ただし、怒りやすくなることとへっちゃらで高額な買い物をするという特徴もありましてね、これがこれまでトラブルを引き起こして来ました。

怒りやすくなると家族との関係にも影響しますが、仕事でトラブルを引き起こすわけです。自分よりも上の立場の人と対立してクビになったことが2回もありますからね。

最近は非常に元気がありました。泥棒を捕まえようとスタッフと計画を練って襲撃に行ったりしたでしょう?やっぱり「躁期」だったんですよ。怖いものなしですから泥棒に襲いかかったり出来たんでしょう。

ここ数年は薬のおかげで安定していますけど、メンタルの上下の幅は大きいですし、そういうのが特に原因もなく周期的にやって来ます。

「躁期」の後には、必ず「ダウン期」がやって来ます。それが「うつ期」になってしまうと大変です。仕事に行けなくなって寝続けることになりますから、気持ちの落ち込みが悪化しないように気をつける必要があるのです。

本人も良く分かっているので、昨日は仕事を早退して帰って来ました。

お店が忙しくなかったのと、副店長のスタッフが2週間後に別の店舗に移ることになっているので、その人がいなくなると当分は余裕がなくなるから、休めるうちに休もうと思ったそうです。

こういう微妙な状態の時、私は感じていること客観的に指摘することにしています。

「今はメンタルが落ちて来ているダウン期なんでしょ?」
「その通りです、良く分かりますねえ」
「お茶でも入れましょうか?久しぶりにクッキーを焼いたから」
「はい、いただきます」

夫はクッキーをボリボリ食べながらオーディオブックを聞いていましたが、すぐに寝てしまいました。

最近ちょっと寝過ぎています。寝過ぎるのは夫の「うつ期」の特徴ですから私が気付くきっかけにもなるんですけど、今朝は商品搬入のトラックが来るからということで5時前に仕事に行きましたよ。

明日は休みの日なので、気分転換に屋外で身体を動かすことを勧めてみます。


しかしね、そんなに深刻に考えなくても大丈夫なんです。

誰にでも気分の浮き沈みはあるでしょう?絶好調の時もあれば元気が出ない時もあるのが普通じゃないですか。

そういうアップダウンが普通の人よりも大きくて、特に原因もなく周期的にやって来るのが双極性障害なわけですが、ありがたいことに夫の場合は「躁期」の症状が軽い2型ですし、薬でアップダウンはかなり抑えられていますからね、本人と家族が気をつけていれば普通の暮らしができるのです。

まあ、気持ちがアップしてもダウンしても、それが極端な「躁」や「うつ」になると、うちの夫の場合は失業という問題に直結しますので気をつけないといけないわけですが。

目が見えなくなって来ているという問題もありますので、これが今後どう影響するかが心配なところです。

いろいろありますけど、毎日仕事に行って稼いでくれていることには感謝しています。そんな夫をサポートするために出来ることをするのが私の役目です。

でもクッキーを焼くのはちょっとやめておくわ。昨日すっごい食べ過ぎていましたから。


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2024年4月29日

快晴の日曜日の異常な公園

先週は冬のような寒い日が続きました。

私達が昨年10月に引っ越して来た家は、それまで住んでいた家に比べたら小さいし平屋なので、セントラルヒーティングであっという間に暖かくなりますから寒い思いはしていません。

暖房代だってそんなにかからないはずです。

昨年の冬は、電気代とガス代を節約するために毎日薪を運んで薪ストーブを燃やしていました。しかし、いくら薪ストーブを燃やし続けても私のデスクがある部屋や寝室は暖かくならないので寒い思いをしていたんですよねえ。

小さい平屋の家はいいですよ。これでエアコンがあったら文句無しなんだけどなあ。

昨日は秋晴れの良い天気でした。ピカピカの青空が広がって気温も22度とサイコーで、外に干した洗濯物は日当たりが悪いので乾きませんでしたけど、気持ちのいい一日でした。

最近毎日30分程度のウォーキングをしているんですが、昨日はこれまで行ったことがなかった方に行ってみました。

そうしたらね、こんな場所があったんです。


きれいに整備された公園です。冬が近づいて来ていますから、降雨量が増えて草が緑になっています。滑り台やブランコなどの遊具がある遊び場もありますが、

だ~れもいなかった!

日曜日だったのに!

小さい子を遊ばせている人もいないし、ボールを蹴ったり投げたりして遊んでいる人もいない。こんなに広い公園なのに、あんなにいい天気だったのに、利用している人が一人もいないというのはどういうことなんでしょうか。

周囲は住宅街なんですよ。

この公園のような場所では、日曜日でなくても元気な子供達の声が響いているのが普通だと思いますけど。最近は子どもたちが屋外で遊ぶ時には親が一緒に行って監督していないといけないという風潮ですから、子供達は家の中で遊んでいるんでしょうか。

犬の散歩をしている人はよく見かけるんですけど、この公園にはそういう人もいなかったし。私以外には人っ子一人いなかった。

なんだか、この世の終わりみたいな不思議な感じがしましたよ。


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2024年4月28日

悲惨過ぎた巻き寿司の話

ジョーンというのは、義母(うちの夫の母親)の姉です。

80歳が近づいて来ていますが、全くそんな歳には見えません。大変元気で若々しくて活動的な人です。生涯独身でしたが、友達も多いし経済的にも成功しているし、孤独なんかとは無縁です。

4人姉妹の長女なのと料理好きであることから、代々伝わる家族のレシピを受け継いでいて、父親セオの姉妹達のレシピもいろいろもらっていたので、そういう家族のレシピを私にくれたんですよ。

もらったのはいいけど、手書きのレシピの読解に苦労した話は「読めないレシピと家族の歴史」に書いた通りです。

ジョーンは特にスイーツ作りを得意としていますが、お料理が好きでも食べることにはそれほど興味が無い人です。私がレシピサイトをやっているせいで、会うと必ず料理の話になるんですけど。

先日会った時に、私を見るなり話し始めたのが巻き寿司の話。

お友達を呼んでの食事会で巻き寿司を作ったら悲惨過ぎる結果になったと言うんですよ。彼女は「ディザスタラス」(Disastrous)という言葉を使いましたけどね、「悲惨な、大失敗の、ひどい」というような意味です。

雑誌か何かで見つけたレシピを使ったようです。

「私のレシピを使ってくれたら良かったのに」
「ヒロコのレシピは持っていないから…」
「ジョーン!私のレシピは私のウェブサイトに全部載ってるのよ!」

サイトで検索すれば簡単に見つかるんですけど、ジョーンには紙に書かれたレシピでないといけないようです。

それはともかく…

なぜ巻き寿司が悲惨なことになったのかですよ。

彼女の話によると、一番の問題は海苔がドロドロになったこと。そして美味しくなかったと言うんです。

中に入れる具は良いものをいろいろ用意したそうですから、原因は寿司飯でしょう。

「ジョーン!美味しい寿司を作るのに大事なのは、寿司に適した良質のお米を使うことと美味しい寿司酢です」
「寿司ライスと書いてあったお米を使ったわよ」
「それならお米については問題なかったはず」
「寿司酢は自分で作ったの?」
「ちゃんと作ったわよ、ホワイトビネガーで」
「ホワイトビネガー?」

悲惨な巻き寿司になった原因を突き止めるためにいろいろ話を聞きましたところ、私が思う原因は次の通りです。

1.寿司飯に適した米酢あるいは穀物酢を使わずにホワイトビネガーを使ったこと(味が全く違ってきます)
2.甘いのが好きではないからと砂糖の量を大幅に減らしたこと(寿司飯が酸っぱ過ぎて美味しくないです)
3.米の炊き方が悪くてベチャベチャしていたこと(多くのオーストラリア人は、お米はパスタのようにお湯で茹でるんです)
4.出来上がったベチャベチャした寿司飯がまだ温かいうちに寿司を巻いたこと(だから海苔がとけるほどベトベトになったのです)

悲惨過ぎる巻き寿司になった原因は、ベチャベチャの酸っぱすぎる寿司飯がまだ温かいうちに巻いたことでしょう。

「それからねえ、海苔にのせる寿司ライスはどのくらいの厚みにしたらいいの?これくらい?」(ジョーンが指で示したのは1センチ以上の分厚さ)
「それはねえ、海苔の大きさと具の量によります」

お客さん達は美味しいと言って食べてくれたそうですが、作ったジョーン本人はひどい出来だと思ったそうで。そりゃあね、とけるほど海苔がドロドロになった巻き寿司というのは、ちょっと考えられない大失敗でしょう。

いろいろ教えてあげたんですけど言葉で言ったのでは伝わらないので、今度うちに来てもらって教えることにしました。


私は、うちの母が使っていたのと同じミツカン酢を使って「1-2-1-2」の割合で寿司酢を作ります。5合の米あたり120mlの酢、100グラムの砂糖、小さじ2の塩という割合です。

少し甘めの寿司飯で、家族にも友人達にも好評なんですよ。

それから、お米はお湯で茹でたりしてはいけません。少し固めに炊かないと。ジョーンは炊飯器を持っていないけど、お鍋でもちゃんと炊けますからね。

そして、炊けたご飯が熱いうちに寿司酢と混ぜた後、しっかり冷やさなきゃあいけません。しかし、この「冷やす」というのを強調したら、ある友人から冷蔵庫に入れた方が良いのかと聞かれたことがあります。室温まで冷やすと言った方がいいでしょう。

味については、私は不味い寿司ロールをお店で買って食べたことがありますから想像がつきますよ。寿司ロールのお店が増え始めた頃のことですけど、あるタイ料理のテイクアウェイのお店で生春巻きと寿司ロールを買ったんです。

そうしたら、その寿司ロールが長粒米(タイ米)で作ってあって、味は酸っぱいし使っている酢の味がヘンだったし、寿司飯がベチャベチャしていたんです。

ジョーンの巻き寿司は、きっとあんな感じで、それをもっとベチャベチャにした感じだったんでしょうね。

美味しい巻き寿司をご馳走しなくちゃあいけません。


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2024年4月27日

キャンプとハイキング

先日、私が初めて回転寿司に行った時、一緒に映画を見たうちの夫の友人Cさんが嬉しそうに教えてくれたんですけど。

金曜日に有給休暇を一日もらったので、アンザック・デー(ANZAC Day)という休日だった木曜日から土日を入れて4連休になったんですって。

そして、その4連休を使って何をする予定なのかと聞くと、Cさんはキャンプに行くと言ったんです。

それも、キャンプ場のような電気や水道や Wi-Fi なんていう文明の恩恵を受ける便利な場所ではなくて、何にもない自然の山の中でキャンプをすると言うんですよ。

「天気が悪いし寒いよ」
「焚き火をするから大丈夫」
「テントで寝るの?」
「そう」

山の中で場所を探してテントを張ったり、木を集めて来て焚き火をしたり、それでお湯を沸かしてお茶を入れたり、そういうことをするのが楽しいんだそうです。

しかも一人で行くと言うんですよ。Cさんは、うちの夫よりも少し若いくらいの中年で、現在独身ですがガールフレンドはいらっしゃいますけど、おそらく彼女は雨の降る寒い山の中でテントで寝ることを楽しむタイプではないんでしょう。

4日間も山の中で一人で何をするんでしょうか。山の中を歩くんでしょうか。そして、また別の場所にテントを張るの?

私だったら退屈しちゃって一日ももたないと確信しますが、こういうのが好きな人がいるんですよね。


実は、うちの息子もトレッキングやハイキングが好きな人です。

新型コロナが始まる少し前ぐらいから痔が悪化して、ここ数年はそういうアクティビティーが出来なくなっていますが、一時期は本気でトレーニングしていました。

メルボルンから車で3時間ほど南東に行った所に、ウィルソンズ・プロムという岬があるんですけど、そこはオーストラリア大陸の最南端に位置する岬で国立公園になっています。


寝泊まり用のテントや食料なども背負ってのハイキングですし、一日に相当な距離を歩く必要があるので、息子はこの旅行に備えてかなりトレーニングをしていたんですよ。

その年の終わり頃、痔が悪化してして手術を受ける羽目になったわけですが、その検査も本当に時間がかかってね、やっと手術をすることが決まった頃に新型コロナが始まって。

公立の病院では命に関わらない手術は中止になっていた時期も長く、1年待っても順番が回って来ないもんですから、手術費用全額自己負担で民間の病院で受けるしかなかったんです。

命には関わらなくても、寝たきり生活になってしまいましたからね。

そして、1回の手術では治らず、結局3回も手術を受けなくてはいけなくて、3回とも費用全額自己負担で民間の病院で手術を受けまして、息子は何年も無駄にしてしまったんです。

3回目の手術から1年以上が過ぎたのに、いまだに少し無理をすると出血したり痛みが出たりするそうですから、これが就職の障害になっているんですが、それでも少しずつ回復して最近は長時間座り続けて絵を描くことが出来るようになっています。

今日は、友達と一緒に山登りをすると行って朝の暗いうちに出かけましたよ。山頂から日の出を見てから帰ると言っていました。

マウント・ロフティー(Mount Lofty)という我が家からそれほど遠くない山に行くと言いましたけど、地図で調べても山らしい場所はありませんでした。夫に聞いたら、山というよりバンプ(Bump)だと言いました。

バンプというのは膨らんだコブのようなもののことですから、マウント・ロフティーは山というより丘と言った方がいいのでしょう。

ゆっくり楽しんで帰って来て欲しいですが、これが原因でまた痔が悪化したりしませんように。

ホントにお気の毒な息子には、早く治って思いっきり好きなことをしてもらいたいんです。

今朝は雨も上がって青空が広がっています。現在の気温は10度。アウトドアが好きな皆さんには絶好の天気ですね。Cさんもうちの息子も、ハイキングを楽しめるんではないでしょうか。

私は暖房の効いた暖かい家の中で本を読んでいる方がいいですけど。


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2024年4月26日

会話が減っている原因

視力が落ちて読書が難しくなり、昨年の引っ越しの際に持っていた本を処分してしまいまして、家にはほとんど本がなくなりました。

読書はあきらめていたんですが、アマゾンの電子書籍 Kindle本をパソコン用アプリを使って読んでみたら思っていたよりもはるかに快適に読めるということが分かりまして、先月から読書にハマっています。

iPhone用の Kindleアプリも慣れると快適です。文字を大きくして表示しているので1ページに表示される文字数が少なくて違和感があったんですが、慣れるとむしろ読みやすいです。

ハマってしまったのは、英国イングランド北部の街カーライル在住の作家、M. W. クレイブン(M. W. Craven)の作品のうち、ワシントン・ポーという名前の刑事が主人公となるシリーズです。

最初の数冊は日本のアマゾンから日本語翻訳版が普通に買えたんですが、危惧していた通り買えなくなりましたので(基本的に日本国外からは買えないのですよ)オーストラリアのアマゾンから英語版を買って読んでいます。

英語で読むと自分が読みたいスピードで読めないと思い込んでいたんですけど、いつの間にか私の英語読書速度は速くなっていたらしくて、日本語を読むのと大差ないスピードで読むことが出来ましたから、これからはもう翻訳版を日本のアマゾンから買う必要はありません。どうせ買えないんですけど。

このシリーズのすでに出版されている5作品は全部読んでしまったので、最初に翻訳版で読んだ4作品を原書で読もうと思って英語版を買って読んでいるんですが、やはり原書で読むに限ると思ったことは「原書と翻訳本」に書いた通りです。

それはともかく、私がこのワシントン・ポーのシリーズにハマっているのを知ったうちの夫が、自分も読んでみようと思ったらしくて昨日1作目を買ったんですよ。

といっても、うちの夫は遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で目が見えなくなって来ておりまして、もう本は読めませんからオーディオブック(本の朗読を録音したもの)を買って聞くんです。

アマゾンの場合、電子書籍は Kindle(キンドル)アプリで読みますが、音読されたオーディオブックは Audible(オーディブル)アプリで聞きます。

夫は iPhone にインストールしたアプリで聞いているわけなんですけど、ヘッドフォンかイアホンを付けて聞いていますからね、用事があって話しかけても聞こえないことが多いのですよ。

近くまで行って話しかけ、話しかけられていることに気づいた夫がオーディオブックを止めてヘッドフォンを外し、それからもう一度話すという面倒くさいことをしなくてはいけません。

昨日は「アザックデー」(ANZAC Day)という祝日で午後からの出勤だったので、午前中ずっとオーディオブックを聞いていました。

ワシントン・ポーのシリーズを聞き始めたんだなと思いました。黙って座ってひたすら聞いていました。聞いている間はまったく喋りませんし、私も家事の合間に Kindle本を読んでいるから、家の中はシーンと静まり返っていました。

夫は、時々目を閉じて眠気と闘いながら、ひたすら聞き続けていました。きっと夫もワシントン・ポーにハマっちゃうに違いないと思いました。

そうしたら、違ったんですよ。

ワシントン・ポーの1作目を買ったのは買ったんですが、昨日聞いていたのはトルストイの「アンナ・カレーニナ」だったんです。

数ヶ月前に同じくトルストイの大長編小説「戦争と平和」を聞いていました。来る日も来る日も聞き続けて、何週間かかったのか知りませんけど最後まで聞き終えて、大いに達成感を感じたらしいです。

それで、今度は「アンナ・カレーニナ」を聞くことにしたと言っているのを聞いたのはもう随分前のことですよ。

まだ聞き終えていなかったのか!

聞いても聞いても終わらないんだそうです。

でも、途中で投げ出すのは悔しいので最後まで聞こうと頑張っているらしいですけど、聞き終えることが目的の読書は時間の無駄じゃあないですか?

私は「戦争と平和」のストーリーにも興味がないけど、「アンナ・カレーニナ」みたいなストーリーは全く読みたいとも思いませんよ。いかに小説としての組み立てや文章表現が優れていようとも、ああいう話に興味はないです。

「アンナ・カレーニナ」はまだまだ当分終わりそうにありません。眠気と闘いながら聞いていますが、眠気に負けてしょっちゅう寝ていますからね。

ワシントン・ポーのシリーズは、早く次が知りたくて読むのを止められなくなるタイプの本ですから、かなりの長さがある作品もあっという間に終わってしまうんですがね、「アンナ・カレーニナ」は...

しかし、いつかワシントン・ポーを聞き始めて私のようにハマったら、我が家はますますシーンと静まりかえるでしょう。


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2024年4月25日

初めて行った回転寿司

回転寿司は、もちろん日本では行ったことがありますけど、オーストラリアでは行ったことがなかったんです。

何年か前にメルボルンで初めて回転寿司の店を見た時には、オーストラリアの寿司もここまで来たかと感慨深かったものですが、私が住んでいる地域には最近まで無かったのですよ。

寿司ロールを売る店は、どのショッピングセンターにもあります。

私がオーストラリアに来た頃は、寿司と言えば「生の魚!ゲロゲロー!」というひどい反応で、日本食レストランに行くか自分で作る以外には食べる方法が無かったですけど、海苔すら手に入れるためには遠くの日本食材店まで行く必要がありました。

寿司ロールの店が増えて来た頃は、見かけると思わず買って食べていましたけどね、長粒米を茹でたのを酸っぱく味付けしたので巻いた不味くて食べられないようなひどいのを売っている店もありましたよ。

今では寿司ロールを売る店はいたるところにありますから気軽に買って食べられるんですけど、私は滅多に買うことは無くなりました。

メルボルンでは物価が暴上がりしておりましてね、太巻きより少し細めの巻き寿司を半分に切ったのが1個5ドル近くもするのです。

ですから、私はお寿司が食べたくなったら家で作ります。はるかに安上がりだし、晩ご飯が手巻き寿司やちらし寿司だと家族が喜びますから。

回転寿司のお店は少しずつ増えて、何年か前にイーストランドというショッピングセンターに「寿司次郎」というお店がオープンしたんですが、私は行ったことがありませんでした。

ところが、一昨日うちの夫と友人のCさんが映画を見に行くと言うので私も一緒に行くことになり、映画は6時からで夫が仕事から帰って来てから行ったので、映画の前に腹ごしらえをしようということになって、お店に入ってすぐに食べられる回転寿司に行ったのですよ。

オーストラリアでは、回転寿司はスシ・トレイン(Sushi Train)と呼ばれます。寿司次郎の入り口には「1皿4ドル20セントから」と書いてありました。

それって、一番安い1皿が4ドル20セントですからね、平均価格は1皿5〜6ドルだろうと思いました。それって1皿5〜6百円ということですから、回転寿司の値段としては高いですよね?

すでにたくさんの寿司が回転していたので、カウンターに座ってすぐに食べられるはずでした。

ところが…


私はね、マグロとかハマチとか鮭とか、普通の握りが食べたかったんですけど、回転しているのはどれもどれも激しく装飾されていて、マヨネーズやソースがかかっているんです。

うちの夫やCさんは、そういうやつを醤油にジャブジャブつけて食べるんですから、それは寿司じゃあないのよ!

私は迷いに迷ってあぶった鮭が乗ったのを取りました。ひとくち食べたら、

うわっ!何だこれ!

中にクリームチーズが入っていたんです。

不味くはないんですよ。寿司飯には、マヨネーズもテリヤキソースもトンカツソースもクリームチーズも合うんです。でも私が食べたいのはそういうのじゃあないの。

回転してくる寿司を見続けて、私が食べたい普通の握りは来ないと分かりましたので、マヨネーズが付いていないアナゴとクリームチーズが入っていないあぶった鮭を食べました。

オーストラリアでは、ああいうのが人気なんでしょうかね。

注文すれば私が食べたかった普通の握りを作ってくれたのでしょうけど、時間がなかったですから回転していたのだけを取って食べました。

いやあ、「また行きたい!」とは思わなかったです。

寿司はああいう食べ物と思っているオーストラリア人が日本へ旅行して、新鮮な魚で作られたホンモノの寿司を食べて感激する理由が分かりますね。


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2024年4月24日

心理セラピストへの長い道のり

このブログは、日本にいる私の家族に我が家の近況を報告する意味もありますので、今日はうちの娘の次の研修先が決まったことを書こうと思います。

現在大学院2年目の娘ですが、前期はある公立病院のリハビリテーション科で研修をしているんですが、実際にどんなことをしているかと言いますと患者さんへの心理カウンセリングをしているんです。
 
学生ですから報酬はありません。カウンセリングは一人で行いますが、監督者であるベテラン臨床心理士の指導を受けながら行っています。

後期の研修先が決まっていなかったんですが、やっと司法精神医療施設で研修をすることが決まったんです。

刑務所で犯罪者を相手にする仕事になると聞いていたんですが、刑務所ではありません。オーストラリアには「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」(Forensic Disability Services)と呼ばれるものがありまして、刑事司法制度に関わる事件を起こした人々の中で精神障害や重篤なメンタルヘルスの問題がある人達にサポートと治療を提供する様々なサービスが含まれます。

重大な他害行為を行った犯罪者が犯行時に心神喪失状態だったという話を皆さんも聞いたことがおありでしょう。

犯罪者に精神障害があった場合には、責任能力がなかったとされて罪を問われず、代わりに医療施設で強制的に入院治療を受けさせる場合がありますよね。そうすることで犯罪の再発を防止し、犯罪を犯した者の社会復帰を促すわけですけど。

これを悪用する犯罪者もいるんですよ!

精神障害や犯行時の心神喪失状態を偽って罪を逃れようとするとか、刑務所ではなくて医療施設に入院することを企むとかね。

「カッコーの巣の上で」という映画がありましたけど、あの映画の主人公は刑務所の強制的な労働から逃れるために精神障害を偽って病院に入るわけですけど、ああいう人達がいるのですよ。

犯罪を犯した人々が、本当に精神障害があるのか偽装しているのか、精神障害は責任能力を問えないほど重症なのか。娘がすることになったのは、こういうことを判断する精神鑑定の仕事だそうです。

娘が将来やりたいと思っている仕事とは違います。娘は心的外傷体験(トラウマ)による心の問題を抱えた人を治療する心理セラピストになるのを目指しているそうですから。

大学に入ってから今年で8年目。大学院に入るために就労経験が必要だったので2年間は働いていますから8年もかかっているんです。

今年無事に大学院を卒業できたら、来年から2年間は実務経験を積むために再び指導を受けながら心理セラピストとして働きます。その間は低給料だそうですが給料はもらえますから、レストランでアルバイトをする必要はなくなります。

その2年間が終わったらやっと一人前になるんだそうですからね、10年がかりなのですよ。

頑張っています。


経済的には苦労していますが、アルバイトをしているレストラン・カフェで残った食べ物をもらえるので食費がほとんどかからない暮らしだそうですよ。

「ダンプスター・ダイビング」というのもやっていますしね。スーパーの業務用ゴミ廃棄コンテナからまだ食べられるのに廃棄された食品を勝手にもらって来るというやつです。

親からの経済的な支援ゼロでこれまでやって来たわけですから大したもんだと思いますし、そういうことができたのもオーストラリアの教育の仕組みのおかげです。

そして、何度も話題にして来ましたけど、娘は大学生になった頃はパニック障害で家から出ることが困難だったわけですよ。

大学まで行くだけで大変な苦労をしたわけですけど、あの状態からここまで変わったというのは、同じようなメンタルヘルスの問題で苦労されている皆さんには大きな励みになると思います。

こういう体験をして来たからこそ、娘は心理セラピストになって心の問題を抱えている人達の回復を助けたいと思っているわけです。回復できると知っているから。

ホントによく頑張っていますよ。


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2024年4月23日

夫婦そろって筋肉痛

うちの夫は、ここ数日全身の筋肉痛に苦しめられていましたが、今日もまだ痛いそうです。

先週の金曜日に起こした泥棒の襲撃事件のせいです。

勤めているツールショップから盗まれた商品を取り返し、盗んだ泥棒を捕まえるため、うちの夫は金曜日の勤務時間後にスタッフ数人と泥棒を捕まえに行ったのですよ。

スタッフ3人がそれぞれの車で泥棒が乗っていた車の動きを封じ、出てきた泥棒をうちの夫が後ろから羽交い締めにして地面に倒したそうですが、襲いかかった瞬間にはものすごい力を出しているわけで。

若い泥棒は逃げようと暴れますからね、警察がやって来るまでの15分間は相当な力を出し続ける必要があったそうです。

日頃身体を鍛えていないオジサンが、準備体操もせずに突然そういうことをやって、普段は使わない筋肉も使って渾身の力を振り絞ったわけですから、筋肉痛になるのは当然ですね。

痛みは翌日の土曜日よりも日曜日の方がきつそうで、その日は仕事でしたからホントにへたばる寸前でしたけど、今日もまだ痛いんだそうですよ。

暴れる泥棒を殴った右手も痛いそうです。

映画やドラマでは拳で殴り合うシーンがよくありますけどね、ああいうことをもしも本当にしたら手は大変なことになると言っていましたよ。


一方、この私はもちろん襲撃には参加していないんですけど、スーパーのショッピングカートの車輪の調子が悪いのに、それを無理して使っていたら左の腰の後ろをピシッとやってしまいまして、それがなかなか良くなりません。

痛くて寝返りもうてない有り様で、昨夜も寝る前に痛み止めを飲みましたけど、夫婦そろって「アイタタタ…」とうなりながら、歳を取ったなあと笑っています。

夫も私も、もう少し身体を鍛えないといけません。

それと、やっぱりねえ、泥棒を襲撃したりするのはこれを最後にした方がいいですよ。泥棒はナイフを持っていたんですからね、刺されていたら筋肉痛ではすまなかったです。


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2024年4月22日

思い出の家の取り壊し

私がオーストラリアに移民して最初に住んだ家は、うちの夫が当時住んでいた小さなコテッジでした。

義母(夫の母親)の家の敷地内にある木造の小さな古い家で、コテッジと呼ばれていました。

部屋が2つと小さなキッチンとバスルームがあるだけのおんぼろコテッジを、その頃パニック障害で仕事が出来なくなっていた夫がリフォームし始めたところでした。私も一緒に住み始めてからは本格的なリフォームになりました。

出入り口となるドアの上には屋根もなく、雨の日には不便なので玄関を作りました。玄関の周りにはツツジを植えました。

家の中の壁を新しくしてペンキを塗り替えたり、バスルームをリフォームしてタイルを自分達で張ったり、キッチンの外にウッドデッキを作ったりして暮らしやすくしました。

私達は、そのコテッジのキッチンで結婚式を上げたんですよ。

牧場の丘の上で結婚式をするつもりだったんですけど嵐が来ましてね、仕方がないから狭いキッチンに家族や友人達が肩を寄せ合って集まり、そこで結婚式をしたんです。

息子が生まれることが分かった時には、増築して家を広くしました。作業はうちの夫が全部一人でやったので、私も出来るだけ作業を手伝いました。だからすべての場所に思い出があるんです。

その後、娘が生まれることが分かった時には、さらに増築して私達夫婦の寝室やオフィスも作ったんですけど、この時は建て増した部分が2階建てでしたからプロの大工さんに手伝ってもらいました。

その時に日本式のお風呂も作ったんですよ。浴槽を取り寄せて作りました。脱衣室付きで、家族4人で一緒に入れる広さの本格的な日本式のお風呂でした。

いろいろ事情があって私達がその家から引っ越した後は賃貸に出されていたんですが、10年前からは義弟(夫の弟)の家族が住んでいます。

海外に住んでいた義弟家族がオーストラリアに戻って来て、この家に住むことになった時には私は嬉しかったんですよ。

当然家族付き合いをすると思っていましたからね、この懐かしい家に食事に呼んでもらうこともあるだろうし、その時にはお風呂に入らせてもらえるだろうと期待していたんです。

しかし、そういうことは一度も起きませんでした。

今ではもうはっきりと分かっていますけど、義弟のスペイン人の奥さんは私達が好きではないのです。もっとはっきり言うと、私が好きではないのです。彼女は好きではない人とは、たとえ家族でも付き合いたくないのです。

私達が食事に呼んでも来なかったですからね、彼女が私達を食事に呼んでくれたりするわけがないのですよ。

今年の1月に初めて義弟がパエリアをご馳走してくれると言うので行ったんですけど、奥さんからは歓迎されていないことは分かりました。

何度も犬の世話をしてあげた私に義弟はお礼をしたかったはずなんですけど、奥さんは仕方がないから嫌々もてなしてくれていると分かるのでね、私は居心地が悪かったです。

義弟のことはとても好きなんですけど、家族付き合いが出来ないのは残念なことですよ。

それはともかく、

私達がリフォームして増築した古いコテッジですが、義弟達が住み始めてからはスペイン人の奥さんの好みに真っ白のペンキで塗られ、同じ家とは思えないように装飾されていたんですけど、先日取り壊されたそうです。

最後に建て増した2階建ての部分以外はすべて取り壊されて何も無くなり、これからその場所に彼等の好みの家を建てるんだそうです。

私達にとっては特別なものだった日本式のお風呂は、ずっと使われていなかったそうですが、取り壊す前にせめて一度でもお風呂に入らせて欲しいという私の願いもむなしく消えて無くなりました。


正直言って、もうどうでもいいと思っていましたけど、取り壊されて全て捨てられたと聞いて、少し寂しい気持ちになりました。思い出は心の中に残ってはいるんですけどね。

うちの夫は、とても残念な気持ちになっているようです。

何年もかけて、大いに苦労しながら、パニック障害が治ってからは仕事と両立させながら、こつこつと一人で建てた家ですからね。それをあっけなく壊されたのですから、私以上に寂しい気持ちなのかもしれません。

板を切ったことや、釘を叩いたことや、ペンキを塗ったことや、タイルを張ったことや、そういう作業の思い出とともに、うちの子供達が生まれた時のこと、赤ちゃんの頃のこと、初めて歩いた時のこと、幼かった頃の出来事がいろいろと思い出されます。

家の周りには私達が植えた木もたくさんあったんですけど、家を取り壊したのなら木も無くなったでしょう。木の一本一本にも思い出がありました。どこに買いに行ったとか、誰にもらったとか。

人生の一部が消えたような気分です。


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2024年4月21日

警察が出来ることにも限界が

うちの夫が勤めるツールショップから盗んだ商品をフェイスブックのマーケットプレースで売りに出した泥棒の話ですが、盗まれた商品のほとんどを取り戻し、泥棒は警察に逮捕されたわけなんですけど。

被害額は結構な額だったそうなんですが、それを取り戻すためにお店のスタッフが犯人を見つけ出して自分達で捕まえるなんてことは、被害がいくら大きくても普通はしません。

詳しいことはここに書けないんですけどね、今回はそこまでする理由があったのです。

詳細は昨日の記事を読んでいただくとして。

捕まえたのは、商品引き渡し場所でした。泥棒がマーケットプレースで売りに出した商品の購入希望者を装ったスタッフのBさんが泥棒とのやり取りで決めた場所で、ある商業施設の駐車場だったんです。

駐車場のすぐ横にはパブがありました。オーストラリアのパブというのは、お酒を飲むいわゆるパブとレストランが併設されていますが、賭け事を楽しむカジノみたいな施設も同じ建物内にあることが多いです。

金曜日の夕方でしたから、お客さんが大勢来ていました。

こういう場所には必ず警備員がいます。すぐ隣りの駐車場で男が集団に襲われて地面に押さえつけられているという状況は、お客さん達の注目を集めないはずがありません。

事件が起きているということで、すぐに警備員が出て来たそうです。この警備員は元警察官でした。事情を聞いて男を地面に押さえつけている集団の方の味方になりました。

しばらくして警察がやって来て、地面に押さえつけられていた男が逮捕されるという展開になりましたから、状況はいよいよドラマチックになって野次馬も集まりました。

パプやレストランに来ていたお客さん達は、駐車場で現在進行形で起きている出来事の話題でもちきりだったそうです。

この時、パブには非番の警察官のグループが飲みに来ていたそうです。彼等は駐車場で起きている出来事を聞いて大いに喜んだそうですよ。

と言いますのも、警察官達は悪い奴らを捕まえたい気持ちは山々なんですが、お役所ですからね、何事も処理の手順というのが決められているし、店の商品を盗まれたという被害届が出ても、まずはそれをシステムに入力しないといけませんから時間もかかるし、何をするにも上からの許可や指示が出るまで動けません。

だから、被害者が自分で調査をして証拠を揃え、泥棒を自分で見つけ出して捕まえて、捕まえてから警察を呼ぶという今回のような出来事は、彼等にとってとても愉快に感じるらしいのです。


警察の事情聴取が終わった後、うちの夫と息子とスタッフの一人は、そのパブで晩ご飯を食べて帰りました。興奮してなかなか寝付けなかったところへ、夜の10時過ぎに警察から電話がかかってきて、提出したはずの証拠の動画の所在について聞かれたそうです。

提出した証拠の写真や動画は、提出した警察署でまだ処理すら終わっていなかったのですよ。

泥棒を捕まえるのがもう少し遅れていたら盗まれた商品は売られてしまって取り戻せなかっただろうということでね、やっぱり自分達で捕まえることにして正解だったという話なんですけど。

泥棒を現行犯で捕まえて、警察がお店にやって来たということはこれまでに何度もあるのですが、今回のは勤務時間の後に別の町の商業施設の駐車場まで行って起こした出来事ですからね。

うちの夫は泥棒に後ろから飛びかかっていますし、暴れる泥棒を殴ってもいますし、泥棒がうちの夫を暴行で訴えないことを祈りますよ。

しかしまあ、ナイフを持っていた泥棒に刺されたりしなくて、計画通りに上手く行ったからこんな話が出来るんです。普通はしませんし、しない方がいいです。


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2024年4月20日

泥棒を捕まえた話

昨日の記事で話題にした泥棒の話の続きです。

店の防犯カメラには、その男の顔も着ていた服も乗って来た車も車のナンバープレートも全部鮮明に写っていたわけなんですけど、盗まれた商品が何であるかもすぐに分かりました。

事件後すぐに、盗まれたのと同じ商品がフェイスブックのマーケットプレースに売りに出されていることも分かりました。店のスタッフのBさんが見つけたそうです。

ツールショップから盗んだものを売りさばく闇の販売網があったりするんですけど、この泥棒は自分で売りに出したんです。闇マーケットじゃあなくて、フェイスブックのマーケットプレースで。

盗まれたのは特殊な商品でした。米国からの輸入品なのでオーストラリアでは簡単には手に入らないものです。

Bさんが購入希望者を装い、マーケットプレースで商品を売りに出した人物に連絡を取りました。すぐに返事が来ました。

マーケットプレースに載っていた写真は盗まれた商品の一部だったので、Bさんは掲載されている商品以外に別の色の商品も探しているんだと問い合わせると、その人物は大喜びでそれらの商品も持っていると連絡して来たそうです。

自分が探している商品かどうかを確認したいから写真を送ってくれと頼むと、男はすぐに全部の写真を撮って送って来ました。

それらはまさに夫が勤めるツールショップから盗まれた商品だったのですよ。うちの夫とスタッフは、この人物が犯人だと確信しました。

商品を購入する約束をして受け取り場所を決め、念のため連絡用の携帯電話番号を教えてくれと言うとあっさりと教えてくれたそうです。

こうして、すでに揃っていた証拠の写真と動画と盗まれた商品リストに加え、フェイスブックに掲載された商品の情報、掲載した人物のアカウント情報、商品受け渡し場所の情報、男の携帯電話番号などを揃えて、うちの夫が警察に証拠を提出しました。

夫はね、こういうことをこれまで何度もやっているので、どういう証拠や情報をどのように提出しなくてはいけないかを良く知っているんです。

こうして証拠が揃ったわけですから、警察官が商品の受け取り場所に行って、やって来た人物を現行犯逮捕してオシマイということになれば良かったのですけど、警察も忙しいですからね、小さな窃盗事件にはそんなに迅速に対応してはくれないわけです。

だからどうしたかと言いますと、購入希望者を装ったスタッフのBさんを含めた数人のスタッフとうちの夫が、決めた通りに商品受け取り場所に行って泥棒から盗まれた商品を取り戻し、出来れば泥棒を捕まえるという計画を立てたのでございますよ。

うちの夫は目が見えなくなって来ておりますので車の運転が出来ませんから、うちの息子が運転して夫を約束の受け取り場所まで連れて行きました。息子がいなかったら私が行かなくちゃあいけないところでした。

私は家のパソコンで夫と息子の動きを追っていました。受け取り場所に着いてから息子が夫とは別の場所にいることが分かったので、おそらく見張りに立っているんだろうと思っていました。

泥棒は、仲間が運転する別の車でやって来ました。盗みを働いた日と同じ服を着ていました。後で分かったことですが、乗って来た車は盗難車だったそうです。盗みの日に乗っていた車も別の盗難車だったそうです。

助手席に座っていた男が泥棒本人だと確認してから、スタッフの3人がそれぞれの車で泥棒達の車の動きを前後で封じました。運転していた男は走って逃げました。Bさんが追いかけましたが逃げられたそうです。

助手席にいた泥棒が車から出てきたところにうちの夫が後ろから飛びかかり、羽交い締めにして地面に押し倒したそうです。

スタッフの一人がすぐに警察を呼びました。警察が到着するまでの約15分間、うちの夫は泥棒を押さえ続けたそうですよ。泥棒が逃げようとして暴れるので、何度か頭を殴ったそうです。

泥棒はやって来た警察に逮捕されました。盗まれた商品のいくつかはすでにマーケットプレースで売ってしまっていたそうですが、ほとんどは取り戻しました。


商品受け取り場所に向かう途中で夫が私に電話をして来たので、私は泥棒がナイフなどの武器を持っている可能性があることを伝えました。

くれぐれも刺されて殺されないようにしてくれと注意したんですよ。

結局、泥棒の仲間は逃げたし、泥棒本人は突然後ろからうちの夫に襲われて反撃するチャンスもなかったんですが、実はナイフを持っていたんです。

それを出すひまもなくうちの夫に羽交い締めにされて倒されたわけですけど、ナイフを出されていたらどうなっていたでしょうかね。危なかったですよ。

泥棒は、ナイフ以外に違法薬物や大量の現金を持っていて、盗難車にはツールショップから盗んだ商品が積んであったわけです。商品が入った箱にはツールショップ名が書かれたステッカーがまだ貼ってあったそうです。

おそらく家には他の盗品も持っているでしょうし、複数の罪で起訴されることは確実ですから実刑は免れませんね。

残念ながら、うちの息子は別の場所で見張りに立っていたのでうちの夫が泥棒と格闘する動画は撮れていないんですけど、スタッフが撮った写真は見せてもらいました。

息子は、警察が泥棒を逮捕する場面は動画に撮っていましたよ。警察に「動画を撮るな!」と怒られたところで終わっています。動画を撮られていると分かった泥棒がFワードを叫んでいるのも聞こえます。

犯罪ドラマで見たことがあるようなシーンでした。

泥棒に後ろから飛びかかって地面に押し倒し、頭を殴るという暴行を加えたのはうちの夫ですから、それを正当化するだけの理由があったのかどうかという点が問題になるわけでしてね、警察からは長い事情聴取を受けたそうです。

しかしまあ、その男が泥棒だということを証明する証拠は揃っているわけで、盗難車に乗っていたことやナイフや違法薬物を所持していたことなど、泥棒はいろいろ犯罪を犯しているわけですからね、うちの夫が暴行の罪に問われることはないと思いますけど。

まあ、昨日はこのように興奮する一日となったのでございます。

そこまでして商品の奪還と泥棒の捕獲を目指したのには理由があったんですけど、うちの夫達が計画した通りに上手く行って良かったです。


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2024年4月19日

泥棒はチャンスを狙っている

昨日の夕方近く、うちの夫が電話をして来て帰りが遅くなると言いました。こういう時には、事件か事故があったに違いないんです。

「何かあったの?」
「うん、商品を盗まれた」
「今日?昼間に?どうやって?」

うちの夫が勤めるツール会社はこれまで度々泥棒に入られていて被害が大きかったために、どの店舗も大変頑丈な作りになっています。

うちの夫の店舗なんて、建物そのものはコンクリートの箱みたいですし、入り口には2重3重の扉が取り付けられています。駐車場は塀と有刺鉄線付きフェンスで囲まれていて、2つの入り口には鉄のゲートがあって、営業時間以外は頑丈な鎖で施錠してあって、その外にはボラード(鉄の棒)も立ててあるんです。

警備会社が夜中ずっと監視していますから、何か異常があるとうちの夫に真夜中でも電話がかかって来るわけですよ。

店舗は交通量の多い道路に面しているし、夜間にこっそり盗みに入るというのは非常に困難です。

だから、泥棒達は営業時間中にやって来るのですよ。

もちろん店内にも駐車場にもそこら中に防犯カメラが取り付けてあります。店内は、商品をこっそり持ち出せないような配置になっていて、対策は万全なはずなのにどうやって盗まれた?

どうやら、昨日はうっかりした隙を狙われたようです。

盗まれたのは入荷したばかりの商品だったんですって。商品は木製パレットに積まれてラップで包んだ状態でトラックで運ばれて来ます。

フォークリフトのフォークをパレットに突き刺してトラックから降ろしますよね。それを建物内の倉庫に持って入って商品の確認をして、処理が終わったら陳列の作業に回すわけですがね、そういう一連の作業は商品が届いてすぐに全部が出来るわけではありません。

詳しいことはここに書けませんけど、パレットに積まれてラップで包んである状態の商品を狙われたそうです。

パレットごと盗んだわけではありませんよ。ラップを切って1つだけ盗んで行ったらしいんですけど、偶然その商品が大変高額な商品だったんですって。

もちろん全てが防犯カメラに写っていました。泥棒の写真を見せてもらいましたけど、顔も着ている服も鮮明に写っていました。車のナンバープレートだってはっきり分かりましたが、ナンバープレートは偽物だったそうですから、この男はプロの泥棒なんです。

泥棒っぽさはありませんでした。パッと見て「あの男は怪しい!」と思ったりしない普通の外見でした。

しかし、プロの泥棒なんです。いかに上手いことやって盗むか、それが仕事なんです。毎日いろんな街のツールショップに行って常にチャンスを狙っているわけですよ。

そういうプロの泥棒が相手なんですから、お店の方は油断や隙があってはいけないんですけど、昨日はスタッフに油断も隙もあったということなんです。

警察に提出する証拠の画像や動画の準備で昨日は帰りが遅くなったうちの夫ですが、今朝はいつもよりも早く仕事に行きました。

ものを売る仕事というのは、ものを売る以外にも本当にいろいろありますね。悪質クレーマーの客とか泥棒とか、ストレスがたまりますよ。


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2024年4月18日

ドバイ洪水で家が水浸しに

昨日は、義妹(うちの夫の妹)とパートナーがランチを食べに来ましたが、メルボルン・コメディー・フェスティバルには行きませんでした。

義妹とパートナーはドバイ在住なんですが、日曜日にドバイに帰ることになっていますけど、予定通り帰れるかどうかはまだ分かっていません。

だって、ドバイは一年分以上の雨が一日で降るという記録的な大雨に見舞われて、洪水が発生しているのですよ。


洪水の被害を受けているドバイ空港に近いエリアにある義妹達の家は2階建てだそうですが、1階部分は上の動画のような状態で水浸しになっています。

居住部分の2階にも水が入っているそうですが、どの程度の被害があったのかはまだ分かっていません。

さらに雨が降る可能性があるということなので、日曜日に予定通り帰国できるかどうか二人は少し心配していました。

砂漠の国に作られた街ドバイは、雨はめったに降らないんですよね。2年前に私はうちの夫と一緒にドバイに旅行にしたんですが、滞在した1週間毎日快晴でした。

大雨が降ることを想定した街作りがされていませんから、排水路が整備されていません。今回のようにまとまった雨が降ったら、水は全部たまってしまうのです。

ニュースの映像でバキュームカーが道路にたまった水を吸い取っているのを見ましたけど、あんなことをやっていたんでは道路が通行可能になるまでどれだけ時間がかかるでしょうか。

地球温暖化が急速に進んでいますし、今後もこうした大雨が降る可能性は大きいそうですから、ドバイの社会問題になる可能性がありますね。

洪水の被害そのものも大きいでしょうけど、洪水によって経済活動が麻痺したことによる経済被害は莫大だろうと、義妹のパートナーは言っていましたよ。

ドバイは食品をほぼすべて輸入に頼っていますから、空港が使えなくなったり交通網が麻痺したりするとたちまち食糧不足に陥るはずです。

義妹は、昨年仕事を辞めてしまってリヤイア生活をしていますし、義妹のパートナーは基本的に世界中どこにいても仕事ができるんだそうですから、ドバイが暮らしにくくなれば別の国に引っ越すだろうと思いますけど。

とりあえず、日曜日に予定通り帰国できて家がひどいことになっていないといいですけどねえ。水浸しになっている1階部分は駐車スペースだと思いますが、被害が心配なことでしょう。


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2024年4月17日

コメディー・フェスティバル

メルボルン・インターナショナル・コメディー・フェスティバル(Melbourne International Comedy Festival)というのが、現在開催されています。

世界3大コメディ・フェスティバルの一つとも聞くんですけど、「インターナショナル」というくらいですから、オーストラリア人コメディアンに限らず国外からも何百人ものコメディアンやパフォーマー達がここメルボルンに集まり、約1ヶ月間に渡って大小様々な会場でショーやワークショップを開催するんだそうです。

私は一度も見に行ったことがないですけど。コンサートにしてもショーにしても、うちの夫と二人で観に行ったことはありません。夫はそういうところに行かない人ですから。

でも、誰かに誘ってもらって一緒に行くということだと話は別なようで、何年も前のことですけど、義妹(夫の妹)がミュージカル「ブック・オブ・モルモン」を観に行こうと誘ってくれて行ったことがあります。もちろんチケットは義妹が買ってくれたんです。

その義妹とパートナーが、今日ランチを食べに来ることになっているんですが、ランチの後にコメディー・フェスティバルに行こうと誘ってくれているんだそうです。

私達夫婦二人だけではどこにも行かないうちの夫も、ずいぶん楽しみにしています。

私はどうするか?

コメディーはですね、私にはジョークの面白さがいま一つ分からないとか場合によっては英語が理解できないという問題がありますが、そりゃあ私だって行ってみたいですよ。

でも、私は風邪を引いているんです。

くしゃみは少しマシになって来ていますが昨夜もティッシュの山を築いたし、ランチを作る元気はありますけど夕方からメルボルンにコメディーショーを観に行く元気は出ないというか、風邪を引いている私が人が大勢いる場所に行くべきじゃあないだろうということですよ。

今年はできるだけたくさん楽しいことをするという新年の抱負を立てた私ですしね、行ってみたい気は山々なんですけど。

ホント、風邪を引いたタイミングが悪いです。


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2024年4月16日

また風邪です

また風邪を引いたと言うか、先週の風邪が治っていなかったと言うか。

くしゃみが始まったのが、実を言うとうちの夫の知人の結婚式の最中で、たびたびティッシュで鼻をかんでいましたからね、「なに、あのアジア人のおばさん」と、ひんしゅくを買っていたかもしれないんですけど。

田舎のワイナリーレストランで、葡萄畑に囲まれているくらいですから草もいっぱい生えているわけで、「秋なのに花粉症か?」とも疑ったんです。

日曜日もくしゃみが続いたので、秋の花粉症が始まったかと本気で心配したんですが、昨日になって風邪だと分かりました。

昨夜は7時過ぎから暖かくして寝ましたけど、くしゃみは出続けてティッシュの箱が空になるくらい鼻をかみ、今朝はコーヒーの匂いも分かりませんでしたよ。

鼻の中が切れそうです。

切れて鼻血が止まらなくなって、再び病院行きというのも心配です。


明日はねえ、義妹(夫の妹)とそのパートナーが我が家に来ることになっているんです。私は食事の準備がありますから、今日は買い物に行かなくちゃあいけないのに。

彼女達は来週にはドバイに帰るのでその前に会っておきたいし、うちの夫は明日を大変楽しみにしているので私はなんとしても今日中に元気にならないといけないんですけど。

最悪のタイミングで病気になり、皆んなの楽しみを台無しにする人になりそうです。


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2024年4月15日

ケーキを作らないでください

昨日の朝、出勤前のシャワーを終えて出て来たうちの夫が言いました。

「体重がちょっとヤバいことになっているのでカッテージチーズケーキとかは作らないでください」

体重が増えたのは、カッテージチーズケーキのせいではありませんよ。

カッテージチーズケーキもカッテージチーズカップケーキも、夫が一人で食べたわけではなくて、夫が勤めるツールショップに持って行ってスタッフの皆さんが食べたんですから。

体重激増のきっかけは、自分の誕生日を祝うために友人のエクリーさん夫婦を夕食に招待した日のローストラム(子羊肉をオーブンで焼いたもの)です。あのローストラムは、うちの夫が作ったんです。

12時間も低温で焼いて作るやつで、私に言わせれば柔らかくなり過ぎて肉がぼろぼろになったローストラムですが、何を思ったかうちの夫は2キロ以上もある大きな子羊の肩肉のかたまりを2個も買って来たんですよ。

合計5キロもある子羊肉を焼いたんですが、6人が食べて半分以上残ったんです。その残ったローストラムを先週は毎日のように食べ続けたんです。

ある日の晩ご飯は、私は豚汁とご飯と和え物の健康的な和食にしたんですけどね、食べた後にローストラムの肉をお皿に取って来て、レンジでチンして肉だけを食べていました。

豚汁とご飯と和え物では足りないのか、どうしてもローストラムが食べたかったのか。

夫の知り合いのLさんの結婚式に行った土曜日には、私は久しぶりにパンを焼いたんですが、結婚式に行く前に焼いたパンの半分くらいを一人で食べましたよ。バターやピーナッツバターをたっぷり塗って。

小麦粉4カップ(1リットル)で作ったパンの半分ですよ。

そして、結婚式の帰りにはお腹が空いたと言ってマクドナルドに寄り、ハンバーガーを食べたんですから。もちろんフレンチフライやコカコーラと一緒に。

そりゃあ太りますよ!


昨年うちの夫は腎臓をどこかの誰かに提供しましてね、今や腎臓が一つしかないので肥満は問題なんです。

それなのに毎日食べ過ぎています。ホントに自覚が足りないと言うか、不注意過ぎると言うか、食べ物に関しては我慢ができないと言うか。

いくら私が低カロリーで栄養のある晩ご飯を作っても、食べた直後にピーナッツバターを塗ったパンとか食べますしね。

パンがあると食べてしまうからパンを作らないでくれと言われても困るんですよ。私だって時にはパンが食べたくなるんだから。ただし、ケーキを作らないようにすることは出来ます。

昨日の晩ご飯は、山ほどの野菜と白身魚のスープでした。ひよこ豆のサラダも作りました。これからはまた、晩ご飯は具だくさんスープがメインになります。

具だくさんスープには必ず肉や魚介類を入れるんですけどね、スープが続くと再び肉のかたまりが食べたくなる肉欠乏症になることは目に見えています。

ホント、私には理解できないんですよ。どうしてあそこまで肉が食べたくなるのか…


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2024年4月14日

結婚式に行って来ました

昨日は、うちの夫の知り合いのLさんの結婚式に行って来ました。

会場はヤラバレーのディクソンズ・クリーク(Dixons Creek)という所にあるワイナリーレストランでした。最近はこういったワイナリーレストランで結婚式をあげるのが人気のようです。


私は以前このワイナリーレストランに行ったことがありました。小学校に勤めていた頃にここで忘年会をしたことがあったんです。30年近く前のことですけど。

今住んでいる家からは車で1時間ほどで行けます。結婚式は午後4時半からということでしたが、途中で銀行に寄って仕事で必要なお釣り用のお札や小銭を用意したいとうちの夫が言うもんですから、2時45分出発ということにしていました。

ところが2時半になっても準備すらしないうちの夫。

私が急かすとやっと着替えたんですけど、要した時間はたったの5分。いつも着ている白いシャツを着て、黒いズボンにはき替え、黒い革ジャンを着て終わり。

そんな服装で行くのか!

ネクタイくらいすればいいのにと思いましたけど、結局のところはそんな服装で特に問題はなかったです。

多くの男性ゲストはスーツ姿でしたが、うちの夫以上にカジュアルな服装の人はいましたからね。

男性ゲストの中で一番目立っていたのは、蜘蛛の巣模様の青いシャツの上にカラフルなペーズリー柄のスーツを着て、そのスーツのズボンは半ズボンで、ピンク色のソックスに真っ赤なイモリのような靴を履き、毛糸で編んだ帽子を被っていたおじいさんでした。エルトン・ジョンみたいなメガネをかけていましたよ。

私は先日買ってきた濃い緑色のブラウスと黒いワイドパンツ。運良く見つかったゴールドのジルコニア付きイヤリングを付けて、久しぶりにヒールのあるブーツを履いて行きました。

女性ゲスト達はすごかったですよ。ほとんどの人がドレス姿でした。それも肩や背中を露出したロングドレスが多かったです。

真夏ならいいですけどね、昨日はワイナリーレストランの辺りは最高気温が16度くらい。夕方からは急に気温が下がって10度以下になりましたから、いくらファッションのためとは言え、そのドレスは寒かろうにと心配するような服装でした。

ものすごく大勢のゲストが招待されていました。100人以上いたと思いますけど、ゲストの全員が白人だったのには驚きました。ワイナリーレストランのスタッフも全員白人でした。白人じゃあなかったのは私と撮影チームの一人だけ。多人種多民族社会のオーストラリアでは、非常に珍しい状況だったと言えるでしょう。

結婚式は、型苦しい形式などなくて大変カジュアルで、宗教色もほとんど無かったです。ゲストの多くが手にワインやビールを持っていましたしね、結婚式をした場所が葡萄畑の横のガーデンではなくて、ワイン樽に四方を囲まれた倉庫みたいな部屋だったんですよ。

私だったらああいう場所は選ばないですけどねえ。

結婚式はあっという間に終わりました。Lさんのお母さんが式が始まる前からずっと泣き続けていて、花嫁さんのお父さんも泣いていて、Lさん本人も花嫁が入って来た時には号泣していたもんですから、私はもらい泣きしました。

結婚式の後は写真撮影の時間がかなりあって、その後で食事かと思ったら着席しての食事は無かったんです。

お酒類は豊富でしたけど、食べ物は手でつまんで食べられるおつまみが少し出ただけで、そこからはダンスパーティーが始まったんですよ。

私は知り合いなどいないし、新郎新婦に会ったことも無かったわけだし、ダンスパーティーが始まったらすることもないので、私達は早々に帰ることにしました。暗い田舎道の運転が心配だったせいもあります。

うちの夫がお腹が空いたと言うので、途中でマクドナルドに寄ってハンバーガーを食べてから帰りました。


ああいう感じの結婚式が今風なのかと興味深かったですけどね、正直言うとワイナリーレストランのご馳走を食べられると期待していたので、ちょっとがっかりしましたよ。

会場のコーナーには、こんなテーブルが置いてありました。


新郎新婦へのプレゼントを置くテーブルだとのことでした。ただし、Lさん達はプレゼントは品物よりも現金を希望していたので、うちの夫はお祝いのメッセージを書いたカードに現金を入れて、テーブル中央の白い箱に入れました。

投票箱みたいになっていましてね、箱の上の隙間から入れるようになっているんです。

ちなみに、テーブルの上のフレームに入っている結婚写真は、もちろんLさん達ではありません。一体誰なのか分かりません。赤の他人じゃあないでしょうから、もしかしたらご両親の結婚写真かもしれませんけど、非常に違和感がありました。

オーストラリアの結婚式では、引き出物なんていうものはありません。

結婚式や披露宴に参加するゲストは、行ってお祝いして食べて飲んで楽しむだけなんですけど、昨日のLさんの結婚式ではお酒は豊富に出ましたけど食べ物があまり出なかったのでね、皆さんおつまみをむしゃむしゃ食べていましたよ。

私のように食事が出なくてがっかりした人は多かったに違いないです。


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2024年4月13日

カッテージチーズのケーキ

先日の記事「夏時間終了と8リットルの牛乳」で書いた通り、うちの娘が牛乳2リットル入り容器を4本も持って帰りましてね、私はカッテージチーズを作ったのですよ。

詳しいことはその記事の後半を読んでいただくとして、持って帰ったのはうちの夫の1日遅れの誕生日をお祝いした日ですから先週の土曜日のことです。

牛乳は4本とも「ダンプスター・ダイビング」で手に入れたものでした。

ダンプスターというのは業務用ゴミ廃棄コンテナのことで、「ダンプスター・ダイビング」というのはゴミ廃棄コンテナからまだ食べられるのに廃棄された食品を手に入れることなんですけど。

うちの娘はスーパーのゴミ廃棄コンテナからその牛乳を手に入れたのです。ゴミ廃棄コンテナに入っていたということは、常温放置されていた時間があるということですよ。

そして我が家に持って帰った日には、2本はすでに賞味期限を過ぎていて、何とかしないといけないと私が気づいた月曜日には残りの2本も過ぎてしまっていたんです。

におってみたら変なニオイはしていませんでしたから、私は牛乳を煮立ててからレモン汁を加えてカッテージチーズにしたんです。

作ったカッテージチーズは、ケーキにしたりサラダに入れたりするつもりだったんですけど、

私は風邪を引いてダウンしてしまったの!

風邪から回復した木曜日には、賞味期限を過ぎていた牛乳から作ったカッテージチーズは、冷蔵庫に入れていたとは言えさらに3日も経ってしまっていました。

早く何とかしないと、頑張って作ったのに捨てる羽目になる!

におってみても変なニオイはしないし、食べてみると普通のカッテージチーズの味だし、お腹がおかしくなったりもしなかったのでね、作ったんですよ、ケーキを!



上の写真はレシピサイトに載せているもので丸いケーキ型で焼いていますが、レシピの材料を2倍以上にして大きな四角いケーキ型で焼きました。



入れるカッテージチーズの量を増やしたので、砂糖を多めにして作りました。上の写真と違って、紙のカップからあふれそうな大きなカップケーキになりました。

作ったケーキはできるだけ早く食べてしまう必要がありましたが、現在3人家族の私達にはとても食べきれません。

そもそも、減量しなくちゃあいけないうちの夫はケーキを食べるべきじゃあないんだし、お尻が悪化しているうちの息子も食べない方がいいんです。

じゃあどうしたかといいますとね、夫がツールショップに持って行ったんですよ。夫が勤めているツールショップです。スタッフの皆さん(全員おじさん&お兄さん達)に食べてもらおうと思って。

夫には、どういう事情でケーキを2つも作ったのかを詳しく説明しておきました。

スーパーのゴミ廃棄コンテナから手に入れた賞味期限を過ぎた(常温放置されていた時間もある)牛乳から作ったカッテージチーズが3日も経って限界が近づいて、「今日作らなかったら捨てる羽目になる!」ということで作るしかなかったという事情です。

しかし、ケーキの味は悪くないし、ヘンな味はまったくしないし、私がちゃんと毒見をして食べても大丈夫だということは確認していますからね、食べるかどうかはスタッフの皆さん次第というわけだったんですが。

うちの夫は、事情を説明したりはしなかったんですって。材料がスーパーのゴミ廃棄コンテナから来ているなんてことは一言も言わなかったそうです。

そして、

私はスタッフの皆さんから大変感謝されてしまいましてね、

いやあ、どうしたらいいんでしょうか…

なんか、スミマセン。

また今度ちゃんとしたケーキを作って差し入れます。


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2024年4月12日

塩をまかないと

うちの夫はツールショップに勤めているんですが、小売店で物を販売する仕事というのは苦労がつきものです。
 
時々とても元気がなくて疲れ切ったような様子の時がありますが、そういう時はたいてい難しいお客とのトラブルで精神的にまいっているんです。
 
話を聞きますとね、ホントにちょっと信じがたいほどの悪質なクレーマーがいるんですよ。
 
ツールショップでは、電動工具やチェーンソーなど高額なツールも販売していますが、故障したから新しいのと交換してくれとか代金を払い戻してくれとか言って来るお客は多いのですけど、明らかに誤った取り扱いをしてお客自身が壊したことが明白な場合が多いそうです。
 
そうした場合に、機械の中を確認してから誤った取り扱いをしたはずであることを指摘しても、お客が説明書をよく読んでいなかったことが分かっても、悪質クレーマー達には通用しませんからね、大変な騒動になることがあるようなんです。
 
長時間に渡って怒鳴り続け、通常の営業業務ができなくなったり、会社の本部にクレームをしたり、グーグルレビューで怒りを爆発させたりするわけです。
 
「店長を出せ!」というのがよくあるパターンでしょ?ですからうちの夫が対応するわけですが、経験を積んでいる夫でも怒鳴り散らすクレーマーへの対応はメンタルヘルスに大きな影響があるのです。

 まさに「カスタマーハラスメント」というやつなんですけど。
 
昨日もまた、難しいお客とのトラブルが続いているんだと言いながら、
 
塩をまかないと…
 
と言うので私は驚きました。お客に対して塩をまくなんて、すごいことを知っていますねえ。日本人でも知らない人がいるでしょう。
 
厄に対してまく清めの塩という意味ですよ。お客さんに対して聞こえるように「塩をまけ」と言ったり実際に塩をまく姿を見せたりすると、「もう来ないでくれ」という意思表示にもなるわけですが、悪質クレーマーがこんなことをされたらパワーアップすることは間違いないです。
 
うちの夫は日本のある小売店の人達が悪質クレーマーへの対応で辟易した後、「塩をまこう」と言ったのを聞いて意味を教えてもらったことがあるんだそうです。
 
本当に悪質なお客に対して「もう二度と来てくれるな!」という思いをその塩に込めるわけですね。
 
塩をまきたいという気持ちは良く分かります。私は実際に塩をまいたことがあるけど、 アレね、不思議なことに塩をまくとセイセイするんですよ。
  
わら人形とか丑の刻参りなんていうのに始まって、誰かを不幸にするおまじないというのもいろいろありますよねえ。逆に、自分に幸運が舞い込むようにするためのおまじないというのもありますが。

科学的根拠のないおまじないも、おまじないをやっている本人のメンタルヘルスに影響はすると思います。それをすることでストレスが減るとか心が落ち着くとか、そういう事は考えられます。

ドーパミンとかセロトニンとかアドレナリンとかね、脳内で作られる神経伝達物質に影響するんでしょうね。
 
塩をまくことで少し気持ちがラクになるとしたら、おまじないにも科学的な根拠があるということでしょうか。

ちなみに、オーストラリアでは塩をまくことに何の意味もありません。


昨日は、夫からあるツールの専門店に持って行きたいものがあるから大至急車を運転してくれと連絡があり、私が運転して連れて行きました。うちの夫はもう車の運転が出来ないものですからね、こういう場合は私が助けるしかないのです。

そのツールは世界的なトップメーカーの商品で2000ドル以上するものでしたが、お客さんが使用したガソリンが低品質でしかも古いものだったことが原因の故障だということがはっきりしたそうです。

専門店の方がツールから抜き取ったガソリンをチェックしたら、水が混ざっていたんですって。そのせいだそうです。修理はできないと言われたそうです。

たとえ修理できたとしても新品を買う以上のコストがかかるということだったらしいです。

買ったばかりなのに故障したと怒っていたお客さんにこのことを連絡したら、40分間も電話で怒り狂ったそうですよ。

取扱説明書には事細かく注意事項や警告事項が書かれています。使用する燃料に関する注意ももちろん書いてあるんですが、使う前に説明書を読まない人が多いわけです。

ツールショップには泥棒も入って来ますしね、メンタルが弱い人には務まらない仕事ですよ。


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2024年4月11日

見つかったイヤリング

風邪を一日で治した(つもりだった)私は、昨日予定通りヘアカットに行きました。この予約をキャンセルすると、土曜日の結婚式には伸びた髪のままで行くしかなかったですから一安心です。

私の髪はベリーショートのスタイルなので伸びたのが目立つんです。耳に覆いかぶさってくるし襟足のあたりがみっともないので、6週間に一度はカットする必要があります。

それなのに、新型コロナで長期ロックダウンになった時は、4ヶ月もヘアカットに行けなくてねえ、カッパみたいな頭になっていたのですよ。今でも悪い思い出です。

美容院の後は、ショッピングセンターに行きました。結婚式で着るためのおしゃれなブラウスとイヤリングを買うつもりでした。

ブラウス探しは思った通り苦労の連続でした。あんまり安物っぽいものは買いたくないけど、予算には限りがあります。でも、昨日は少々高くても買うつもりでした。

ところが、なかなか見つからないのですよ。気に入ったデザインのブラウスはいくらでも見つかるんです。でもね、やっぱりサイズが合わないの。袖が長すぎてね、試着してみると滑稽なだけなんです。

歩き回っているうちに、風邪のせいで体温調整がおかしくなっていたのか大汗をかき、肌寒い日だったから多くの人は冬の服装だったのに、私は上着を脱いで半袖Tシャツになりましたよ。

とにかく、長袖ブラウスは標準サイズでは話にならないと分かり、背が低い人向けのペティートサイズだけを見て回りましたけど、本当に少ないです。ペティートサイズを売っている店も少ないんですけど、売っている商品の選択肢があまりにも少ないんです。

そして、そのわずかしか無いペティートサイズの服も、私のサイズは売り切れていたりするから、もうね、好きな服を選ぶというんじゃあないんです。身体に合うサイズで嫌いなデザインでなければもうそれって感じです。

生まれて初めて緑色のブラウスを買いました。

濃い緑色で、試着してみたら悪くなかったのでそれにしました。それ以外だと、ヘンテコな柄物か真っ白しかなくてね。結婚式に真っ白を着るのはエチケットに反しますから。

買ったブラウスに合うイヤリングも一つ買いました。高いものではありませんが好きなデザインのを見つけました。


家に帰って買って来たイヤリングを着けてみたら、思っていたよりもイマイチでした。

「この緑のブラウスには、私が持っていたゴールドのジルコニアダイヤ付きのイヤリングが合うのに!」と思いました。

そして、引っ越して来て以来見つかっていない、おそらくもう失くしてしまったと思っている例のイヤリングのことを考えました。

何度も家中を探しましたが見つかっていませんでしたから、引っ越しの日の混乱の中で失くしてしまったのかもしれないとほぼあきらめていました。そして、イヤリングのことを考える度に義母を恨む気持ちがよみがえるわけですよ。

本当に失くしてしまったのか。イヤリングを入れたあの茶色い小物入れバッグは見た気がするんだけど、どこで見たかは分からない。誰かが誤って捨てたとは考えられない。

見つけたい!

それでね、昨日はもう一度探したんです。

思いつく場所を全部確認しましたけど、やはり見つかりませんでした。もうあきらめかけていましたから、見つからなくてもがっかりはしませんでした。

そんな夕方のことです。何度も探したはずのデスクの横に置いてある引き出しの中をもう一度見たんですよ。

その引き出しには、オフィス用の小物やコード類など細々したものを整理するために小さな箱をいくつも入れているんですけど、そうした箱を全部引き出しから出したら、後ろの方に茶色いものが見えたんですよ。

あっ!

茶色い小物入れバッグ!

ありましたよ。ちゃんとイヤリングもネックレスも入っていました。どうしてこんなところに入っていたんでしょうか。やっぱり引っ越しの時の私は混乱していたに違いないです。

くたびれ果てていましたからね、何をどこに片付けるかちゃんと考えていなかったんでしょう。

引き出しのような場所で探しものをする時は、物を動かして探すだけではなくて、物を全部出して探す必要がありますね。

まあとにかくイヤリングは見つかったんです。結婚式に着けたいと思ったゴールドのイヤリングももちろんありました。

高価なものなど一つもありません。安物ばかりですよ。でも気に入っているものばかり。見つかってホッとしました。


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2024年4月10日

3合の米で作ったおじや

昨日は一日中暖かくして寝続けました。おかげで風邪はだいぶ良くなりました。今日はヘアカットの予約をキャンセルしなくても良さそうです。

昨夜は、うちの息子が私のために「おじや」を作ってくれました。

ご存知のように、「おじや」というのは雑炊のことですが、雑炊はサラッとしているのに比べ、「おじや」はとろりとしています。我が家では必ず卵を入れます。

病気の時に食べたくなるので、誰かが私のために作ってくれることが出来るようにレシピサイトに病気の時用おじやの作り方を載せているんですが、息子は別のレシピで作ったようです。

そのレシピでは、4カップの出汁に3カップの「ライス」を入れるということだったので、息子は3合の「米」を炊いたんですって。

はい皆さん、すでに失敗が想像できるでしょう?

「ライス」というのは「炊いた米」であるはずですが、息子は「炊いていない米」と勘違いしていました。これが、まだお料理初心者であるゆえんですね。常識を働かせれば分かるだろうと思いますけど、息子の料理はまだ「書かれているレシピ通りに作る」レベルなわけですよ。

そこにこういう勘違いが生じるとどういうことになるか!

息子は4カップの出汁に3合の米を炊いたのを入れたんだそうです。入れながら「これはどう考えても多すぎる」と思ったそうですが、全部入れたんですって。

当然ご飯が多過ぎますから雑炊状態にはならないので、さらに水を加え、出汁の素を加え、もっと水を加えて煮込むうちに、

大鍋いっぱいのおじやが完成!

あまりに大量なので、息子とうちの夫も晩ご飯は「おじや」を食べたそうです。


ちなみに、私は眠っていたので出来上がったばかりの「おじや」は食べませんでした。目が覚めた8時半頃に食べようと思った時には、混ぜくり過ぎて米の形が無くなりかけた「おじや」は、米が水分を吸ってしまって固いペースト状になっていました。

そのペーストを冷たいまま食べました。冷たいペーストは喉に気持ち良かったです。味も申し分なかったです。

次回は、病気の時用おじやのレシピで作ってもらいたいものです。卵とネギだけのシンプルおじやで、小鍋で作れる量ですしね。

でも作ってあげようと思ってくれた息子に感謝です。

息子はゼリーも作ってくれていたんですよ。お母さんは嬉しかったです。


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2024年4月9日

風邪です

8リットルもの牛乳でコテッジチーズとクリームチーズを作り、洗い物を終えた昨日のお昼前、なんだか変だと思ったんですよ。

くしゃみが出るわけでもないし喉が痛いわけでもないんだけど、風邪を引いたような気がしたんです。その時は症状は全く無かったんですけどね、鼻の奥のわずかな違和感が風邪を連想させるというか。

昨夜から始まりました。

寒くて目が覚めたのが12時過ぎで、ベッドの横に置いていたカーディガンを着て再び布団に入りましたが、くしゃみ連発で鼻は詰まるし、完全な風邪ですよ。

夫の知人の結婚式が土曜日なので、明日は美容院にヘアカットの予約を入れているんですけど。明日もこんな体調だと予約をキャンセルするしかありません。

熱は無いと思いますがとっても寒いです。綿入り防寒コートを着てこれを書いています。今日はベッドで休んだ方がいいでしょう。

メルボルンは急に寒くなりましたから体調を崩しやすい時期です。今年は例年よりも早くインフルエンザの季節が来ているそうですし、皆さんもお身体に気をつけてお過ごしください。


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2024年4月8日

夏時間終了と8リットルの牛乳

夏時間が終わったことは昨日の記事の最初に書いた通りなんですが、日曜日の夜中の3時に時計の針を1時間戻して2時にするんです。

もちろん夜中にそんなことをする人はいないのでして、土曜日の夜寝る前か日曜日の朝起きてから戻すんですが、スマートフォンやコンピューターはプログラムされていますから時計は自動的に1時間戻ります。

日曜日の夜中、私はいつものように目が覚めまして、ちょうど3時少し前だったので、iPhone の時刻がどのように1時間戻るのかを観察することにしたんですよ。

2時58分が来て、いよいよ2時59分になり、私は時計のアイコンをにらみながらカウントダウンを始めました。

時計アイコンの針がどう動くんだろうとワクワクしていたんですが、あっけなかったです。

2時59分59秒の次の瞬間、アイコンはパッと2時を指し、時刻の表示が「2:00」になっただけ。特に面白いことなど起きませんでした。確かに自動的に1時間戻りましたけどね。


ところで、金曜日はうちの夫の誕生日だったんですが、土曜日に親しい友人のエクリーさん夫婦が晩ご飯を食べに来ることになっていたので、一日遅れのお祝いをしました。

その日はうちの娘も帰って来たんですが、いつものように「ダンプスター・ダイビング」で手に入れた物を持って帰ったんです。

最近よく話題にしていますけど、ダンプスターというのは飲食店や小売店などがゴミを廃棄するのに使う業務用ゴミ廃棄コンテナのことで、「ダンプスター・ダイビング」というのはゴミ廃棄コンテナからまだ食べられるのに廃棄された食品を手に入れることです。

今回持って帰ったのは牛乳!

2リットル入り容器を4個、つまり8リットルですよ。そのうちの2つは賞味期限を過ぎていました。

ゴミ廃棄コンテナに入っていたということは、常温放置されていた時間があるということです。1つ開けてにおってみたら腐っていなかったと言うんですけど。

日曜日にこれで何か作るのかと思ったら、娘は友人に会いにお出かけしまして夕方には住んでいるシェアハウスに帰りましたから、何も作りませんでした。

ということで、我が家の冷蔵庫には8リットルの牛乳が残されたんです。今朝賞味期限を確認したら、持って帰った時点ではまだ期限を過ぎていなかった2個も過ぎちゃってる!

においは大丈夫。しかし、8リットル全部が賞味期限を過ぎているわけですよ。そして、私はこの8リットルの牛乳を排水口に流したくない。

どうしたらいいの!

ということで、今日はチーズを作っているんです。沸騰寸前まで温めた牛乳にレモン汁か酢を加えて作るチーズです。コッテージチーズもパニールも同様にして作りますよね。


そうして作ったチーズをフードプロセッサーかスティックブレンダーでなめらかにすればクリームチーズになります。好みで塩味を付けてもいいです。


作ったチーズは冷凍しておいて、いつかお菓子作りに使おうと思っているわけですが、8リットル全部をチーズにするのは大変です。

前回うちの娘が帰って来た時には、大量の(数キロはあった)腐る寸前トマトを置いて行ったので、悪い部分を取り除いてパッサータにしたり乾燥させてセミドライトマトにしたりしたんですけど、娘の「ダンプスター・ダイビング」のせいで仕事が増えて困ります。


困ると言いながら、作るのを楽しんでもいるけどね。


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2024年4月7日

ただのうっかりならいいけど

夏時間が終わりました。日本との時差は1時間に戻りました。

うちの夫が仕事に出る時間は真っ暗だったのが、少しマシになりました。

仕事に出る前に、夫が「ジャンプスターター」というものを充電しようとしていました。「ジャンプスターター」というのは、携帯可能な小型のバッテリーです。

車のバッテリーが上がってエンジンがかからない時にエンジンをかけるために常備しているんですが、非常時用のバッテリーとしても使えます。充電用コードの接続口がいろいろ付いていますから、停電の時に携帯電話を充電するのにも使います。

この「ジャンプスターター」をうちの夫は一体何に使ったのか知りませんが、土埃にまみれていました。残量が減ったので充電しておこうと思ったんでしょうが、「ジャンプスターター」の黒い収納バッグには充電用のコードだけが入っていませんでした。

黒い充電コードを黒い収納バッグから見つけるのは、普通の視力の人なら問題ありませんけど、目が見えなくなって来ているうちの夫には問題です。良く見えないらしくて、手で触りながら探していました。

「充電コードは入っていないわよ」
「じゃあどこにある!」
「最後に充電した人が置いた場所にあるでしょう」
「それは良いアドバイスをありがとうございます」

夫は機嫌を悪くしたまま仕事に行ってしまいました。

しばらくして起きてきた息子にこの件を話しました。最後に充電したのは私ではありませんが、私だったら使った充電コードは必ず収納バッグに元通りに戻します。可能性としては夫か息子のどちらかです。

息子は自分ではないと言いましたが、見つけないと困ると思ったんでしょう。探すためには、「ジャンプスターター」の充電コードがどんな形をしているかを知っている必要があると言って、うちの夫が勤めるツールショップのウェブサイトで調べました。

商品の写真を見てコードの形状が分かってから探し始めたんですが、すぐに見つけました。

どこにあったと思います?

夫のベッドの横にあるベッドサイドテーブルの上です。夫は、「ジャンプスターター」の充電コードを自分の携帯電話の充電に使っていたのですよ。接続口の形状が同じだったのは驚きですが、明らかに携帯電話用ではないのにどうして?

夫の持ち物が行方不明になったり見つからなかったりすることは日常茶飯事なんですけど、目がよく見えていませんから夫には見つけられませんので、いつも私が探すんですけどね、今回は息子が見つけました。

夫は「ジャンプスターター」の充電コードを携帯電話の充電に使っていたことに気がついてもいませんでしたよ。

忘れ物を頻発することもそうですが、ちょっと心配になるようなエピソードの連発です。

記録としてブログに書いておくことにします。


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2024年4月6日

見つからないイヤリング

うちの夫の知り合いの方の結婚式が近づいて来ているものですから、着て行く服のことが気になっているんですけど、同時に気になり始めたのがイヤリングのことです。

ジュエリー類は、私はイヤリングをいくつかとネックレスを少し持っていただけです。高価なものなどありません。デザインが気に入ったものを少し持っていただけです。

お気に入りだったイヤリングを立て続けに失くしたこともあるんですが、お気に入りのイヤリングはまだ2つ残っていました。

どうして過去形で書いているかと言うと、見つからないからです。

昨年の10月に10年間住んでいた義妹(夫の妹)所有の家から現在住んでいる家に引っ越して来た時から行方不明で、思い出す度に探しているんですが見つからないんです。

そのうち出て来るだろうと思っていたけど出て来ていません。結婚式に着けて行きたいイヤリングがあるから昨日は本気で探したんですが、見つかりませんでした。

ジュエリー類はバスルームに保管していました。そのバスルームは壁一面が戸棚になっていて、戸棚のドアはすべて鏡でしたからね、バスルームがドレッサールームだったんです。

引っ越しの時、イヤリングとネックレスはそれぞれ袋に入れてから茶色い小物入れバッグに入れたんです。それは覚えているんです。

バスルームにあった物は箱に詰めしたりしませんでした。歯ブラシとかシャンプーとかヘアブラシとかヘアドライヤーとか、最後の日まで使いますからね。バスルームにあるものは引っ越しの日の最後に持って行くつもりだったんです。

イヤリングとネックレスを入れた茶色い小物入れバッグも、そういったものと一緒に持って行くつもりでバスルームに残していました。

引っ越し業者のトラックが大きくなかったので乗せられるものが限られたために、私は自分のカローラに荷物を積んで何度も家の間を往復して荷物を運ぶ必要がありました。昨年の引越し作業は、ほとんど私が一人でやったんですよ。

うちの夫は腎臓摘出手術の後で重いものは持てないし、車の運転はもう出来ないし、メンタルがおかしくなっていたのか前日になっても荷造りすらせずに寝ていたんですから。

うちの息子はお尻の具合が悪くなって頼りに出来ない状態でしたしね。

私は何週間もかけて一人で持ち物を処分したり片付けをしたりして、荷造りも一人でやって、引っ越し業者のトラックが来る前日から荷物を運び始め、トラックが来た日はもうヘトヘトに疲れ切っていたんですけど頑張るしかないから頑張ったんです。

詳しいことは、昨年の10月の記事を読んでいただくとして。

引越し業者のトラックが来た日には、夫の持ち物であふれかえっていたゴミ屋敷状態のガレージは、まだ片付けが終わりそうな見通しすら立っていなかったんですよ。

思っていたよりもはるかに小さかった引っ越し業者のトラックに乗せられるだけ電気製品や家具や乗せ、私のカローラを荷物で一杯にして、ともに引っ越し先の家に行き、搬入を終えてから更に荷物を取りに家に戻りましたらね、義母(夫の母親)とパートナーが来ていたんです。

私達に相談なく勝手に来ていたんです。そして、家の中に残っていたものを全部勝手に持ち出していたんですよ。

残していた掃除用の洗剤や道具にいたるまで、家の中にあったものは何もかも全部持って出て、ガレージの汚い地面に置いていました。バスルームに残していた物も全部です。

引っ越し大変記(2)「押しかける人」に詳しいことを書いていますが、これには頭に来ました。義母は、この日の2時半にその家を購入することに興味がある人が家の内見に来るからと言って、勝手なことをしていたんです。

2時半までに内見してもらうのに相応しいレベルにしないといけないのに、まだ家の中に持ち物がこんなにたくさん残っているのは「どういうことなの!」と怒りました。

私達はその時引っ越しの真っ最中だったんですよ!

内見に来る人も、私達がその日に引っ越しをしていると知っていたんです。

義母の勝手な行動のせいで、バスルームに残してあった物の行方が分からなくなりました。すぐに見つけましたけど、茶色い小物入れバッグは見つかっていないわけです。

イヤリングもネックレスもジップロック袋に入れてから茶色い小物入れバッグに入れたんですよ。高価なものではないですから、他のものと一緒にバスルームに置いておいたんです。

失くなるなんて心配していませんでした。誰もあの家に入って来ることは無いはずでしたし。

あの茶色い小物入れバッグは、間違って捨ててしまったか、ゴミ屋敷ガレージにあったものと一緒に箱かプレスチック容器に入れられて、いまだに片付いていないこの家のガレージのどこかにあるかのどちらかでしょう。

義母のこと、恨むわホントに…


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2024年4月5日

背の低い人向けペティートサイズ

うちの夫の知り合いの方の結婚式が近づいてきています。

夫はツールショップ会社に勤めているんですが、この方は夫が以前勤めていた店舗の若いスタッフの一人でした。真面目に頑張る若者というだけでなく、非常に向上心があってツールについて「学びたい」という強い意志があったそうなので、夫はいろいろ教えたんだそうです。

この若者は、その後ある有名電動工具メーカーに転職したんですが、うちの夫のことをメンター(仕事やキャリアについて指導・助言をしてくれる相談相手)として尊敬していたらしくて、結婚式にうちの夫を招待したのです。

私は会ったこともないんですが、ぜひ夫婦で出席して欲しいとおっしゃっているのですから私も行くことにしたんです。

気になっているのは、何を着て行くかということ。最近急に寒くなって来ていましてね、着て行こうと思っていた服がちょっと寒すぎるんですよ。

上着を着ればいいだろうとお思いでしょうが、こういう時に着るのに適した良い上着を持っていないんです。いや、持っていないわけではないけど、持っているのは若い頃のまだ細かった頃に買ったのと太っていた頃に買ったのだけです。

どれも日本で買ったものです。だから袖丈が長過ぎることもなく身体に合うんですが、若い頃に買ったのは肩パッドがすごくていかにも90年代風だし、太っていた頃のはブカブカで、どちらもちょっと着れません。

これを機会にジャケットを新調しようかとも思ったんですが、オーストラリアでは長袖の服を買うのは簡単なことではないんです。袖丈も身丈も長過ぎるからです。

オーストラリアで自分の足に会う22センチの靴を見つけることは不可能だと分かっていますが、服は「Petite」(ペティート)という背の低い人向けの商品から何とか着られるものが見つかることもあります。

非常にデザインが限られますけど仕方がありません。

ちなみに、オーストラリアのユニクロは、まったく同じ商品でも日本で売られている商品よりも袖丈が数センチ長くなっていますから、長袖の服を買う時には要注意です。ニットくらいなら何とかなりますけど、私は長袖Tシャツですらオーストラリアのユニクロでは買いません。

背の低い人向けペティートサイズを売っている店は多くありません。

Myer(マイヤー)というデパートはペティートサイズを売っているので、昨日はデパートのオンラインショップで探したんですよ。

売られているペティートサイズの服は、本当に数が知れています。ジャケットなんて買いたいと思えるものは一つもなかったので、長袖のブラウスかトップスを買おうと思いました。

まったく同じデザインの服を標準サイズと大きいサイズと背が低い人用のペティートサイズで販売している場合もありますが、異なるモデルが同じ服を着て別々の商品として掲載されています。

最近のオンラインショプでは、モデルは身長が何センチでどのサイズの服を着ているかを説明してありますよね。

標準サイズのを着ているモデルの身長を見てみたら、178センチと書いてありました。私と同じサイズ10のブラウスを着ていましたが、178センチの人が着てちょうどいい長さの長袖ブラウスなど私に着れるはずがありませんよ。

やっぱり標準サイズは話にならない!

背が低い人用のペティートサイズでないと無理です。探していくうちに同じデザインのペティートサイズを見つけました。

背が低そうな別のモデルが同じサイズ10のブラウスを着ていました。袖丈の感じも良かったので候補リストに入れました。

ふとそのペティートサイズ用モデルの身長を見てみました。そのモデルの身長は168センチと書いてありました。

何だそれ!

168センチが背が低い人?

日本人的には168センチは背が高い人だと思うんですけど。

調べてみましたら、ペティートサイズというのは身長が163センチ以下の人のプロポーションに作ってあるんだそうです。要するに、袖丈や身丈、スカートやズボンの丈を標準サイズより5〜6センチ短く作ってあるそうです。

私は身長154センチ。若い頃は155センチだったけど、もしかしたら今は154センチもないかもしれない。

そして、標準的な154センチの人よりも手足が短いのでね、たとえペティートサイズでも身体に合う長袖の服を探すのは難しいわけですよ。

ああ…

長袖の服探しは、苦労でしかありません。標準サイズの七分丈も候補に入れて探しています。


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2024年4月4日

視力低下と危険なパン

うちの夫が勤めるツールショップは年中ほぼ無休で営業していますが、イースター連休初日の「グッド・フライデー」はさすがにお休みでした。

ちなみに、「クリスマス」もお休みです。イエスが死んだ日と生まれた日だけが休業日というわけです。

「グッド・フライデー」の休みを利用して、うちの夫は父親所有の家のメンテナンスに行きました。一昨年の8月に売りに出して売れず、いつの間にか売るのを半分あきらめたような形になっている家ですが。

敷地が31エーカーもあるので、草切りとか倒れた木の片付けといったメンテナンスは、家を売るつもりなら続ける必要があるのです。しないとあっという間に手がつけられない状態になってしまいますから。

どうやら、夫の父親は値下げしてでも売ってしまおうと決めたそうなので、今年中には何とか売れて欲しいと思います。あの家が売れたらメンテナンスに行く必要がなくなるので、夫がトラックを持ち続ける必要もないんですよ。

あの家の物置においてあるトラクター型草刈り機もたくさんの道具も機械も全部もう使うことがないんです。置いておく場所もなくなるわけだし、夫は処分するしかないでしょう。

この話の続きは、近いうちに書くことになると思います。

今日の話題はその事じゃあなくて、パンのこと。

「グッド・フライデー」の日は、排水用のパイプを埋めると言って行ったんですけどね、「グッド・フライデー」に営業している店は無いですから、お昼ご飯のサンドイッチを自分で作って持って行ったんです。

種や穀物入りの「マルチグレインのパン」で作りました。そのパンが少し残っていたんですよ。私は、そのパンがまだ残っていたことに気がついていませんでした。

昨日の午後、その残っていたパンを夫が食べていました。ピーナッツバターを塗って食べていました。

袋にはまだ2枚残っていましたが、買ってから6日も経っていたのでもう捨てようと思って袋の中のパンを見ましたら、

青い斑点がいっぱい!

青カビだらけになっていたんですよ。買って6日であの状態というのには驚きましたが、気がついた時にはもう夫はパンを食べ終えていました。

パンは普通のパンではなくて種入りのマルチグレインのパンでしたから斑点がたくさんあってカビが見えにくいと言えば見えにくいですけど、普通の視力なら茶色の斑模様の中に青い斑があればすぐに気が付きます。

でも、我が家のキッチンは薄暗いですし、薄暗いところでは何も良く見えていないらしい夫には青カビなど見えなかったのですよ。


私が注意しなくちゃあいけないことがまた一つ増えました。

本人には食べる前に確認することが出来ないのでね、パンやチーズにカビが生えていないかどうかは私が注意していないといけません。

ちなみに青カビだらけのパンは、カビの味はしなかったそうです。夫の味覚は鈍感だし、あんなにピーナッツバターを塗ればカビの味など分からないでしょう。

カビ毒を発生させているほどひどい状態ではなかったと思いますから、体調が悪くなったりもしませんでしたけど、これからは食べ物の状態には気をつけます。

食べ物と言えば、冷蔵庫の中もですね、物の置き場所を決めてたくさん入れないようにしています。そうしないと夫はバターを見つけるのにも苦労するからですけど。

娘がイースター連休にたくさん持って帰ったもの(「ダンプスター・ダイビング」で手に入れたものがほとんど)でごちゃごちゃしているんですよ。今日は片付けをしておきます。


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2024年4月3日

原書と翻訳本

腰痛になっています。

原因は明らか。コンピューターの前に長時間座り続けたからですよ。

翻訳の仕事がたくさん来ていた頃には、朝から夜まで座り続けることがよくあって、そういう時には必ず腰痛になっていましたから分かります。

今回座り続けた理由は読書です。文字を拡大表示して読める電子書籍のアマゾンKindle本をコンピューター用のアプリで読んでいたんです。

Kindle本専用のデバイス(電子書籍リーダー)を持っていませんから、iPhone のアプリでも読んでみましたけど、iPhoneで読むと首も手も疲れるんですよ。コンピューターのモニター画面に大きく表示して読むのは、思っていたよりもはるかに快適でした。

ところで、私が読んでいたのは英国イングランド北部の街カーライル在住の作家、M. W. クレイブン(M. W. Craven)の作品のうち、ワシントン・ポーという名前の刑事が主人公となるシリーズです。

主人公のポー刑事(エドガーという名前の犬を飼っている)をはじめ登場人物が良いです。カンブリアという地域が舞台となる点も、話の組み立ても面白いんです。

英国推理作家協会がその年の最優秀長編作品に与える賞「ゴールド・ダガー賞」というのを2019年に受賞した「The Puppet Show」(邦題:ストーンサークルの殺人)を読んで面白さにハマり、次々と4作品目までを読みました。

4作品目「Dead Ground」(邦題:グレイラットの殺人)は、英国推理作家協会のイアン・フレミング・スチール・ダガー賞を受賞しています。大変読み応えがありました。

もちろん5作品目も読みたくなったのですが、翻訳本がまだ出ていません。いつ発売になるかわからない翻訳本を待つのもアレなので、5作品目の「The Botanist」は原書(英語版)で読むことにしました。

知らない単語や意味不明の専門用語がやたらに出てきて辞書を引いたりグーグルしたりする必要がありましたが、アプリで読むと辞書機能を使って簡単に意味を理解することが出来ることも多いですし、コンピューターの画面で読んでいるのでグーグルで調べるのも簡単でした。

それに私の英語読書速度はいつの間にか速くなっていたらしくて、翻訳本を読むのと大差ないスピードで読むことが出来ましたから、イライラすることもなかったです。

そして思ったのはですね、小説の翻訳は難しいということでした。

翻訳者が原書を読んで受け取ったニュアンスやイメージが日本語に反映されてしまいますからね。

例えば「This is a pen」(これはペンです)という一文も、人が話す場合には様々な言い方ができるんですよ。

これはペンでしょ。
これってペンじゃん。
これはぺんだぞ。
これはペンでございます。
これはぺんなんだけど…

言い方によって、話している人物がどういう人なのか、読み手は異なるイメージを持つじゃあないですか?

私は、かつてハリー・ポッターのシリーズを原書で読みましたが、翻訳が出るのを待ちきれなくて原書で読んだということなんですけど、原書で読んだ後に翻訳を少し読んだら違和感が大きくて、これはちょっと違い過ぎると思ったのを思い出します。

日本語版だと、世界観がまったく違ってくるんです。

M. W. クレイブンのワシントン・ポー・シリーズもですね、翻訳で読んだ4作品を原書と比べるために無料サンプルを読んで比べてみたんですが、英語で読んだ時と日本語で読んだ時とでは登場人物のイメージに違いが出ます。

日本語では表現しにくい言葉もたくさん出てきますし、そういうのは本来のニュアンスが伝わらなかったりするし、小説の翻訳は難しいですね。

ワシントン・ポー・シリーズの翻訳は読みやすいですよ。読んでいると「おそらく原書ではこういう表現なんだろうな」と思える違和感のある表現はもちろんあります。

日本語と英語は文章の構成の仕方が異なるので、原文の構成にとらわれるとヘンテコな日本語になることは多いんです。

そういう部分に度々遭遇はしても、一気に読み進めて大いに楽しめるストーリーですし、辞書を引きながら読むことも無いですからね、翻訳本を否定する気は全く無いですが、私は次の作品も原書で読むつもりです。

6作品目の「The Mercy Chair」が6月6日に発売されるのですよ。666と6を並べたところにもなんだか期待させられます。


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2024年4月2日

食器洗い機と反省したこと

オーストラリアの多くの家庭には、食器洗い機があります。キッチンの作業台の下のキャビネットに組み込まれているタイプの大きなものが主流です。

一人暮らしなら皿洗いも大したことではないですが、4人家族だった我が家は毎食後の皿洗いは面倒なことでしたから、家事に取られる時間を大いに減らしてくれるありがたい電気製品なわけなんですけど。

現在住んでいる家にある食器洗い機は少し小さめなので、毎日1回動かします。動かしている間に、あるいは動かした直後のまだ食器洗い機の中が熱い時に汚れた食器が出ると、私は手洗いして水切りかごに置いておきますけど、うちの男達はそういうことはしません。入れられない場合は、作業台に置いておくんです。

これが問題!

食器洗い機に入れられない理由が無い場合でも置いておくことがしょっちゅうあるからです。

食器洗い機が無い家に住んでいた時にこれをされると、「はい、洗っといてね」と言われているようで頭に来たものですが、食器洗い機がある家でこれをされると「はい、入れといてね」と言われているのと同じです。

ただ入れるだけですからね、簡単なことなんですから大したことはないだろうとお思いかもしれませんが、毎日毎日これをされると腹が立つんですよ。

自分で入れてよ!

と思うんです。

簡単なことなら自分で出来るでしょう?どうして私にさせるの?

食器洗い機がキレイになった食器でいっぱいで入れられないのなら、食器を片付けてから汚れた食器を入れたらいいわけですよ。食器を片付けるのは私の仕事というわけではないんですから。

夫か息子のどちらかが何か一つ置いておくと、入れられない理由があるんだろうと思うのか、別の一人も同じように置いておくわけです。こうしてどんどん汚れた食器が(水を飲んだだけのグラスも)作業台の上にたまっていくのですよ。

昨日イライラしていた私は、またも作業台の上に汚れた食器を置いたままにしていたうちの夫に腹が立って、「自分で入れろ」と言っとかないといけないと思っていたんですけど。

夫が自分で入れない理由に気がついたんです。

入れない時がよくあるけど入れる時もあるのですよ。そして入れない時というのは、食器洗い機の中にある程度の数の食器が入っている場合です。

夫はね、汚れた食器を入れてもいいかどうか分からないから入れないんです。なぜなら、入っている食器が洗浄後のキレイな食器なのか汚れているのかが分からないからです。

それが判断できる視力がもう無いってこと。

(うちの夫は遺伝性の黄斑変性である「スターガルト病」で目が見えなくなって来ているんです。)

薄暗いとものが見えなくなっていることは知っていますけど、食器洗い機の中には明るい照明が無いですからね。

私が一緒にいる時に、よく食器洗い機を開けて「これキレイ?汚れてる?」と聞くんですけど、一人の時には分からないから入れらないわけですよ。

気が付かなくて悪かったな…

夫の食器を食器洗い機に入れるくらいは私がしてあげなくちゃあいけないのでした。

反省…

「自分の汚れた食器ぐらい自分で入れてちょうだい!」と怒らなくて良かったわ。


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2024年4月1日

廃棄される食品

イースター連休中に家に帰って来ていたうちの娘と犬のダラスは帰りました。

娘が住んでいるシェアハウスには犬を入れることはできませんので、ダラスの飼い主カップルが旅行から帰って来るまでは飼い主が住んでいるマンションで過ごすそうです。

我が家にいた間、娘は「ダンプスター・ダイビング」(Dumpster Diving)で手に入れた食品の消費のため、ずっと料理をしていました。

「ダンプスター・ダイビング」とは「ゴミ廃棄コンテナに飛び込む」という意味です。すなわち、食品を販売する店がゴミを廃棄するのに使う業務用ゴミ廃棄コンテナからまだ食べられる食品を手に入れることを意味します。

うちの娘は時々これをやっているのですよ。

主に野菜や果物を取って来るのですが、今回はベーグルというパンや乳製品も取って来ていました。泡立ててケーキに使ったりするクリームも大量に取って来ていました。

ベーグルも乳製品も賞味期限を1日過ぎていました。あらゆるお店が営業しないイースター連休初日の「グッド・フライデー」前に廃棄されていたわけですが、運良く気温が低かったので腐っていませんでした。

持って帰ったクリームの容器は何十個もありましたから、あんな大量のクリームをどうやって使うんだろうと思ったら、娘はバターを作りました。それを焦がしバターにして固めました。

バターを作った後にできる液体をバターミルクと言いますが、それを使ってケーキも焼きました。

バターを使ってチョコレートフロスティングを作り、以前に「ダンプスター・ダイビング」で手に入れたチェリーで作ったコンポートをはさんで、ブラックフォレストケーキを作りました。

牛乳は見つけてすぐにリコッタチーズにしたそうです。そのチーズでマカロニチーズというオーブン料理を作り、「ダンプスター・ダイビング」で手に入れた野菜で作ったコールスローと一緒に私達家族の晩ご飯になりました。

娘が「ダンプスター・ダイビング」をしているのは、おもにスーパーマーケットのゴミ廃棄コンテナだそうです。どのスーパーも信じがたい量の食品を捨てているそうです。

賞味期限が過ぎたものはもちろんですが、まだ十分に食べられる野菜や果物を大量に廃棄しているんです。

スーパーマーケットが受け入れないために販売できない野菜や果物は、農場で廃棄されてもいます。サイズが規格外、つまり大きすぎるとか小さいとか、傷のようなものがあるとか色が均一でないとか。

そういう廃棄される野菜や果物を安く販売するところもありますが、数も場所も限られています。

私達消費者もこうした食品に対する意識を変える必要があると思います。自分で野菜を栽培したことがある人なら分かりますが、キュウリやインゲンが曲がってしまうとかトマトに茶色い部分が出来るとか、ズッキーニの片側が色が薄いとか、そんなのは当たり前なんですよ。

でも、お店で買う消費者は、そういうのは避ける傾向がありますからね。

毎食ちゃんと食べられないほど経済的に苦しい暮らしの人達が大勢いるのに、大量の食品が廃棄されているというのはどうかしています。

食品ロス(フードロス)は社会問題になっているわけですが、うちの娘がゴミ廃棄コンテナから見つけて来る食品を実際に見ると衝撃を受けますよ。

夜の闇に隠れて「ダンプスター・ダイビング」をしなくても済むように、小売店が処分したい食品を欲しい人に無料で提供するようなシステムは作れないものですかね。


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