うつ病になったことがない人には、うつ病がどういう病気なのか理解するのは難しいと思います。多くの人は「気持ちが落ち込んでやる気が出なくなっている心の病気」という認識ではないでしょうか。
最近は、さすがに根性論をふりかざして「気の持ちようだ」とか「甘えている」などと当事者を苦しめるようなことを言う人は減りましたけど、まだそういう人達はいます。
うつ病は、様々なことが原因となる過剰なストレスによって脳の神経伝達物質の機能が低下したりバランスが崩れたりすることで生じる「脳の病気」なんですよ。
症状は様々ですし、軽度なものから重症なものまでいろいろです。
名前が示すように「抑うつ感」は最も特徴的な症状です。気分が沈んで何もする気になれなくなります。いろいろなことに興味も関心も湧かなくなり、以前なら楽しめたことが楽しめなくなります。
「楽しい」とか「うれしい」といったポジティブな感情を抱けなくなる症状を「アンヘドニア」(Anhedonia)と呼ぶそうです。私は「アンヘドニア」のことを最近知りました。
いまだにメンタルヘルスの問題で苦労しているうちの息子が、先週から再び心理カウンセリングを受け始めたんですけど、「アンヘドニア」だと言われたそうなんです。
心理学を勉強しているうちの娘は、以前からそうではないかと思っていたそうです。
日本語では「無快感症」とか「快感消失」と言われるこの症状は、快感や喜びを感じられなくなっている状態だそうで、「アンヘドニア」はうつ病だけでなく不安障害など様々な精神疾患の症状でもあります。
簡単に言ってしまうと「何をしても面白くない」「楽しくない」という感じだそうで、抑うつ感とは異なる心理状態です。
「アンヘドニア」には、物事への意欲を失うという面もあります。特定のことに関して意欲が出ない人もいますし、全く何もしたくなくなり、深刻な場合は生きていることさえ嫌になる人もいるのです。
脳の神経伝達物質の一つであるドーパミンの減少や機能低下が影響しているそうです。甘いものを食べるとドーパミンが分泌されて気分が良くなるので、「アンヘドニア」の人の中には無意識のうちに甘いものを欲して食べ過ぎてしまい、過度の肥満になる人もいるそうです。
ちなみに、脳の神経伝達物質にはセロトニンというのもあって、皆さんも耳にしたことがお有りかと思います。大雑把に言うと、セロトニンには精神を安定させたり脳の働きを活発にする作用があり、ドーパミンには快感や喜びをもたらしてやる気を高めてくれる効果があるとされています。
私は自分が「うつ病」になったので、この病気や治療方法についてはいろいろ本を読んで学習しましたが、「アンヘドニア」についてはよく知りませんでしたので、勉強を始めたところなんですけど。
先日、家庭内でこのことに関してちょっとした出来事がありましてね、家族は少しつらい思いをしました。
うちの家族は、4人全員がメンタルヘルスの問題を抱えているので、お互いに理解し合うことが出来ていると思っていたんですけど、自分が経験していない症状については、無理解のために傷つけるようなことを言ってしまうことがあります。
無知が一番の問題です。
気をつけたいと思います。
お帰りの前に1クリックを!
0 件のコメント:
コメントを投稿