2021年5月31日

ちょっとやばいロックダウン続報

今日もまた新型コロナの話です。すみません。

新型コロナの話はもうウンザリな皆さん、今日もこのブログを読みに来てくださってありがとうございました。お帰りの前に1クリックを!

さて、

メルボルンは、1週間の予定のロックダウンが今日で4日目です。

昨日は新規感染者が6人見つかりました。1人は海外からの帰国者で、5人が市中感染者でした。この市中感染者というのは、ある程度の人数が見つかるのは予想されていたことだそうです。すでに感染が分かっている人の家族や知り合いなどが感染していたと分かっても、感染経路が明確なわけですし、ほとんどの人はすでに自己隔離中なので、大きな問題ではないんだそうです。

心配なのは、どこで感染したかが分からない「感染経路が不明」の人達で、そういう感染者が出始めると危機感が高まるんだそうですけど。

昨日の市中感染者5人のうちの1人がそれでした。

しかも、その人は高齢者介護施設にお勤めで、すでに1回目のワクチンを接種済みでした。それでも症状が出たので検査したそうです。そうしたら陽性だったんですって。

それは一番まずいシナリオ!

さらに、感染者が立ち寄っていた要注意場所が次々に発表されていますけど、娯楽イベント会場とか大学の図書館とか複数の路線のバスとか、そしてメルボルン最大のショッピングセンターであるチャドストン・ショッピングセンターも要注意場所に追加されていますよ。

チャドストン・ショッピングセンターに行った感染者の方は、きっとマスクはしていたでしょうけど、フードコートに行ったそうなので、食事中はマスクは外しますからね、何人かにウイルスが感染っていたとしても不思議ではありません。

ヴィクトリア州内の現在の患者数は49人ですが、昨年の10月以来新型コロナで亡くなった人はゼロなのです。

高齢者介護施設が心配です…

ニュースによると、ヴィクトリア州内の高齢者施設に入居している人の15%がワクチンを接種していないそうです。理由はワクチン接種を希望しないから、あるいは本人または家族から同意が得られないから。

スタッフが感染していたことが分かった高齢者介護施設は、直ちにロックダウンしたそうで、入居者の皆さんは現在部屋から出られないそうです。すでに感染した人がいるかも知れないからです。

ワクチン未接種の高齢者の皆さん、早く接種してもらってください。


ところで、メルボルンでは連日4万人以上がPCR検査を受けています。感染者が立ち寄った場所に該当の日時にいた人は検査を受けることが求められていますし、感染状況を把握して対策を立てるためにはとにかく検査が必要ということなんです。下水道も検査しているのですよ。そして下水からウイルスが見つかると、該当の地域に注意報が出されます。

ところが、人口がメルボルンの3倍の東京は、検査数が数千件とかいうのはどういう理由からなんですか?一番多い日で1万5千件くらいです。それも簡易抗原検査を含めての件数です。

検査能力がないのか、人々が検査を受けに来てくれないのか、わざと検査数を減らしているのか、どうも腑に落ちないのですけどねえ。オリンピックを目前にした今こそ、検査をしまくって状況を把握しなくちゃあいけないでしょうに。


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2021年5月30日

帰って来た義妹

寒い朝です。

今朝は気温が0度でした。真冬でもめったにない気温です。もうすぐ6月ですしね、メルボルンは冬なのです。

こんな寒さのメルボルンに、気温40度超えのドバイから義妹が一時帰国しました。

海外在住者の帰国が大変困難になっているという話を聞いていましたから、どうなることかと気をもんでいましたが、金曜日の夜にメルボルンに到着しました。

海外在住者の帰国が困難なのは様々な理由がありますが、新型コロナのせいで運航している航空便が限られているので、航空運賃がバカ高くなっているのに加え、鎖国政策のオーストラリアは感染状況次第では特定の国や地域からの入国を突然禁止したりするものですから、予約していた便がキャンセルになるということがよくあるのだそうです。

予定通り運航されたとしても、帰国者が新型コロナのPCR検査で陰性を証明しないと飛行機にに搭乗できないわけですし、それに加えて搭乗直前に短時間で調べられる抗原検査を受けて陰性でなければならない場合もあるそうです。

飛行機に乗る前に相当な努力と忍耐が必要なわけですよ。

無事に入国できた義妹ですが、空港からは隔離用のホテルに直行でした。そのホテルの部屋で2週間を過ごさなければなりません。その2週間の滞在費用は、食事も含めて全額自己負担だそうです。

一体どれほどの費用がかかるのか…

経済力がないと帰って来れませんね。

そこまでして帰って来た義妹ですが、ホテルの部屋で2週間の隔離に耐え、検査で陰性となって無事にホテルから出てきた後、家族や友達に会ってしばらくメルボルンで過ごした後、再びドバイに帰っていくのです。

ドバイに帰るには、再び検査やらいろいろあるのでしょう。

大変です…

義妹がここまでして一時帰国することにしたきっかけは、父親に心臓の問題が見つかって手術をするかもしれないという話があったからだそうです。その父親は手術はしないことになりましたが。

せめて、彼女の滞在が楽しく心温まるものになるように、私もできることをしたいと思っています。一時帰国中もリモートで仕事をしなければならないので忙しいでしょうけど、できるだけゆっくりしていってもらいたいです。


ところで、ホテルでは食べ物を買うにも飲み物を買うにも自腹で注文しないといけないらしいので、ロックダウンが終わったら何か差し入れに行こうかと思ったら、そういう事はできないんですって。

そもそも関係者以外は、そのホテルには入れないのです。

当然といえば当然です。

昨日はメルボルン空港に到着した帰国者から2人感染者が見つかっています。隔離用のホテルは感染のリスクが大きいわけですからね、家族が差し入れに行ったりできないのです。

義妹は、ホテルの部屋で一人、2週間耐えるしかありません。リモートで仕事をしなくてはいけないそうですから、仕事は退屈しのぎにはなりますね。Zoom で家族や友達と顔を見ながら話もできますから、2週間はすぐに過ぎるでしょう。

少し心配なのは、ロックダウンが予定通り1週間で終わるかどうかです。

せっかくここまでして一時帰国したのに、ロックダウンが続いて行動が制限されると残念ですからね。別世帯間の交流禁止なんかになると、せっかく帰ってきたのに誰にも会えないじゃあないですか。

昨日の時点で感染者数は45人となっています。ゼロだったのに、あっという間に45人ですよ。ロックダウンの効果が出ることを祈っています。


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2021年5月29日

辛いもの好きとシェフの挑戦

先日から話題にしているうちの夫の友人Tさんですが、この方は米国人です。若い頃から仕事の関係でずっと海外に住んでいて、十何年か前にオーストラリアに移住しています。銃社会の米国に対して非常に批判的な目を持っている人です。

このTさん、細身なのにちょっと理解しがたいほどの量を食べる人です。

また、うちの夫の話によると、辛いものが大好きなんだそうです。

一緒にレストランで食事をすると、Tさんは良くスパイシーな辛い料理を注文しますが、辛さが足りないといつでも不満なのだそうです。

ある時、もう一人の仲間のBさんと三人でランチを食べにレストラン(というかビアホール)に行った時のこと。チキンウィングを注文しましたが、そのレストランではソースをいくつかの種類から選べるようになっていて、ソースの辛さも選べるようになっていました。

Tさんは一番辛いソースを注文しましたが、このレストランのチキンウィングの辛さが足りたことがないと不満を言うのを聞いたうちの夫は、席を立って店のスタッフに話をしに行きました。

「すみません!チキンウィングの一番辛いやつを頼んだんですけど、シェフの方にお願いしてもっと辛いのを作ってもらえないでしょうか。もしも辛過ぎて、注文したTさんが食べることができなかったら、料金を2倍払います!」

料理人の皆さん、食べられないほど辛いチキンにしてくれたら料金を2倍払うとお客が言ったらどうします?

このレストランのシェフは、挑戦することにしたんですよ。

しばらくしてチキンウィングが運ばれてきました。ウェイトレスもTさんが食べるかどうか興味津々ですけど、挑戦したシェフも興味津々です。キッチンから身を乗り出して、Tさんが食べるかどうかを見守ります。

後で分かったことですが、このシェフはその激辛ソースを作るにあたり最終的には辛すぎて味見ができず、どれほど辛いかが未知のチキンウィングをテーブルに運んだのでございました。

まあね、辛すぎて食べられなかったら料金を2倍払うと客が言っているので、辛さの心配をする必要もないわけですけど。

さあ、シェフやウェイトレスや友人達が見守る中、Tさんがチキンウィングを一つ口に運びました。

そしてもう一つ。

さらにもう一つ。

自分が味見できないほどの激辛ソースだったはずのチキンウィングを、美味しそうにパクパク食べるTさんを見て、シェフは自分の目を疑ったそうですよ。

「辛くないの?」
「今まで食べた中ではベストかな。もう少しパンチを効かせてもいいと思うけど」
「マジか…」

普通の唐辛子を少しふりかけた程度の味付けでも「辛過ぎる!」と文句を言ううちの夫には、理解の範疇を超えている味覚なのでした。

Tさんに言わせると、唐辛子の辛さを計る単位のスコヴィル値がハバネロ程度の唐辛子は、容易に食べることができる人は多いそうです。

ホントか!

Tさんは、かの有名な、口に入れるのも恐ろしいキャロライナ・リーパー(キャロライナの死神)と呼ばれる唐辛子をペースト状に細かく刻んだものを食べたことがあるそうです。小さじ1杯程度にしておけと言われて、小さじ1杯を食べたけど、口の中で感じた辛さはそれほどでもなくて「何だこんなものか」と思ってさらに食べかけましたが、キャロライナ・リーパーは胃の中に入った後から影響が出て、さすがのTさんも苦しくなり、牛乳を飲まずにはいられなかったとか。

ちなみに、料理によく使われるケイエンペッパーとか赤唐辛子のスコヴィル値は4〜5万、鷹の爪も同じくらいだそうです。

ハバネロのスコヴィル値は、平均値が30万くらい。

つい最近まで世界で最も辛いと言われていたキャロライナ・リーパーは、平均値が157万くらいで、最高記録は223万と言うんですから「食べたら死ぬかもしれません」レベルですよ。

このチキンウィングの話は、うちの夫の仲間うちでは伝説となっているそうでございます。


こういう話を聞くと、そのチキンウィングを食べてみたいと思うのが人の常と言いますか、私は食べてみたくなったのですが、ロックダウンで食べに行けませんから作ってみました。


米国風にケチャップベースのソースです。特別な材料がなくても作れます。辛さは、好きなだけ唐辛子を入れて好みに調整できます。

油で揚げたりせず、ただオーブンで焼くだけのレシピです。

夫が「辛過ぎる!」と文句を言うのが目に見えていましたので、1キロのチキンウィング用ソースに小さじ1/2のケイエンペッパーを入れましたが、唇がひりひりする程度のちょうどよい辛さでした。

よかったらお試しください。


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2021年5月28日

メルボルンは再びロックダウン

恐るべし新型コロナウイルスの感染力!

メルボルンでは、海外からの帰国者以外には感染者がいない状況が何ヶ月も続いて、私達の暮らしはほぼ新型コロナ以前の暮らしに戻っていたんですけど、

再びロックダウンです!

始まりは一人からですよ。

この方はインドからの帰国者でした。搭乗前の検査で陰性で、入国後の検査でも陰性で、南オーストラリア州アデレードの隔離用ホテルで2週間を過ごし、隔離期間終了時の検査でも陰性で、5月の初旬にメルボルン北部の自宅に戻りました。

家に帰ってから具合が悪くなり、検査を受けたら陽性と分かり、隔離用のホテルで感染したことが分かりました。

この方の感染が分かった後、おそらく家族や友人あるいは仕事仲間だったと思われますが、新規感染者が次々に見つかりました。そして、感染者数は、この2週間ほどの間に34人にまで増えています。

保健省が感染経路を追跡調査しています。陽性と分かった人達が働いていた場所や立ち寄った場所が随時発表されていますが、その数が昨日の時点で100ヶ所を超えました。飲食店やスーパーマーケットやホームセンターやジムや様々な場所が含まれているんですけど、

フットボールのスタジアムも入っている!

スタジアムには何千人も集まっていたんですよ。

メルボルンではマスクの着用は義務ではなくなっていましたから、マスクもせずに大声を出して応援していたんでしょう?

そんな場所では、絶対誰かに感染っていますよ。そして感染が分かるまでの数日間に、さらにいろいろな場所で他の誰かに感染させるのです、知らないうちに。

場所の名前、住所、感染者が立ち寄った日時が詳細に発表されています。それらの場所に該当の日時に行った人々には、検査を受けに行くことが求められています。そして、実際にものすごい数の人が検査を受けに行っています。

一昨日だけで4万人以上が検査を受けたそうです。それだけの人々が検査場に足を運んだというのも大したものだし、検査能力も大したもんだと思いましたけど、すでに多くの検査場で検査能力を超えているそうです。

検査場で行列を作って長時間待たされるのも危険です。

昨年のように仮設の検査場を作る必要があるかもしれません。

一人から始まった感染拡大ですが、見つかった新規感染者が、すでに感染している人の家族とか友達とか仕事仲間とか、お互いを良く知っている人達で、感染経路が明らかだったうちはそれほど危機感はなかったんでしょうが、感染者が立ち寄った要注意場所の数が激増し、メルボルンの北部や西部から南東部にまで広がりました。

保健省のウェブサイトのこのページで要注意場所を調べることができます。

追跡調査をおこなうスタッフを大増員して追跡しているそうですが、身元が確認できている濃厚接触者と二次的接触者の数は1万人を超えたそうです。

こうしたことから、人々の動きを抑制する必要があるとの判断で、昨夜の12時からメルボルン都市圏は7日間のロックダウンとなったのです。

これまでのロックダウンと同じく、4つの理由(食料や生活必需品の買い出し、医療や介護、運動、在宅で行えない場合の労働と教育)に加えもう一つの理由(ワクチンの接種)という5つの理由以外の目的での外出は禁止です。

外出は自宅から5キロ圏以内というルールも復活です。

飲食店は持ち帰りの販売のみが可能で、またも事実上の休業です。美容院などのサービス業もスポーツ&娯楽産業も再び休業。学校も休校。命に関わらない手術も中止。とにかく人の動きを減らすため。

ロックダウンが7日間だけで終わることを祈ります。


ロックダウン発表と同じ日にワクチン接種対象者の年齢が40歳にまで下げられることも発表されましたので、多くの人が接種の予約をしようと新型コロナホットラインに電話をしているため、電話は繋がりにくい状態だそうです。

そりゃそうでしょうね。

これから1週間の状況次第では、40歳以下の人も対象にするそうです。

ところで、

私は、昨日の朝、買い物に行きました。ロックダウンを見越していたわけでは無く、単に昨日の午前中はカローラが使えたから行ったのですけど、トイレットペーパーの棚が空になりかけていましたよ。棚以外の場所にたくさん山積みされて売られていましたけど、皆さんトイレットペーパーを買っていましたね。

トイレットペーパーだけでなく、どの人も大きなショッピングカートに山盛りの買い物をしていました。どうしてあんなにたくさん買うんでしょうか。

ロックダウンは、たったの7日間ですよ。たとえ延長されても、買い物はロックダウン中でもできるんです。

それにしても、お気の毒なのはやはり飲食店。お昼前の発表で「今夜からロックダウンです」とか言われたら困るじゃないですか。仕入れている生鮮食材が、再び無駄になるんですからね。

本当に7日間で終わりますように。


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2021年5月27日

サッサフラスはもういいわ

昨日の記事に、ダンデノン丘陵のシャーブルックという森の中に住むうちの夫の友人Tさんの家に行った話を書きました。

Tさんが切って欲しいとおっしゃっている木の下見に行ったのですが、夫とTさんはかつて同じ電動工具の会社に勤めていて友達になった間柄でして、木の下見に行ったのですから会話の中心はその木の話、あとは道具の話になることは分かりきったこと。

それなのに私がついて行ったのは、夫がTさんの家から近いサッサフラス(Sassafras)という町で、何か美味しいものでも食べて来ようと誘ってくれたからでした。サッサフラスは、観光客に人気があるそうです。

木の下見が終わった後、Tさんがコーヒーを淹れてくださったのでしばらくおしゃべりをしました。予想どおりに道具の話や仕事の話で盛り上がりました。

Tさんの家からサッサフラスに行く前に、「スカイハイ」というレストランがあるダンデノン山の上に行きました。そこには展望台があって、メルボルンを一望できるのです。

天気が崩れかけていましたが、素晴らしい景色を見ることができました。


「スカイハイ」からマウントダンデノン・ツーリストロードで山を降りていくと、あっという間にサッサフラスに到着です。

サッサフラスは非常に小さな町です。観光客に人気だそうですが、中でも人気があるそうなのが「ミス・マープルのティーハウス」というカフェレストラン。しかし、あまりにも観光客向けであるということで地元民には人気はありません。


私達が向かったのは、この「ミス・マープルのティーハウス」の真向かいにあるベーカリーでした。

粉から手作りしているというベーカリーで、夫の友人のTさんからもお墨付きなのでした。私はTさん宅でコーヒーを頂いたばかりでお腹が一杯でしたから、ベイカリーで美味しいパンでも買って帰るつもりだったのですが、

定休日で閉まっていたのだった!


金網が張り巡らされた外観がちょっとアレですよ。

観光客らしいおばさんの団体がぞろぞろと入って行ったミス・マープルへ行く気もしないので、少し町を見て歩きましたけど、特に特筆するような店もなかったです。

唯一特筆するとしたら、ベーカリーの隣りにあった盆栽ショップでしょうか。

なんでこんな場所にこれが!


鳥居に「盆栽」と書いてあります。鳥居を看板代わりにしているのです。これですっかり興ざめした私は、「サッサフラスはもういいや!」と思ってしまったのでございます。

お天気のせいもあるかもしれませんし、火曜日ということで人がまばらだったせいもあるのでしょうが、何だか寂しくてヘンテコなサッサフラスでした。

さて、

家に帰ったのはお昼前。

その頃にはお腹が空いてペコペコで、しかも帰り道にうちの夫がよく食事をしに行くワランダイト(Warrandyte)という町にあるパブのことが話題になり、そこのチキンパルメジャーナという料理をいつか私も食べに行きたいと言ったせいで、夫も私もチキンパルメジャーナのことが頭を離れなくなりまして、ランチを食べに行くことにしました。

娘が私のカローラを使う必要があったので、夫のトラックで行きました。

そのパブ(本当の名前は The Grand Hotel Warrandyte)まで、裏道を通っていけば、我が家からは10分もかかりませんが、裏道というのは舗装もされていない山の中の狭い凸凹道で、ここをトラックで行くのは大変でしたよ。

それはともかく…

お昼頃から雨になると聞いていたのに、天気が良くて暖かく、ワランダイトにはサッサフラスの10倍は人がいました。火曜日のお昼にあの人出というのには驚きました。

パブは、私達が入った後どんどん人が増えて室内のテーブルは全部いっぱいになってしまいました。人気の秘密は「食べ物」です。

まさにパブ料理なのですけど、美味しかったです。量が多めでした。決して安くはありませんが、ちょっとしたお出かけの時の食事としては納得の行く値段です。

私は希望通りにチキンパルメジャーナを、夫はステーキを注文しました。


とてもじゃないけと食べきれない量でしたが、私には夫がいるので何の心配もありません。食べきれなかったチキンもポテトも夫がぺろりと完食しました。

室内にも外にもたくさんテーブルがあり、ベビーカーを押した若いお母さんや歩行補助具につかまってやっと歩いている高齢の方や電動車椅子の人も入って来ました。誰でも容易に入って来れるようにアクセスが整備されています。

パブと言っても、レストランと変わりません。食べ物の注文の仕方がパブ式ということで、飲み物を買うカウンターに行って注文します。幼児からご高齢の方まで、様々な年齢の人達が食事を楽しんでいましたよ。

ワランダイト(Warrandyte)は、メルボルン近郊からアクセスが良くて来やすいことと、カフェやレストランが多く、アーティストのギャラリーやお店もたくさんあり、駐車場もたっぷりありますから車を停めるのに苦労することもなく、町に沿って流れているヤラ川沿いを散歩するのも人気があります。

めったに行かないのですが、時々行くと、その都度楽しめる場所です。


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2021年5月26日

伐採予定の木の下見

火曜日水曜日と2日連続で休みをもらっていたうちの夫が、友人のTさんが切って欲しいと言っている木の下見に行くというので、私も一緒に行きました。

Tさんが住んでいるのは、メルボルンの東にあるダンデノン丘陵のシャーブルックの森の中です。近くには、観光客に人気のサッサフラス(Sassafras)という小さな集落があるので、下見の後そこで食事をして帰ろうと誘ってくれたのです。

夫と二人でレストランで食事をするなんてめったにありません。昨年11月の私の誕生日以来でしたから、そういう理由で木の下見について行ったのですけど。

インターネット接続のない森の中でグーグルマップは役に立たず、道に迷いながらも何とかたどり着きました。夫は以前Tさんの家に一度行ったことがあったのですけど、大変分かりにくかったです。曲がりくねった山の中の舗装道から、細い泥道で森の中に入って行くんですが、その泥道を見逃してしまって。

やっとTさんの家にたどり着いて最初に思ったのは、

よくもまあこんな所に住んでいるなあ!

 家はぐるりとユーカリの巨木に囲まれています。


裏庭の西側は少し開けていて、こんな景色が広がっていました。


温帯雨林の密林の中という場所です。勤め先への通勤だって大変でしょうにねえ。でも、Tさんはこのような場所が好きなのです。

ユーカリの巨木に囲まれているので、夏の森林火災がさぞ心配だろうと思いましたが、Tさんによると一番心配なのは森林火災ではなく、

倒木です!

森林火災は逃げるチャンスがあるけど、倒木はいつ起きるか分からないと。

そして、うちの夫に切って欲しいとおっしゃっているのが、裏庭に生えているこの木です。


枯れかけているんですよ。

この木が家の方向に倒れたら、家はペチャンコです。

幹の太さは根元近くで周囲が5〜6メートルですから、高さに対して細いと言えるでしょう。

ちなみに、この木はうちの夫が大まかに計算してみたところ、高さは約31メートルでした。


これだけの高さの木を単純に切り倒すことはできませんから、まずは枝を切って裏庭のスペースに落とさなければいけません。真下に落とすと他の庭木や物置小屋がダメージを受けます。

そして、枝を切り落とすには、

この木に登らないといけないんですよ!

うちの夫はこういう高いところに登るのは大好きで、特に木に登るのは得意で、道具もいろいろ持っています。

これは今から10年前に友人の家の木を切ってあげた時の写真です。


木の高さが比較になりませんね。枝もたくさんあって、この木は登りやすそうです。

大丈夫なんでしょうか…

体力は衰え、腕力も落ち、体重は増えて3桁で、左目は見えなくなっているんですけど。

Tさんは、一応プロの専門家に問い合わせしてみたそうですが、場所が場所だけに高所作業用の重機を持ち込めないため人が登るしか方法がなく、その場合は最低でも3000ドルとか4000ドルという費用がかかるんだそうです。

そこで、木を切るのが好きなうちの夫に相談したということなんです。そして、プロジェクトに挑戦することが大好きな夫がやる気を見せているわけです。(Tさんと、もう一人のBさんと夫の三人は、時々一緒に木を切りに行く仲間なのです。)

これからTさんが当局にこの木を切り倒す許可を申請し、許可が出るまでの間にどうやって切るかの計画を立て、必要な道具を揃えて、準備をするんだそうです。

ユーカリの木というのは枝が折れやすいんですよ。枯れたユーカリの木は特に、太い枝でもポキリと折れたりします。

高さ30メートル以上の木ですが、20メートルあたりまでは登らないといけないらしいんですけど、20メートルって6〜7階建ての建物に匹敵するんですよ。そんな高さに登って、チェーンソーで枝を切って、その枝を狙った場所に下ろすんです。

10メートルくらいの高さまで切れば心配がなくなるそうですが、いずれにしても登らないといけません。

いつかこの話の続きを記事に書くのが楽しみです。


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2021年5月25日

かりんとうと黒糖ナッツ

送風ファン付き薪ストーブは、2日目から悪臭をさせなくなりましたので、私達はふんわりと暖かい薪ストーブの暖かさを満喫しています。居間にいる時はですけど。

居間の隣りにあるキッチンにも暖かさは広がってきます。

そして、暖まった空気は上に上がっていくものですからね、2階も暖かくなります。

ところが、当たり前ですけど、居間やキッチンよりも低い所にある私の仕事部屋や寝室は、居間の薪ストーブの恩恵にはあずかれない。

一日中寒い!

オイルヒーターと綿入りの防寒コートが頼りです。

さて、

もうすっかり冬のメルボルンですが、昨日かりんとうを食べたくなったので久しぶりに作ってみました。

日本に住んでいれば、絶対に手作りなんてしないでしょうが、私が住んでいる場所では手に入りませんので、食べたくなったら作るしか無いのです。

皆さん作ったことがありますか?

大変簡単に作れるんですよ。

私は、小麦粉にふくらし粉がすでに混ぜてあるセルフライズィング・フラワー(Self-Raising Flour)という(セルフライズィングとは「自分で膨らむ」という意味)小麦粉で作りますが、普通の小麦粉ならふくらし粉を少し足してください。

小麦粉1/2カップ(125ml)に砂糖大さじ1とひとつまみの塩を加え、水大さじ2と油大さじ1を加えて硬めの生地にします。水ではなくて牛乳でもいいです。

油は入れなくても水だけで生地にできますが、私は太いかりんとうが好きなので、太めにする時は油を入れた方が食感が良いので入れています。油の量は減らしてもかまいません。硬めの生地になればよいのです。

これを棒状に丸めてきつね色になるまで油で揚げます。たくさんの油を使わなくても揚げられます。温度はやや低めで(160度か170度くらいで)揚げます。

小鍋に黒砂糖(Muscovado か Dark Brown Sugar)きつく詰めて1/4カップ(約63ml)と水大さじ1をよく混ぜながらブクブク泡立つまで弱火で加熱してしっかり溶けたら火を消し、揚げたかりんとうを入れて黒砂糖をまんべんなくからめて、ベーキングペーパーに広げて冷やせば出来上がりです。

レシピをウェブサイトに載せておきました。


小麦粉1/2カップと少量で作るレシピです。

切りの良い1カップではなく1/2カップという量にしたのは、作りやすいのもありますけど、このお菓子が大好き過ぎて作ったら全部食べてしまうからです。

このかりんとうと同じようにして作る、Muscovado Coated Nuts(黒糖ナッツ)というレシピもあります。こっちはかりんとうよりもさらに危険で、私でなくても食べ始めると止まらなくなるおやつです。ナッツは軽くローストしたクルミがオススメです。


どちらも簡単に作れます。

鍋が砂糖で台無しになることもありません。鍋にこびりついた黒砂糖は、お湯を入れておけば簡単に溶けて消えてなくなります。

作ってみてくださいね。


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2021年5月24日

送風ファン付き薪ストーブ

昨年のことですが、義母(うちの夫の母親)とそのパートナーが、年齢的に薪ストーブの手入れや薪の準備が大変になり過ぎたということで、ガスヒーターに取り替えました。

点火一発で暖かくなり、外から薪を運んでくる手間も掃除も不要で、ガスヒーターは大変楽なんだそうですけど、不要になった薪ストーブはうちの夫がもらって来ました。

我が家には暖炉があるのですが、これがですね、見た目はおしゃれで、燃える薪を見ている分にはとっても素敵なのですが、暖房としてはあまり役に立たないシロモノでして。

熱はほとんど煙突から逃げていき、暖炉のある居間を暖めるだけでも相当の量の薪を燃やす必要がありました。


雰囲気のためだけの暖炉なのです。

義母が使っていた薪ストーブには送風ファンが付いていて温風をガンガン吹き出しますので、家中を暖めることができました。

夫がこれをもらって来て我が家の暖炉に取り付けると言った時には、私は大喜びしたのですけど、その後何ヶ月にも渡ってゴミ屋敷状態のガレージに放ったらかしになっていたのです。

春が過ぎて夏も過ぎ、

秋になって気温も低くなってきた3月の終わり。

やっと夫は作業を開始しました。まずは暖炉内のレンガを取り除いて、薪ストーブを取り付けられるようにスペースを広げるというところから始まりました。


スペースを広げた後、煙突やストーブを暖炉内に固定するフレームや材料道具を買い揃えたものの、待てど暮らせど次の作業が始まる様子はなく、居間には何週間も煙突が転がったままでしたので、私は三菱マグナの二の舞になるんじゃあないかと思い始めていました。

三菱マグナというのはですね、以前夫が乗っていた自動車です。動かなくなってしまい、自分で直すと言って道具や修理部品を色々買い揃えた後に作業はストップ。結局、2年5ヶ月間もガレージに放ったらかしにされていたんです。その間、車両保険料も税金も全部払っていたんです。結局廃車となりました。

薪ストーブもね、三菱マグナのように買った材料や道具が無駄になるんじゃあないかと思ったのです。

しかし、夫は見事に私の予想を裏切ってくれました。

薪ストーブは、三菱マグナの二の舞にはならなかったのです。

ほらこの通り!


見た目は大きいですが、実際に薪を燃やす部分は小さいです。三分の一は送風装置です。後はほとんど飾りです。暖炉の穴と薪ストーブの隙間を隠す役目をしています。

スチール製の煙突がレンガ造りの煙突の中に通してあります。どうやって入れてストーブと繋げたんでしょうか。

ちぎれていた電気コードは、夫が自分で直してプラグをくっつけました。

何でもよく知っていて、何でも自分で直したり作ったりできるDIYエキスパートです。こういうことをやっている時の夫はカッコいいんです。日頃テレビばっかり見ていますけど、やる時はやるんです。

「もう少し早くやってくれたらもっと良かったのに」なんてことは、口が裂けても言ってはいけません。


ところで、この薪ストーブですが、取り付ける前に耐熱塗料を塗ったんだそうで、現在その塗料が加熱されたために発生するものすごく不快な臭いが家中に充満しています。

絶対に身体に悪そうなひどい臭いです。使い始めてから3日間くらいはこの臭いがするんだそうで、現在は家の窓を開け、薪をガンガン燃やしつつ、送風ファンは最強にして臭いを最大限に出し、クーラーの換気機能(家の中の空気を吸い出す機能)を使って臭いを吸い出しています。

送風ファンを最強にしていると、熱すぎて薪ストーブには近寄れません。そのくらいの暖房力があるので、今年の冬はガス代の節約ができそうです。

薪は、夫が時々木を切りに行くのでタダで手に入ります。

早く臭いがなくなるといいです。


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2021年5月23日

OSをアップグレードしましたけど

最近動きが遅くなっていた私の iMac には、シエラ(Sierra)というちょっと古いOSが入っていました。シエラがリリースされたのは、2016年ですから、5年近くもアップグレードしていなかったわけです。

OSをアップグレートしなくてはいけない必要もなかったので、そのままにしていたのですが、最近ホントに動きが遅くなったし、自分のブログにアクセスしようとして警告画面が出るようになった件で、ゴミファイルがいろいろ溜まっているんだろうなと思いまして。

不要ファイルの掃除は定期的にやっているのですがね、今回は本気でファイルの大掃除をして、使わないアプリは捨てて、OSをカタリナ(Catalina)というOSにアップグレートをすることにしたのでございます。

Mac用のファイル掃除には、Dr. Cleaner というソフトを使っています。デザインが良くて使いやすかったから選んだのですけど、本当にどれだけ掃除をしてくれているのかは、シロウトにはよく分かりません。でも、掃除をすると iMac の動きが良くなるのは確かなので使っています。

さて、OSのアップグレードはお昼頃に始めました。

ところが、

インターネット接続が遅いんだかファイルが巨大なのか、ファイルのダウンロードにものすごく時間がかかりました。その後のインストールにはさらに延々と時間がかかり、やっと新OS「カタリナ」をインストールし終えた時には、もう暗くなっていましたよ。

時間かかりすぎ!

早速 iMac を使ってみましたところ、新OSのおかげで再び快適にサクサクと動くようになってはいなくて、ジョーダンじゃあないくらいに動きが遅くなっていましたから、私は直ちにアップグレードしたことを後悔したのでございます。

何かをクリックしたら数秒間は何も起きないという遅さでした。

Dr. Cleaner でもう一度掃除をしたら動きはマシになりました。アップグレードするとゴミファイルを大量に作るとかするんでしょうか?

それはともかく、

新OS「カタリナ」ですけど、

どこがどう良くなったのか分かりません!

iPad をもう一つのディスプレイとして使えるようになっているそうですが、iPad を持っていない私には関係ないです。

iTunesが分割されて、「Apple Music」「Apple Podcasts」「Apple TV」という別々の3つのアプリになっていますが、私はどれも使っていませんから関係ないです。

絵文字は増えていました。

セキュリティが強化されているそうですが、それは良いことです。もう変なクッキーとかを保存しちゃったりしないようにしてもらいたいです。でも、それはグーグルの Chrome 次第なのかもしれません。

さて、

私は、晩ご飯時になると「Find My」というアプリで夫がどこまで帰って来ているかをチェックするんですけど、画面の一番上にあるメニューバーの右の端っこにある「通知センター」のアイコンをクリックすると、世界各地の時刻を表す時計と計算機と「Find My」が表示されるように設定していました。

「Find My」の地図は小さいですが、夫がどの辺りまで帰ってきているかはすぐに分かります。詳しく知りたい時には、その小さい地図をクリックすると「地図アプリ」が起動して、大きな地図で場所を調べることができましたので、寄り道をしてKFCでフライドチキンを食べているなんてことも分かるのでした。

晩ご飯の準備もほぼ終わり、いつものように夫の居場所を確認しようと「通知センター」のアイコンをクリックしました。そうしたらですね、

Find My アプリは消えていました!

なんで消えてるのよ!

焦って調べてみたところ、新OSカタリナでは「Find My」は独立したアプリになっているということが分かりました。アプリケーションのフォルダを見てみると、そこに入っていました。起動してみましたら、確かに立派なアプリになっておりまして、最初から大きな地図で居場所が確認できますし、探せるものも増えて、機能が大変向上しているのですけど、

いちいちアプリを開くのはメンドー臭い!

「通知センター」をクリックするだけで、今どのあたりまで帰って来ているかがすぐに分かったから便利だったのに。

この変更にはがっかりしました。

これからは iPhone の「Find My」アプリを使います。

それにしても、アップグレードには時間がかかりましたよ。これからOSを「カタリナ」にアップグレードしようかと思っていらっしゃるアナタ、時間の余裕がある時にしないと大変ですよ。それに、アップグレード後のあの動きの悪さはね、すぐに直ればいいのですけど、場合によってはお仕事に差し支える可能性があります。


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2021年5月22日

真っ赤な警告画面にびっくり

インターネットでウェブサイトを見たりするのに、私はグーグルの Chrome というブラウザを使っていますが、時々遭遇するのがウインドウ全体が真っ赤の警告画面です。

アクセスしようとしているウェブサイトが、偽のサイトであるとか、私に悪いソフトをインストールさせたり、パスワードやクレジットカード番号などを入力させようとしているかもしれないぞと教えてくれるわけでして。

有害サイトにうっかりアクセスして被害を受けないように、ブラウザが私達ユーザーを守ってくれるありがたい警告画面なのです。

私はこの真っ赤の警告画面に遭遇するとアクセスを直ちに中止します。危ない所には近づかないに越したことは無いんですから。

ところが、

自分のサイトにアクセスしようとして真っ赤になったら話にならん!

記事を書こうと思ってこのブログにアクセスしようとしたら、画面が真っ赤になったんですよ。悪意ある私のこのブログが悪いソフトをインストールさせたりパスワードやクレジットカード番号などを入力させようとしているぞと教えてくれたんですけど、

そんなバカな!

うちの夫は「さわるな!」「何もするな!」「どのリンクもクリックするな!」と言いましたが、何もしないわけにはいかないんですよ、自分のブログサイトなんですから。

「ハッキングされたか!」とも思いましたが、少し冷静になって考えてみました。

何が原因で警告画面が表示されているのか。

私のブログはご存知のように私がただ日記代わりのように記事を書いているだけで、広告も出ておりませんし、物を売ったりもしておりませんし、悪いことをするようなサイトではありません。

サーバーはグーグルですよ。

いつの間にか本当に悪いことをするサイトになっちゃった可能性は、ちょっと考えられませんでした。だって、その真っ赤な警告画面が表示される少し前には、普通にアクセスできていたのですし。

サイトそのものに何らかの問題が生じているのかどうかを調べる必要があります。そこで、まず携帯電話でアクセスしてみました。

普通通りアクセスできました。サイトに問題は見当たりませんでした。

今度はPCにインストールしている他のブラウザ(Safari と Firefox)でアクセスしてみました。

普通通りアクセスできました。サイトに問題は見当たりませんでした。

ということは、

いつも使っているブラウザの Chrome に、おそらく他のウェブサイトから警告画面を出させるようなクッキー(Cookie)か何らかのプログラムが入り込んだんだろうと思ったのです。

ご存知のようにクッキー(Cookie)は、ウェブサイトにアクセスすると自動的にブラウザのフォルダに保存されます。どんな内容が書き込まれていてプログラムされているのかは利用者には分かりませんけど、クッキーを有効にしておかないとアクセスできないサイトが多いですから、アクセスすれば知らない間にたくさんのクッキーを保存してしまうわけです。

とりあえず、クッキーもキャッシュもウェブサイトのデータも全部削除してみることにしました。

削除した後は、真っ赤な警告画面は表示されなくなりましたので、こうして記事を書けています。

私と同じような問題にお悩みの方があれば、参考にしていただけると幸いです。


と冷静を装ってはいますがね、あの真っ赤の警告画面にはびっくりさせられますよ。

しかも、自分のサイトにアクセスしようとしたら出るんですからなおさらびっくり。

パニーック!

という感じでした。

何をどうやってもこのブログにアクセスできなかったですからね。画面が真っ赤になっちゃって。ブログを失ったかと思いました。

警告画面に書かれていることは怖いんですが、自分のブログがそういう悪いことをしようとしていると言われたものだから「ちょっと待ってよ」「それはヘンよ」と思えたわけです。

でも、焦りましたよ、ホントは。

早速ブログ記事をバックアップしておきました。


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2021年5月21日

必ずレシートをもらう私ともらわない夫

先日、買い忘れたものがあってスーパーにどうしても行きたかった日のこと。

その日は娘が私のカローラを使っていたので、仕事を休んで家にいた夫にトラックで近くのスーパーまで連れて行ってもらいました。

ランチのためにローストチキンとかアボカドとかを買いたいと言う夫も一緒にスーパーに入りまして、何ヶ月ぶりかで一緒に買い物をしたのです。

レジで支払いをする時、そのスーパーではいつも「レシートが要りますか?」とたずねられます。要らないと言うお客も多いですから、レシート用の紙の節約、しいてはゴミの削減になるというわけなんでしょうが、夫は「ノーサンキュー」と言い、私は「イエスプリーズ」と言いました。

「レシートなんて要らないでしょ?」
「私は必ずもらうことにしてるの」
「どうしてレシートが要るんですか?」
「見せろと言われた時に見せるためよ!」
「見せろと言われたことがあるんですか?」
「何度もあるわよ!アナタないの?」
「一度もありません」

さて、この会話から見えてくるオーストラリア社会の問題というのは何でしょうか?

私が、たとえスーパーに行く時でも、必ず身なりを整えてから行く理由とも関係していますよ。

それはズバリ、

人種差別問題です!

以前記事にも書きましたけど、私がこれまでに度々レシートを見せろと言われたことがあるのは、絶対に私がアジア人だということが影響していると確信します。

うちの夫が一度もレシートを見せろと言われたことがないのも、夫が白人男性だというのが影響していると思うんです。

レシート検査にとどまらず、英語が不自由な貧乏そうな身なりのアジア人に対して横柄な態度の店員を見かけたことがありますし、自分がそういう扱いをされたこともあるのです。

今でこそ中国人人口が激増してどこに行ってもアジア人がいるメルボルンですけど、私が移民した90年代はまだそれほど多くはなかったんです。

70年代から80年代にかけて、オーストラリアはベトナムを始めとするアジアからの難民を大量に受け入れたので、アジア人の人口が増えました。80年代には、バブル景気の日本人がオーストラリアの不動産を買い漁って嫌われたりしましたし、オーストラリア社会にアジア人への嫌悪感があったのは事実なんですよ。

白豪主義というアパルトヘイトに匹敵する白人優先主義とそれに基づく非白人への排除政策があったオーストラリアですからね。

1975年に人種差別禁止法が制定されて人種差別政策はなくなったとは言え、有色人種への偏見や嫌悪は根強く残っていたのです。

アジア人は、基本的に嫌われていると言うよりも、見下されていました。バカにされていましたから、デパートや食品店などでもそういう扱いを受けたのです。

そういうイヤな経験は結構最近まで続きました。

もっとも不愉快だった出来事の一つが、確か私達家族が短期間暮らした日本からオーストラリアに戻った頃でしたから2006年ですね。

リングウッド(Ringwood)にあるイーストランドというショッピングセンターがまだイマイチのショッピングセンターだった頃のことです。

私は当時「うつ」でしたが抗うつ薬のおかげでなんとか日常生活を送っていました。夫は一年中ほとんど家にいないという暮らしでした。

マイヤー(Myer)というデパートの化粧品売り場に、ウォータープルーフのマスカラを買いに行ったのです。化粧品売り場の厚化粧の女性が二人おしゃべりをしていて、私が近づいて化粧品を見ているのに気付いても知らん顔でした。

私の方から「エクスキューズミー?」と声をかけましたらね、おしゃべりをしていた二人のうちの一人がチラッと私を見て、バカにするように「What do you want?」と言ったんですよ。

「What do you want?」ってアナタ、

普通言わないですよ、デパートのお客に!

私がウォータープルーフのマスカラを探していると言うと、「ウォータープルーフはこれ」と迷惑そうな感じで言われて、「他にお探しのものは?」などと聞いてくれるはずもなく、お金を払ってそのマスカラだけを買ったのでした。その間もずっとおしゃべりしていましたよ。

「うつ」だった当時の私は、その出来事がトラウマになってしまい、買い物に行って店の人と会話するのが怖くなってしまったのでした。

スーパーだろうがデパートだろうが手芸屋だろうがね、身なりをちゃんとして化粧もちゃんとしていると、店員の対応が明らかに違ってバカにされたりしなかったのですけど、それは気のせいではなくて、確かにそうだったのです。それでも、失礼な扱いを受けることはありました。

最近は、店員がアジア人だったりインド人だったりアラブ人だったりアフリカ人だったりと多様化していますし、若い人達は多民族社会で教育を受けていますからね、不愉快な目に遭うことはまずありません。

しかし、無くなったわけでもありません。

「うつ」も良くなり、おばちゃんになって店員達が皆んな歳下という状況になって強くなった私は、失礼な扱いを受けたりレシートを見せろと言われたりしても言い返せます。

ただし、その際の武器として、

レシートが絶対に必要なのでございます!

こういうイヤな経験を一度もしたことが無いと言ううちの夫は、ただ偶然にラッキーだったというわけではないと思うのです。


日本人はねえ、自己主張したり、理不尽な扱いや不公平に対して立ち向かったり、声を上げることが苦手な人が多いでしょ?

他人といさかいを起こすよりも、自分が黙って耐えることを選択する人が多いと思うんですけど、それじゃあダメなんですよね、多民族社会では。

権利を主張し、発言し、意思を伝えて、問題があればアピールしなくちゃあいけません。黙っている人のままでいては見下されますしバカにされます。

勇気がいるし簡単じゃあないんですけど、頑張りましょう。


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2021年5月20日

ウソをつく学者

昨日の記事で紹介した「アルビノーニのアダージョ」という曲ですが、私は昨日の記事を書くまでは、アルビノーニという名前の場所か人が関わっている曲なんだろうと思っていました。

Wikipedia の説明を読んでびっくりしましたよ。

アルビノーニという作曲家が残した楽譜の断片を元に編曲されたということから「アルビノーニのアダージョ」と呼ばれるようになったそうですが、

それはウソだったんですって!


トマゾ・アルビノーニという人は、17世紀から18世紀にかけて活躍したヴェネツィアの作曲家で、生前はオペラの作曲で有名だったそうです。

このアルビノーニを研究していた音楽学者でレモ・ジャゾットという人がいました。この方はイタリアでは著名な学者だそうですが、この学者ジャゾットさんがですね、アルビノーニが作曲した未出版の楽譜の断片を元にして編曲したとして発表したのが、この「アダージョ ト短調」という曲なのです。

アルビノーニの残した楽譜や資料はドイツの街ドレスデンにあったザクセン国立図書館に保管されていたそうですが、第二次世界大戦中の大空襲ですべて焼失したと考えられていました。

ところが、このザクセン国立図書館の廃墟から発見された断片があって、それを元にして自分が編曲したと学者ジャゾットさんは主張したのです。この曲の著作権を取得したジャゾットさんが楽譜を出版したのは1958年です。

この曲は人気を得て「アルビノーニのアダージョ」として知られるようになり、学者ジャゾットさんも「アルビノーニのアダージョ」の編曲者として有名になったのですが、アルビノーニが残した楽譜の断片を元にした云々に関する経緯については、ずっと論争が続いたそうなんです。

何故なら、その断片というものが公開されたこともなければ、そのような断片が発見されたという記録も残っていないし、その断片を見たことがある人もいない。

現在では、この曲は学者ジャゾットさんの完全な創作であることが判明しているそうです。

芸術品や工芸品の偽作とか贋作というのは、どの世界にも昔から存在していて、中には偽作がオリジナルに匹敵するどころかオリジナルを超える出来栄えであったという話もあるわけですけどね。

作曲家アルビノーニは、自分が作ったわけではないこの曲で世に知られていると言うんですから残念な話ですよ。自分とは全く関係のない他人の作品が、自分の最も有名な作品だと考えられているというのは、芸術家としては悔しいじゃあないですか。

「アルビノーニのアダージョ」という名前は響きがいいのですけど、やっぱり関係のなかった作曲家の名前をつけるのはアレですよ。この曲は「アダージョ ト短調」(Adagio in G minor)と呼ぶことにするべきでしょう。アルビノーニの名誉のためにもね。


それにしても、素晴らしい名曲なんですから、学者ジャゾットさんも自分が作曲したと言えば良かったのに。アルビノーニの名前を借りてマーケティングしなくても、良い作品はちゃんと受け入れられますよ。

ウソをつく学者というのは結構いますね。

データを改竄していたとか、出土品を捏造していたとか。

権威のある学者や研究者が言うことは、つい鵜呑みにしてしまいますけど、そういう人達がウソをついていたと発覚したスキャンダルをこれまで度々耳にしました。

学者として、ウソをつくというのは一番してはダメなことでしょうに。


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2021年5月19日

アルビノーニのアダージョ

時々、偶然に素晴らしい音楽に巡り合うことがあります。

「アルビノーニのアダージョ」は知っていたんですよ。皆さんもきっと聞いたことがある曲です。日本ではお葬式によく演奏される音楽なんだそうです。

いくつかの映画でも使用されています。1981年のオーストラリア映画「誓い」(原題: Gallipoli)でも使われていました。主演は「マッドマックス」で注目され始めたばかりのメル・ギブソン、監督はピーター・ウィアーでした。

あの有名な「ガリポリの戦い」に行くことになる二人のオーストラリア人青年を描いた戦争ドラマです。二人の友情と、彼等が思い描いていたのとは全くかけ離れた凄惨な戦争の現実が描かれています。

この映画で「アルビノーニのアダージョ」が使われているのですが、この映画のために作られた音楽ではないというのは後で知ったことです。

悲しく胸を締めつけられるような美しい旋律で、一度聞けば心に残るに違いありません。もしかしたら、私の中では、あの映画の悲しいストーリーとこの音楽がリンクして記憶されているのかもしれません。

「アルビノーニのアダージョ」は「アダージョ ト短調」とも呼ばれます。レモ・ジャゾットというイタリア人の音楽学者が作曲しました。初めて出版されたのは1958年だそうです。

この曲をクロアチア人チェロ演奏家のStjepan Hauserという人とクロアチアのザグレブ・シンフォニック・オーケストラが演奏する動画をYouTubeで偶然見たのです。おすすめ動画として表示されていたのがきっかけです。

この演奏家が、演奏しながら口をモゴモゴするのが気になって、最初のうちは音楽だけを聞いていたのですけど、聞いているうちに胸が締めつけられてしまって、涙は出る来るし、もうなんと言いますか言葉では説明できないほど感動したので、紹介しようと思った次第でございます。

ぜひ聞いてみてください。

音楽は人それぞれ好みがあるわけですが、「アルビノーニのアダージョ」の物悲しい旋律にチェロの音色がよく合って、私にはカラヤン指揮のベルリン・フィルの演奏よりもこの演奏の方が数倍感動的でした。



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2021年5月18日

限界突破 × カビキラー

我が家のメンバーの一人なんですけど。

この人の知り合いがこのブログを読んでいるかもしれないので、その人の名誉のために名指しは避けますがね、

その人の汚部屋に対する忍耐の限界突破!

その汚部屋は常軌を逸している状態でした。何年もきちんと掃除をしていなかったのです。

おそらく、カーペットの掃除機をかけられるところだけ吸ったのが一年間に1回か2回あったかなかったか。だから家具もカーペットも、隅の方は分厚く降り溜まったホコリで真っ黒でした。

おびただしい数の衣類がベッド近くの床に置かれたままで、黒い服は白に、白い服は黒に見えるくらいに、ホコリやなんかで覆われていまして。

この部屋から漏れ出す汚臭は耐え難いのですけど、こういう汚臭のする部屋に住んでいるのですから、その人も臭うんですよ。

「掃除をしなさいよ」「お願いだから掃除をしてちょうだい」「いいかげんに掃除しろ!」といろいろ言ってみても、その人はヘッチャラで無視するのです。

限界突破した原因はズバリ、

黒カビの発生!

新型コロナ禍のインドでは、「黒カビ」とも呼ばれるムコール病が発生しているそうじゃあないですか。黒カビの生えた部屋で暮らすのは危険ですよ。

「勝手に他人の部屋を掃除するな!」と怒るその人の顔を想像しながら、私は掃除することを決意しました。

始めたのは朝の9時前。

カーペットの上に積み重なっているおびただしい数の衣類やゴミは、ちょっと動かすとホコリがぼわっと舞い上がって危険ですから、ブラシのアタッチメントを付けた掃除機で少しずつ吸い取りながら、まずは床に掃除機をかけられる状態にすることを目指しました。

ベッドの下にもホコリまみれの衣類はいっぱいありましたが、そこからは長い間行方不明だった掃除機のアタッチメントやヘアブラシも見つかりました。

しかしね、

少しずつカーペットが見え始め、

ベッドの下や家具の裏側が見え始めると、

その部屋は、ゴミ屋敷とか汚部屋とかブタ小屋とか、そういう言葉では表現できない状態であることが分かってきましたよ。

それはまるで、

腐海…

繊維のホコリと塵と髪の毛と虫の死骸とカビが、全てを覆っているのでございました。

特にベッドの頭のあたりの壁の黒カビがひどかったです。石膏ボードにペンキで塗装した壁ですが、スポンジでゴシゴシと擦り、それでも黒カビが取れない部分にはカビキラーを塗布しました。

結局全部は取れませんでしたけど、健康被害を心配しなくても良い程度にカビは消えました。

覆っていたホコリや髪の毛などをきれいに吸い取った衣類は、洗濯機2杯分もありましたよ。古い破れかけた衣類は処分しました。洗濯機2杯分も余分に洗濯すると干す場所がないですから、昨日は1杯分だけ洗濯しました。

黒カビで汚染された壁の前には何も置きたくなかったので、ベッドや家具の配置も変える必要がありましたから、重い整理だんすも一人で動かしました。

ゴミ袋2つ分のゴミを集め、私がゴミと判断できないものは本人が判断できるように別にしておきました。

掃除を終えて時計を見たら、午後1時を過ぎていました。

4時間以上かかったのでございます!


その人は、いつもよりも早く帰宅しました。

「腐海」から「病院の無菌室」みたいになった自分の部屋を見たら怒るだろうと思いましたから、心の準備をしてもらうために帰宅前にメッセージを送っておきました。

ご機嫌は悪かったですけど、怒らなかったです。もしも怒ったら、どう言い返すか考えていたんですけど。

そんなことより、私は今頃になってマスクもせずにカビ掃除をしたことを後悔しています。

顔に大汗が出て暑苦しくてたまらないのでマスクを取っちゃったんですけど、やはり我慢するべきだったなあと思います。

窓も開けた方がいいとは思ったんですけど、外のジットリと湿った冷たい空気が入ってくるのが嫌で、結局窓も開けずにカビ掃除をしたんですよ、カビキラーまで使って。

危険ですよねえ。

今頃後悔してもどうにもならないけどな。次回はちゃんとマスクをします、って言うか、これが最後であることを祈ります。


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2021年5月17日

スーパーで出会ったおじいさんのカップル

同性婚が法律で認められているオーストラリアでは、同性のカップルを見かけるなんてことはしょっちゅうです。

同性愛に対する偏見が根深い日本の社会で生まれ育った私は、正直言うと、初めて女同士のカップルあるいは男同士のカップルが、抱き合ったりキスしたりしているのを見てギョッとしたり、違和感を感じたりしたものです。

しかし、しょっちゅうそういう人達を見ていると慣れると言いますか、特になんとも思わなくなるものですね。

最近は、同性カップルも男女のカップルも同じに見えます。何も変わりません。愛し合っている二人に、性別の違いとか関係ないんですよ。

先日、とても嬉しくなる出会いがありました。

私がスーパーに入ろうとした時、私の前におじいさんのカップルがいたのです。

お一人は車椅子に座っていて、もうお一人が車椅子を押していました。お二人とも丸坊主にしている頭の毛は白く、70歳代くらいに見えました。

友人とか兄弟とかではなくて、カップルだというのは見れば何となく分かるんですよ。

車椅子に座っていらっしゃる方のおじいさんが、スーパーの入口に積んである買い物かごを取ろうとしたのですが、もう一人のおじいさんがそれに気づかず車椅子を押して中に入って行かれましたので、かごを取りそこねました。

それで、私がかごを取ってお二人の後を追ったのです。

車椅子を押していたおじいさんが買い物かごを取りに戻ろうとしていらっしゃいまして、私がかごを差し出すと「おお、なんとご親切に、ありがとう」とおっしゃって、お二人で買い物を始められました。

同じ果物売り場にいたので、私達は「ミカンが安くなってきましたねえ」とか、少し言葉をかわしました。

ニコニコと笑顔で和やかに買い物を続けていらっしゃるお二人の様子を見て、私はそのお二人のこれまでの人生を想像していました。

ヴィクトリア州では、1981年までは男性同性愛は犯罪でした。法律が改正されて犯罪ではなくなった後も差別は続きましたから、おじいさん達がお若かった頃には苦労もされたことでしょう。

パートナーとして何年くらい一緒に暮らしてこられたのでしょうか。

2017年12月7日に、同性婚を合法化する法案が議会で可決されましてね、翌日の12月8日に合法化されました。

ああ、今思い出しても感動するなあ、あの歴史的瞬間は!

おじいさんカップルは正式に結婚なさったでしょうかね。きっと結婚されたでしょうね。他の数多くの熟年同性カップルのように。

お幸せそうなお二人を見て、オーストラリア社会が「公正で平等で偏見のない国」に変わって来たことを嬉しく思いました。

うちの娘は同性愛者ですけど、いつか人生の伴侶となる人を見つけた時に、ちゃんと結婚することができるんだなあと思うと、しみじみと喜びを感じます。


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2021年5月16日

ヴィーガンの倫理観と食べ物のこと

私達が家族ぐるみで親しくしているエクリーさん一家は、昨年ヴィーガンになりました。以来、彼等を食事に呼ぶ時は献立を考えるだけで一苦労です。

私達もヴィーガンなら、レシピもいろいろ知っているでしょうし、アイデアも出るのでしょう。代替食材も知っているでしょうから、難しいことではないのでしょうが、私達は肉も魚も卵も乳製品も食べる食生活ですから、動物性食品が一切ダメとなると献立が限られると感じてしまうのです。

和食はヴィーガン食にしやすいのですけどね、いつも同じような料理ばかり出すのもアレですし、何か美味しいものを食べさせてあげたいので、献立をあれこれと考えるわけですよ。

エクリーさん家の上のお嬢さんは、ヴィーガンをやめました。今ではもう何でも食べているそうです。

奥さんもヴィーガンをやめました。チーズや卵を食べられないのに耐えられなくなったそうです。今も自分が作るヴィーガン食を食べていますが、卵と鮭は食べているそうです。チーズは乳製品ではないチーズというのがあるそうです。

旦那さんと下のお嬢さんの二人が完全なヴィーガンですから、奥さんは今も毎日ヴィーガン食を作っていますが、はっきり言って嫌気が差しているそうですよ。

お料理に、卵やチーズを使いたいし、時には子羊肉のロースト料理も作りたいし食べたいと言います。家族の健康を考えて必要な栄養素をちゃんと摂れる食事を準備し続けることに疲れてしまったそうなのです。ヴィーガン生活は「食べる楽しみ」のみならず「作る楽しみ」も奪うとも言っています。

気持ちはよく分かります。

実はですね、昨日の土曜日、エクリーさん家族を食事に呼んだのですよ。

旦那さんと下のお嬢さんのために、献立は動物性食品ゼロのヴィーガン料理でした。

野菜だけで美味しいものは作れます。調味料は、塩、こしょう、醤油、味噌、砂糖といった基本的な調味料があれば十分です。

デザートも、バターやクリームや牛乳の代替食材はあります。卵が使えなくても作れるデザートはいろいろあります。奥さんとお嬢さんが果物嫌いなので、そっちのほうが障害です。

おつまみに出したアスパラガスを春巻の皮で巻いて焼いたのと、ロティというパンと一緒に出した手作りピーナッツソースが好評でした。

メインは、手巻きライスペーパーロール。具材は、豆腐を焼いて味付けしたのやアボカドや、たくさんの種類の野菜を準備しました。タレは、ホイシンソースとライムの汁とピーナツバターで作りました。手巻きライスペーパーロールは、やはり楽しかったですよ。

デザートは、うちの娘とエクリーさんのお嬢さんが絹豆腐で作ったチョコレートムースに細かく砕いたチョコレートビスケットをかけた「マッド(泥)」と名付けたのを作って、これと豆乳アイスクリームを一緒に食べました。

一晩だけの食事ですから、私とすれば動物性の食品さえ使わなけれ良いわけですけど、毎日毎日ヴィーガン料理を作り続けている奥さんは、栄養を考えていますから、疲れてしまうというのは分かります。

彼女はね、わけがわからない材料がいろいろ使われているような加工食品は買いたくないし、家族に食べさせたくないのです。それはもっともです。

そうしたヴィーガン加工食品は、近年大変増えてきていますが、製造過程で多くのCO2を排出していますしゴミもたくさん出していますよ。環境に良くない食文化の一つです。

肉もどき食品やチーズもどき食品は特に問題ですよ。あそこまで加工したものを食べたいと思う人がいるんですかねえ。私は、材料を見ただけで食べる気が失せますよ。家畜の虐待云々だけでなく、ああした加工食品の製造工程も取材して報道すればいいのに。

エクリーさん家族がヴィーガンになったきっかけは、あるテレビ番組だったんです。サステイナブル(持続可能)ではなくて倫理的に問題のある現代の工業的畜産の問題点をその番組で改めて考えさせられたのをきっかけに、肉を食べるのをやめたのです。

そして、乳製品も卵も食べなくなったのです。ハチミツも食べませんよ。ハチミツは蜂が労働によって集めた蜂の食べ物なのですから。

でも、奥さんは厳しい制限をすることに疑問を持っています。

卵だけでも食べるようにすれば作れる料理もぐっと増えるし栄養も摂れるのにと、彼女は言っていました。

自分が食べる卵は、地元の小規模農場でフリーレンジ(放し飼い)のニワトリが自由に動き回れる環境で生んだ卵を買っているそうです。


私も卵や鶏肉はフリーレンジのものを選んで買います。狭いケージや小屋に閉じ込められたニワトリや、同様の環境で生産された卵は、食べたくありません。オーストラリアでは、ニワトリに限らず、自由に動き回れる環境で飼育された家畜が人気があります。畜産動物の幸福度に人々の関心があるからですけど。

気持ち的にはですね、恐怖や苦悩のない環境で飼育された家畜の肉を買いたいとは思いますけど、いずれにしても殺して食べているわけですからね、あまり細かいことにこだわるのもどうかと思うのです。

家畜に対する倫理的な感情よりも、私は工業的畜産の環境への影響の方に関心があります。ですから、食肉の消費は減らしたいと思っているんですけど、簡単ではありません。うちの夫は肉を食べたい人ですから。

家畜の幸福度とか福祉(アニマルウェルフェア)というものに関心が高まるにつれて、難しいことをいろいろ言う人が大勢います。動物の肉を食べることや、食べるために家畜を飼育することを犯罪扱いする活動家もいますしね、農場を襲って家畜を助け出すなどというテロまがいの活動を実行する人達もいますよ。

助け出した家畜をどこかの牧場で死ぬまで幸せに暮らせるようにしてやるんでしょうか。まさか野生に放ったりするんじゃあないでしょうね。

オーストラリア国内で飼育した家畜を生きたまま輸出する場合に、輸出先の国での屠殺がむごたらしいとか、アニマルウェルフェアに反する殺し方をしているとかいう理由で糾弾して政治問題化し、畜産業に大きな被害をもたらしたこともありました。

栄養のバランスが充分に考慮されたヴィーガン食には問題はないとも聞きますけど、ヴィーガンの食生活では不足しがちな栄養素があることはよく知られたことです。不適切なヴィーガン食で病気になる人は多いそうですし、親に不適切なヴィーガン食を与えられた子供が栄養失調になったり死亡したりすることもあります。

エクリーさんの場合は、奥さんが頑張って栄養のバランスを考慮した食事を作り続けているので、旦那さんも下のお嬢さんも健康そうですけど、旦那さんは見る度にさらに痩せてガリガリになっていますし、顔なんてシワシワですし、少し心配ではあります。

自然環境や家畜の幸福に配慮して生産される食品なら、食べればいいのにと私は思います。

よく知っている人が安心できる環境で飼育しているニワトリが産んだ卵なら、問題はないんじゃあないですか。蜂が集めたハチミツも、少し分けてもらうくらいは搾取とは言えないでしょう。自然の海で捕れた魚や貝を時々食べることは、残酷な行為ではないと思うんですけど。


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2021年5月15日

インドからの帰国者と隔離

新型コロナの新規感染者数を表すグラフが、4月に入ってから直角に近い急上昇を見せたインド。一日あたりの新規感染者が40万人だとか(それって3日で120万人!)毎日4000人も死亡しているとか、多数の死体がガンジス川の河岸に打ち上げられたとか、聞く耳を疑うようなニュースが続いておりますが。

オーストラリアでは、インドからの入国者から危機的な数の感染者が見つかりまして、連邦政府がインドからの入国を禁止したのが5月1日です。

旅行者や留学生などの入国は原則的にできなくなっているので、入国者というのは帰国者と言った方が良いでしょう。オーストラリアの国籍あるいは永住権を持つ市民です。つまり、オーストラリア市民の帰国を禁止したということなのです。

当然のことながら直行便は運航禁止なりましたが、別ルートで帰国することは可能でしたので、2週間以内にインド滞在歴がある人が入国したら高額の罰金や禁固刑を科すとまで言ったのでございます。

ところが、これが憲法に違反するのではないかとか、大批判されましてね、モリソン首相は「これは一時的措置の予定だった」と説明して帰国禁止を撤廃し、15日からはインド国内に足止めされているオーストラリア市民の帰国を受け入れると、チャーター機も3便飛ばすことになりました。

日本でも、インド在住日本人の帰国が計画されているようですが、オーストラリアの場合はちょっと状況が異なるんですよ。

インド在住日本人は、民族的にはほとんど日本人でしょう?

おそらく、インド人コミュニティーとは住環境も異なり、新型コロナ感染者の割合もそれほど高くはないのではないかと想像しますけど。

インド在住オーストラリア人というのは、民族的にはほとんどインド人です。感染者の割合はかなり高いと思わざるを得ません。

「本当に大丈夫なの?」「インドからは人を入れない方が良いんじゃあないの?」そういう意見が多いのは自然なことですよ。しかし、帰国を希望するオーストラリア市民なんですからね、新型コロナ禍のインドを脱出したい気持ちも理解できます。

海外からオーストラリアに入国する場合、一部の特権を有する人を除いて、入国者全員が隔離施設のホテルで2週間を過ごさなければなりません。2週間後にPCR検査で陰性が確認されると帰宅できます。

ところが先週、インドからの帰国が禁止になる前にインドから帰国していた人が、南オーストラリアのアデレードのホテルで2週間の隔離をして、検査結果が陰性となってからヴィクトリア州に移動し、メルボルン北部の自宅に帰った後で具合が悪くなり、検査の結果新型コロナに感染していたと分かったのです。

感染したのは南オーストラリアの隔離施設のホテルだったことが分かっています。

インドからの帰国者からは高確率で感染者が見つかりますから、そのホテルでも複数の感染者が隔離されていました。

自宅に帰ってから感染が分かったという人は、ヴィクトリア州に帰って来てから症状が出るまでの間に、メルボルン市内のカレーレストランに行ったり、スーパーに行ったり、インド食品店に行ったり、知り合いに会ったり、仕事に出たり、電車に乗ったりしていましたから、大勢の人にウイルスを感染させていた可能性が出てきてニュースになりました。

空港でも隔離施設でも十分注意しているはずなのに、こんな事がまだ起きる。

帰国再開して大丈夫なのか?

そんな心配をよそに、チャーター機の第1便が到着する15日がやって来ました。

チャーター機は、人工呼吸器や医療用酸素を積んでインドに向かったそうです。そして、第1便で150人が帰国する予定だったそうです。

飛行機に搭乗するためには、搭乗前48時間以内のPCR検査で陰性が証明されなければなりません。そして、搭乗直前には短時間で調べられる抗原検査を受けなければなりません。

この抗原検査でですね、陰性だったはずの150人のうち40人が陽性と分かり、その家族や濃厚接触者30人は搭乗が認められず、約70人が飛行機は乗れなかったんだそうですよ。

第1便は、半分空っぽのままオーストラリアに向かったそうです。

確率がすごいでしょ?

搭乗できなかった人がインタビューに答えて、感染予防対策は全てやって気を付けていたとおっしゃっていましたけどね、毎日40万人もの新規感染者が見つかるような状況では、どれほど感染リスクが高いかっていうことです。もしかしたら、PCR検査を受けに行った場所で感染したかもしれませんよ。

人が集まる場所は全て危険ですから。

それにしても、PCR検査で陰性と証明されても、搭乗直前の抗原検査で陽性となる人がいる。搭乗直前の抗原検査で陰性で飛行機に乗れた人でも、入国後のPCR検査で陽性となる人がいる。

入国後のPCR検査で陰性でも、隔離期間中に感染する人がいる。

油断できません!

実は、ドバイ在住の義妹が今月末に一時帰国を予定しているんですけどね、もちろんドバイからの帰国でも、48時間以内のPCR検査で陰性と証明されていないと飛行機に乗れませんし、入国後2週間の隔離は避けられません。

心配なのは、空港とか隔離施設ですよ。

本人は陰性でも、ドバイの空港や飛行機内は安全だったとしても、到着したメルボルン空港や隔離施設内に感染者がいることは確実ですからね、帰って来てから感染する可能性があるんです。

マスクを過信しないことです。マスクは、感染している人がウイルスを撒き散らすのを減らすことはできるけど、ウイルスを吸い込むのを防ぐことはできません。

大事なのは手洗いと消毒です。

義妹には、周りの人は皆んな感染者だというつもりで行動してもらいたいです。


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2021年5月14日

心臓のチリコンカンと新型コロナ

一昨日、うちの娘が午後から仕事に出かける前に、家族のために晩ご飯を作って行ってくれました。

母の日だった日曜日に私と一緒に買物に行きながら、自分勝手にいろいろ買ってきた食材の一つ「牛の心臓」(もしかしたら豚の心臓)で作ったチリコンカンです。

キドニービーンズという豆も、缶詰の豆を使わずに自分で煮ていました、心臓を煮た汁で。

スパイスが効かせてあって超辛いです。

そして臭いです!

新型コロナのワクチン接種でダウンしていた夫は、心臓のチリコンカンは食べたくないと言うので、私が病人用スープを作ってあげました。

我が家の病人用スープは、基本的にはチキンスープですが、とにかく野菜をたっぷり入れて柔らかく煮て、味付けは薄めにします。鶏のもも肉を入れますけど、もも肉がなかったので豚肉の薄切りを入れました。

シルバービート(Silverbeet)と呼ばれる野菜を入れたいところですが、ないのでキャベツを入れました。シルバービートは、義母に言わせると病気に絶大な効果のある万能の野菜だそうです。

栽培は簡単です。以前は畑に植えていましたが、うちの家族はこの野菜があまり好きではないので、結局食べきれずに腐らせていました。お店で買うと巨大な束でしか売られていませんので、これまた食べ切れないのです。

病人用スープにはぜひ入れたい野菜ですが、入れても誰も喜びません。薬だと思って食べる野菜です。ほうれん草のような味で、決して不味い野菜ではないのですけど。

病人用スープは野菜だけではいけません。栄養のためにも肉を入れないといけないことになっています。そして、鶏のもも肉がベストなのです。

病気になる度にこのスープを食べて育った夫は、病気になるとこれが食べたくなるのですよ。

娘が作った心臓のチリコンカンは、夫はもちろん、私も手を付けず、息子にも不人気でしたから、仕事から帰って来て鍋の中のチリコンカンが全く減っていないのを見た娘は、がっかりしていました。

心臓とか脳みそとか顔の付いた頭とか、ゲテモノ系を時々料理に使う娘ですが、「そういうのは食べたくない」とはっきり言うお母さんとは違って、いつも我慢して食べてあげる父親も、さすがに今回は食べてあげられなかったのでございます。

病人用スープですらやっと食べるほど弱っていましたからね。


何でも食べ過ぎるほどよく食べるうちの夫が、寝室のある2階からハアハア言いながらヨタヨタと降りてきて、この病人用スープをお椀に1杯だけやっと食べた後、ソファにへたり込んでいましたよ。

とにかく身体に力がなくて、ヘトヘトに疲れているような感じだと言っていました。そして、インフルエンザの時のように身体の節々が痛むのだと。

強そうな夫がノックダウンしてしまっているのを見ると、身体の弱っている高齢者がワクチン接種の後に死亡する場合があるというのも納得ですね。

副反応ゼロの私にはよく分かりませんけど、同じワクチンでこんなことになっちゃう人がいるのです。

夫はワクチン接種から3日目の昨日も仕事を休みましたが、急激に病気になったのと比例するように急激に回復しまして、今日は仕事に行きました。

食欲も一気に回復しましたが、心臓のチリコンカンは食べません。

私も息子も食べません。

作った娘も食べませんけど、このままでは腐ってしまうので、娘は容器に詰めてフリーザーに入れていました。冷凍した心臓のチリコンカンを、いつか誰かが食べるのでしょうか。

これを戒めとして、今後はゲテモノ系は控えてもらいたいです。


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2021年5月13日

ワクチンでノックダウン

アストラゼネカのワクチンの副反応ですけど、私は腕の注射をしたあたりが痛くなっただけです。接種当日は、夜寝る頃になって少し痛いなあと思った程度でした。翌朝には、はっきりと筋肉痛を感じましたが、それ以外には何の症状もありませんでした。

翌日の午前中は娘が家に居て車が使えたので、私はスーパーに食品の買い出しに行きました。重い荷物を持つと腕の筋肉痛が気になりましたが、鎮痛薬が必要なほどの痛みではありませんでした。

一方、身体が私の2倍くらいあるうちの夫は、接種した日の午後にはすでに身体がだるそうでした。午後はずっと昼寝をしていましたけど、それはいつものことです。夜には少し風邪を引いちゃったかなという程度の症状がありました。

ところが、一夜明けると、身体の節々が痛いと言いまして、朝からずっとベッドで寝ていたのですが、2階の寝室からは「ああああ」「うううう」「はあはあ」と唸り声や叫び声が一日中聞こえ続けたのでございますよ。

何でも疲労感が半端なくて、身体が弱って力がなく、熱も出て、とにかく身体が痛いと言いまして、

ほとんどノックダウン状態!

不思議ですねえ。

あのわずかな液体を腕に注射しただけでこんなことになっちゃうんですか。

ウイルスを身体に入れているんだから病気になってもおかしくないと夫が言ったのですが、最近のワクチンは進化していて弱めたウイルスとか、そういうのとはちょっと違うとどこかで読んだので、調べてみました。

私達が接種してもらったアストラゼネカのワクチンは、ウイルスベクターというタイプのワクチンで、チンパンジーに風邪の症状を引き起こすアデノウイルスを弱毒化して、それに新型コロナの遺伝物質を組み込んだものだそうです。

要するに、アストラゼネカのワクチンはアデノウイルスなんです。

ワクチンにはいろいろ種類があって、ファイザーやモデルナのワクチンは、伝令RNA(mRNA)と呼ばれる遺伝物質を脂質の膜の中に入れてあるのだそうです。この脂質の膜の「入れもの」が壊れやすいので、超低温での保管が必要なんだそうですよ。

つまり、ファイザーやモデルナのワクチンはウイルスではないのです。

詳しいことはよく分かりません。こういうのは私の最も不得意とする分野でございます。

ただ、いろいろ読んでいて気になったのは、チンパンジーのアデノウイルスであるアストラゼネカのワクチンでは、アデノウイルスに対する抗体ができるので、一回打つとその後は効かなくなるということなんですけど。

じゃあどうするんでしょうか。

まあワクチンというものは1回打ったら一生効果が続くというようなものではありませんからね。科学者の皆さんが、より効果的で保管も容易な新しいワクチンを開発してくださることと信じます。

それにしても、

同じものを同じ量だけ注射して、私はヘッチャラで、強そうなうちの夫がノックアウトというのが不思議です。

夫の身体は、現在チンパンジーのアデノウイルスと闘っているんですね。免疫反応が起きて抗体が作られているのですね。

私のように何の症状もない場合でも、ちゃんと抗体はできるのでしょうか?

アストラゼネカのワクチンは、予防効果が90%以上のファイザーやモデルナに比べて70%台と低めなんですから、効き目が見られなかった30%に私が入っちゃったりすると残念ではすみません。

それと、この弱毒化したウイルスでノックダウンするほど反応しちゃっているうちの夫は、血栓にも注意した方がいいかもしれませんよね。血栓は、どういうメカニズムで発生するのか分かっていないようですけど。

夫は今日も仕事を休んで寝ています。


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2021年5月12日

ワクチン1回目接種完了

行ってきました、新型コロナワクチンの1回目接種。

場所は昨日の記事に書いたとおり、リングウッド(Ringwood)のコミュニティークリニックという場所です。元々は市役所だったようですが、その建物を現在はワクチン接種場所として使っているのです。

文化会館のカラライカセンター(Karralyka Centre)のすぐ隣りですから分かりやすいです。近くに行くと道路に表示が出ているのですぐに分かります。他の接種場所でも同様でしょう。

駐車場所は限られていますが、私達はすぐ近くの道路に停められました。カラライカセンターの広い駐車場に停めれば駐車に困ることはありません。

建物に入ると、まず最初に体温チェックがあり、手の消毒を求められ、マスクを付けるように言われます。私はユニクロのマスクを付けて行ったのですが、入り口の所に用意してあった医療用のマスクに付け替えるように言われました。

入り口には、医療スタッフ以外に警備員もいました。することがないので退屈そうで、大あくびをしていました。

次は受け付けです。メディケアカードを見せて登録してある情報を再確認します。ここで、2回目の接種予約日を書いたカードをもらいました。

受け付けから矢印に従って進むと待合室があり、間隔をおいて置かれた椅子に座って順番を待ちます。待っている人の数は20人ほどで多くはなかったです。

高齢者は一人もいませんでしたから、高齢者の接種はもう完了したんでしょうかね。

待ち時間20分ほどで番号を呼ばれました。名前を呼ばれている人もいました。担当者が待合室まで呼びに来てくれて、そこから病院の診察室のように区切られた小さな部屋がたくさんある所に連れて行ってもらいました。

それぞれの部屋に担当の医療スタッフが一人ずついて、私と夫は同時に同じ部屋に入って一緒に注射をしてもらいました。

医療スタッフに再びメディケアカードを見せて登録情報を再々確認した後、病歴とか服用している薬のこととかアレルギーのこととかワクチン接種で問題が起きたことがあるかなどを質問されました。

私はアレルギーがいろいろ有るので説明しましたが、どれもワクチン接種の問題になるような深刻なアレルギーではないので安心してくださいと言われました。

次に、起こりうる副反応の問題と、多くの人が心配している例の血栓の問題について説明がありました。

接種するワクチンはアストラゼネカのワクチンで他の選択肢がなかったわけですが、血栓の問題が100万人あたり4〜6人の確率で発生しています。血栓が発生すると、接種の4日後くらいから症状が出るそうです。鎮痛薬でも治らない「これはちょっと普通じゃないぞ」と思うような頭痛や腹痛の症状が出たら、GP(一般開業医)に相談に行くんじゃあなくて直ちに病院に行ってくださいとのことでした。

説明してもらった情報が印刷されたもののコピーをもらいましたので、後で読み返すことができます。

こうした説明を全部聞いた後で「自分の意志でワクチン接種を受けるんですね」と確認され、「はい受けます」と言ってから、やっと注射です。

利き腕ではない左の腕にしてもらいました。肩に近い腕の上の方に注射をすると聞いていたので半袖Tシャツを着て行きましたが、半袖で行って正解でした。腕の上の方が簡単に出せる服で行かないと困りますよ。

注射は、今まで受けたいろいろな注射の中で最も痛くない注射だったように思います。ほんの少しチクッとしたらもうおしまいでした。絆創膏を貼ったりなんかしませんでした。針が細くて血も出ないんですから絆創膏なんて不要なのです。

ちなみに、私は注射をされる時にはあっちの方向を見るんですけど、うちの夫は針が自分の腕に刺さって抜くまでずっと凝視していたんですよ。よく見ていられるなあと思いました。

注射が終わったら、先程の待合室とは別の待合室に連れて行かれ、そこで15分待って何も問題がなければ帰ることができます。15分経ったら名前を呼ばれると聞いていたんですけど、なかなか名前を呼ばれませんでした。

待っている間に誰かが「リチャード」と言ったような気がしたのですが、夫は何も聞こえていませんでしたから、引き続き待っていました。

「リチャード」というのは夫が使っていない名前です。ファーストネームがそれなのです。使うことはないんですけど、メディケアカードではその名前なのです。

ところが20分を過ぎてもまだ名前を呼ばれないのですよ。「どうして呼ばれないんだろう」「忘れているんじゃんない?」「15分以上経っているから帰ってもいいんじゃあないの?」と言う私に、夫は「なんでそんなにイライラするんだ」「名前を呼ぶと言ったんだから呼ばれるまで待て」と言うのですけど、30分経っても名前を呼ばれませんでした。

私達の後から着た人達が次々に帰っていくのに「絶対おかしい」と言いましたら、夫が聞きに行きました。「ちゃんと名前を呼びましたよ」と言われたそうです。

だから言ったんだよ!

耳が遠くなってきているうちの夫に、あの小さな呼び声が聞こえなかったのは当たり前ですね。私がすぐ横で「今リチャードって言ったよ」と言っているのも聞こえていない様子でしたからね。もっと強く言うべきでした。

余分に待たされた15分を差し引くと、到着してから帰るまで約1時間かかりました。

今朝は腕の注射をしたあたりが筋肉痛のように痛いですが、アレルギーの症状も出ず、風邪のような症状もなく、今のところ全く問題無しです。

うちの夫は風邪を引いた時のような気分だそうです。身体の節々が痛いそうです。このような場合に備えて、今日も仕事を休んでいます。お勤めになっていらっしゃる皆さんは、この点は注意してください。

接種場所での写真撮影は禁止されていたので写真は撮っていません。

行って迷うようなことは一切なかったですから安心して行ってください。建物に入る所から出る所までスタッフが案内してくれます。英語が不得意な方は英語ができる誰かと一緒に行った方が良いと思いますけど、それは医者に診てもらいに行く時と同様です。

私の2回目の接種は、3ヶ月も先の8月3日の予定です。


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2021年5月11日

新型コロナワクチン1回目

ワクチン接種1回目を予約しました。

現時点では、健康な人の場合は50歳以上が接種対象ですので、還暦を過ぎている私は余裕でオッケーなのですけど、風邪の症状(くしゃみと鼻の奥の重苦しさ)が長引いていたので遅くなってしまいました。

接種場所は、やはり自宅から近い場所をと思って探しましたら、リングウッド(Ringwood)のコミュニティークリニックという聞いたこともない場所がありました。カラライカセンター(Karralyka Centre)という文化会館のすぐ隣りでしたから場所はすぐに分かりました。

カラライカセンターにはコンサートホールやレセプションルームなどがあり、娘のバレエスクールの発表会や息子のハイスクールの卒業レセプションや様々なイベントで何度も行ったことがありますので、場所はよく知っているのです。

その隣りにある建物がコミュニティークリニックだとは聞いたこともなかったですけど、建物をワクチンの接種会場として使うことにしただけかもしれません。

それはともかく、

新型コロナのワクチンに関する情報は、日本語でも提供されています。ヴィクトリア州にお住まいの方は、接種場所の情報は保健省のウェブサイトで確認できます。

接種場所は、民間のクリニックなども含め増えてきているようですが、保健省のウェブサイトに掲載されている場所で接種を受けるには、一部の場所を除くと予約をしなくてはいけません。

そして、その予約は電話でしかできません。今どきオンライン予約ができないんですよ。耳が不自由な方やかつての私のように電話が怖いという人には、予約ができないんです。遅れていますよねえ。

英話が不得意な人の場合は、通訳を介して予約することが可能だそうです。

予約の電話は、ヴィクトリア州のどこからかけても同じで、新型コロナホットラインに電話することになっています。

新型コロナホットライン 1800 675 398

これね、新型コロナ関係のありとあらゆる問い合わせをする番号ですから、電話をかけるとまずは録音されたインフォメーションが流れます。聞き逃したら最後にもう一度聞き直すことができますから焦らなくてもよろしい。確か「9」を押すともう一度聞けるんです。

まず、通訳が必要なら「0」を押せと言います。

その後、問い合わせの内容に応じて、この番号を押せと言うのですが、ワクチンの予約はこの番号を押せとは言いませんでしたから、私はちょっと戸惑いました。だからもう一度録音を聞く羽目になったのです。

ワクチン関係の問い合わせは「2」を押すように言いましたので、「2」を押しましたら人間のオペレーターが出ました。

名前と生年月日とメディケアの番号を聞かれますよ。メディケアカードを準備しておきましょう。住所や電話番号やメールアドレスなども聞かれます。電話ですからいちいちつづりを説明しなくてはいけません。移民が多い国ですから、オペレーターも大変です。

必要な情報を全部聞き終わってから希望の日時を言って予約してもらいます。

予約は数日先まで埋まっている可能性があると覚悟していましたが、翌日の朝、つまり今朝の9時20分に予約ができました。

50歳以上の健康な人は、医者からの特別なリクエストがない限りアストラゼネカのワクチンしか選択肢がありません。アストラゼネカは、血栓やアレルギーの問題が報道されていますので、私はファイザーのワクチンを希望していましたけど、アストラゼネカしか選択肢がないと言うんですから仕方がありません。

うちの夫も同じ時間に予約できましたので一緒に行ってきます。

重篤な副反応は非常にまれだと聞いても、やはり血栓で死んだ人が何人かいるんですから心配はあります。確率が非常に小さいロシアンルーレットみたいな気分です。

また報告します。


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2021年5月10日

母の日と奮発した鮭

昨日は母の日でしたけど、うちの夫はいつものように仕事。娘はいまだにご機嫌が悪くてツンケンしていて、息子からは母の日のプレゼントをもらいました。

もらったのは、

ウォッカ 700ml 入りを1瓶!

お母さんへのプレゼントにウォッカが良いと考えたというのは、ちょっとどうなの?

私ね、最近は強いお酒は飲んでいないんですよ。弱いお酒も飲んでいません。大好きだったスパークリングワインですら、飲んだ後に何だか気分が悪くなるので、最近はビール党なんです。それもノンアルコールのビールがお気に入りなんです。

ウォッカはありがたくいただきましたけど、「来年はお酒はやめてね」と言うのを忘れないお母さんなのでございました。言われた息子は、気分が良くなかっただろうな。

さて、母の日くらいは一日のんびりと過ごしたいところですが、昨日は「車がある日」でしたから食品の買い出しに行かなければなりませんでした。

面倒くさかったけど、「車がある日」」に行っておかないと後で困りますから仕方がありません。

娘も買いたいものがあると言うので、私が運転して一緒に行きました。

「今日はアンタが晩ご飯を作ってくれるの?」
「まだ考えてない」
「買いたいものって何なの?」
「いろいろ」

ご機嫌が悪いですから車内には緊張感が溢れ、私が話しかけても返ってくる言葉にはトゲがびっしり生えている感じなのでございました。

それでも、母の日なんですから、娘が買う予定の「いろいろ」の中には晩ご飯のご馳走の材料も入っているに違いないと期待していたのですけどね。娘が買っていたのは自分のランチ用の材料と勤めているクリニックに持って行くケーキを焼くための材料と「牛の心臓」と「豚の足」でした。

「ちょっとお、それって今日の晩ご飯?」
「ノー」

買い物中もツンケンしていて私と一緒に行動せず、勝手にどこかに行ってしまうので困りました。娘は晩ご飯を作る気など無いということが分かりましたから、ご馳走は自分で作るしかないのだと思い、奮発して鮭の大きな切身を買いました。

オーストラリアでは魚やシーフードはバカ高いんです。いつもスーパーの鮭の薄い切り身のお得パックを買いますけど、1切れが薄くて小さいので物足りないのですよ。

父の日とか夫の誕生日には、いつも大きな肉の塊を焼いているんだから、「母の日くらいは魚屋で大きい切り身を買ってやる!」と思いまして。

魚屋のガラスケースの中に並んでいる切り身のうち小さめの切り身を4切れ買いました。重さを量ると、何と1キロ近くもありました。

家に帰って袋から出すと、ケースの中では小さめに見えた切り身は、思った以上に大きくて分厚かったです。1切れが250グラム近くあるのですからね。

一番好きなのは塩焼きですから、たっぷりめに塩をしておきました。

鮭以外には、ポテトのチーズ焼きと完熟トマトとアボカドのサラダと蒸し野菜を作りました。デザートには前日に作ったチョコレートケーキがありました。

塩をして焼いただけの鮭は、やはりさすがに大きすぎて食べきれませんでしたよ。食べるのが遅い息子が一人だけ、みんながテーブルからいなくなった後も延々と食べ続けて完食しましたが、私も娘も食べきれず、一番大きい一切れをもらったうちの夫も食べ切れず、三人が食べ残した鮭は夫の翌日の弁当となりました。

次回は少し大きめの切り身を2切れ買って4人分に切り分けた方が良さそうです。

ご機嫌が悪くてツンケンして、買い物に一緒に行っても自分勝手な態度を取り、晩ご飯もデザートも作らず、母の日のプレゼントも何もしなかったうちの娘は、夕方私が一人キッチンで晩ご飯を作っているのを見て、少し罪悪感を感じたようです。

当たり前だわ。

そして、おそらく娘が晩ご飯を作っているに違いないと思って帰宅した夫は、私が一人キッチンで奮闘しているのを見てヤバいと思ったのか、「いただきます」を言った後に「母の日にまでこうして僕たちのために美味しい晩ご飯を作ってくれてありがとうございます」と言いましたよ。

来年の母の日は、ぜひ私が洗濯や片づけやゴミ出しや料理をしなくてもいい、のんびりできる一日をプレゼントしてもらいたいものです。

あ~あ!


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2021年5月9日

ありのままの自分でいい

人は皆んな違ってあたりまえ。

その人の、人としてのありとあらゆることが、他人と違っていてあたりまえなのです。

姿かたち、髪の毛や肌の色、性別(男と女以外にもいろいろある)、性格、身体や心の成長の速度、身体の障害や心の不具合のあるなし、同性の人が好きだとか、太っているとか痩せているとか、好きなことや得意なこと、苦手なことや嫌いなこと、人前で歌が歌えないとか音痴だとか、上手にしゃべることが出来ないとか、好きなファッションとか、

もうね、書ききれませんけどね、

人は皆んな違うんですからそれで良いんです。

特に、人が生まれながらにして持っている性質や特徴は、変えようったって変えられないんですから、受け入れるしか無いんです。

知ってますか、コリアンダー(別名: パクチー)が臭くて苦くて食べられない人のこと?

あれはね、生まれつき味覚が違うんですから、何度も食べているうちに美味しく感じるとか言って訓練したってどうしようもないんですよ。彼らにとってコリアンダーは石鹸のような味なんです。

あなたがもし自分を女性だと認識しているのに、男性の身体で生まれてきたと考えてみてください。自分は女性なのに男性として生きることを強制されたらどうですか?

人間の性はいろいろあります。男女両方の性器を持って生まれる人もいますよ。男と女の2つだけに分類する世の中に問題があるんです。生物学的に男女のどちらとも言えない人もいるし、心の性も男と女とその間の様々な性があるのです。

あなたは日本人ですか?もしも日本人だという理由で差別されたり基本的人権を否定されたらどうですか?

同性の人を好きになるという理由で家族に絶縁されたらどうですか?

変えられないことを変えろと強制されたり、ありのままの自分を否定されて偽りの自分を演じなくてはならなかったり、つらいことをつらいと言えない状況で生きている人が大勢います。

自分の力では変えようのないことが理由で家族に愛されなかったり、仲間に受け入れてもらえなかったり、阻害されたり恥ずかしい思いをさせられたり、差別やいじめや攻撃を受けるなんて、誰にとってもつらいことです。

あなたの家は、家族がありのままの自分でいられる場所ですか?

学校の先生をしていらっしゃる方、あなたの学校はどうですか?生徒も教師も、ありのままの自分でいられる学校ですか?

お勤めになっている会社はどうですか?

「皆んな違ってそれで良いのだ」ということを受け入れない人が大勢いるのは、教育の賜物だと思います。そのように教育されるのは、社会がそうだからです。

日本社会は、和を重んじ、周りと協調し、集団の利益を優先する社会です。横一列になって列からはみ出さないことが重視されますから「出る釘は打たれる」わけです。

別の言い方をすれば、個性を潰す社会です。多様性よりも集団の統一性を重んじる社会です。

そういう社会では、「他と違っている」ことが苦しみをもたらすことになりかねません。

「他と違っている」ありのままの自分として生きるには、自分が属している集団から出ていくしか方法が無い場合もあります。自分らしくいられる別の集団を探すのです。

あるいは手に持っているものを手放したり、手に入れたいと思っているものをあきらめることも必要になります。家族や友人をあきらめるとか、やりたい仕事をあきらめるとかね。

そんなことをしなくても良い世の中になって欲しいです。

多様な人がいる社会の方が面白いじゃあないですか?


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2021年5月8日

恐怖の過信運転で怒る

昨日は仕事もクラヴ・マガのトレーニングもなくて家にいた娘は、サクランボの木を植えるために土作りを始めました。

昨年、連日アガパンサスの根っこ掘りに励んでいた例の花壇に、ついにサクランボの木を受けることにしたのです。冬が来るのを待っていたのだそうです。

土作りのために、うちの夫に頼んで馬の糞やら鶏の糞やらを買ってきてもらっていましたが、それを花壇の土と混ぜていました。

私が思うに、馬の糞も鶏の糞もコンポストも腐葉土(草切りで切った草を積み上げておいたのが腐ったやつ)も、サクランボを植える花壇にはもう十分な量があると思いますが、娘は鶏の糞がもっと欲しいと思ったらしく。

近くの園芸店に買いに行くというので、ハーブの苗が欲しいと思っていた私も一緒に行くことにしました。

娘と私が二人で出かける時は、いつも私が運転しますけど、昨日は娘に運転してもらいました。シートやミラーの位置調整をしたり初心者マークを外したりするのが面倒でしたからね。

娘が運転免許を取って以来、娘の運転する車に乗るのは初めてでした。

そして、

それは、車庫を出る時にいきなり始まったのでございます。

車庫からバックで出るのにすごい速度で出たのですよ。もしも普段は置いてない何かがそこにあったり、犬でも猫でも子供でも、もしもそこにいたら、あの速度では止まれません。

それを注意したら、ご機嫌が悪くなりました。

ゲートから道路に出る所では、左右をろくに確認せずに、すごい速度で道路に出ました。

田舎ですからね、滅多に車は来ませんけど、それでも来ることはあるんですよ。ちゃんと左右を確認しないといけないし、速度ももっとゆっくりでないと危ないです。

これを注意したら、ますますご機嫌が悪くなりました。

右に曲がる時に道路の中央ブロックに近寄り過ぎるクセは相変わらずでした。そして、とにかく速度を出しすぎる。時速60キロという速度制限は守るのですがね、一気に60キロまで速度を上げますから前を行く車に接近しやすく、しょっちゅうブレーキを踏む。

カーブで速度を落とした後、すぐまたエンジンを吹かして速度を上げる。

私は車に酔いそうになりましたよ。

園芸店は小さくて、駐車スペースがわずかしか無く、車を停められそうなところはありませんでした。鶏の糞を買うのはあきらめて(その園芸店では売っていない可能性は大きかった)交差点を挟んだ向かいにあるスーパーへ豆乳を買いに寄ると言うので行ったのですが、混雑している駐車場でも速度を出すから、お母さんは肝を冷やしました。

速度を落とせと繰り返し言われた娘は、すっかりご機嫌が悪くなっていました。

そして、やっと見つけた駐車スペースに頭からすごい速度で突っ込んだ娘。隣りの車がドアを開けたりしたらもうアウトですよ。

腹が立っているから余計に速度を出したのか、いつもそうやっているのか。

これを注意しましたところ、娘は直ちに駐車場から車を出し、そのまま道路に出てしまいました。

「あれ?どうするの?豆乳買いに行かないの?」
「もういい」
「園芸店にもう一度行ってみる?」
「もういい」
「ちょっとお、どこに行くのよ?」
「帰る」

とまあこのように、怒り全開でそのまま帰宅したのでございます。

この間、完全に無言…

家を出てから帰宅するまで、わずか15分くらいの出来事です。

あんな運転で私のカローラを乗り回しているのか…

今までは家から駅まで車で行って、駅の駐車場に車を停めてから、メルボルン市内までは電車で行っていたのですけど、最近だんだん勤めているクリニックまで車で行くことが増えてきました。

仕事が終わった後は、市内を車で移動してクラヴ・マガのトレーニングに行き、そこから夜遅く車で帰宅するというふうに、車を使うことが増えてきました。市内に行くには高速道路を使います。

そろそろ自信がついてきて油断する時期だとは思っていたんですけど、あんな運転ではいつ事故を起こしても不思議ではないです。

今朝、お母さんは心配だともう少し優しく言ってみましたが、

「ああそうですか」

と言ったきり無言でした。まだご機嫌は悪いままです。

先程「行ってきます」も言わずに車で出かけましたけど、今日は運転にもう少し注意するでしょうかね。

私の大事なカローラ、大事に乗って欲しいですけど、車はしょせん車。もし事故ったら残念ですけど、車なんて何とでもなるんです。でも、私の大事な娘は、何とでもなりませんから。


娘の運転は、運転練習を始めた頃から、スピードの出し過ぎ、注意不足、無謀な車線変更、コンクリートブロックへの乗り上げ頻発とサスペンスが凄すぎて、助手席に座る私には地獄のようだったんですけど。

一方、うちの息子はと言いますと、練習を始めた頃は自信の無さを絵に描いたようなノロノロ運転でした。常に最悪のシナリオというのを考えながら運転しているらしいからビクビク運転で、後続車に多大なる迷惑をかける教習車の典型的なやつでした。

運転免許試験では、速度が遅すぎるという減点があったものの合格しました。「無事故無違反の優良運転手」表彰は確実という超安全運転をします。

こうした傾向というのは、変わらないんでしょうか、変えられないんでしょうか。
 

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2021年5月7日

ガソリンの話とトヨタが売れる理由

昨日、娘を駅まで送っていった帰り、ラジオを付けたらトークバック番組で自動車の専門家がリスナーの質問に答えるというのをやっていました。

ラジオを付けた時は、ガソリンが話題になっていました。

私は買い物の時くらいしか車に乗らないのでガソリンはそれほど使いませんけど、いつも「プレミアム無鉛ガソリン」を入れています。うちの夫からエンジンのためには「プレミアム」が一番良いと聞いたからです。

オーストラリアの無鉛ガソリンには、オクタン含有量によって「91」とか「95」とか「プレミアム」(一番ハイオク)とか、エタノールを混合したのとか種類がいろいろあります。

ガソリンはセルフサービスですから自分で選んで入れるのですけど、私はいつも値段が一番高い「プレミアム」を入れているのです。私のカローラのためにはこれが一番いいのだと信じて。

ラジオの質問者は、自分の車には「無鉛91」以上のガソリンを使えと書いてあるが、「91」と「95」だとエンジンへの影響やパフォーマンスに違いがあるのか?一番安い「91」でも大差はないのかという質問をしました。

答えは「違いはある」ということでして「95」の方が良いということでしたけど、それは車を使用する環境によって異なるそうです。気温の高い場所で乗るとか、重たいものを牽引しているとか、長時間乗るとか、そういう状況では「95」の方が良いけれども、気温の低いメルボルンで一般的な使用であれば「91」で十分ですよという答えでした。

その時、番組の司会者が「プレミアム」を使用するベネフィットがあるのかと質問したんです。

専門家の答えは、

新しいモデルの車、特に高級車の中には、エンジンの特性上オクタン含有量の高いガソリンを使わなければならない場合もあるし、ベネフィットがある車種もあるけれども、ほとんどの車にはベネフィットは無いと答えたんです。

なんだあ!そうなの?

だったらもう、これからは一番安い「91」でオッケーということですよ。

ところで、

ラジオ番組では、その後、車の「ブランドバリュー」の話題になりました。

「ブランドバリュー」というのは、要するに「そのブランドを欲しいと思ってもらえる価値」というものでしょうか。

車ならたくさん選択肢があるわけですけど、性能にしろデザインにしろ大して違いのない車市場において、値段が同じくらいならそのブランドを選ぶし、少しくらい余分にお金を出してでもそのブランドの車が欲しいと思わせる価値ということでしょう。

この「ブランドバリュー」という点で、オーストラリアにおいてダントツでトップなのは、

トヨタなんですって!

そりゃあメルセデスとかはトヨタの上を行きますよ。しかし、メルセデスは誰にでも買える車ではありません。

一般市民が買うことができる価格の車の中で「ブランドバリュー」はトヨタが一番だと言うのです。

なぜか?

それは「トヨタ車は故障しない」という極めて堅固な評判があるからだそうです。

確かにそうです。私が22歳の時に最初に買った車がカローラで、オーストラリアに来てから最初に買ったのもカローラで、以来ずっとトヨタ車(というかカローラ)に乗っていますけど、突然エンストするなどという怖い経験は一度もありません。

タイヤがパンクしたことは何度かありますけどね。

ああ思い出したぞ、あの恐ろしい経験を!

義母から借りて乗っていたヒュンダイ車です。

義母が黄斑変性で視力が悪くなり車を運転できなくなった後、しばらくの間借りて乗っていたのです。

その車がある日、ショッピングセンターの出口で速度を落とした際にエンストして動かなくなり、他の車をブロックするという悪夢のようなトラブルが起きたのです。

止まったエンジンはもうどうやっても動きませんでした。

その日に限って携帯電話を家に忘れて来ていたので、ロードサービスを呼ぶにはショッピングセンター内の公衆電話に行くしかなくて。大汗をかきかき、行ったり来たりしているうちにエンジンが冷えたおかげか再びエンジンが掛かりまして、なんとかその危機的状況からは脱出したのですけど。

あれが交差点の中とかだったら…

修理に出して分かったことですが、そのヒュンダイ車のエンジンは、高温になるとイグニッションがうまく働かなくなるというトラブルが続出していたそうです。私は二度とヒュンダイには乗らないと決めたのでございます。

夫が伯母から譲り受けて乗っていた三菱マグナも、エンジンが故障して2年5ヶ月間も故障したままゴミ屋敷状態のガレージに放置されたことは、このブログで何度も話題にしましたし、昨年夫が中古で買った三菱トライトンもこれまでに何度か修理に出しています。

やっぱり信頼できるのはトヨタなんですよ!

トヨタ車が売れる理由は他にもいろいろあるでしょうがね、最大の理由はなんと言っても車としての信頼性から来る「ブランドバリュー」なんです。

ラジオ番組では、トヨタ車のエアコンが非常に優れているということも話題にしていました。オーストラリアではエアコンは車を選ぶ時の重要なポイントですから。

私が今乗っているのもカローラですが、例のタカタの殺人エアバッグのせいで修理に出しましたけど、それ以外はこれまで何の問題も無くよく走ってくれています。

殺人エアバッグの修理の際には、トヨタの整備センターの優秀さも目にすることになりましたよ。そこで働いていた人達全員がとにかくプロフェッショナルでね、トヨタ式の教育はオーストラリアの整備センターにまで行き届いているんでしょうかね。

一人勝ちするようなブランドは、いい車を作っているだけじゃあないのですね。


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2021年5月6日

夫と車を共有したくない理由

うちの夫は三菱トライトンというトラックを持っています。

時々木を切りに行くのにトラックがあれば便利だったのと、仕事で商品の配達をするのにトラックが必要だということで(スタッフ個人の車で商品の配達をさせる会社にも問題があると思うんですけど)三菱トライトンを買ったのですがね。

夫は私のカローラもしょっちゅう使います。

娘を夜遅くに駅まで迎えに行く時やちょっとしたお出かけやなどには、私のカローラを使います。

中古でもらった後に故障して、2年5ヶ月もガレージに放ったらかしにされていた三菱マグナと同じく、中古で買ったこの三菱トライトンもしょっちゅう故障するので、故障する度に私のカローラを使います。

仕方がないので我慢していますけど、正直言うと夫には私のカローラを使って欲しくないんです。

理由は3つ!

1.シートとやミラーの調整が面倒くさい

身体の大きさがあまりに違うので、夫が使った後は自分に合うようにシートの位置と傾きを変えて、ルームミラーとバックミラーの位置を調整し直さないといけません。

大して時間はかかりませんけど、毎度毎度結構面倒くさいのですよ。

2.車の中が汚れるし散らかる

たった一日使っただけで、助手席にもバックシートにもドアの内ポケットにもいろなものが残っています。ゴミはもちろん、ペットボトルや使用済みマスクやレシートや脱いだ服やサングラスや。

どうして車を降りる時に持って降りないんでしょうか。

車から降りる時に、車内を見回してゴミや持ち物を持って降りるのはあたり前のことじゃあないんですか。自分の車じゃあないんですから尚更でしょ?

持ち物を失くしやすい人やすぐに部屋が散らかる人は、ここに問題があるんです。

それから、カローラのトランクルームに切った木の切り株や木を切るのに使った道具などを直に置くので、おがくずとがゴミがいっぱい付くんです。(傷も付く!)

トランクルームはフェルトのような布が敷いてありますが、あのフェルトにおがくずや木のササクレやなんかが入り込むと、掃除が大変なんですよ。着いたしみは取れませんし。

3.エンジンを掛けた瞬間に耳がつぶれそうになる

カーラジオです。

私は、カーラジオを消してから車のエンジンを切りますけど、夫はラジオをつけたままエンジンを切るんです。

そして、以前にも書きましたけど、夫は目も悪くなっていますが耳も遠くなってきていましてね。耳が遠くなってきている人は、テレビもラジオも音量を上げないとよく聞こえないのでしょうね。

いつもすごい音量でテレビを見ているので、私はとてもじゃないけど同じ部屋にいられないんですけど、車のカーラジオもですね、私が音量「24」くらいで聞くところを夫は「40」近い音量で聞いていますから。

お分かりでしょうか?

エンジンを掛けると自動的にカーラジオがオンになって、いきなりの大音量ですよ。私はあわてて音量を下げなくては耳がつぶれそうになるのです。


一番迷惑なのは2番目です。

特に車内の残されているゴミと汚れ!これは簡単に解決できる問題ですよ。車を降りる時にゴミを持って降りれば良いのです。トランクルームに汚れたものを置く時には、シートを敷くなりすれば良いのです。

頼むとその時には理解を示してくれるんですけど、すぐに忘れるみたいです。

ちなみに夫の三菱トライトンの車内は、助手席やその周囲がいつもゴミや物で大散らかりですから、誰かを乗せるには片付けをしなければ座ることができません。

こういう人もいるのだと思いますから、自分の車を散らかす分にはどうでも良いんですけど、私のカローラを使う時くらいは気を付けてくれてもいいのに。

かく言う私も、車内の片付けや掃除はするけど洗車は全くしませんから、カローラはいつも汚れています。夫は、車内は大散らかりでも洗車は時々するらしい。

五十歩百歩ということか…


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2021年5月5日

ワライカワセミは肉食系

人が大笑いしているような「ウワハハハハ」という独特の鳴き声で有名なワライカワセミ(Kookaburra)は、その鳴き声が大音量でけたたましくて迷惑な鳥なんですけど、憎めないところがあります。

やはりね、姿形が可愛らしいのですよ。

大きさは鳩より少し大きいくらいです。頭がでかくて、ぬいぐるみのような愛らしい姿をしています。翼の大きさに対して身体が重いのか、飛び立つ時はパタパタと必死でその小さめの翼を羽ばたいてやっと身体を浮かしているという感じなんですが、飛び降りる時はすごいんですよ。

ワライカワセミは、たいてい家族で暮らしています。木のうろの中に巣を作りますが、我が家の周囲のどれかの木に巣があるらしく、常に姿を見かけます

ワライカワセミは肉食ですから、木の枝や洗濯物干しやフェンスに止まって獲物を探しているのですけど、素晴らしい視力をしているらしく、獲物を見つけるとものすごい速さで飛び降りるのですよ。

それはね、瞬きをすると見逃すほどの速さです。

キッチンの流しのところにある窓のすぐ外のフェンスに止まっているのをしょっちゅう見かけますが、昨日は見ていると突然草の上に飛び降りてくちばしで何か捕まえたので、何を捕まえたんだろうかと思ってよく見ていましたら、

それは大きなミミズでした!

ミミズって地面の下で暮らしているんじゃあないんですか?
地面から出てくる時があるんですか?
それともたまたま姿を出しちゃったの?

ワライカワセミの大きなくちばしには、泥や草も大量についていましたが、その黒っぽい塊から垂れ下がっていたのは間違いなく大きなミミズでした。

どんくさい印象のワライカワセミですけど、閃光の速さでした。

大きなミミズを飲み込むと、重そうにモッサモッサとフェンスの上に飛び上がって、また獲物を探しているのでした。


獲物を見つける頻度は結構高いです。

大抵は地面を這う昆虫を捕って食べているんでしょうが、ネズミやヘビやトカゲやカエルなどの小動物を食べます。ヘビを捕まえて食べるのは見たことがありますよ。すごいスピードで飛びかかりますから、そういう小動物も捕まえられるのです。他の鳥のヒナを襲って食べたりもするそうです。

可愛らしい姿形をしていますが、結構獰猛な肉食系なのです。猛禽類と同じようなものを食べていますけど、猛禽類ではありません。

いつも家族一緒に暮らし、通常は死ぬまで同じ土地で過ごすそうですから、私達家族とワライカワセミ一家は同じ場所に住む同居仲間ということで、鳴き声がうるさいですけど我慢しています。

最近子供を見かけていませんので、巣立ったのかもしれません。


夫婦は常に一緒です。

大変仲良しで、微笑ましいカップルです。


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2021年5月4日

オリンピックと新型コロナ

新型コロナへの対応の違いは、基本的には医療制度の問題だと思うのですが、オーストラリアの医療制度は英国の医療制度 NHS(National Health Service)と同様に税収などの一般財源によって賄われていて、全ての国民に対して原則無料で提供されています。

新型コロナのような深刻な感染症が蔓延する状況でも、公立病院であれば治療費の支払いを心配することもなく、入院が必要になれば必ず病院に搬入されて助けてもらえるという安心感はあります。

しかし、公立病院は財源の問題で数が減らされてきた経緯もありまして、感染者が増えるとたちまち医療制度が破綻してしまうわけです。そのために、どうしても感染者が増えるのを阻止する必要がありました。

だから厳しいロックダウンをおこない、人々の動きを最小限に制限して、ウイルスの根絶を目指す対策が取られたんですよね。

市民に厳しいルールに従わせるためには、罰金制度だけじゃあ足りませんから、警察が見張り、見回りをし、検問を設けてルール違反者を捕まえたりと、大変だったんですよ。

海外からの入国者も厳しく制限したかいもあって、現在オーストラリアは市内感染はほぼゼロの状態が続いています。先月は帰国者の中から見つかる感染者の数が急増し、そのほとんどがインドからの入国だったこともあり、現在インドからの入国は禁止されています。

オーストラリア国民であっても、2週間以内にインドにいた人は入国できません。国民の権利を侵害するのではないかと問題になっていますけど、必要な措置だと思います。

インドからの直行便は運航していませんが、他のルートを駆使すれば帰国できないわけではないそうです。だから、高額な罰金あるいは懲役刑という罰則が発表されたんですよ。何としても、インドからウイルスが入ってくるのを阻止するためです。

オーストラリアのワクチン接種は開始が遅れましたが、感染者がいないということもあってそれほど切実に必要とは思えない状況でした。

医療介護関係スタッフと高齢者からスタートしましたが、今週からは50歳以上の全市民も対象となりました。私もそろそろ接種を受けに行った方が良いかなと思っています。

こういう状況だったメルボルンの一市民として日本を見ると、日本の新型コロナ対応は、あまりに後手後手で、その場しのぎで中途半端に見えるんです。特にここ数週間、感染者が急増しているというのに、毎日何十人も亡くなっているのに、まだ人々が集まって飲食したりイベントをやったりしているし、

オリンピックをやろうとしている!

オリンピックを開催することには、基本的に2つの問題があります。

1つ目は、世界中から何万人もの人を入国させるということ。それは世界中の変異ウイルスが入って来ることを意味します。2つ目は、人が集まるという状況を作ること。人が集まれば感染が広がります。それは否定しようのない事実です。

先日、オリンピック委員会が看護師500人の派遣を看護協会に要請したというのを聞いてあっけにとられた私ですが、今度はスポーツ医として登録している医者を200人募集していると聞きました。看護師も医者もボランティア参加ですから報酬は出ないそうです。

総理大臣が誰かから聞いたという話によると、現在休んでいる人が大勢いるそうなので看護師500人は手配可能だそうですけど、病院などにお勤めのはずの医者が200人もボランティアに応募したりするんでしょうかね。

まあ確かに、感染者がわずかしか見つかっていない県もありますから、そういう県からボランティアに参加を希望する医者がいるのかもしれません。

でも、その500人の看護師と200人の医者が、オリンピックではなくてワクチン接種をおこなえば、どれほど日本国民にとって有益なことか。

それから、オリンピックに参加する選手や関係者は、自分が使うマスクは自分で用意しなくてはいけないと聞きました。そのため、マスクの種類に関するルールも決めたそうです。布製マスクの場合には、使用する布の種類についてもルールを作ったそうですけど。

パンデミックの中で開催されるオリンピックでは、新型コロナの感染予防が最も重要な課題なのですから、医療用レベルの使い捨てマスクを大量に準備しておくくらいのことはできたはずなのに。

驚いたことに、マスクは配布しないけどコンドームは何万個も配布することになっているんだそうで、もう開いた口がふさがりません。

それから、新型コロナの検査体制も心配ですよ。

世界中のあらゆる国から何万人もの人がやって来るわけですけど、私はその何万人もの人を毎日検査をする能力が東京都にあるのかどうかを疑問に思っています。

検査だけではないでしょ。それを外国語で通知し、感染者が見つかった場合には外国語で濃厚接触者の追跡をするという大変な仕事が待っていますよ。

現在でも他の先進諸国と比較すると十分な数の検査や追跡調査が行われていないらしいのに、オリンピックで何万人分の検査をやれる能力があるのでしょうか。

また、私が最も心配だと感じているのは、選手への特別待遇です。

何でも、世界中からやって来る何万人は、日本に来る前に検査を受けて陰性でなければならないため、入国後の隔離を免除するんだそうですね。

選手達は、入国後直ぐに練習をすることができるのです。

でも、感染者がいることは確実なんですよ。それはもう絶対にいるんです。

全豪オープンテニスの時だって、検査で陰性が証明されていないと飛行機に乗れなかったわけですが、入国後に感染者が見つかりました。

メルボルンでは、選手も関係者も全員、入国後の2週間の隔離が義務付けられていました。ただし、隔離中でも決められた時間と場所で練習はできるということにはなっていたのですがね、見つかった感染者と同じ便に乗っていた人達は選手も含めて全員濃厚接触者とされ、隔離施設のホテルの部屋から出られませんでした。

不公平だという不満が多くの選手達から噴出しましたが、特別待遇はありませんでした。

オリンピックでは、濃厚接触者であっても、場合によっては競技への出場が認められるそうです。

怖すぎます!

選手達は、滞在する宿泊施設と練習場と競技会場の限られた場所から出ることはできないそうで、これを「バブル」と呼んでいるようですが、この「バブル」から出ないのだから安全だと考えるのは大間違いですよ。

メルボルンで発生した第2波の感染拡大は、隔離施設のホテルが原因でした。入国した人達は、2週間ずっとそのホテルにいたんですからね。これは「バブル」よりもはるかに小さいんです。

そこからなぜウイルスが市内に広がったかと言うと、ホテルと市内の間を移動する人達がいたからです。最初は一人の感染者でした。その感染者が隔離されていたホテルのスタッフが感染し、そのスタッフから第2波の大感染が発生したんです。

考えてみてくださいよ、オリンピックのその「バブル」というのを。

その「バブル」に出入りしなくてはならないスタッフやボランティアが何万人もいるんですよ。ウイルスは、そうした人々によって市内に広がっていくのです。

全然安全じゃあないんです!

選手村に滞在せずに、自己手配ホテルに滞在して食事も自己手配する人達も多いですけど、彼らがルールに違反して「バブル」から出て来たりしないか、誰がどうやって見張るんですか?

性善説なんてきれいごとですよ。自分の利益のためにルールを破る人が大勢いることは分かりきったことです。

「バブル」から市内にウイルスが持ち出されるだけではなく、市内のウイルスが「バブル」の中に持ち込まれることもあるでしょう。

外国人の感染者が何十人も何百人も発生した場合のシミュレーションはできているんでしょうかね。誰がどうやってお世話をするのでしょうか。

人々の命に関わる感染症が蔓延しているという状況でのオリンピックなのですから、開催計画は状況に応じたいくつかのプランができているものと思いますけど、その計画には当然中止になる状況も想定されているはずなんですが、どうしてそれが発表されないんでしょうか。

各国の選手や関係者だけでなく、何万人ものボランティアの人達をいかに新型コロナから守るのかという計画も、感染したボランティアにはどう対応するか、どう医療を保証するのか、そういうことも何も発表されていませんね。

ボランティアは、感染した場合の医療費も自己負担なんですか。

そういうことを知らされずにボランティアとして参加する人達も心配でしょうね。

2021年の東京オリンピックが、感染超拡大イベントとして歴史に残るようなことに、

なりそうですよ!


今回のオリンピックは、状況次第では無観客で行うことも考慮していると聞きました。

無観客で行うとチケット収入を失うだけでなく、競技会場でのグッズ販売や飲食店の収入も無くなるわけです。すでに販売しているチケット代金の払い戻しも行わなくてはいけませんし、損失が大きいので避けたいはずです。

完全に中止すれば莫大な放送権料やスポンサー料を失いますから、赤字になるでしょう。赤字になった場合、東京都が負担することになっているそうです。

聞いたところでは、IOCの収入の7割以上を支えるのがテレビ放送権料だそうですから、とにかく開催を強行してテレビ放送さえできればなんとかなるということらしいですが。

オリンピックは今や一大商業イベントです。

今回は、このイベントを行うことで失われる命があることは確実なのですけど、これを強行するということは、人の命よりもこっちのほうが大事ということなんですよね。

失われた命に対して誰かが責任を取る覚悟でやるんでしょうか。


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