2025年8月21日

運転試験の結果と補聴器

今日は、うちの夫の父親の話です。

認知能力の衰えが心配されている父親が、運転試験を受けなくてはいけなくなった経緯については、「認知能力と運転試験」にも書きましたが。

ちょっとだけ説明すると、夫の父親がメルボルン市内で何度も交通事故を起こして、夫が同乗していた時にも衝突事故寸前という出来事があって、夫と妹弟達は父親が運転を続けるべきではないんではないかと思い始めたんですよ。

父親はまだ78歳なんですが、運転をやめさせるほど認知能力が衰えているのかどうか確信が持てず、検査を受けるようにと説得することも出来ずにいたところ、VicRoads というヴィクトリア州の運輸交通局みたいなところに匿名で父親のことを報告した人がいましてね。VicRoads から父親に運転能力適性テストを受けるようにという手紙が届いたんです。

視力検査とか認知能力の検査だけではなく、運転試験も受けなくてはいけませんでした。先週の金曜日にその運転試験があったんですが、うちの夫はこのことを話題にするのを避けていたから結果を知らなかったのですよ。昨日、義妹から電話で結果を聞きました。

「条件付きで運転してもよろしい」という結果だったそうです。その条件とは、

家から10キロまで!

要するに家から近い生活圏内だけということですから、高速道路を運転することはもうありません。メルボルン市内や空港にも運転して行けません。

でもね、10キロ圏内にはショッピングセンターもあるし、病院も駅もあります。家族がよく行くレストランやカフェも10キロ圏内ですから、それほど困らないはずです。

私達が住んでいる家までは9.3キロなので、ぎりぎりセーフ。父親が住んでいる家は山の中だし、10キロ圏は運転が簡単な道路ばかりなので心配が減りました。

運転が出来なくなると本人だけではなく家族も困りますが、家の近くなら運転しても良いという結果だったので、家族はホッとしています。


父親についてのもう一つの問題は、耳が聞こえにくくなっているのに補聴器を使おうとしないことでした。

何年も前から聞こえにくくなっていたんですよ。父親と話をしていると、同じことを繰り返さなくてはいけないことが多いし、大きな声で話さなくちゃあいけないので、家族はイライラさせられて来たのです。

しかし、補聴器をつけるのは「年寄りくさい」と言い、自分は別に困っていないからと頑なに拒否して来たのですよ。

ところが、先日一時帰国していた義妹と私達家族と父親とで韓国料理店に焼き肉を食べに行った時、父親はボーっとしていたと言うか、ほとんど喋らなかったのですが、私達の会話が全く聞こえなかったらしいんです。

店内には音楽が流れ、多くのお客さんで賑わっていて騒々しかったので、家族が話していることがさっぱり聞き取れなくて、一人だけ取り残されたように感じたのでしょう。

家族旅行でポートダグラスに行った時にも、似たような状況が何度もありましたけど、焼き肉の夜に現実を思い知った父親は、補聴器を使うことを決意したそうなんです。すでに医者に相談に行って来たそうです。

補聴器をつけることで「聞こえにくい」という問題が解決するんですからね、利用しない理由は無いんですよ。聞こえにくいと運転にも影響するはずですしね。

義母(うちの夫の母親)のパートナーも伯母のジョーンも補聴器を使っていますが、耳の中にすっぽり収まる小さい補聴器で、付けているとは誰も気づきませんよ。耳にかけるタイプとか種類はいろいろあるそうです。

そして、近ごろの補聴器は単に音を大きくするのではなくて、周囲の雑音を抑えて聞きたい音を聞こえやすく自動的に調整するそうです。

高性能の補聴器は安くはないですが、経済力のある夫の父親には問題になりませんよ。もっと早く買うんだったと後悔するに違いありません。

暮らしの質を向上させる便利な道具は、経済的にそれを使える能力があるなら、使わない方がもったいないです。


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