とは言っても、一人前の臨床心理士になるには2年間の臨床経験を積む必要があるそうで、その2年間は本来もらう給料よりも少ない給料で働くことになるそうです。
お医者さんになる場合、研修医として一定年数の経験を積まなければいけないのと同じです。
それでも、大学院時代の研修とは違って給料をもらえるわけですから、本人は大変喜んでいます。
大学院時代の研修は、1年目は大学内のクリニックで、2年目は病院のリハビリテーション科と司法精神医療施設で行いました。司法精神医療施設では知的障害のある性犯罪者がクライアントだったわけで、このブログで何度も話題にしましたが、いろいろトラブルがあって大変でした。
それにしても、ハイスクール卒業からここまで8年もかかっているんですよ。
小学校6年間とハイスクールが6年間。数えてみたら、学校教育が始まってから20年がかりです。
私達は娘に経済的な支援をほとんどしてやれませんでしたから、娘は複数のアルバイトをかけ持ちして、勉強と仕事を両立して来ました。
ハイスクールの終わり頃は、パニック障害が悪化して家から出られなくなっていましたから、一人で電車やトラムに乗って大学まで行くということだけで大変な苦労をしました。まずは家から出て、近くのバス停まで行くというところから始めたんです。毎日私が付き添って、最初の頃は大学へも私が一緒に行っていました。
親のひいき目ではなく、本当によく頑張ったと思います。
娘が勤めることになったのは「痛み」の治療を専門に行うクリニックです。病気や怪我が原因で身体的な痛みに苦しむ人は多いですよね。痛みが強かったり慢性化するとメンタルヘルスにも影響します。
そのクリニックには、身体的な痛みを軽減させたり消失させるための治療を行う専門医師と、精神的な苦痛を和らげ消失させるためのカウンセリングを行う臨床心理士が、合計で十数人いるそうです。
病院のリハビリテーション科で研修した時と同様の仕事内容になるそうですから、娘の仕事は複雑だと言えます。
身体的な痛みを生じさせた原因がメンタルヘルスの問題だったりもするのですよ。慢性的に続く身体の痛みのせいで心の病気になる人も多いですしね。
娘が将来本当にやりたい仕事は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しむ兵士や警察官を助ける仕事なんだそうですけど、まずはこのクリニックで2年の経験を積んでから次のステップに進むと言っています。
小学生の頃の抜毛症に始まり、摂食障害やパニック障害など様々な心の病気で苦労して来た娘ですが、カウンセリングを受けながら克服して来ました。今では別人のように強く元気になっています。
今度は自分が困っている方の役に立てるように、頑張って欲しいです。