2023年8月31日

引っ越し作業途中やめ状態の家

昨晩は美しい満月でしたね?皆さんご覧になりましたか?

夜中に目が覚めた時に、外が明るいので「もう朝か?」と思いましたよ。眩しい満月が見えました。でも、早朝に見た満月は別物の美しさでした。

うちの夫を勤めているツールショップに送って行った朝の6時、満月は西の空に傾きかけていましたからとても大きく見えましたし、少し霞がかっていたので大変美しかったです。

「これはブルームーン(Blue Moon)です。一ヶ月に見られる2回目の満月をブルームーンと言います」と言ったのはうちの夫です。何でもよく知っていますね。私は知りませんでしたよ。

月の満ち欠けの周期は29.5日ですから、1ヶ月に満月が2回見られることは滅多にありません。青く見えるわけではないのに、どうしてブルームーンと呼ぶんでしょうかね。

ところで、

昨日の朝のことですが、仕事が休みで家にいた夫が誰かと電話で話しているのが聞こえた後、2階に上がって来て寝室の片付けを始めました。

いつでもカーペットの上には脱いだ服が脱いだままの形で脱ぎ散らかしてあるし、洋服ダンスの上はごみ屋敷状態、ベッドはぐちゃぐちゃですけど、昨日は脱ぎ散らかした服を拾い、ベッドまで直していました。

まあ珍しいことがあるもんだ!

そう思いながらバスルームで歯磨きをしていましたら、夫がやって来て言いました。

「お昼頃に不動産屋が家を見に来ますから…」

不動産屋が来る?

不動産屋は、すでに2つの会社から査定に来てもらっていたんですよ。

その結果、この家を賃貸に出すには費用がかかり過ぎて利益が出ないことが分かりまして、賃貸をあきらめて売りに出すにしても不動産市場が低迷している今は売るには良い時期ではないということで、結局私達が引き続き家の持ち主である義妹(夫の妹)に週600ドルの家賃を払いながら住み続けることになったと聞いたんです。

しかし、それは確定でなくて、義妹が売ると決めたら引っ越さなければいけないとも夫は言いましたし、義妹は決めかねているそうなので、我が家は「引っ越し作業途中やめ状態」のままなんです。

引っ越さなければいけないという話になったのは3月でした。

良い機会なので、私は持っていた本や家にあったDVDをほとんど処分して、売れるものは売り、チャリティーに寄付できるものは寄付し、仕事部屋にあった大量の要らないもの(CDとかコンピューター関係のもの)を全部捨て、持ち物は大幅に減らしました。

息子も持ち物は処分しました。娘は家を出ていますから持ち物は無かったのですが、家にあった大量の本のうち自分が譲り受けるつもりの本は全てダンボール箱に詰めました。

残るのは膨大な量の夫の持ち物だけでした。そして、さすがの夫もついに処分を始めたんですけど、すべて途中やめです。売りに出したものの売れなかったものがたくさん床に置きっぱなしです。

段ボール箱も出したままです。本棚は空っぽになりかけたままで、箱詰め作業が中断したままの状態です。

もう6ヶ月もこんな状態なんですよ。

また不動産屋が来ると聞いた昨日は、ついに義妹が家を売ることを決めたのかと内心ホッとしたのですが、実は不動産屋の方から連絡して来たのだそうです。

我が家の近所で家を1軒売ったばかりの不動産屋から、「家を売る気はないですか」と聞かれたうちの夫が「売る気はあります」と言ったらしいんです。それで、査定のために急に来ることになったらしいのですけど。

さすがにあの寝室を不動産屋に見られるのは恥ずかしかったのでしょうね。夫は寝室を片付けた後、雨が降っているのに草切りも始めました。少しでもキレイに見せたいということですね。

じゃあ私は家の中の掃除をするべき?

一瞬だけ思いましたけど、掃除はしませんでした。

掃除をしたところで査定に影響などありませんよ。この家を売りに出しても、価値があるのは土地だけだと聞いていますから。買い手は、高い確率でこの家を壊して新しい家を建てるはずだと。

それに、どんな値段で売れようが、私には1セントの利益もない話ですからね。掃除なんてする気にはなりませんでした。


私達が住んでいるエリアの不動産は、ここ数年でムチャクチャ値上がりしていましてね、よほどの経済力がある人でないと手が出る値段ではありません。

このエリアは、一区画が広くて田舎環境なのに街には近くてそれなりに便利ですから、静かでプライバシーのある環境に大きな家を建てて住みたいお金持ちの皆さんには人気の高いエリアなんだそうです。

1軒売れば儲けが大きいですから、不動産屋も売家を探しているのですよ。

私は家が散らかっていると嫌なタイプの人間です。ダンボール箱が出たままの「引っ越し作業途中やめ状態」の家に住みたくないのですけど、片付けなくちゃあいけないのはダンボール箱だけではありません。

夫の持ち物がいたるところに出しっぱなしですから、それも片付けなくてはいけないのですが、夫が片付けるわけがないですからね。私はもう気にしないことにしました。

ダンボール箱やごちゃごちゃした物は、床がタイルの別名ミミズが出る部屋に置いておきます。どうせ残っているのは夫の持ち物だけです。

結局のところ、うちの夫の膨大な量の持ち物はほとんど減っていませんし、ガレージがあんなごみ屋敷状態では引っ越しなど不可能です。

私達家族は、これまで何度も引っ越しをしましたが、いつも私が夫の持ち物も片付けをする羽目になったので、あのごみ屋敷を見ると気持ちが悪くなるほどストレスが溜まっていたんですけど。

ごみ屋敷の片付けは私はしないと繰り返し家族に宣言していますから、どんなことになっても私はしませんよ。

夫が自分では処分も片付けも出来なくなった場合は、清掃業者を雇って全部ごみ処分場行きになるでしょう。仕方がないですよ。ごみ屋敷というのはそういう運命です。

道具や機械がたくさんありますから、捨てるのはもったいないと思うなら早く何とかするべきですけど、ごみ屋敷を作るような人は自分で何とか出来ないんですよねえ。

ああ… 

そういうことを心配してあれこれ悩むのも止めました。自分のメンタルヘルスのためには、どこかで線を引かないといけません。

義妹もですね、この家を売るためには夫のごみ屋敷問題が最大の障害であることをもう少し理解してもらいたいです。


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2023年8月30日

抑圧され続けるアフガニスタン女性達

毎日いろいろなニュースが報道されますが、女性が女性であるというだけの理由で抑圧されているニュースを読むと悔しいです。

昨日読んだニュースは、アフガニスタンの若い女性のニュースでした。アフガニスタン国内では教育を受けられなくなった若い女性達が、ドバイ大学へ留学する奨学金を得て、同伴の成人男性家族と一緒に出国しようとしたところ、教育を目的とした出国は認められなかったというのです。

タリバーン政権は、何としてでも女性達が教育を受けることを阻止したいようですね。

私が3年前にこのブログで書いた「ドキュメンタリー映画でほっこり」という記事があります。「Learning to Skateboard in a Warzone (If You're a Girl)」(戦場でスケートボードを習う女の子達)というドキュメンタリー映画を見た感想を書いた記事です。

2020年の米国アカデミー賞の短編ドキュメンタリー賞を受賞した作品でした。


この映画は、貧困や戦争などの苦境の中で生きる子供達に、読み書きなどの基本的な教育とともにスケートボードを教えるというプログラムを実施しているNGO「スケーティスタン(Skateistan)」のアフガニスタンにおける活動を取り上げていました。

その記事の一部をここに紹介します。

長年の紛争で国土が荒廃したアフガニスタンですが、映画を見ると人々の暮らしが想像していたよりも安定していて、明るさが感じられました。

学ぶことも働くことも禁じられ、外出すら許されず、服装も厳しく制限されて、自由も人権もなかった女性達が、タリバーンの支配から開放された今、生き生きと日々の暮らしや家族について語る様子がとても印象に残りました。

先生達や少女達が身に着けている服にもびっくりしました。とてもおしゃれで素敵なんですよ。

女の子も学校へ行って学ぶことができるようになったとは言え、まだ誰もが学校に行けるわけではありません。貧困家庭の子供ならなおさらです。そんな状況の中で、「スケーティスタン」に行く機会を得て、親にもそれを許された少女達が、本当に楽しそうに生き生きと学んでいます。

学校で教えているのは基本的な読み書きと算数ですが、先生達が最も重要視しているのは「自分には言いたいことがあるという意識を持つこと」「それを発言するために手を挙げたり教室の前に出たりする勇気を持つこと」「恐怖や不安に立ち向かおうとすること」です。

スケートボードは、そうした重要なことを教えるための役割も担っているのです。

この記事を書いた1年後、タリバーンが再び政権を握り、この国の女性達はあらゆる権利を制限されて自由と機会を失いました。

一昨日のニュースで、アフガニスタン中部のバーミヤン州にあるバンデ・アミール国立公園が、女性の立ち入り禁止になったというニュースがありました。ここを訪れる女性達が正しくヒジャブを着用していないことが理由だとタリバーン政権は言っているようですが。

バーミヤン州と聞いて、聞き覚えがあると思った方もいるでしょうね。2001年にタリバーンはこの地にあった1500年以上の歴史をもつバーミヤンの大仏2体を破壊したんです。

そのバーミヤン州の山々に囲まれた青い湖の一帯が、バンデ・アミール国立公園として整備され、アフガニスタンで初めて女性の公園職員を採用したことで知られたそうですが、女性がここに行って自然の美しさを楽しむことはもう出来ません。

つい先日は、美容院が禁止されたというニュースもありましたね。

美容院の経営は、ビジネスの機会が限られているアフガニスタンの女性にとっては、女性にも出来る数少ないビジネスの1つという面があったそうですが、国内の美容院は閉鎖を命じられたそうです。

タリバーン政権下のアフガニスタンでは、女性に求められるのは子供を産んで育てて家事をすること、そして男達の指示に従うことです。ほぼ全面的に就労や就学が禁止され外出も制限されている女性達は、社会活動から排除されて、家に閉じ込められているそうです。

女性が教育を受けられず就労も禁止となると、女性達はさらに多くの機会を失います。医療もその1つです。アフガニスタンの女性達は、女性の医者や看護師からでなければ治療を受けられないそうですから、女性の医者や看護師がいなくなれば治療は受けられなくなるということでしょう。

妊産婦のケアはどうするんでしょうか?多くの乳幼児や妊婦が命を落としているのではないでしょうか。

勇気のある女性達は、タリバーンが政権を握った後、度々抗議のデモを行って来ましたが、抑圧は強まる一方です。

教育と就労の機会を失い、服装は厳格化され、外出を制限され、美容院も禁止、スポーツもできなくなり、公園や遊園地に行くことも禁止され、今度は自然を楽しむことまで禁止。そして国外で教育を受けることも禁止というわけです。

理由は、女だからというだけですよ。


アフガニスタンという国のほとんどの部分を締める「田舎地域」では、古いイスラムのしきたりに則ったやり方を良しとする保守的な価値観を持つ人達が多くて、そうした人達がタリバーンの基盤になっていると聞きます。

つまり、タリバーンがやっていることは、そうした人々の価値観に基づいた政策だということらしいですね。

「田舎地域」では、伝統的な家父長制が今も存続していて、女性蔑視的な考えを持つ人が多く、家庭内暴力は激しいし、女性は抑圧されるものなんだそうです。

子供を産んで育てて家事をする、それが女性に求められる役割なんですから、大半のアフガニスタン男性は「女に教育など必要ない」「女は家にいるべき」という考えなわけです。

タリバーンがアフガニスタン国民の意志を無視してムチャクチャな政策をやっているわけではないんだそうですね。

そういう古い価値観を、優れた指導者が変えて行くことも出来るはずですが、アフガニスタンの場合は維持しようとしているわけですよ。

ああ…

生き生きとスケートボードと読み書きの勉強に取り組んでいたあの少女達は、今は十代になっているはずです。目をキラキラさせて将来の夢を語っていたあの子達は、どうなっているのでしょうか。

「恐怖や不安に立ち向かおうとすること」を教えられたあの子達は、学ぶことをあきらめてしまっているとは思えません。

頑張って欲しいです。


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2023年8月29日

眉尻が無くなったこと

昨日、うちの夫はシドニー&ニューキャッスル旅行から帰って来ましたよ。ニューキャッスル空港を朝8時45分に出発する便でメルボルンまで帰る予定だったのに機体のトラブルで出発が午後の1時半になり、家に帰ったのは夕方でした。

顔に火傷をして一人で家に残り退屈していた気の毒な私に、何かお土産でも買って来てくれるかもしれないと思ったりもしましたが、お土産なんて買って来るわけがないのでした。チラッと期待した私がバカなのでございます。

夫は太っていませんでした。旅行中は食べ物に気を付けたし、お酒は飲まなかったそうです。もしも太ったら、それは「無責任」と「偽善」の象徴だと言っておいたのが効き目があったように思いますね。

いろいろ話したいことはあったようですが、シドニーで何をしたかとか、ニューキャッスルで誰に会ってどんな話をしたかとか私は興味がありませんし、まだ腹が立っているから話を聞いてあげる気も無いのでね、夫はうちの息子に話していましたけど。

そんなことよりも、顔の火傷ですよ。

私が顔に火傷をした先週の日曜日は、私の火傷よりもケバブ屋の子羊肉ケバブがどんなに美味しかったかの方が大事な話題だった夫も、昨日は帰って来るなり私の顔を見に来ました。

近くでジロジロ見てから、いかにも「お気の毒です」という表情をして「おお…」とだけ言いました。

「おお…」って何?

そんなにひどいか?

「少し色が薄くなったなあ」とか「茶色が取れたなあ」とか、もっと慰めの言葉があるだろうに、「おお…」だけ言うって何よ!

ところで、

その火傷なんですけど、「顔面を斜めに走る茶色の筋」にも書きましたが、あごの左下から右のこめかみまで斜めに火傷痕が並んで筋のようになっています。

大部分はすぐに茶色くなった後で皮がむけ、その後は赤やピンク色のまだら状態です。右こめかみの髪の生え際近くの一番痛かった部分は、黒く分厚いかさぶたになりました。

そのすぐ横の右眉なんですけど、眉尻にも油が散ったらしくて薄いかさぶたになっていたんですが、今朝シャワーの後で見たらかさぶたが取れていました。

おかげではっきりと分かったんですけどね、

あったはずの眉毛が無いんです…

数本だけショボショボと生えていますが、ほぼ眉尻が無い状態です。

ああ…

眉毛はまた生えて来るんでしょうか?

それとも、毛根が火傷でダメージを受けて、もう生えて来ないとか?

生えて来て欲しいですけど…

もしも生えて来なかったら、眉毛を描き足せるペンがあるみたいなので使ってみようとも思っていますが、生えて来て欲しいです。

ホントにもう踏んだり蹴ったりです。


火傷痕はまだかなり目立つので、「私はこういうのはあまり気にならないんですよ」などと火傷直後の記事には書いたくせに、昨日も食品の買い物にはマスクを着けて行きました。

言ってることとやってることが違い過ぎます。

キッチンで転倒して顔面を強打してレモン大のたんこぶが出来て黒いパンダ顔になった時には、マスクで隠すことが出来ないからサングラスで隠していたんですけど、隠さないとどこへ行っても人々の視線を感じるからウンザリしたんです。

ホント、あの時もいろいろ踏んだり蹴ったりでした。サングラスのせいで「ZARAバッグの悲劇」も起きたしな。結局あのバッグは二度と使わなかったんですよ。

この火傷は、あの時のパンダ顔ほどはひどくないです。そんなに気にすることもないとは思いますけど。

早く治って欲しいです。


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2023年8月28日

夫が旅行から帰って来ます

うちの夫は、先週の火曜日から義妹(夫の妹)とそのパートナーと一緒にシドニー&ニューキャッスル旅行に行ったんですが、今日帰って来ることになっています。

夫がいなかったこの1週間は、正直言ってめちゃくちゃラクだったわ。送り迎えをしなくていいし、家が散らからないし、食事の支度は簡単だし、洗濯物も少なくて済むし。

今頃どこで何をして楽しんでいるんだろうかとか、そんな事は考えもしませんでした。私が顔の火傷のことで頭がいっぱいだったこともありますけど、夫だけが毎年こうして旅行を楽しんでいるというのに腹が立つからです。

うちの子供達が幼かった頃、夫は仕事の関係でほとんど家にいない暮らしだったので、我が家はまるで母子家庭みたいでした。当然私はいつも家にいて、仕事と家事と子供の世話の全部を一人でやっていました。

その後、夫のやっていた仕事が破綻して、食べて行くことも出来ないほど困窮した時期もありましたが、生活が楽になってからも家族で旅行をする余裕などありませんでした。

ただし、夫の父親や妹のおかげで毎年家族旅行をする機会はあったのです。でも、私は夫の父親と中国人妻夫婦とは一緒に旅行に行きたくないので家族旅行には行きませんでした。

家族旅行に行くのは私以外の3人だけで、私はいつも一人で家に残ったのです。私の選択ですから仕方ないです。子供達が成人してからは、家族旅行には夫だけが行っています。

私はこの20年近くの間、旅行をしたのは2回だけですよ。ゴールドコーストドバイに行ったのだけです。どちらも義妹からのプレゼントでした。

そのうち、ゴールドコーストへの旅行はですね、義母が勝手について来たのでストレスがたまったんです。義母がついて来るなんて誰も知らなかったんですよ。ゴールドコーストの空港に着いたら来ていたんです。旅行の日程などは義母が勝手に決めていました。

あれにはまいったわ!

ドバイ旅行もね、新型コロナのせいで夢と消えたヨーロッパ旅行の代わりだったんですよ。使えなかった航空券代を期限までに使うために仕方なく行ったんです。

航空運賃が値上がりして、ヨーロッパまで行くのはもう無理だったのでね。ドバイなら義妹のマンションに泊めてもらえるので宿泊費がかかりませんし、そもそもヨーロッパ旅行は義妹からのプレゼントだったので。

一方、夫はというと国内各地のリゾート地への家族旅行以外に、英国にも行っていますし、オーストラリア横断旅行にも行っていますし、昨年はドバイ旅行に続いてカリブ海の島バルバドスにクルーズ旅行にも行ったし、今回はシドニー&ニューキャッスル旅行でしょ?

自分ばっかりずるい!

と、私は思ってしまうわけですよ。

しかも今回は、旅行前から夫には腹が立っていたんです。

油で揚げていた白玉団子が大破裂して顔中に熱い油を浴びた事故は、先週の日曜日の午後に起きたんですけど、日曜日というのは夫を勤めているツールショップまで送り迎えしなくてはいけない日です。

いつもは私のカローラで送り迎えしますけど、あの日の朝はトラックで送って行く必要がありました。

溶接機を持って行かなければいけないと夫が言ったからです。

溶接機を持っていたとは知りませんでしたよ。使いもしないのに道具を次々に買うので腹が立つわけですが、溶接機まで買っていたのかとすっかり頭に来たんです。

経済的に余裕がないから旅行など出来ない、日帰り旅行すらしない、一緒に映画を見に行ったり外食することもほとんど無いのに、ごみ屋敷状態のガレージにある山のような道具や機械は何なんだってことですよ。

私が知らないうちに次々と買っているわけですけど、溶接機まで買っていたんです。使いもしないのに。

さらに、夕方のことですが、夫を迎えに行かなければいけない時間になっても、私は息子と一緒にまだ病院にいました。それで、夫は病院の近くの駅まで電車で来て、病院まで歩いて来ることになったんです。病院の救急外来で待ち合わせて、そこから一緒に家に帰るという手はずです。

ところが、夫は、

乗る電車を間違えたんですよ!

間違った電車に乗ってしまって南に行ってしまったんです。いい歳をしたおじさんが電車を間違えるとはどういうことなの?ちゃんと確認しないからこういうことになるんです。

病院での診察が終わって家に帰って良いと言われた時、夫が再び電車で戻って来るよりも私達が迎えに行った方が早かったので、息子と私は南の駅まで夫を迎えに行ったのです。

そして、道路脇に立って待っていた夫を見つけて車を停めました。私はまだ濡れタオルで顔を冷やし続けていたんですよ。鎮痛薬は効いていましたけどまだ痛みはひどかったですから。

車に入って来た夫は「大変だったね」とか「火傷はどう?」なんてことは言いませんでした。

「あそこのケバブ屋のケバブはむちゃくちゃ美味しいよ!」
「…(はあ?) 待っている間に食べたんですか?」
「お腹が空いていたからね。いやあ子羊肉のケバブはサイコーだったよ!晩ご飯用に買って帰ったら?」
「私はいらない」(私)
「オレもいい」(息子)
「そうかあ、でもあのケバブは絶品でねえ、…」

と、ケバブの話が続き、その話が終わってしばらく沈黙が続いた時、夫は何かに気づいたのでしょう。

「それで、ヒロコはどうなの?(How are you feeling?)」

私が火傷で病院に行っていたことをやっと思い出したか!

これで頭に来ない人がいるか?

旅行出発日の朝にも腹が立つことはありました。

6時頃に義妹達が迎えに来るらしかったのですけど、夫は何時に迎えに来てくれるかは知らず、確認もせず、5時には起きて準備をして待っていましたから、私も早起きして待っていたんですよ。

そうしたら、義妹達が迎えに来たのは10時半頃だったんです。出発便は昼過ぎだったんですよ。夫は出発時間を間違えていたんです。確認しなかったから。そして迎えに来てくれる時間も聞いていなかった。

もういい加減にしてちょうだい!

そんな夫が帰って来るのを待ち遠しく思うわけがないでしょ。


夫は腎臓提供を目前にしていますから、旅行中の暴飲暴食をつつしむようにとは言っておきました。

この旅行中に食べ過ぎたら、それはあなたの「無責任」と「偽善」の象徴であるとも言っておきましたが、もしも太って帰って来たら私は呆れます。

さらに太ったり何らかの健康問題が生じたら、腎臓移植を待っている皆さんに合わせる顔が無いですからね。

シドニーでは中心部のホテルに泊まっていたらしいですが、ニューキャッスルでは少し南のレッドヘッド(Redhead)というサーファーに人気の街にあるホリデーハウスに滞在していたそうです。

レッドヘッドのビーチ。


砂浜の北側に赤い岩の崖があります。この赤い崖がレッドヘッドの名前の由来だそうですが、滞在したホリデーハウスはこの崖の上にあったようです。いい眺めなんでしょうね。


毎日夫が楽しんでいる間、私はずっと家にいて火傷にジェルを塗り続けていたのでございますよ。(泣)


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2023年8月27日

ヘルスケアアプリの「メディカルID」

今月の初め頃、めまいがひどくてそのせいで吐き気も続いて、毎日フラフラしていました。「慢性めまいと前庭リハビリ」という記事に書きましたけど、私はまた回転性のめまいに襲わるんじゃあないかと心配でたまらなかったんです。

2年前の今頃のことですが、私は激しい回転性のめまいで倒れて救急車で運ばれたことがあるんですよ。平衡感覚のコントロールをしている内耳と脳をつなぐ前庭神経の炎症が原因だったのですけど、ある日突然周囲が高速回転しているように感じるめまいが始まって、大変な目に遭ったんです。

二度とあのような目に遭いたくないわけなんですが、前庭神経の炎症による回転性のめまいというのは突然始まるというのが特徴でして、いったん周囲が回転し始めると立っていることも出来ませんし、あの時は激しい嘔吐も続きました。

あの回転性のめまいが、自宅以外の場所にいる時に始まるのが心配だったんですけど、心配ばっかりしていてもしようがないので、もしもの時に備えようと思いまして、準備したことの1つが救急隊員に私の緊急連絡先や病歴、アレルギー、服用中の薬などを知らせるための「メディカルID」でした。

自宅以外の場所で倒れたら、救急車を呼んでくださったりして助けてくださる方が必ずいると思いますから、そういう方達にも「メディカルID」で緊急連絡先を知らせることが出来ます。

「メディカルID」は、iPhone のヘルスケアアプリ「Health」の中にあります。これを準備していたことで、先日顔の火傷で病院に運ばれた時にとても助かったんですよ。

耐え難い痛みを濡らしたタオルで冷やしながら何とか耐えていた私ですが、救急外来の受付ではいろいろ伝えなければいけないことがあります。

その病院には何度も行っていますし入院したこともあるので、私の医療記録はデータベースに入っているはずでしたが、アレルギーのことや現在服用中の薬のことなどを質問されたのです。

ところが、私は高血圧のために服用している薬の名前は覚えていなかったし、アレルギーがいろいろあるのでそれを教えなくてはいけないんですが、火傷で顔が痛くてパニクっているから思い出せなかったんです。

そこで、私はバッグから iPhone を取り出して「メディカルID」を表示させ、それを受付のナースに見せました。たったそれだけするのも大変だったんですよ。顔が痛くて耐え難いもんですからね。

ナースは私の「メディカルID」を見ながら、データベースに不足していたアレルギーのある薬の情報や高血圧のために服用中の薬のことなどを書き込んでいましたが、おかげで受付での手続きが非常に早く終わり、すぐに鎮痛薬をもらうことが出来たのでした。

あの程度の状況でも医療スタッフの質問に答えたり、必要な情報を伝えることが難しかったのですから、めまいで倒れてゲロゲロ嘔吐していているような状況だったら「メディカルID」が大きな助けになることを確信しましたよ。

通常は iPhone を使うためにはロックを解除しなくてはいけませんが、「メディカルID」はロックを解除しなくても表示できるように設定しておくと、誰でも表示させて見ることが出来るんです。


ロック解除のためのパスコード入力画面の下に「緊急(Emergency)」というのがありますよね。それをタップすると緊急電話が出来る画面が出ます。その画面の下に「メディカルID」というのがありますから、それをタップするとメディカルIDが表示されるんです。

おそらくiPhone 以外のスマートフォンにも同様の機能があるのだろうと思います。もしもの時のために「メディカルID」を準備しておくことをオススメします。


救急隊員の方なら知っているはずですから、「メディカルIDを見てください」とさえ言えたら多くの情報を伝えることが出来るはずなんです。緊急連絡先の家族にも電話をしてもらえるはずですしね。

私はアレルギーのある薬がいくつもあるので、これを医療スタッフに伝える必要があるのですよ。

ほとんどの方は、おそらく「メディカルID」なんて準備しておいても使うことは無いでしょう。でも、いつどんな事が起きるか分かりません。

私だって、白玉団子が破裂して顔に熱い油を浴びることになるとは思いもしませんでしたしね。めまいだってある日突然始まったんですし。事故はいつ起きるか分かりません。

「メディカルID」は役に立ちます。考えた人はエライです。


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2023年8月26日

史上最もインクルーシブな大会

この記事は、先週末の女子サッカーW杯の決勝の前に書き始めていたんですが、日曜日のお昼過ぎに白玉団子を油で揚げていたら白玉団子が大破裂しまして、熱い油で顔に火傷を負った私は、以来大変な目に遭っているのでございます。

1週間になりますけど、期待したほど火傷は良くなっていません。やはり、若い人のようには細胞が再生しないんでしょうね。治るのには時間がかかりそうです。

せっかく書き始めた記事なので、今日はこの記事を載せようと思って続きを書いています。

記事のタイトルの「インクルーシブ(Inclusive)」という言葉ですが、英語をそのままカタカナにするのは好きじゃあないので、本当は日本語で書きたかったんですけど、この言葉をうまく表現できる日本語の単語が思いつかないんですよ。

辞書を引くと「全てを含んだ、包括的な」というような言葉が並んでいますが、「包括的な」ではこの言葉の意味を表現できません。

「排他的ではない」と言い換えることも出来ますが、もっと肯定的に「一部の人を排除しないで皆んなを受け入れる」ということを意味する日本語の形容詞はないですかねえ。

近年、頻繁に耳にするようになった英語の「インクルーシブ」という言葉は、社会あるいは集団が、一部の人を何らかの理由で排除したりせずに、あらゆる人々を受け入れるという意味で使われる言葉です。

異なる人種や民族、異なる宗教を信じる人達、性的マイノリティーの人達などを、差別せずに受け入れることについて使われることが多いです。

史上最も「インクルーシブ」な大会だったと報道されているのは、2023年の女子サッカーW杯のことです。

これまで、サッカー界に性的マイノリティーの選手がほとんどいなかったのは、いなかったのではなくて隠さざるを得なかったからでしょう。自身の性的指向や性自認をチームに隠さざるを得なかったのは、性的マイノリティーの人々に対する差別と偏見が強かったからですよ。

しかし、世界的に社会が大きく変化して来たことは明らかなのでして、今年の女子W杯では参加した100人以上の選手とコーチが同性愛者であること、あるいはクィア(Queer)であることを公にしていたそうです。

これは一部の国に偏った傾向ではなく、32のチームに見られたことだったそうですよ。

ちなみに、クィア(Queer)とは、既存の男女というカテゴリに当てはまらないすべての性的マイノリティを包括する表現です。

オーストラリア女子代表チームの「マチルダズ」では、選手の半数以上が同性愛者であることを公にしているそうですから、もう同性のパートナーがいることなんて大して話題にもなりません。

選手のパートナーが異性であろうが同性であろうが、性自認が女であろうが男であろうが両方であろうが不定であろうが、そういうことはスポーツをする上で関係のないことなんですよ。

トランスジェンダーのスポーツ選手については、参加資格という点で複雑な問題がありますから、ここで話題にすることはしませんけど。

今年の女子W杯では、イスラム教徒の選手が頭を覆う布ヒジャブを着用してプレイしたことがニュースになりましたけど、これからは、ヒジャブを着用してプレイすることがニュースになったりしない時代になるでしょう。

これもまた「インクルーシブ」であることの一面です。


オーストラリア代表チームの選手の半数以上が同性愛者であることを公にしているからと言って、オーストラリアという国が素晴らしく進歩的で「インクルーシブ」な国だと言っているわけではありません。

例えば、この国で人気のあるスポーツのオーストラリアン・フットボールやラグビーでは、自身の性的指向や性自認を公にしている男性の選手はほとんどいません。

それはやはり、そうしたスポーツにおいては、チームの選手やコーチ、そしてファンといった人々の中に強い偏見があるからでしょう。隠さざるを得ないのですよ。

ラグビーのことはよく知りませんけど、オーストラリアン・フットボールのファンには、実際に差別者が多いんですよ。人種差別もひどいですから、性的マイノリティーへの差別も深刻だろうと想像できます。

勇気を持ってカミングアウトする選手がいたりもしますけど、そういうことが大ニュースになったりするんですから残念なことです。

オーストラリアは、以前よりも「インクルーシブ」な社会に変化して来ていますが、まだまだ課題は多いのです。

教会や宗教系の学校で同性愛が「罪」だとか「悪」だとか「異常」だとと教えていますからね、それも問題なんですよ。子供の頃から偏見や嫌悪を教えられて育てば「インクルーシブ」な考えを持つ人間にはなりませんから。

ところで、優勝したスペインチームの監督やスペインサッカー連盟の会長の行動が批判されていますね。サッカー連盟の会長が優勝に大喜びして、表彰式の壇上でジェニファー・エルモソ選手の唇にキスをしたことや監督が女性スタッフの胸に触っていたことなどが問題視されています。

優勝して嬉しかったとしてもですね、選手の唇にキスしたりするもんじゃあないでしょう?両手でエルモソ選手の頭をつかんでキスしているんですよ。もしも男子チームだったら、この会長は絶対に選手の唇にキスなどしていないでしょう。

してもいいと判断したところに意識の問題があります。

女性スタッフの胸に触っていた監督も、セクハラと言われてもしょうがないですよ。

スペインでは、この会長と監督は大きな批判にさらされているそうですね。スペイン政府からも責任追及の声が上がっているそうですけど。

問題行為があればしっかり批判して問題をただし、女子選手が安心してスポーツに取り組めるように組織のあり方を変えて行かなければいけませんが、これはまた別の問題ですね。


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2023年8月25日

湿潤療法のためのジェル

今日もまた火傷の話ですが、とても役立つ情報が含まれていますので、特にオーストラリアにお住まいの皆さんには読んでいただきたいと思います。

昨日と一昨日は、火傷の治療に効果があると言われている「湿潤療法」について書きました。

もう一度説明すると、「湿潤療法」というのは、従来の傷の治療法である「傷を消毒してからガーゼで覆って乾燥させる」とは違って、「傷を水道水等でキレイに洗った後は消毒をせず、乾燥させない被覆材で覆って湿潤な状態を保つ」という治療法です。

湿潤な環境では細胞が活発に働くので、火傷や怪我の傷をそうした湿潤な環境に保つことで自己治癒能力を最大限に活かすことができ、傷が早く治るということです。

消毒をしないので傷口周辺の正常な細胞が破壊されないことも、早く傷が治る一つの理由だそうです。

問題はどうやって湿潤な環境を作るかということです。

医療機関ではもちろん医療用の被覆材を使うわけですけど、それが高価だったり一般の人には手に入りにくかったりすることから、日本ではワセリンと食品用ラップを使う「ラップ療法」というのが広がったようです。インターネットで調べると「ラップ療法」を勧めている医者もいるくらいです。

しかし、傷の状態や怪我をした人の健康状態などによっては、ラップの下で細菌が増える「ラップ療法」には感染症や敗血症の危険があるのだそうです。火傷の専門医の集まりである日本熱傷学会は、「ラップ療法」を使うべきではないという見解です。

「ラップ療法」に挑戦したものの、痒くなったので1日で止めた私ですが、ラップを貼るのを止めた後もワセリンを塗るのは続けていたんですけど。

ワセリンは何の効果もないから止めた方がいいとか、ビタミンEクリームを塗れとか、いろいろアドバイスをしてくれる友人がいましてね、私はどうしようかと悩んだのですよ。

そして、ふと手にしたのが病院の医者がくれたジェルでした。

医者は、このジェルを塗ると火傷が落ち着き、痛みも和らぐと言ってくれたのですけど、これを塗るとジェルが乾いて被膜のようになり、はがすタイプのフェイスパックをしているみたいに顔がパンパンになります。

私の火傷は口周りに集中しているものですから、口の周りがパンパンになると口を動かしにくくなって食事をするのが難しいのですよ。

それで、自己流「ラップ療法」を始めてからはジェルは使っていなかったのですけど、このジェルについて少し調べてみたのです。そうしたらですね、このジェルの目的は「湿潤療法」だと分かったのです。

このジェルを塗るとジェルが薄い被膜になって傷を覆うので、傷を湿潤な環境に保つことが出来るのです。しかし、食品用ラップとは異なり、薄い被膜になったジェルの下に水や汗が溜まることはありません。

ラップを貼るのが難し過ぎてあきらめた口の周りも、このジェルならただ塗るだけで「湿潤療法」が可能だったのですよ。もっと早く気がつけばよかったです。

このジェルは「SOLUGEL」という名前の商品です。どう発音するんでしょうかね。たぶん「ソルージェル」じゃあないかと思いますけど。


オーストラリアでは、もう20年も販売されて来ているそうです。価格は50グラム入りのチューブが10ドルくらいですから、安価だと言えるでしょう。

さまざまな用途に使用できる多目的ジェルで、自宅で処置できる程度の軽度の火傷や熱傷、切り傷、すり傷、日焼けなどに使えます。痛みや不快感を和らげ、水分を補給し、傷を湿潤な環境に保つというのですから、私の顔の火傷には最適だったわけです。

ジェルが乾くとはがすタイプのフェイスパックみたいになるので、寝ている間にラップがズレたりワセリンが布団に付いたりすることを心配しなくてもいいのです。

口周りに塗ると口を動かしにくくなり食事をするのに困るという問題はありますけど、無理に口を動かして被膜が破れたら塗り直せばいいわけですからね。

「SOLUGEL」には、プロピレングリコール(25% w/w)、塩化ナトリウム(0.6% w/w)、ヒドロキシ安息香酸プロピル(0.04% w/w)およびヒドロキシ安息香酸メチル(0.1% w/w) が含まれているそうです。

何のことやらさっぱり分かりませんけど、ワセリンよりは良さそうです。いろいろなサイトでレビューを見ると、非常に高評価です。病院の医者がくれたのも納得です。

ホントにもっと早く気がつけば良かったです。

こんな安価で便利なジェルは、日本でも販売されているのではないでしょうか。あるいは類似の商品が日本のメーカーから販売されているのかもしれません。私にはよく分かりませんけど。

オーストラリアにお住まいの皆さんは、簡単に安く手に入るわけですからね、ご家庭の救急箱に入れておくと良いかもしれませんね。

子供さんのすり傷にも最適だと思いますよ。


ジェルを塗ると乾いて膜のようになり傷口を保護すると分かって、指先のひび割れに液体絆創膏のように使えるじゃあないかと思ったんですけど、そういう使い方は難しいかもしれません。

このジェルは、乾いて皮膜になっている状態に水をかけるとすぐに柔らかくなり、簡単に洗い流せるからです。

指先のひび割れに使っても、濡れたら取れてしまいます。水に濡らさない間の保護にはなりますけど。

絆創膏を貼ると痒くなる事が多い私には、便利なジェルだと思います。顔に付けても痒くなりませんでしたから、手足には問題な使えます。

すり傷や切り傷にこれを塗っておけば傷の保護になる上、「湿潤療法」で傷が早く治るとなればこんなにいいものはないです。塗るだけだから簡単ですし、大きな絆創膏が必要な傷にはこのジェルの方がはるかに簡単で安上がりじゃあないですか?

ただし、防水ではないという点だけは覚えておいてください。でも、それは水で簡単に洗い流せるという利点でもあります。


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2023年8月24日

「ラップ療法」には注意が必要

火傷の治療に「湿潤療法」というのが効果があって早く治るらしいという情報を複数の方からいただいて、これを家庭で簡単におこなえる食品ラップを使った方法を早速試してみたという話を昨日書きました。

「湿潤療法」というのは、従来の傷の治療法である「傷を消毒してからガーゼで覆って乾燥させる」とは大きく異なり、「傷を水道水等でキレイに洗った後は消毒をせず、乾燥させない被覆材で覆って湿潤な状態を保つ」という治療法です。

専門の知識がある医者が医療施設で行う「湿潤療法」と、シロウトが家庭でおこなう食品ラップとワセリンを使った「ラップ療法」というのは、別物として考えないといけないようです。

医療施設で行う「湿潤療法」では、もちろん家庭用の食品ラップなどではなく医療用の被覆材を使うわけですけど、これが高価だったり手に入りにくかったりすることからワセリンと食品ラップを使う「ラップ療法」というのが「湿潤療法」として広がったようですね。

インターネット上に多くの情報があふれている現在、フェイクニュースとかニセ情報が社会問題になっているわけですし、本当に信頼できる複数の情報元から正しい知識を得る必要があると思いましたので、私は火傷の専門医の集まりである「日本熱傷学会」のウェブサイトを見てみたんです。

そこに「いわゆる『ラップ療法』に対する日本熱傷学会の見解」という文書が掲載されていました。

これを読むと、どうも食品ラップとワセリンを火傷の治療に使う「ラップ療法」は、感染症や敗血症の危険があるために「使うべきではない」という見解で、医師がこうした非医療材料を使うことは厳しく制限されるべきだと書かれています。

細菌への抵抗力が弱く、一部の細菌が産生する毒素への抗体を持たない乳幼児に食品ラップを使用してはいけないとも書かれています。

NHKのサイトでも、火傷を食品ラップで保湿することは、ラップの下で細菌が増え感染のリスクが高まるので避けるようにと書いてありました。

感染症のリスクに言及することなく、食品ラップを貼ることを勧めている医者もいるようですけど、それは間違った情報を広めているという点で問題があると思いますよ。

火傷以外の傷や高齢者の褥瘡(とこずれ)などを家庭で処置する目的のために使用する場合は話は違って来るようですけど、いずれにしても感染症のリスクは理解しておく必要があります。


私が食品ラップを顔に貼るのを止めた理由は、痒くなったからです。

それから、とにかく口の周りは貼りにくいというのもありましたし、火傷から滲み出る水や汗がラップの下に溜まってすぐに剥がれて来るという問題もありました。

ラップが剥がれて来る度に、溜まっている水をティッシュで吸い取り、またワセリンを塗ってラップを貼るという作業をしょっちゅうやっていると、それこそ感染症のリスクが増えると思いました。

食品ラップは、皆さんご存知のように水も水蒸気も一切通しませんし、吸水力も全く無いわけです。このことが、火傷の場合は大きな感染症のリスクになるということを理解しておかなくてはいけません。

傷の治癒を促進する「湿潤療法」というのは、科学的根拠のある治療法として世界的に認められていて、火傷の治療にも有効と考えられています。それは火傷の種類や状態にもよるのでしょうけど。

危険があるのはシロウトが家庭でおこなう「ラップ療法」ですからね、皆さんもご注意ください。乳幼児の火傷に「ラップ療法」は厳禁だそうですよ。

ということで、私はラップを貼るのは止めましたが、ワセリンは塗り続けています。茶色になっていた部分から皮膚が剥がれ始めていて、剥がれた部分は赤いです。茶色と赤がまだらに広がる顔は、さらにお気の毒な見た目になっています。(泣)

シロウトがシロウト判断でワセリンを塗っています。

 
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2023年8月23日

夫のシドニー旅行と気の毒な私

昨日から、うちの夫がドバイ在住の義妹(夫の妹)と一緒にシドニーに旅行に行っています。シドニーで数日過ごした後、ニューキャッスルという街に行くそうです。ニューキャッスルでは、義妹が借りた海辺の大きなホリデーハウスに夫の父親夫婦や父親の妹なども集まって週末を過ごすのだそうです。

1週間の旅行です。

うちの夫は、昨年も旅行費用を全部義妹に払ってもらってカリブ海の島バルバドスに義妹とクルーズ旅行に行きましたけど、その後義妹は良いパートナーに出会いましてね、現在そのパートナーと一緒にオーストラリアに滞在中なのですよ。

ですから、今回のシドニー&ニューキャッスル旅行は、義妹カップルにうちの夫が付いて行った形なんです。なんか妹のデートに兄がくっついて行ったみたいな。シドニーでは同じホテルの部屋に滞在するんだそうですよ。寝室が2つある部屋だそうですけど。

義妹のパートナーは、それでいいんでしょうかね。私だったら、そういう旅行に相手の姉妹とかお母さんとかがついて来たらイヤだけどな。

昨日の朝も一緒に空港へ行くことになっていましたが、つまり私が送って行かなくても良いということで助かりましたけど、またも夫は時間をちゃんと確認していなかったんです。

何時に家を出るのかと前日に聞いた時は、メルボルン空港を午前8時半頃出発だと言いました。ということは、6時頃には義妹達が迎えに来るのかと聞いたら、そのくらいの時間だろうと言いました。つまり何時に迎えに来てくれるのかも確認していなかったのです。

確認はしていなかったけど6時頃だろうと思い込んでいたらしくて、夫は5時に起きて準備をして待っていたんですよ。私も起きて待っていたんです。

そうしたら、義妹達が迎えに来たのは10時半頃でした。出発便はお昼過ぎだったのです。

何だそれ!

しょっちゅうこういうことがあるんです。何かの予約が今日だと思って行ったら明日だったとか、時間を間違えていて何時間も無駄にしたり待たされる羽目になったり。

普通ね、旅行に行く時の航空便の出発時間は確認するでしょ?私だったら確認して分かっていても、前日に再確認すると思いますよ。どうして8時半だと思い込んでいたんでしょうか。

それからね、夫は今回の旅行も小さなスーツケース1つで行きましたよ。ドバイ旅行の二の舞いになるだろうと思っています。

ドバイに行った時は、灰色の下着風Tシャツ1枚と普通のTシャツ1枚、そして勤めているツールショップのユニフォーム、これだけしか荷物に入れていなかったのです。

その小さなスーツケースにコンピューターとかいろいろ入れると、着替えなんてたくさん入らないんですよ。

すぐに着るものが無くなって、2日目の夜に海辺の素敵なレストランに連れて行ってもらった時には、何とツールショップのユニフォームを着て行ったんです。おまけに、靴はツールショップでいつも履いている安全靴で旅行に来ていたんですよ。信じられないでしょ?

ですから、ドバイ滞在中は2日おきくらいに洗濯をする羽目になったのでした。今回のシドニー旅行でも、その海辺のホリデーハウスで洗濯をするんでしょうね。ちゃんと自分でやってもらいたいものです。

なぜ私も一緒に行かなかったのか?

それはね、私は夫の父親と中国人妻夫婦が嫌いだからです。

海辺のホリデーハウスでは4日間過ごすそうですけど、嫌いな人達と4日間も一緒に過ごすなんて私には出来ませんから行きませんでした。

それに、

顔に大火傷をしちゃったし!

行くことになっていたとしても行けなかったわ!

火傷した部分は恐れていたとおり濃い茶色になってしまい、大変気の毒な見た目になっています。(泣)


昨日の記事を読んだある方が、ご親切に「湿潤療法」というのを教えて下さいました。使うのはワセリンと食品用ラップだけだそうです。その方もキッチンで火傷をしたことがあったそうですが「湿潤療法」によって跡形もなくキレイに完治したんですって。

私はすぐに「湿潤療法」について調べました。そして、傷が早く治るということでこの新しい治療法が注目されていると知りました。

従来の傷の治療は、傷を消毒してからガーゼを当てて乾燥させていましたが、「湿潤療法」では傷を水道水等でキレイに洗った後は消毒をせずに乾燥させない被覆材で覆うのです。そうすると皮膚の細胞が自ら治ろうとする力を促進するため傷が早く治るそうです。

家庭で行う場合は、ワセリン(純度が高い白色のタイプ)を塗った食品用ラップフィルムで覆う方法が一般的だそうです。私は早速ワセリンを買いに行きました。

ワセリンを買って帰ってすぐに試してみたのですが、オーストラリアのラップは薄いのでワセリンを塗るのが難し過ぎます。

そこで、皮膚にワセリンを塗ってからラップを貼ってみたのですが、ラップはピタッとくっつくのですけどね、火傷をした箇所が口の周りに集中していて、口のすぐ横とか、顎、上唇、鼻と上唇の間、小鼻の周りといった貼りにくいところですし、火傷が広範囲なのでラップを貼るのが簡単には行きません。

しかも、口の周りにラップをいっぱい貼り付けていると、飲んだり食べたりするのにじゃまになってしようがないし、メチャクチャ気になるんですよ。でも頑張って貼り続けています。だんだん慣れて来ました。

まだヒリヒリしていた右こめかみの髪の生え際の赤くただれている部分は、ワセリンを塗ってからラップを貼った後は痛みを感じなくなりました。

火傷がひどかった部分からは水が出てきますし、鼻の下は汗をかきやすいのでラップが剥がれて来ますから、数時間おきに新しいのと取り替えなくてはいけません。

でも、確かにラップはいいですよ。くっつきませんからね、ピラっと簡単に剥がせます。ティッシュでそっと押さえて水分を取り除いてから、きれいなラップを貼り直します。

顔中にラップをいっぱいくっつけている私は、はっきり言って異様な見た目です。

どうぞ誰も来ませんように…
 

注意: その後ラップは止めました。その件は明日の記事で。


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2023年8月22日

顔面を斜めに走る茶色の筋

昨日書いた火傷のことです。

白玉団子を油で揚げていて顔に熱い油を浴びた日曜日の夜は、医者から頭を高くして寝るようにと言われていたのでそうしました。上唇の上の真ん中あたりから水がずっと滲み出ていたので、夜中に目が覚めるたびにティッシュでそっと押さえて取りました。

昨日の朝はまだ顔の下半分が腫れていて、水ぶくれのせいでデコボコしていましたが、キッチンの大掃除を終えたお昼頃には大変良くなっていました。痛みもほとんど感じなくなっていましたから、シャワーで顔につけたジェルを洗い流すことにしました。

ジェルが乾いて顔がパンパンになっていましてね、口がろくに動かせなかったんですよ。

日曜日の夜、油でベトベトの髪の毛を洗おうとした時には、顔にお湯がかかると飛び上がるほど痛かったのに、昨日のお昼にはもう痛くなかったです。ぬるめのシャワーで顔のジェルを洗い流したらすっきりしました。

ジェルを洗い流した後は、顔の状態が良く見えました。そして、どこが痛いのかも分かりました。

まず、水ぶくれが一番ひどいように見えた口の左側から顎にかけての部分ですが、そこは茶色く変色し始めていました。茶色く変色することが一番恐れていたことです。元通りになればいいですけど、変色したままという可能性もあるんでしょうか。

茶色に変色し始めた部分は他にもあって、口の左側から顎にかけての部分から鼻の下を斜めに右の小鼻へ、そして右の頬へと筋のように走っていて、右のこめかみの髪の生え際近くには赤くただれた箇所が2つありました。

いかにも火傷という感じに真っ赤にただれているこの部分は、髪の生え際に近かったために冷水で冷やした時に十分に浸かっていなかったのかもしれません。この部分は跡になって残るかもしれないです。

とにかく、白玉団子が破裂した時に油がこういう角度で顔にかかったのだなとはっきり分かります。

おでこにも油が飛び散ったらしく、飛び散ったままの形で茶色くなっています。やはり髪の生え際に近い部分は状態が悪いです。

一番痛かったのは舌の先ですが、水がたくさん滲み出ていた上唇の真ん中あたりは、唇そのものが水ぶくれになっていたことが分かりました。よく見ると唇の上の部分も水ぶくれ状態です。この部分と舌先に破裂した白玉団子が当たったようにも記憶しています。

しかしね、顔がこんな事になっても、この歳になると若い頃のようには気にならないんですよ。顔が普通じゃあない色になったのはこれが初めてじゃあないですし。キッチンで高速転倒して顔面を強打して救急車で病院に運ばれた時は、何週間も顔の色がすごかったですから。

あの時は、最初は両目の周囲が黒紫色になりパンダのような見た目になりましたが、それがだんだんと赤紫とか黄緑色とかカラフルな色が混じったまだら模様になり、何週間も異様な顔色だったんです。

そういう顔色の人を見かけるとね、人というのはついチラッと見てしまうらしいですよ。すれ違う人が私の顔の変色している部分を見るのが分かりましたからね。見ないようにしようとしているのも分かるんですけど、ついチラッと見てしまうのでしょう。

だから、どこへ行っても人の視線を感じたものですけど。

茶色い筋が斜めに走る顔だとどうなるでしょうかね。見られたくないのなら、外出時にはマスクを着けた方がいいでしょうが、私はそれほど気になりません。


茶色になりかけていた部分は、今朝はしっかり茶色に変色しています。

右こめかみの赤くただれた部分だけが今朝もまだヒリヒリしていて、とても痛々しい感じになっています。1時間も冷水で冷やし続けていなかったら、茶色になっている部分も真っ赤にただれていたかもしれないと思うと怖いです。

実際には、1時間冷やそうと思って頑張ったわけではなく、冷水から出ると痛みに耐えられなかったので浸かり続けるしかなかったのですけど。

水に浸かりながら、私は娘に電話をしました。こうした火傷の場合、どうしたらいいのか調べてくれと頼みました。娘には看護師の友達がいるので聞いてくれると思いましたし、分からなければ鼻血が止まらくなった時のように「ナースオンコール(Nurse On Call)」というヴィクトリア州の電話相談サービスに電話をしてくれるはずですから。

看護師の友人からは「冷たいシャワーあるいは冷たい風呂の水で30分冷やす」「その後必要だと思ったら病院に行く」という指示でしたから、ボウルにためた冷水に顔を浸け続けたわけなんですけど。

冷やすことは、やはり大きな効果があるのですね。もっと気を付けてこめかみのあたりも冷水にちゃんと浸けていれば真っ赤にただれずに済んだかもしれませんが、あの時はもう必死だったし、顔を全部浸けているつもりでした。

次回はちゃんと浸けます!

いやいや、次回なんてあってはいけません。


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2023年8月21日

顔面火傷で病院へ運ばれました

記事のタイトルのとおりです。

救急車は呼びませんでした。うちの息子が連れて行ってくれました。入院もしていません。病院で強い鎮痛薬をもらって飲んでから、痛みは落ち着きました。

顔中が水ぶくれになるんじゃあないかと心配したんですけど、目立った水ぶくれは3つだけです。それでも油がかかった顔下半分は腫れていて所々から水が滲み出て来ているので、水ぶくれ状態になっているんだと思います。

真っ赤になっていたのがほとんど普通の色に戻りましたし、痛みもありません。焼けた舌の先が痛いだけです。

どうして顔面を火傷したのか?

それはね、ダイソーで買った「白玉もち粉」が半年以上も前に賞味期限が過ぎていたのに気がついたことがきっかけです。

「白玉粉」なんていうのは少々賞味期限を過ぎても食べられますけど、早めに食べた方がいいのはあたり前ですから、団子を作ることにしたんです。団子を作ると決めた後、あんこも作りました。

串団子なんていう面倒くさいことはせず、団子はあんこといっしょに食べました。そして、団子が残ったわけです。

偶然なんですが、いつも楽しく読ませていただいているあるブログに、残った白玉団子を油で揚げてきな粉をかけて食べたら大変美味しかったという記事がありまして、団子を油で揚げたことなど一度も無かった私は早速やってみたのです。

そして、揚げていた団子が大破裂したというわけなんです。

顔面びっしょり熱い油で濡れました。それくらいの大破裂でした。老眼鏡をかけていましたから、目の周りには油はかかりませんでしたし、家の中が寒いのでコットンのスカーフを巻いていたので首周りも無事でした。

大急ぎで火を止めてバスルームに走り、水道から出る冷水で顔を冷やし始めました。キッチンの水道を使わなかったのは、油から離れたかったのと床も作業台も何もかも油まみれで危険だったからです。

しかし、顔面を水道から出る水で冷やすのは上手く行かないんですよ。そこで、キッチンから大きめのボウルを持って来て、それに冷水をためて顔を浸けました。

30秒も息がもちませんから何度も息つぎをしながら浸け続けました。

しばらくして、このくらい冷やせばもう大丈夫かと思い、冷水から顔を出したら、火が出るような焼ける痛みが耐えられないほどだったので、あわてて冷水に逆戻りです。

キッチンは大変なことになっていました。レンジ周辺は油に浸かっていましたし、床は油浸しでした。壁にも天井にも激しく飛び散っていましたから、団子の破裂がいかにすごかったかということですよ。

早く掃除をしなくちゃあいけないと気になりましたけど、冷水から顔を出すと痛みが耐え難いものですから、2階の部屋にいた息子に応援を頼みました。

息子が少しずつ油の掃除をやってくれていた間、私はずっと冷水に顔を浸け続けました。しばらくして息子がストローをつないだ簡易シュノーケルを作ってくれましたので、もっと長く冷水に顔を浸けていられるようになりました。

今は冬ですからね、水道からは大変冷たい水が出るので助かりましたよ。

1時間も冷水に浸け続けたのに、冷水から顔を出すと痛みは耐え難かったです。その時点で、顔が水ぶくれだらけになるんじゃあないかと怖くなりました。病院に行くしか無いと思いましたので、息子に連れて行ってもらったんです。濡れタオルで顔を冷やしながら、痛みに悶絶しながら行きました。

病院の救急外来は人でいっぱいでしたが、着いてすぐに強い痛み止めを飲ませてもらったので待っている間に随分楽になりました。診察の結果、火傷は浅いので水ぶくれになったりしないだろうと言われ、痛み止め以外に医者が出来ることは無いからということで、火傷用のジェルをもらって家に帰ったんですけど。

家に着いた頃には水ぶくれが3つ出来ていましたよ。鼻の下に2つ。口の左下に1つ。しかし、恐れていたほどひどくはなりませんでした。病院の医者やナースには、1時間も冷水で冷やし続けたのが良かったと褒められました。

今朝は、顔の下半分が腫れてでこぼこしていて所々から水が滲み出ている状態ですが、これが茶色く変色するのかもしれません。

着ていた服も髪の毛も油まみれでしたから、相当な量の油が散ったんですよ。今日はキッチンの大掃除です。レンジの近くに置いてあったものは全て油まみれですから洗わないといけません。

ということで、

皆さん、

白玉団子を油で揚げるのは要注意ですよ!

私はもう二度としません。


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2023年8月20日

日本語力が足りない詐欺メール

私のメールアドレスには、毎日100通以上の迷惑メールや詐欺メールが届いていました。

自動的にフィルターされて「ジャンク(Junk)」すなわち「ごみくず、がらくた」という意味のフォルダに入れられていましたが、毎日大量なのでちょっと放っておくと何百通もたまってしまいますから、一日1回は「ジャンク」フォルダを空にしていました。

「ジャンク」フォルダから削除したメールは「ゴミ箱」に入ってしまうので「ゴミ箱」も空にしなくてはいけません。そうしないとゴミ箱が削除した迷惑メールでいっぱいになってしまいます。面倒くさいですけど、毎朝の仕事の一つにしていました。

私のメールアドレスに届く迷惑メールや詐欺メールのほとんどが日本語のものでした。一番多かったのがアマゾンを装ったもので、一日に同じようなメールが何十通も届いていました。

アマゾン以外だと、Apple やクレジットカード会社、また日本の有名銀行を装った詐欺メールも多かったです。

私の場合、アマゾンで買い物をすることはめったにないし、日本のクレジットカードなど持っていないし、日本の銀行には口座を持っていませんし、この手のメールにだまされるわけがないんですけど。

とにかく毎日たくさん届くので、ウンザリしていたんです。

アマゾンを装った詐欺メールの中でも30分おきくらいに届いていたのが「Amazon.co.jp:お客様のお支払い方法が承認されません」というやつでした。

差出人がAmazon <c.yanagawa@globe.ocn.ne.jp>となっていたんですけど、アマゾンが<globe.ocn.ne.jp>なんていうドメインで送信して来るわけがないですし、<c.yanagawa>というのは個人使用のアドレスでしょ?

アマゾンからのメールがこんなアドレスから来ているとバレバレであるという点で詐欺メールとしては失格だと思うんですけど、<c.yanagawa>からのメールは大量だったんですよ。

どこから送っているんだろうかと興味があったので、そのメールの「ソース(Source)」をチェックしてみました。「ソース」というのは発信者やメールが届くまでの経路などが書かれているものです。

 jeuxsvideo.comというURLと関連があるようでした。ブラックリスト入りのURLです。どうも中国にある組織と関係があるようです。

アマゾンの詐欺メールを中国人がやっていると考えると納得です。

だってね、

日本語がおかしいんですもの!

ニセモノだとすぐに分かるんですよ。

AI(人工知能)やグーグル翻訳を使って日本語にしているんでしょうかね。もしも日本人が書いたのなら日本語力が足りなさ過ぎると言わざるを得ません。

詐欺メールの中にはかなりホンモノ風のものもあるんですけど、内容を読めば「なんかヘン」と分かります。それは主に日本語の違和感からです。こういうメールにこの語彙は使わないだろうというようなことです。

あと、作った人のエラーでしょうけど、意味不明のキリル文字が含まれていたりもします。ということは、ロシア人がやっているのかもしれません。

以下のメールは Apple を装って送られてきた詐欺メールの出だしの部分ですが、日本人ならこの部分を読んだだけで詐欺メールだと分かりますよ。

こんにちは、Appleのカスタマーサポートチームです。

不慣れなことに、お客様のApple IDに不規則な動作が観測されました。これは潜在的な不正アクセスのサインである可能性があり、お客様の安全を守るために、一時的な使用制限を設けさせていただきました。

取るべき行動

Apple IDにサインイン(これが詐欺へのリンクになっている)

…… 


この後も、ヘンテコ日本語が続くんですけどね、元になる英語の文章をそのまま翻訳したという感じでしょ?「不慣れなことに」って何ですか!

日本人をだまそうと思うなら、もっと日本語を勉強しないといけません。

差出人を見れば詐欺メールとすぐに分かる場合が多いですけど、日本語のヘンテコさでも判断できるはずです。「(メールアドレス)様」というので始まるメールはニセモノですよ。宛名無しというも信用しちゃあいけません。

「拝啓」とか「敬具」なんていうのを使った堅苦し過ぎる文面も「なんかヘン」と感じる原因です。「なんかヘン」と思ったらそのメールは削除した方がいいです。気になるなら差出人である会社に正式な方法で連絡を取ればよろしい。

アマゾンに何か注文した直後に「Amazon.co.jp:お客様のお支払い方法が承認されません」というのが来るかもしれませんが、冷静に差出人をチェックしましょう。それは詐欺メールの可能性があります。

疑問に思ったら、アマゾンの正式なウェブサイト上で、自分のアカウントから確認した方がいいです。アマゾンから送られて来るメールは全てウェブサイト上で見ることが出来ますから。

とにかく、怪しいメールの「ここをクリックしろ」というリンクを絶対にクリックしないことです。


ところで、つい先日、日本のアマゾンからうちの息子のためにクッションを買った時、久しぶりの買い物だったのですけど、アカウントにログインしようとしたら認証しなくてはいけませんでした。

登録しているメールアドレスに認証用のメールを送ったから、そのメールに書かれたリンクから認証しろというんですが、この認証用のメールが何度やっても届かなかったんです。

届かなかった理由は、迷惑メールとしてフィルターされていたからです。注文後に届く注文確認メールとか発送状況の連絡メールも、全て「ジャンク」フォルダに入っていました。

私の使っているメールサーバーでは、アマゾン関係のメールは全部迷惑メールとしてフィルターされるようです。

毎日届く大量の迷惑メールをアプリで削除するのにウンザリしたので、サーバーに追加のフィルターを設定して迷惑メールをブロックすることにしました。

「差出人名に特定の言葉が含まれていたら廃棄する」とか「本文に特定の言葉が含まれていたら特定のフォルダに入れる」とか、フィルターのルールはいろいろ好きに作ることが出来ます。もちろん <c.yanagawa> からのメールは全て廃棄にしましたよ。

こうして、昨日は迷惑メールや詐欺メールが届くたびにフィルターのルールを追加して行ったんですけど、今朝は日本語の迷惑メールは1つも届いていませんでした。早くこうすればよかったです。


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2023年8月19日

毒キノコ事件の続報

この事件ですけどね、「事件」と書くべきじゃあないかもしれないんですよ。ただの「事故」かもしれないんです。1週間ほど前に「おかしな話になってきた毒キノコ事件」という記事に書きましたので、詳しいことはその記事をお読みいただくとして。

その後も警察からは何の発表もありませんし、捜査の状況など全く漏れて来ませんので、どういうことになっているのかさっぱり分かりません。

それでも、メディアはいろいろ取材して報道していますから、分かって来たこともいくつかあるんです。

そして、疑惑の女性(亡くなったご夫婦の息子の元妻)が弁護士からのアドバイスに基づいて書いたと思われる声明文を弁護士を通して発表しましたので、そこから新たな疑問も出て来たんです。

1.まず、疑惑の女性は、警察の事情聴取で嘘をついたことや質問に答えるのを拒否したことを謝罪しました。

女性が住んでいる地域のゴミ処分場で警察が見つけたフードディハイドレーター(食品乾燥機)は、自分が捨てたものだと認めました。

そりゃあねえ、警察が防犯カメラの映像を調べているということでしたから、自分が捨てたことがバレるのは確実ですからね、認めるしか無かったでしょう。

捨てたのは、元義両親や義母の妹夫婦の具合が悪くなった後です。パニックになって捨てたと言っています。

2.しかし、料理に使ったキノコは店で買ったものだったと主張しているんです。作った料理は「ビーフウェリントンパイ」で、これに2種類のキノコを使ったと言っています。

一つは、住んでいる町の某スーパーで買った普通のマッシュルーム。そしてもう一つは、何ヶ月も前にメルボルンのアジア食品店で買った乾燥キノコ。これには「手書きの白いシールが貼ってあった」と言うのですよ。

つまり、この疑惑の女性(白人)は、毒キノコの出処をアジア食品店だと言っているわけです。自分には罪は無くて、毒キノコを売ったアジア人に責任があるという主張なわけです。

いろんな街のいろんなアジア食品店で買い物をしたことがある私に言わせるとですね、「手書きの白いシール」が貼ってあるような乾燥キノコなど売っているお店はありませんよ。

「手書きのシール」ってなんですか?

自分で採ってきた野生のキノコか自家栽培のキノコかを自分で乾燥させて、それを売っている人がいるとでも言うんですかね?

アジア人をバカにするんじゃありませんよ!

アジア食品店で売られている乾燥キノコは、いずれも商業的に製造されて適切に包装された商品だけです。野生でしか生えない毒キノコの「デスキャップ」がそうした商品に紛れ込む可能性は無いんです。

何ヶ月も前に買ったと言いますが、これまでにアジア食品店で売られていた乾燥キノコ絡みの事故など1件も起きていませんし、リコールもなかったですよ。

どのアジア食品店で買ったかは覚えていないそうです。メルボルンには数え切れないほどのアジア食品店があるのだから、覚えていなくても仕方がないと思いそうなところですが。

買った乾燥キノコは当時自分が所有していた家にずっと置いたままだったと言っています。その家はマウントウェイバリー(Mount Waverley)というメルボルンからはかなり南東に離れた街にありました。

メルボルンのアジア食品店というのは、マウントウェイバリーのアジア食品店だったことが分かりました。

マウントウェイバリーの街とその周辺の街のアジア食品店は、毒キノコのデスキャップが販売されていた可能性を完全に否定していますし、マッシュルーム業界もデスキャップが商品に混じるなどありえないと言っています。

この女性は、また嘘をついていると思われます。

3.この女性の知り合いが、この女性は野生のキノコ狩りのベテランであることを証言しています。女性の元夫も一緒に野生のキノコ狩りをしていたそうですから、元夫が警察に証言しているはずです。

4.採ってきた野生のキノコの保存には、フードディハイドレーター(食品乾燥機)が使われるのが普通ですから、女性がゴミ処分場に捨てたフードディハイドレーターは、野生のキノコの乾燥に使ったはずです。

5.死者が出た毒キノコ料理ですが、この女性もその料理を食べて嘔吐下痢の症状が出たので病院に行ったと言っています。たとえそうだったとしても症状が軽かったことは間違いないです。

6.2人の子供達は、当日は映画を観に行っていて家にはいなかったそうですが、夜に残り物を食べたと言っています。子供達はキノコが嫌いなので、キノコを避けてそれ以外を食べたそうです。何の症状も出ませんでした。本当に食べたのかどうかは分かりません。

7.その子供達ですけど、以前住んでいた家の壁に描いたものがかなりショッキングなんです。昨年その家が売りに出された時に、その壁のペンキ塗りを頼まれた人が、ショックを受けて写真に撮ったそうなんですけど、その写真がメディアで報道されています。

描かれている絵も書かれている言葉も「死」や「殺人」に関することばかりで、子供達のメンタルヘルスが心配になるレベルなんですけど。

8.疑惑の女性の母親は児童文学の学者だったそうで、4年前に亡くなった時に多くの遺産を残しています。疑惑の女性は専業主婦だそうですが、亡くなった母親の遺産で複数の不動産を買っており、経済的には裕福なんだそうです。

大きな立派な家に住んでいますけど、その家はこの女性が所有しているそうです。


これまでに分かっていることから考えると、この女性がわざと毒キノコ料理を元義両親や義母の妹夫婦に食べさせたとは考えにくいんです。動機が分からないですからね。

昼食には元夫も来ることになっていたので、その毒キノコ料理は元夫も食べるはずのものだったわけですが。元夫との復縁を希望していたそうなので、復縁したいと思っている人にわざと毒キノコを食べさせるとは考えられないんですけど。

そして、毒キノコの出処を隠す理由もよく分かりません。どうしてアジア食品店で買ったなどと嘘をつくのでしょうか。

どう考えても、女性が自分が採って来たか、子供達が採って来たか、誰かにもらったかでしょう。そして、その毒キノコをフードディハイドレーターで乾燥させた事実があったから捨てに行ったんでしょう?

自分も料理を食べて具合が悪くなっていたのなら、「自分が採って来たキノコを毒キノコとは思わずに使った」と言っていれば、事故で終わった話なんじゃあないかと思うんですけど。

たとえ悪意のない事故だったとしても、どうしても自分のせいにしたくない理由があるんでしょうか。

警察は捜査には時間がかかると言っています。気になる事件です。

ちなみに、マッシュルームの売上には影響は出ていないそうですよ。危ないのは野生のキノコ。絶対に安全だと自信がある方以外は、食べない方がよろしい。


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2023年8月18日

ガスヒーターで筋肉がゆるむ

我が家は毎日寒いです。何しろ使える暖房が居間の薪ストーブとキッチンのエアコンの暖房機能と私の仕事部屋に置いている小さなオイルヒーターの3つだけですから。

我が家のセントラルヒーティングは、大型ガスヒーターからの温風を強力ファンで家中に送り込むようになっているので、ガスも電気も大量に消費します。

2000ドルを超すガス料金の請求書が来て、うちの夫が「もう使うのをやめる」と言うのでね、セントラルヒーティングを使うのは完全に止めてしまったんです。もう1ヶ月半も寒い暮らしです。

セントラルヒーティングは、どうやら再び故障していたらしいのですけど、使わないのに修理してもらう必要もないので、故障したままになっていました。

メルボルンは、真冬なのに暖かくなり始めて春めいて来ていたのですが、やはりメルボルンの天気はあてになりません。真冬に逆戻りしました。

朝の気温が3日連続で氷点下になりまして、隙間風がビュウビュウ吹き込む我が家はジョーダンじゃあない寒さです。2階のトイレの窓は常に開いている作りですから熱効率は最悪。外が寒いと家の中も寒くなるのですよ。

しかし、いくら寒い朝でも、平日は居間の薪ストーブに火を入れたりはしません。薪ストーブは暖かくなるのに時間がかかりますし、日中は居間で時間を過ごす人はいませんからね。要するに無駄なんです。

ですから、朝はまず防寒コートを着て、キッチンのエアコンから出てくる温風に当たりながらコーヒーを入れて朝ご飯のポリッジ(オーツ麦のミルク粥)を作ったら、すぐ仕事部屋に行くんです。

そこでオイルヒーターが暖まるのを待ち、その後はオイルヒーターにしがみつくようにして過ごすのですよ。薪ストーブは、夫が帰って来る頃に火を入れておいてあげます。

さて、うちの夫は火曜日の夜から義母(夫の母親)の家に泊まりに行っていたんですけど、夫がいなかった水曜日の朝は気温が氷点下2度まで下がりました。家の中は0度に近かったでしょう。

薄っぺらい布団で寝ているうちの息子なんて、持っている服を全部着ているのかっていうくらいに着込んでいましたが、いやあもう本当に寒かったんです。

寒いと身体に力を入れますからね、肩が凝ってしようがない。早く本格的に春が来て暖かくなってくれないと、こんな暮らしはツラ過ぎる。

そんなことを思っていた昨日の朝、気温は3度でした。3度は寒い方ですけど氷点下に比べたら暖かいと感じるんですよ、不思議なこと。

暖かい上着をはおり、防寒コートも着て部屋から出たら、

何だこの生ぬるい暖かさは!

3度ってこんなに暖かかったっけ?

キッチンに行くとエアコンから温風が出ていましたが、防寒コートを脱ぎたくなる暖かさになっていましたからエアコンを消しました。

そして、エアコンが静かになってやっと気がついたんです。ゴーーーーという音がしていたので。それはセントラルヒーティングのガスヒーターの音ですよ。

「ちょっとお、セントラルヒーティングは壊れてたんじゃあないの?」
「いや、壊れてはいませんでした」
「お金がかかり過ぎるから使っちゃあダメだったんじゃあないの?」
「今朝は寒過ぎるから使うことにしたんです」

最近私は収入がほとんど無いものですからね、電気代もガス代も家賃も全部夫が払ってくれているのでどうも気が引けて、「使うな」と言われたからその通りにして氷点下の朝も耐えていたのに。

寒すぎる時は使っていいのなら、これからはもう使いますよ。

一日中使うのは無駄使いですけどね、せめて朝だけ、寒さで震えなくてもいい程度になるまでだけでいいからセントラルヒーティングを使えたら、私達の暮らしの質は大きく向上します。


セントラルヒーティングのガスヒーターってね、やっぱりパワーがすごいんです。あんなに冷え切っていた家の中が筋肉がゆるむほど一気に暖かくなりました。ガスヒーターからの温風を家中に送り込むファンのパワーもすごいですから、当然ガスも電気もいっぱい使うわけですけど。

今朝の気温は8度。

この気温だとオイルヒーターだけで十分です。もちろん防寒コートは着ていますけどね。

もっと熱効率の良い小さい家に引っ越せたら、こんな寒い思いをすることもないのになあ。


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2023年8月17日

サッカー以上に大きな意味

昨日は、オーストラリア中が大きな期待で待ちに待っていた女子W杯の準決勝オーストラリア対イングランド戦が行われました。

サッカーのW杯でオーストラリアが準決勝まで勝ち進んだことは史上初めてのことで、新聞各紙もテレビも女子代表チーム「マチルダズ」のニュースでいっぱいで、「もしかしたら決勝に行くかも」「優勝したらどうする?」みたいな希望があったのですがね。

イングランドの方が上でした。

「マチルダズ」は負けたけど、永遠に記憶されるであろうサム・カー選手のゴールがこれ。


それにしても、オーストラリア国民の熱狂ぶりを見て、時代が変わったことをつくづく実感した人は多かったのではないでしょうか。

私はオーストラリアのサッカー事情に詳しいわけではありませんけど、男子代表チームの「サッカールーズ」と変わらない注目と応援が「マチルダズ」にも向けられていることは分かります。

そもそも、現在の男子代表チームには、サム・カー選手以上のスター選手はいませんからね。

W杯での「マチルダズ」の活躍そのものに加えて、こうした社会の反応を見ている女の子達に、どれほどの影響があるだろうかと思います。

かつて、この国にも女がサッカーなんて出来るわけがないという時代がありました。サッカーに限らず、女であるというだけで様々なスポーツに取り組む機会が無かった時代です。

地域によって、現在でもそういう事情はあるでしょう。

「マチルダズ」のキャプテンであるサム・カー選手は、子供の頃は祖父や父親や兄と同じようにオーストラリアンルールのフットボールをやっていたんだそうです。女子のチームがなかったために、最初のうちは女の子であることを隠して男子チームに入っていたんだそうです。

12歳の時に男子チームでフットボールを続けることができなくなり、やむを得ずサッカーに転向したのだそうですが、たちまち稀に見る才能を発揮することになるんですけどね、女であるという理由でやりたいスポーツが出来ないことはよくあることでした。

女子用のトイレや更衣室が無いスポーツ施設も多かったのですよ。

こうした事情は大きく変わりました。

また、今回のW杯は、人種や民族そして宗教にかかわる文化や価値観の面でも、女の子達を勇気づける大きな意味がある大会になっていると言われています。

世界には、女性の人権が尊重されない国が多くありますよね。いまだに、女にはスポーツをする権利がないどころかスポーツの観戦すら出来ないような国もあるわけでしょ?

そうした国からの移民あるいは難民としてこの国にやって来た女の子達には、女でもスポーツが出来るし活躍するチャンスがあると知るだけでも大きな励ましになるわけです。

「マチルダズ」のキャプテン、サム・カー選手のおばあさんはインド人です。フォワードのメアリー・ファウラー選手のお母さんは、パプアニューギニアの小さな村の出身です。

モロッコ代表チームのデフェンダー、ヌハイラ・ベンジナ選手は、シニアの国際大会で初めてヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭を覆う布)を着用してプレーした選手ということでニュースになりました。

こうした選手達が世界的な舞台で活躍している姿を見ることが、同じようなバックグラウンドを持つ女の子達の大きな励みになることは容易に想像できるでしょう。「自分にもやれるんだ」と思えるはずなんです。


オーストラリアの先住民アボリジニの血を引くキャシー・フリーマンという方がいらっしゃいます。この方は陸上400メートルを専門にする陸上選手でしたが、2000年のシドニーオリンピックで金メダルを獲得したんですけど、この時のフリーマン選手が非常に多くの子供達、特に女の子達に大きな影響を与えたことが知られています。

現在様々なスポーツで活躍している選手達の多くが、あの時のフリーマン選手を見て刺激を受けたと言っています。

女であるということ、人種や宗教による障壁は、まだまだ様々な分野において存在しますけど、フリーマン選手や「マチルダズ」の活躍といった出来事を契機に、社会はさらにより多様性を認める公平な社会に変わって行くのですよ。

オーストラリアの女の子達は、人種や民族や宗教の違いに関係なく、皆んな平等に機会を与えられて、差別なくスポーツに取り組めるようになっていくはずです。

多民族社会のオーストラリアは、そうならなくてはいけません。


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2023年8月16日

セクハラか人権侵害か

ミス・ユニバースのインドネシア大会でセクハラがあったと出場者が告訴したというニュースがありましたね。

複数の出場者が、運営関係者から身体検査と称して服を脱ぐよう強要され、写真を撮られるなどの被害にあったということです。

運営側の男性カメラマンから全裸になるよう強要され、下半身も確認されたそうで、被害者7人が運営側を刑事告訴しているそうですが。

このニュースを読んで、思わず自分のトラウマがよみがえって来ましたよ。

この話は、これまであまり人に話していないんですけど、私の中で確かにトラウマになっている出来事の一つなんです。

小学校6年生の時のことです。岡山県の当時川上郡と呼ばれていた地域の小学校から「健康優良児」を選ぶ選考会がありました。

Wikipedia によると、「健康優良児」とは、身長と体重が平均以上で、学習成績と運動能力共に優れ、性格明朗な児童を選び、朝日新聞社・文部省・都道府県教育委員会が合同で表彰したのだそうですが、そんなことは私は知りませんでした。

上記のような条件を満たす小学校6年生の男女児童1名ずつを各学校が推薦して、推薦された児童を集めての選考会が開かれたのです。運動能力テストをおこない、健康診断(身体測定)そして教師の面接を経て最優良児を選ぶわけですけど、私は自分が通っていた小学校から推薦されて参加しました。

本人は何のことかよく分かっていなかったんですよ。「健康優良児」に選ばれるのは名誉なことらしいという程度の認識でね、先生に言われるままに参加させられていたのです。

トラウマになっているのは、健康診断と教師の面接というやつです。

各学校の代表児童は、広い部屋(会議室だったと思いますけど)に集められて裸にならされたんです。下着のパンツ1枚だけはいていましたけど、全裸に近いんです。

小学校6年生と言いますとね、胸もふくらんで来ていますし、人前で裸になりたくないんですよ。しかし、学校の代表なんですし他の学校の代表達に勝たなければいけないと思っていましたし、その部屋には知らない他校の先生達もいるわけで、12歳の子供が抵抗出来るような状況ではないのです。

下着のパンツ1枚だけになって健康診断だか身体測定だかがあったと思いますが、トラウマになったのはその後です。

学校の先生達、おそらく各校の校長達だったと思いますが、中年の男達がずらりと並んで座っている前で、私達女子児童は一列に並んで「気をつけの姿勢」をさせられたんですよ。胸を隠すことが出来ない姿勢です。

この時、パンツまで脱がされた記憶はないので、パンツははいていたんだと思うんですけど、裸の身体を男達がジロジロ見ているわけですよ。ニヤニヤしている男もいるのです。結構長い時間「気をつけの姿勢」をさせられたと記憶しています。

非常に苦痛で、今でも思い出すと吐き気がしそうです。

私が12歳の時ですから、1972年のことです。

「健康優良児」の表彰には批判的な意見が多かったそうで、個人の表彰は1978年に廃止されたそうです。

私はこの年の地域の「健康優良児」に選ばれたので、この小学校には額縁に入れられた私の写真が長く飾ってありました。さすがに裸ではなくて水着を着ている写真でしたけど。

寒い部屋で水着になって写真を撮られたことも覚えていますよ。

大学生の時にこの小学校で教育実習をしたのですが、その時にもまだ飾ってありました。非常に腹立たしかったです。その写真を見ると、あの屈辱的な出来事を思い出して気持ちが悪くなりますからね。

保健の先生には、あの出来事について話した記憶がありますけど。あの水着姿の私の写真は、廃棄されたでしょうか。学校のどこかに保管されているんでしょうか。二度と私の同意なく展示したりして欲しくないです。

それにしても、ミス・ユニバースの出来事がセクハラなら、「健康優良児」のあれは何でしょうかね。12歳の女子児童を裸にして並べて比べるなんて、ひどい人権侵害だし、精神的虐待とも言えるんじゃあないですか?


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2023年8月15日

断ってよかったと思ったこと

頼まれると断れないタイプの人間っていますよね。私はそういう傾向がある人間です。

「断ったらどう思われるだろうか」と人間関係の悪化を気にする場合もありますけど、「困っているんだから私に出来ることはしてあげよう」と良心から引き受けてしまう場合もあるんです。

このブログで何度も話題にした義弟(夫の弟)家族の犬ビシューの世話をした件ですが、昨年の6月から8月下旬まで2ヶ月半、私達がビシューの世話をしたんですよ。義弟家族がスペインで夏休みを過ごしたからです。イタリアにも行ったようですが。

2ヶ月半も?

はい、2ヶ月半もです。

ビシューの餌を買いに行ったり食べさせたり、散歩に連れて行ったり遊んでやったり、散歩に行くたびに泥で汚れるのを洗ってやったり、裏庭のウンチを拾って捨てたり、世話のほとんどは私がやりましたよ。

散歩は夫や息子も時には行ってくれましたけど、ほとんど私がしました。

そして、何が大変だったってもうそりゃあ一番大変だったのはトイレのトレーニングです。まだ8ヶ月の子犬でしたし、義弟夫婦がトイレに関しては「基本的には外でするけど家の中でもしても良い」という中途半端な方針で育てていたので、家の中でウンチやおしっこをし続けたんです。

義弟の家では、家の中の至る所におしっこシートが敷いてあったそうですから、我が家にも大量のおしっこシートを持って来ていたんですけど、おしっこシートなど役に立たなかったですしね、やはりおトイレは外に出てするんだと教えないといけないでしょ?

これが大変だったんですよ。家の中でしても良いと思っている8ヶ月の犬に、必ず外でしなくちゃあいけないと教えるために、私はひどい寝不足になりました。

しかし、トレーニングは上手く行き、我が家にいる間におトイレは完璧になりました。必ず外に出てするようになりましてね、外に出たい時には教えてくれるようになりました。

可愛らしい犬でしたが、私がもうビシューの世話はしたくないと思った理由は、大して感謝されなかったからです。

2ヶ月半も大事な犬の面倒を見てもらったんですからね、お土産くらい買って来るかなと思った私が間違っていました。お土産なんてそんなものは無かったし、義弟夫婦はビシューを迎えに来た時に「ありがとう」と言っただけでオシマイ。

奥さんは、ビシューが重くなった(太った)と文句を言っていました。犬だって成長すれば重くもなりますけどね。毎日しっかり運動をさせていたから筋肉も付いたと思うし。

私はお土産が欲しかったわけではないんですけど、それでも彼等がお礼に何かしてくれるだろうとは期待していました。お礼をしてくれるのなら食事に招待してもらいたいと夫には言っておきました。

誰かに何かしてもらった時のお礼として、オーストラリアではよく食事に呼んでご馳走をしたりするのです。

きっと夫と義弟はそういう話をしたはずなんですけど、結局食事などには呼んでくれず、どこかのレストランで一緒に食事をしましょうということも無く、ビシューを迎えに来た時に「ありがとう」と言っただけでオシマイでした。

海外に住んでいた義弟家族が、娘のヴェドラちゃんが生まれたのを機にオーストラリアへ戻って来て以来10年以上になりますが、食事に呼んでもらったことはいまだに一度も無いのです。

彼等が住んでいる家は、うちの夫と私が増築した家なんですけど、その家には日本式のお風呂があるんですよ。そのお風呂に入らせて欲しいと頼んだことは何度かあるんですけど、良い返事はもらえなくて。

おそらくね、私は義弟の奥さんに嫌われているんだろうと長年思っていたんです。

義弟家族は、今年の1月にはバイロンベイというニュー・サウス・ウェールズ州の街に夏休み旅行に行きました。その時にもビシューの世話を頼まれてしぶしぶ引き受けたんですが、あの時も「ありがとう」と言っただけでした。

旅行から帰って来て犬を迎えに来た時に、私達の家に入って旅行の話でもするのかと思ったら、さっさと帰って行きました。

なんだかね、義弟の奥さんは本当は私なんかに犬の世話をして欲しくないんじゃあないかとも思ったほどのよそよそしさでしたから、あの時に私は心に決めたんです。「二度とビシューの世話などするものか」ってね。

そして、今年も6月から8月までスペインでの夏休み。フランスのパリにも行ったそうですけど、また犬の世話を頼まれたんですよ。しかし今年は、断ったんです。

「したくない」と言いたかったですけど、「引っ越しをするから出来ない」と言い訳をして断りました。引っ越しはしていませんけど。

でも断って正解だったですよ、ホントに。

したくないことを我慢して引き受けるなんてしない方がいいです。断ることで義弟家族との関係が悪化するとか、そんな心配は無用ですしね。良好な家族関係がもともと無いんですから。


うちの夫の妹はドバイ在住なのでしょっちゅう会えるわけではありませんし、私の妹達は日本に住んでいるので会えないし、義弟家族が唯一の家族なわけですからね、本当はお互いの家を訪問し合ったり一緒に何かしたりしたかったんですけど。

我が家に来てくれたことは何回かあるんですよ。でも、どうも奥さんがイヤイヤ我慢して来ているのが雰囲気から分かりますからね、こっちも楽しくないわけです。

どうして嫌われているのか分からないので、どうしようもないです。私に直すべき落ち度があるのなら直しますけど、分からないですから。まあね、私にもお付き合いしたくない嫌いな人がいますから、そういう感じなんでしょう。

なんでこんなことを今日書いているかと言うと、義弟の奥さんと娘のヴェドラちゃんが長い夏休みから今日帰って来ると聞いたからです。義弟はしばらくアイスランドを一人で旅行してから帰るんだそうです。

義弟だけ好きなことをしてズルいということか、奥さんはインドネシアのバリ島に一人で旅行に行くことにしていると聞きましたけど、その間、娘のヴェドラちゃんは誰が面倒を見るの?

学校を3ヶ月も休んで旅行していたんですよ。学校生活に戻るのに親のサポートがいるだろうに。私だったらそんなことは出来ないわ。

なんだか私は腹が立って仕方がないのですけど、価値観の違いということですかねえ。


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2023年8月14日

豪英対決で俄然注目のW杯

女子サッカーのW杯をやっていることは知っていたんですけど、オーストラリアがニュージーランドとともに共同開催国であることも知らなかったくらいに私はさっぱり興味がありませんでしたので、今まで1試合も観ていません。

日本が勝ち進んでいたことは知っていましたが、もう知っている選手もいませんしね、応援したいという気持ちが湧かないんです。スウェーデンに準々決勝で負けたことをニュースを読んで知りましたが、その時にオーストラリアも勝ち進んでいたことを初めて知りました。

オーストラリアの男子代表チームは、「サッカールーズ」と呼ばれます。ダサいネーミングなんですけど、サッカーとカンガルーをかけあわせたニックネームです。最後の「ズ」というのは複数形の「ズ」です。

女子代表チームは「マチルダズ」と呼ばれます。非公式の国歌とも言われる有名な歌「ワルチング・マチルダ」(Waltzing Matilda)から来ています。ちなみに、この歌は、一人の貧しい放浪者が羊泥棒を働いて、追いつめられて沼に飛び込んで自殺するというストーリーの歌なんですよ。

「マチルダズ」のキャプテン、サム・カー選手が怪我のために欠場が続いていたとは聞いていたんですけど、準々決勝まで勝ち進んでいたとは驚きました。

サム・カー選手は、オーストラリアでは知らない人がいないくらいに有名な選手です。今やベテランの貫禄ですけど、可愛らしかったハイスクールの頃から代表チームで特別な才能を見せていました。

ゴールを決めると宙返りのパフォーマンスをするのが有名になりました。

国民が尊敬するスポーツ選手ですからね、今年行われた英国連邦のチャールズ国王の戴冠式では、首相や総督を含むオーストラリア代表団の先導役を務めたくらいなんです。

それでも、私は土曜日の準々決勝を観ようとは思いませんでした。スポーツに関心の無いうちの夫が観ていたのには驚きましたけど。

犬を連れて家に帰って来ていた娘がメルボルンに戻った頃、夫が延長線の後半に入ったところだと言いました。少しだけ観ましたが、どちらのチームも得点できそうな感じはしなかったので、またペナルティーキック(PK)になるのだなと思いました。

どちらが勝っても負けても後味が悪いPK。私はその後は観ないでさっさと寝たんです。

そうしたら、翌朝夫が教えてくれたんですけど、やはりPKになってオーストラリアが勝ったんですって。

そのPKがものすごい緊張と興奮のPKだったんですって。

合計20人も蹴ったんですって!

PKというのは、両チームから5選手が交互にボールを蹴るはずですけど、なかなか勝負がつかず両チーム10人ずつ合計20人が蹴ったんだそうですよ。

ゴールキーパーも蹴ったし(外したけど)最後の方はサブの選手が蹴っていたというんです。どんなに緊張したことでしょうかね。

まあとにかく、サッカー史に残るようなPKでオーストラリアが勝ったので、俄然女子サッカーのW杯に注目が集まっているんですよ。次の準決勝の相手が永遠のライバルであるイングランドなのでなおさらです。

英国人がオーストラリアのことをどう思っているのかは良く知りませんが、オーストラリア人にとって英国は最大のライバル。かつて英国の植民地でしたからね、英国にだけは負けたくないという「特別な対抗心」がこの国にはあるんです。

ということで、16日の準決勝オーストラリア対イングランドの試合は、国民の大注目を集めています。会場はシドニーですから大観衆が集まるでしょう。メルボルンでやるんだったら行きたかったわ。


ところで、「マチルダズ」にはママさん選手もいます。この女の子のお母さんは右端の小さい方、カトリーナ・ゴリー選手。


ゴリー選手には同性のパートナーがいらっしゃいますが、出産当時は独身でした。子供が欲しかったゴリー選手は、当時プレーしていたスウェーデンでIVFにより妊娠し、一人で出産したそうです。

その後、パートナーとなる女性に出会ったのですが、それはチームメイトのサッカー選手でした。

「マチルダズ」のキャプテン、サム・カー選手にも同性のパートナーがいらっしゃいます。

異性愛者も同性愛者も同じように受け入れられて、同じ権利が認められて、同じように活躍できる社会はいいですよ。


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2023年8月13日

肉じゃがとグレイハウンド犬

先日の記事「タンパク質不足と米の調理方法」に書きました通り、うちの娘は、この8月中、知人が旅行に行っている間の犬の世話をするために、いつも住んでいるシェアハウスではなくてその知人のアパートに住んでいます。

8月は大学院の後期も始まりましたが、勉強がかなり大変ならしくて精神的にとても疲れているので、お母さんが作る「Japanese Comforting Food」が食べたいと言って昨日家に帰って来ました。

「Comforting Food」というのは、食べるとホッとして幸福感を感じるような食べ物のことで、砂糖や炭水化物を多く含んでいる料理であることが多いです。子供の頃に好きだった家庭料理であることもしばしばです。

娘はそういう和食が食べたいと言ったのですけど、食べると幸福感を感じるような和食の料理とは何でしょうかね。

私が真っ先に思いついたのは「肉じゃが」でした。白ご飯とお汁と肉じゃが、これにチョイサムという小松菜みたいな野菜の和え物とインゲンの胡麻和えを作りました。

娘は何を食べたいか言わなかったのですが、私が「肉じゃが」を作る予定だと言ったら大喜びしましたよ。先日からずっと食べたいと思っていたのが「肉じゃが」だったんですって。

だったら最初から「肉じゃが」を作ってくれと言ってくれたら良かったのに。でも偶然食べたかったものを作ることにしていて良かったです。

お汁は、豆腐がなかったので卵とネギだけのお汁でしたが、それでも大満足していました。一人暮らしをしていると、自分だけのためにそういう料理を作ったりしないんだそうです。

お汁を一人分作るのは簡単なことなのにねえ。

晩ご飯の残りは、白ご飯もおかずも全部持って帰りました。アーモンドタルトも焼いていたんですけど、その残りも持って帰りました。

まあ、お母さんとしては、娘が肉じゃがと卵とネギだけのお汁で幸福感でいっぱいになってくれたのなら嬉しいです。


ところで、娘が面倒を見ている犬というのは、グレイハウンドという種類の犬です。ダラスという名前の11歳のメスです。顔に白髪が目立ってきたおばあちゃん犬です。

ご存知かどうか知りませんが、オーストラリアでは「グレイハウンドレース」という競馬のような犬のレースが人気があるそうで、各地にレース場があります。

ダラスは競走犬だったんですよ。

どういう事情だったのか動物福祉団体に保護されて、その団体から娘の知人カップルが家族として迎え入れました。愛されて大事にされているのが分かる落ち着いた犬です。

私は、グレイハウンドとかウィペットという種類の犬は、どうも見た目が好みではなかったのですけど、実際に触れ合ってみると思っていたのと違って可愛らしい犬でした。

身体はかなり大きいです。頭はちっちゃいです。


そして、もちろん脚がむちゃくちゃ長いんですけど、驚くほど細いんですよ。この身体でレースを走らされていたのかと思うと可哀想になりました。

グレイハウンドレースに対しては、動物虐待であるとの強い批判がありますが、ギャンブルとして根強い人気があるのだそうです。

優れた競走犬を育てるために、グレイハウンドレース業界では非常に多くの犬を繁殖させます。馬は1頭産みますけど、犬はたくさん産むでしょ?たくさん生まれた子犬達の中から選ばれた子犬だけがトレーニングを受けて競走犬になるのです。

競走犬になれなかった子犬達はどうなるのかと言いますと、それらは人々のペットになるのだと業界は言いますが、数が多いのですべての子犬にもらい手が見つかるわけがありません。

大半の子犬は殺されているそうです。その数は年間で数千匹に上ると言われています。

レースは危険です。かなりの速度で走りますから、怪我をする犬も多いそうです。怪我をした犬は殺されます。パフォーマンスが悪い犬もそうです。健康に問題がなくてもです。平均して毎週5匹が殺されているそうです。

優秀な犬は繁殖犬になるそうですが、そうした繁殖犬に対して行われる人工授精も動物福祉の観点から問題があるとされています。

競走犬としてレースを走るようになった犬達には、パフォーマンスを向上させてレースで勝つチャンスを高めるために、さまざまな薬物が与えられます。

トレーニングに本物の小動物を使うことは禁止されていますが、生きたウサギを使っていることが報道されたこともありました。

グレイハウンドレース業界は、透明性の欠如も問題になっています。そりゃあひどいことをしているのだから隠そうとするのもあたりまえですけど。

そもそも人間の金儲けのためだけに犬を大量に繁殖し、繁殖した犬達を競走犬にするためだけに扱い、役に立たなければ殺したり捨てたりするなんていうのが、どうしてビジネスとして許可されているのか大変疑問です。

不幸なグレイハウンドを積極的に保護している動物福祉団体も多いのですけど、娘が面倒を見ているダラスが良い人達に引き取られて幸せに暮らしているのはせめてもの救いです。

ダラスにはお気に入りのベッドがあって、大好きな散歩に出ている時間以外はほとんどベッドに寝転んで過ごしているそうですが、しょっちゅうこんな感じで寝ているんですよ。


ウソじゃなくてホントに!

この体勢がラクなんでしょうか。

この写真を撮った時、ダラスのベッドは薪ストーブの近くに置いていたから、暖かくて気持ちが良かったんですよ。

それにしても、頭がちっちゃいですよねえ。


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2023年8月12日

ついに治って来たようです

うちの息子が再来週の金曜日に私のカローラを2時間ほど使わせて欲しいと言いました。

「それはいいけど、どこに行くの?」
「Lくんのマンションに遊びに行く」

お母さんはそれを聞いて、正直なところ飛び上がるほど嬉しかったんですけど、 冷静を装いつつ「一日中使ってもいいわよ」と言いました。

もう20代も後半の息子が、友達のマンションに遊びに行くと聞いて大喜びするお母さんもなかなかいないでしょうけど、いろいろ事情があるんです。

うちの息子の痔の手術については、このブログで度々話題にしていますからご存知の皆さんも多いと思いますが、3月8日に3回目の手術を受けて以来、回復が思わしくなくてずっと部屋で安静にする暮らしが続いていたんですよ。

もう5ヶ月以上部屋にこもりっきりということです。

書くと長くなる話なんですが、うちの息子が高校生の頃から痔の問題を抱えていたことは誰も知りませんでした。

本当に可哀想なことをしたと悔やんでも悔やみきれないのですけどね、私達が経済的に困窮して夫も私もメンタルの病気でダウンしていた頃に始まっているんですよ。しかも、その後、娘の病気が悪くなりました。

食べて行くのにも苦労しているのに、娘の治療費を工面しなくてはいけなくて大変そうな両親を見ていた息子は、自分のお尻のことを話すことができなかったのです。手術をすることになれば高額な費用が必要になると思っていたようです。

誰にも言わずに我慢しているうちに次第に悪化してしまい、ついに医者に相談したのが2019年の12月でした。医者に相談した後で私達に教えてくれました。

検査に時間がかかり、やっと手術をしてもらえることが決まった頃に新型コロナが始まって、メルボルンでは命に関わらない手術が中止になりました。

手術が再開されるのを待っているうちに悪化して、激しい痛みのために寝たきり状態になってしまったんですよ。後から分かったことですが、息子の痔は3種類あるとされる痔「痔核」「裂肛」「痔ろう」の全タイプの複合で、早期に治療を受けなかったために悪化したものでした。

これ以上待てないということで、民間の病院で1回目の手術を受けたんです。公立の病院だと基本的に無料なんですが、民間の医療保険に入っていない私達が民間の病院で手術を受けると、費用が全額自己負担になります。

結局、公立の病院では手術の順番待ちをしている人が何万人もいるということで順番が回って来る可能性が無いと判断しましたので、2回目の手術も3回目の手術も民間の病院で受けたのです。

3回の手術に100万円以上の費用がかかりました。

経済的な負担はもちろん大変なのですが、長時間座っていることが出来ないためにできることが限られている息子が一番気の毒なのでして。

もしかしたら4回目の手術が必要になるかもしれないと言われていたんですけど、最近普通に歩けるようになっていますし、時には車の運転もするようになったので、良くなって来たのだろうと思っていました。

先日は何ヶ月かぶりに家族とレストランで食事が出来たんですよ。食事をする間は座り続けることが出来たので、本人もホッとしたに違いないんです。翌日にまた出血したと言ってガックリ来ていましたが、良くなって来ていることは間違いないです。

だって、友達のマンションに遊びに行くと言っているんですからね。

早く治って仕事をして、しっかり稼いで好きなことをしたいはずです。もうかれこれ4年間もほとんど家にこもり続ける暮らしなんですから。引きこもり生活にはウンザリしているはずです。

 
ところで、息子がより長い時間座り続けることが出来るようになったことに大変役立っているクッションがあるんですよ。


IKSTAR というブランドの低反発クッションで、日本のアマゾンで4千円でした。オーストラリアまで転送してもらうのに商品代金の2倍以上も送料と手数料がかかったんですけど、役に立っているということで買って良かったと思っています。

届いたのを見た時には大き過ぎると思いましたが、息子にはちょうど良いお大きさのようです。結構厚みがありますが、その厚みも座り心地という点でちょうど良かったです。素材の硬さというか柔らかさも良いです。

U字型でお尻のところが開いているわけですが、息子の痔で最も深刻だったのは「痔ろう」と呼ばれるもので、一番ひどいやつは尾骨に近いところに出来ていたんです。

これがなかなか治癒していないので、尾骨に近いために座ると圧力のせいで痛みがひどくなるということでしたが、このデザインのクッションだと痛みが出にくいのですよ。

同じようなデザインのクッションは、いろいろなメーカーが販売していますが、レビューを読んで、この IKSTAR というブランドのクッションの評価が最も良かったのでこれにしたんですけど。

持ち運び用の持ち手がついていますが、これはあまり意味が無いです。そんなものは無くても簡単に持ち運びは出来ますからね、食事の時とか車の運転をする時など、長い時間座る必要がある時に使っています。とても助かっているようです。

座ることが出来るようになって来ましたが、外出を躊躇するもう一つの問題がトイレットペーパーが使えないことなので、これについても実は良い商品を見つけているのでまたいつか紹介します。

ちなみにTOTOの携帯ウォシュレットではありません。あれはね、前回買ったやつがすぐに壊れて使えなくなったので、もう買いません。

とにかく、早く息子が普通の若者の暮らしができるようになって欲しい。それだけがお母さんの願いです。


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2023年8月11日

森林火災に備えましょう

北半球では猛暑のニュースが続いて、通常はそれほど高温にならない国でも記録的な暑さになっていると聞きますが、オーストラリアの場合、猛暑になると心配なのは何と言ってもブッシュファイアと呼ばれる森林火災です。

日本では、湿度の関係か植生のせいか、猛暑の日に火災を心配することは無いように思いますが、ヨーロッパや北米など様々な地域で森林火災が発生していますね。

昨日の朝は、ハワイのマウイ島で発生した森林火災が住宅地や市街地にまで広がり、人気のある観光地のラハイナの街が燃えて廃墟のようになってしまったというニュースを読んで動揺しましたよ。「ブラックサタデー」を思い出したからです。

聞くところによると、マウイ島西部は雨が少ない状況が続いて大変乾燥していたそうです。これに加えて、アメリカ本土の極度に乾燥した高温の空気がハワイの方に流れ込み、これをハワイの近くを通過したハリケーンが吹き散らしたそうです。

火災が発生しても、強風のために消火活動も出来なかったとか。恐ろしいスピードで火が広がったそうですね。

「ブラックサタデー」の時も同じような条件が重なっていました。長引いたエルニーニョの影響で何年も干ばつが続き、森林や草地が乾燥し切っていたところへ百年に一度あるかないかという高温強風の天気になったんです。

内陸部の乾燥した高温の空気がヴィクトリア州に流れ込み、台風並みの強風が吹き荒れました。

あの日、我が家のキッチン外のウッドデッキにかけてあった温度計が、屋根の下の日陰なのに48度になったんですよ。人の体温が37度としたら10度以上高い温度です。

気温48度の強風というのはね、経験していないと想像も出来ないでしょうが、台風が近づいて来た時のような強風なんですけど、その風がヘアドライヤーの風みたいに乾燥していて熱いんですよ。

その乾燥した高温の強風で、畑の野菜が茶色い古紙のように枯れてしまったんですからね。死ぬまで忘れません、あの日の天気は。

夜になってもあまり気温が下がらず寝苦しい夜が明け、翌朝早くに義母(夫の母親)から電話があって「メアリーズビル」という町が無くなったと聞いたんです。「町が無くなったってどういうこと?」と思いました。

すぐにテレビをつけて目に飛び込んで来たのは、信じがたい光景でした。確かに一つの町が燃えて無くなっていたんです。

夜になって風向きが変わり、火がメアリーズビルの町に燃え広がったのですけど、町の人達は避難出来たのかどうか、山の中の町ですし、逃げる道路も一本しか無いんですから心配でした。

テレビのニュースが伝える内容に、私は震えましたよ。

「ブラックサタデー」では、173人もの方が亡くなりました。ほとんどの方が自宅で犠牲になっています。そして、何百人もの人が大火傷などで負傷し、2029軒の家屋が燃えました。2月7日に発生した森林火災は3月中旬まで燃え続けて、4500平方キロ以上が焼失したんです。


マウイ島のラハイナの街の被害を見て、メアリーズビルの悲劇を思い出しましたよ。

ラハイナの街は、ホノルルが首都になるまではハワイ王国の首都だったそうですね。捕鯨で栄えた歴史的な美しい街が、森林火災で廃墟のようになってしまうとは誰も思わなかったでしょう。

他人事ではないです。


エルニーニョが始まりましたから、オーストラリアはこれから少雨と高温の天気になるはずです。干ばつになって欲しくないですが、可能性は大きいです。

乾燥して高温になれば、必ず火災は発生します。落雷(雨は降らずに雷だけが落ちる)によって乾燥した草や落ち葉に簡単に火が点くんです。放火とか電線のトラブルとかタバコの火の不始末とか、火事の発生原因は他にもいろいろあります。

乾燥・高温に強風が重なった場合は、皆さんね、本当に注意しないといけませんよ。小さな火事が信じがたいスピードで広がりますから。

メルボルンのような都市にお住まいの方は心配は無いでしょうけど、火災が発生する可能性のある草地や森林(ブッシュ)、牧場や農場、自然保護エリアなどが近くにある方は、もしもの時の対応を家族で話し合って決めておかなくてはいけません。

休暇で滞在中のキャンプ場などで森林火災が発生することもありますよ。

まず、地域の避難場所を知っておかないといけません。逃げるルートも知っておかないと困ります。電話が使えなくなる可能性がありますから、家族と連絡が取れなくなるかもしれません。その場合、どこで落ち合うかも決めておいた方がいいです。

小さい子供さんがいらっしゃる方は、幼稚園や学校に子供さんを迎えに行くことができなくなったらどうするかということも考えておいた方がいいです。友人に助けてもらうとか、そういう事も決めておかないと、もしもの時にパニックになりますよ。

州政府が注意報や警報を出しますから注意してください。ヴィクトリア州にお住まいなら「VicEmergency」というアプリを携帯電話に入れておくことをオススメします。近くで火災が発生した場合に「注意してください」とか「今すぐ逃げなさい」とかメッセージが届きます。

「逃げるのは遅すぎです」というメッセージもあるんですよ。これが来たら、逃げるのをあきらめて何とか自分の身を守るしか無いですけど、どうやって身を守るのか方法を知っておかないと無理ですよねえ。

私達家族は、森林火災の危険エリアに住んでいるので、高温強風の日にはいつも緊張するのですけど、「VicEmergency」アプリを頻繁にチェックして、もしもの時には早めに逃げることにしています。

ずっとイーストランドというショッピングセンターに逃げることにしていましたが、現在のうちの夫が勤めているツールショップとは逆方向になるので、別の場所にした方が良いことに今気づきました。話し合って決めておかなくちゃあいけません。


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2023年8月10日

おかしな話になってきた毒キノコ事件

一昨日の「野生のキノコは食べない方がよろしい」という記事に書いた毒キノコで死者が出たニュースなんですが。

なんだかおかしな話になって来ているんですよ。

ヴィクトリア州南東部の小さな町で起きた事故でした。教会の牧師さんをしていらっしゃる方とその奥さん、奥さんのお姉さんとその旦那さんの4人が昼食に食べた料理に毒キノコが含まれていたということでした。

3人がお亡くなりになり、牧師さんは今も重体で肝臓移植を待っている状態だという、最初はそういうニュースでした。

毒キノコを料理したのは、お姉さんご夫婦の息子の元妻(48歳)でした。この女性が7月29日の土曜日に4人を昼食に招待したのだそうですけど、実は元夫も招待されていて来ることになっていたことが分かりました。

離婚した元夫や元義両親を食事に招待するというのが、私にはちょっと理解し難いのですけど、離婚しても親しい関係だったと女性は言いました。

この昼食に出したキノコが「デスキャップ」という毒キノコだったために、3人も死者が出てしまったというお気の毒な「事故」で終わるのかと思ったニュースでしたが。

ちなみに、デスキャップという毒キノコの致死量は20セント硬貨サイズだそうですから、1個が致死量に当たります。食べても大丈夫なキノコにそっくりで味もなかなか美味しいので、たとえ食べても毒キノコを食べたとは誰も気が付かないそうです。

3人目が亡くなった土曜日、女性が事情聴取され、女性の家の家宅捜査が行われたと聞きましたが、警察が「あまり聞いたことがない非常に変わった事例」なので事故と事件の両面で捜査していると発表したんですよ。

殺人課が捜査をしているということでしたから、ただの事故では片付けられない何かがあったということでしょう?

私がまず最初に思ったのは、もしも私が料理をした女性だったら、何から何まですっかり警察に話すだろうということでした。キノコはどんなキノコだったのか、自分で採って来たのならどこで採って来たのか、どんなキノコだったのか。誰かから手に入れたものなら、誰からもらったのか、あるいは買ったのか。どのように調理したのか、何を使って調理したのか、もう全部話しますよ。

料理をした女性は、毒キノコとは知らなかったと言ったようですが、それは理解できます。ところがね、警察にはキノコはお店で買ったものだと話したそうなんですが、どの店で買ったとか詳しいことを話すのを拒否しているというんですから、それはちょっとヘンでしょう?

自分で採ってきたキノコを食べられるキノコと信じて料理したと言っていれば、事故で終わった話かもしれないんですけど。キノコの出処について話すのを拒否する理由は何なんですか?

亡くなられた3人や現在重体の牧師さんの症状が、デスキャップという毒キノコ中毒の症状と一致しているからデスキャップが原因だと思われているらしいのですけど、確定はしていないそうです。デスキャップの毒素と思われるものが検出されたという報道もありますが、警察からは発表されていません。

私がおかしな話になって来たと思う理由は、他にもいくつかあります。

1.姉妹の2人が亡くなった先週の金曜日、料理をした女性が住んでいる地域のゴミ処分場で警察がフードディハイドレーター(食品乾燥機)を見つけました。キノコの準備か調理に使われた可能性があるとかで、警察が調べていると聞きました。

この時点で警察がゴミ処分場を調査しているというのが、事件性を感じさせます。

昨日は、再びこのゴミ処分場で何かを探していたそうですよ。また、ゴミ処分場や近所の家の防犯カメラの映像も調べているそうです。フードディハイドレーターから何か見つかったのでしょうか。

2.土曜日の昼食には、元夫も招待されていて来ることになっていたのに、急に来れなくなったのだそうです。おかげで命が助かったわけです。

この元夫がですね、昨年の5月(まだ離婚する前)に原因不明の内臓の病気で入院していたことが分かったんです。3週間も集中治療室にいて、一時は命が助からないと思われるほど重篤な状態に陥り、家族が最後のお別れに呼ばれたそうですが命は助かりました。

回復には何ヶ月も要したそうですけど、その間は今回毒キノコで亡くなった両親と一緒に住んでいたそうです。元夫は、妻が自分を毒殺しようとしたのではないかと疑っていたそうなんです。

警察は、この原因不明の病気が毒キノコ中毒だった可能性を調べているそうです。

3.あとね、普通誰かを食事に招待した時には、いつも以上に味付けには気を使うものでしょ?私だったら作った料理の味見もせずに出すなんてことは考えられないんですけど、この女性はまったく症状が無かったのでキノコの味見をしていないと思われます。

なんだかヘン…

もちろん、私はこの女性がわざと毒キノコを昼食に出したなどと言っているいるわけではありませんし、元夫に毒キノコを食べさせたのではないかと疑っているわけでもありません。

全て偶然が重なっただけで、まったく悪意の無い、ただの事故だったのかもしれませんよ。

でも、女性がキノコの出処について話すのを拒否しているというのが絶対におかしいし、警察は女性が故意に毒キノコを食べさせたことの証拠を探しているように見えるので、おかしな話になって来たなあと感じているのです。


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2023年8月9日

タンパク質不足と米の調理方法

昨日の午後、うちの娘から突然電話がかかってきました。

「いまスーパーに買い物に来ているんだけど、何を作って食べたらいいのかアイデアがまったくわかないからお母さん教えて!」

突然そう言われて答えに困っていると、

「最近体調が良くなくて力が出ない感じなのよ。タンパク質が足りていないと思うんだけど」
「だったらタンパク質を食べなさいよ」

簡単に一人分作れてタンパク質もちゃんと摂れてお腹もいっぱいになるということで、私が最初に提案したのは丼ものでした。

「ご飯が炊けないからそれは無理」
「ご飯が炊けないってどういうこと?」
「ここには炊飯器がないの」
「ご飯はお鍋で炊けるでしょう!」

実は、うちの娘はこの8月中、いつも住んでいるシェアハウスではなくて知人のアパートに住んでいるのです。その知人が旅行に行っている間の犬の世話をするために。報酬なしでです。

そのアパートに炊飯器が無いからご飯が食べられないと言うのですけど、炊飯器が必要ならシェアハウスに炊飯器を取りに帰ったらいいのになぜその手間を惜しむの?ご飯が食べたいと言いながら、鍋で炊いてみようともしないのはどういうこと?

またそのアパートには電子レンジが無いから不便で困っていると言うんですけど、だったら電子レンジがなくてもなんとかなる食生活にシフトすればいいだけのことで。

娘はメルボルン大学のカフェでもアルバイトをしているのですけどね、最近シフトが入って来なくて金欠だと言い、タンパク質不足でも高い肉やサーモンは買えないと言いました。

安くて美味しいタンパク質は、選択肢がいろいろありますよ。

私は金欠生活には慣れていますからね、こういうのは得意なんです。食べて行くこともできないほど困窮した時期があるくらいですし、限られた食費でいかにして子供達に栄養のあるものを食べさせるかということを毎日考え続けていましたから。

私がオススメするタンパク質は、卵と魚の缶詰と賞味期限が近づいて割引価格になった挽き肉です。豚の挽き肉が一番いろいろ使えるので好きなんですけど、牛肉でも鶏肉でも挽き肉は安くていいです。

もちろん豆類もいいんですけど、現在の娘には動物性のタンパク質が必要なようですから、豆類や豆腐は考えませんでした。

割引価格になった挽き肉は本当に便利なんですよ。賞味期限の問題がありますから、すぐに火を通してそぼろ状にしてから保存した方がいいです。小分けにして冷凍しておくのもいいです。オーストラリアでは挽き肉は500グラムのパックになっていることが多いですから、一人暮らしなら4食分にはなります。

これで丼ものも作れるし、パスタソースも作れるし、チャーハンにも使えるし、卵と一緒にオムレツにしたりね、本当にいろいろ使えて便利なんです。調理済みなので時間もかかりませんし。

スーパーでよく安売りしている魚の缶詰もオススメです。

「アンタねえ、ご飯さえあればホントいろいろ作れるわよ。例えばイワシの缶詰をただご飯に乗せてお醤油と海苔をかけただけでも美味しい一食になるのよ。ネギや七味もかけると最高よ!」
「おお… それ美味しそう」
「それからねえ、お汁はいいわよ!ご飯とお汁だけで完璧な食事になるから」
「お汁には何を入れるの?」
「何言ってんのアンタ!何でも入れたらいいでしょ!野菜なら何でも、タンパク質なら肉でも魚でも卵でもひき肉でも、あるものを入れたらいいのよ!味付けも好きなようにすればいいんだし!」
「そうねえ、お汁ねえ」
「そうよ!ご飯とお汁で十分なのよ!多めに作っても残りを温めるのは簡単でしょ?ご飯を入れて雑炊みたいにも出来るしね」

こうして、娘が買い物をしている間中ずっと話をしていました。電話代の心配がないからこういうことができるんですよ。娘がやっているアルバイトの一つで電話を使う必要があるので、時間無制限で利用できるようにしてもらっているのだそうです。

とにかく、娘はお母さんから山程のアイデアをもらって、安い挽き肉と魚の缶詰をいろいろ買い、帰ったら鍋でご飯を炊いてみると言いました。


炊飯器がなくてもご飯くらい炊けないといけませんよねえ。鍋でご飯を炊く方法を教えたことはありますけど、実際に自分でやってみたことがなかったのでしょう。

お米は茹でるという調理方法もありますね。

お米を茹でる?

ご存知ないですか?

私の知り合いのオーストラリア人達は、パスタを茹でる要領でお米を茹でます。たっぷりの沸騰しているお湯にお米を入れてから、好みの柔らかさになるまで茹でるんです。塩を加える人もいます。

好みの柔らかさになったら、それをザルでこして出来上がりです。

初めて見た時には腰をぬかすくらいびっくりしましたが、お米はこの方法で調理するオーストラリア人は多いですよ。

はっきり言って美味しくないです。せっかくのお米が台無しになる調理方法だと思いますけど、最も簡単な方法ではあります。

こうして茹でた「長粒米」に市販のすし酢を混ぜてベチャベチャになったご飯で作った寿司ロールというのを食べたこともありますよ。ベチャベチャになっているのに芯が残っている米でした。

私のために作ってくれたんですから頑張って口に入れましたけどね、あんなものを美味しそうに食べているのを見て、ホンモノを食べさせたいと思ったのもいい思い出です。


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