2025年8月19日

夫の視力の低下

昨日、うちの夫は午後2時過ぎに仕事から帰って来ました。

店長という立場上、病気になったスタッフの分を出勤したり緊急事態で休みの日に出勤したりして、超過勤務時間数がたまり過ぎているので、働き過ぎた分を調整するためにお店が忙しくない時には早く帰って来るんです。

何度か話題にしましたけど、オーストラリアではサービス残業というものは基本的にあり得ません。従業員にそんなことをさせていることが当局にバレると雇用主は法的に処分されて罰金をくらいますから、余分に働かせたらその分の賃金を払わなくていけません。

うちの夫が勤めるツールショップ会社では、余分の賃金を払うのではなくて仕事を休むことで調整しているんです。

「今日はお店が暇だったの?」と聞きましたら、「My back is killing me!」と言いました。直訳すると「腰(あるいは背中)が自分を殺している」という意味ですが「腰が痛くてたまらない」ということです。

「どうしてか分からないけど痛い」と言うんですけど、理由は分かり切っているでしょう!

アガパンサスを掘ったからですよ!

普段使わない筋肉を使って、突然馬鹿力を出して掘ったに違いないです。アガパンサスを掘ったのは土曜日ですよ。翌日の日曜日ではなくて月曜日の昨日になってから痛みを感じているのは、加齢のせいではないですかね。

そんなうちの夫ですが、遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で視力がさらに低下して来たことを感じる出来事が最近いくつもありました。今日はそれを書いておこうと思います。

先日の朝、暖房の温風吹き出し口で乾かした夫の仕事ズボンをたたもうとした時、ズボンの長さが私の脇の下までもあるのに驚いて、「ちょっとすごいよ、こんなところまで来るよ」と脇の下まで来るズボンを見せたんです。そうしたら「え?何?」と言いながら頭をグルグル動かしました。

夫はそうやって頭を動かしながら視点の位置を変えて、見えなくなって来ている視野のうちのまだ見える部分を探してものを見ているそうなんですが、その時は私がズボンを持っていることが分からなかったんです。黒いズボンを黒っぽい服を着た私が持っていたから見えなかったんでしょう。

お昼ご飯には晩ご飯の残りを赤い耐熱プラスティックの容器に詰めて持って行くんですが、時々ニンジンが残っています。昨日もまたニンジンが2切れ残っていたのですが、理由が分かりました。見えないからですよ。赤い容器にニンジンが残っていても見えないから、もう全部食べたと思うのです。

先月、目の前にあるiPhoneが見つけられなかった時にはびっくりしましたけど、あの時は黒いiPhoneが黒い取扱説明書の上に置いてあったから見えなかったわけです。ここにあるよと指さしても見えないらしくて、手探りで見つけたので私はさらにびっくりしたんですけど。

見ようとするものとそれが置かれた背景の色が似ていると、夫には見えないようです。

小さな薬の錠剤をうっかりテーブルに落とした時も見つけられませんでした。

髭剃りをした後に流しの周りにいっぱい毛が散っているんですけど、あれも見えないから残っているんだと分かりました。

爪切りは自分でやっていますが、切ろうとする爪は見えないので、指先の感触を頼りに切っていると言います。

食器洗い機に汚れた食器を入れるのも、毎回「これ汚れてるの?キレイなの?」と聞くのが嫌になったんでしょう、最近はもう自分で入れません。汚れた食器はシンクの横に置いてあります。食器洗い機に入れるのは私の仕事です。

物を倒したりこぼしたりすることも増えています。手を伸ばした所に見えていなかった何かがあって、手をぶつけるからです。

仕事でもアクシデントは起きているはずです。最近は転倒したという話は聞いていませんけど、苦労しているんじゃあないかと思いますよ。見えなくて困った時はスタッフに頼むから大丈夫だとは言っていますけどね。


私達は視野の中心でものを見ているわけですが、夫の場合は視野の中心部分が黒くなって見えなくなって来ているわけです。今はまだ見える部分があって、視点の位置を変えると見える部分が見つかるので、その部分で見たり読んだりしているそうですけど、いずれは真っ黒になるのです。

そしてその真っ黒はだんだん大きくなって、いつかは視野の端の方でぼんやりとしか見えなくなるのですよ。しかも、見ようとするものを視野の端で捉えるためには、全然違う所に視点を動かす必要があるわけです。

今はまだ見える部分があるとは言っても、歪んで見えるらしいし、色の違いが分かりにくくなっているし、十分な照明がないと何も見えないと言います。それでも文字を読むことが出来るから、仕事を続けられているわけですけど。

うちの息子と娘と私の3人は、10月に日本に行くことになっているんですが、夫は一人で大丈夫なんだろうかと心配になります。洗濯や料理はなんとかなるでしょう。車が必要な時もなんとかなるでしょう。

一番困るのは、何かを見つけられない時じゃあないかと思います。出勤時にiPhoneや鍵が見つけられなくて困っても、見つけてくれる人はいないわけですからね。対策が必要です。


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