長編みの立ち上がり

かぎ針の長編みで編む時に、立ち上がりに不満を感じませんか？

長編みを編み始めるには鎖3目で立ち上がるのが当たり前だと長年思ってきましたが、自分の技術が劣っているせいか、立ち上がりの鎖3目の部分に、

どうしても穴が開くんですよ！

あれはね、技術のせいではありません。誰が編んでも、鎖3目で立ち上ればどうしても穴が開くのです。

日本人は、何事も教師の教えや教本に沿って学んだらそれに従う傾向がありまして、編み物もそうなんです。数多く出版されている編み物教本で編み方を学んだという人も多いでしょう。

私も、長編みの立ち上がり部分はああいうものなんだと思って気にしないようにしていましたが、やっぱり穴が開くのは気になるのです。

編物文化が発達した欧米には、実にいろいろな編み方があるようです。近年は YouTube というもののおかげで、日本ではあまり知られていない編み方を発見することも多いです。

言葉は理解できなくても、動画を見れば編み方は理解できますからね。

今日ご紹介するのは、長編みの立ち上がり方です。鎖3目以外にもいろいろあるのです。できるだけ簡単で、穴が開かなくて、エッジが真っ直ぐになる立ち上がり方はどれでしょうか。

比べてみましょう。

１．一般的な鎖３目で立ち上がる方法

他の方法と比べるために載せます。

２．人気のある 2ch & dc（鎖２目＆長編み）

英語圏の編み図に出てくる「ch」はチェーンで鎖編みのこと。「dc」はダブルクロシェ、すなわち長編みのことです。鎖を2目編んでから同じ目（最初の穴）に長編みを編むというのが人気があるんだそうですけど。この立ち上がり方は、穴は開きませんけどエッジがでこぼこです。

編み方は、まず鎖を2目編みます。

そして普通なら編まない最初の穴に、長編みをします。この編み方では外に膨らみますから、そりゃあでこぼこになりますよ。どうして人気があるんでしょうか。

３．誰が思いついたのか、糸をひねって引っ掛けて長編み

長編みで立ち上がるのですから、穴も開かないし、エッジも真っ直ぐだし、なかなか良いです。でも編み方にコツが必要です。

どうやっていきなり長編みをするのか、動画だと簡単なのですけどね。写真で説明してみます。

まず、糸を長編みの長さくらい引っ張り出します。

かぎ針に掛かった糸が動かないように指で押さえながら、この二重の糸を長編みをする時に糸を引っ掛けるようにかぎ針に引っ掛けます。

そして最初の穴（星印の所）に長編みをするのです。

糸をたくさん引っ張り出せば引っ掛けるのも長編みを編むのも容易ですけど、編んだ長編みが不格好になりますので、ちょうどよい長さを自分で見つけて下さい。

４．sc & 1ch（細編み＆鎖１目）

「sc」というのはシングルクロシェ、すなわち細編みのことです。これは、以前紹介した「立ち上がりが目立たない長編み丸モチーフ」で使う立ち上がり方です。

ちょっとイマイチです。

編み方は、まずいきなり最初の穴（星印の所）に細編みをします。

その後で鎖を一目編みます。

５．sc & sc（細編み＆細編み）

私がオススメしたい立ち上がり方はこれです。穴が開かないし、簡単でコツなんていらないし、エッジがとにかく真っ直ぐになるんです。

編み方は簡単です。まずいきなり最初の穴（星印の所）に細編みをします。

編んだ細編みの左の糸一本（星印の糸）を拾って、もう一度細編みをします。

この立ち上がり方は、長々編みにも使えますよ。細編み部分の左の糸を拾って細編みを繰り返せば、どんな長さにでもできます。

編んでいる物にもよりますけど、 立ち上がりの部分に穴が開くのを避けるには、鎖3目以外の方法で編んでみると良いと思います。

お帰りの前に１クリックを！