2023年2月28日

泥棒が次々に逮捕

ヴィクトリア州警察は、ちゃんと仕事をしていますよ。

先日、うちの夫が勤めるツールショップに泥棒に入った3人組ですが、逮捕されたそうです。

3人組の泥棒は男1人女2人で、一目見て薬物中毒者だと分かったという話でした。最後に店を出ようとした女が大きなバッグを持っていたため、バッグの中を確認させてくれとスタッフが言った途端に女は大パニック。

金切り声を上げて叫び始めました。

それを聞いた仲間の男が戻って来て、スタッフと格闘になりましたが、女のバッグから盗もうとした商品が見つかったので万事休す。

その商品が大した額ではなかったこともあって、その時は警察を呼ばずに3人組を逃したんだそうです。

しかしながら、ツールショップに盗みに入るような泥棒は「常習犯」か「シンジケートの一味」であることが多いので、他の店にもいろいろ盗みに入っている確率が高いそうですから、警察には防犯カメラの映像を添えて被害届を出したのです。

後から分かったことですが、この3人組はやはり窃盗の常習犯だったんですよ。警察はこの3人のことを知っていました。逮捕するには窃盗の証拠が必要だったそうなんですが、夫の勤めるツールショップから証拠が提出されたわけです。

そして、どうやって逮捕につながったかと言うと、3人組の一人である男がですね、警察に苦情の電話をしたからなんです。ツールショップのスタッフに乱暴な扱いを受けたと。

よほど腹が立ったんでしょうが、苦情を申し出た際に電話番号や名前など連絡先を教えていたんですって。そこから足がついて逮捕されたそうです。

バカじゃん…

盗みの常習者が警察に連絡先を教えるか?

そして、

数日後、チェーンソーを盗もうとして偶然うちの夫に見つかり、盗まずに逃げた男がいたんですけど。チェーンソーは盗まなかったけど小さな商品を服に隠して盗んだことが防犯カメラの映像から分かりましたので、警察に被害届を出しました。

あの時はね、仕事が休みだった翌日に書類や証拠を準備して、うちの息子に運転してもらって警察まで行って被害届を出したんですよ。

うちの夫ももう慣れたものです。

提出した書類や証拠(画像やビデオ)があまりにカンペキだったので、警察から「うちで働く?」とジョークさえ言われたそうなんですよ。

男が盗んだものは小さな商品で被害額はわずかでしたが、ナンバープレートの付いていない車で来ていたことから悪質常習犯と思われましたのでね、被害届を出すことにしたそうなんですけど。

ツールショップでは、泥棒に入られると他の店舗と情報をシェアすることになっているそうで、うちの夫もチェーンソー泥棒の防犯カメラ画像や分かっている情報を他の店舗に送ったそうです。

数日後、メルボルンの北西部の町にある店舗にこの男がやって来ました。

夫が勤める店舗はメルボルンからかなり東へ行ったところにあるんですが、そこからは真逆の方角なんですよ。50キロ以上離れています。

この店舗のスタッフは、この男が例のチェーンソー泥棒だとすぐに分かったそうです。顔やヘアスタイルでも分かりますけど、同じ服を着ていれば一目瞭然ですよ。

当然スタッフは警戒して見張りますからね、男は結局何も盗むことが出来ずに店を出たそうです。

ところが、

男の車には、前だったか後ろだったか忘れましたが、ナンバープレートがどちらかにだけは付いていたんですって。

それが防犯カメラにバッチリ写って、その車が盗難車ではなかったために、つまり自分の車だったために、そこから足がついて逮捕されました。

いやあ、何と言いますか…

悪いことをするんだったら、もうちょっと身元が分からないように注意しそうなもんですけどねえ。


近頃の防犯カメラというのは、画像が非常に鮮明なんですよ。初めて見せてもらった時には驚きました。

あまりにも泥棒の被害が多いので、ツールショップには高解像度の防犯カメラが至る所につけてあります。明るかったら顔なんてすごくはっきりと写りますしね、車のナンバープレートも認識可能ですよ。

フードをかぶっていると怪しまれますから、せめて帽子をかぶるとか、マスクで顔を半分隠すとか、昨今はマスクをしていても怪しまれることもないですしね、何かもうちょっと工夫すればいいのに。

盗みに入った店のスタッフと格闘になって乱暴な扱いを受けたと言ってもね、警察に苦情を申し出て連絡先を教えるなんて、ちょっと考えられないレベルの愚かさなんですけど。

夜中に家族総出で盗みに入って数百万円分の商品をごっそり盗んで行った4人組は、その後どうなったんでしょうか。捕まったという話は聞いていません。

あの時は、暗くて防犯カメラには何も鮮明に写っていなかった上に、使った車も後から戻って来てごっそり盗んで行くのに使ったトラックも盗難車だったので、手がかりが無いという話ではありました。

捕まえて欲しいです。


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2023年2月27日

理解できない残念さ

将棋の王将戦七番勝負ですが、先日からこのブログでも話題にしているんですけど、きっと日本でもニュースになっているんですよねえ。

だって、今年の王将戦は、多くの将棋ファンが待ち望んでいた対決なんですよ。20歳の若きチャンピオン藤井聡太さんに前人未到のタイトル戦通算99勝を上げていて100勝にあと1勝と迫りながら何年も勝てていないベテラン羽生善治さんが挑戦しているんです。

この王将戦は人々が語り継ぐ歴史になるだろうと言われている注目のタイトル戦です。七番勝負というくらいですから先に4勝した方が勝ちなんですけど、これまで4局が終わってそれぞれ2勝2敗と五分でした。

どちらが勝ってもタイトルに大手をかける重要な一番の第5局は、この週末の土日に島根県の国民宿舎「さんべ荘」という所で行われました。

藤井さんも羽生さんも人気のあるスター棋士ですし、私はどちらにも勝って欲しいという気持ちですが、どちらかと言うならば、やっぱり羽生さんに100勝して欲しいので羽生さんに勝って欲しいと思っているんですけど。

5局目は藤井さんが勝ちましたね。タイトル防衛に王手です。6局目はぜひ羽生さんに勝ってもらって、7局目を見たいです。

見たいと言っても見れませんから、毎日新聞のサイトで速報をチェックしていたんですけど、「1日目から終盤戦のような緊迫感」「藤井さんが強手連発」「目が離せない激しい終盤戦」「羽生さんが反撃で形勢は混沌」などと書いてあってもですね、残念なことに私には分からないんですよ。

未だに駒の動かし方はルールシートを見ながらでないとできないレベルですからね、私には対局の理解には無理があるのでして、大盤解説会場でどよめきが上がったと聞いても、どうしてその駒をそこに動かしたことがどよめきが上がるほどのことなのかは分からないわけです。

大変残念ですけど、分からないものは分からないんですから仕方がない。

緊迫しているというのを聞いてワクワクし、解説者が驚きの声を上げるのを見て感心し、お二人がおやつやお昼ご飯に食べた物を見て楽しみながら、羽生さんが100勝目を上げるのを期待しているのでございます。


この「理解できない感覚」っていうのはね、うちの家族が英語で会話していて誰かがジョークを言った時、皆んなが爆笑する中で私一人が笑えないというのと同じです。

自分の家族でありながら、彼等が何を言っているのかが分からないこともあるんですけど、何を言ったかは分かっても面白さが分からないから私だけ笑えないことはしょっちゅうなんです。

ジョークなんていうのは、何故それが面白いのか説明してもらって、なるほどそれは可笑しいなと時間が経ってから笑うようなものじゃあないですからね。

一緒に爆笑できたら楽しいでしょうけど、分からないものは分からない。

将棋もね、対局している棋士が駒を指した瞬間に「おお、すごいのが出た」とか「うわあ怖い格好になった」とか、理解できたら面白いんだろうなあと思いますけど。

ホントに残念…


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2023年2月26日

考えることが普通じゃない夫

時々天気予報が大外れする日がありますね。

3日ほど暑い日が続いていたメルボルンですが、昨日は予想最高気温が33度。夕方にはクールチェンジが来て、今日からまた1週間ほど涼しい日が続く予定でしたけど。

昨日の朝、一気に気温が上がり始めて26度を超えたと思ったらそれで終わり。その後、徐々に気温は下がるだけで暑くなりませんでした。

暑くなるからという理由で、うちの夫は、例の夫の父親が昨年8月に売りに出して未だに売れていない家の敷地のメンテナンスに行くのを諦めたんですよ。

その家まだ売れてないの?

はい、まだ売れていないんです。

もうね、ちょっとぐらい安くしたんじゃあ売れないと思いますよ。最近物価が上がり続けていて、電気代なんてすごいんですけど、最大の問題は金利が上がり続けていることで。

現在3.35%ですけど、ちょっと前は0%だったのです。これからさらに上がると言われていますから、高騰していた住宅価格は下がって来ています。

投資が目的で不動産を買っている人達は買い控えているでしょうし、住宅ローンの返済に困っている人は増えているそうですよ。

これからさらに金利が上がると分かっていて、不動産価格が下がって来ている状況では、なかなか不動産の購入に踏み切れないのは理解できます。

夫の父親が売りに出した家も売れていませんが、迷惑行為連発の我が家の北隣り家も売れていません。値下げをしても売れていません。

私達が住んでいる家の持ち主はドバイ在住の義妹(夫の妹)なんですが、不動産価格が大きく下がる前に売りたいという話なので、私達は引っ越しをしなくてはいけません。

それがいつ頃になるかはまだ分からないのですけど、すでに家探しは始めています。引っ越しは、息子の3回目の手術が終わって落ち着いてからでないと困ります。

売りに出しても、すぐに売れるかどうかは分かりませんけど。

もしも急に引っ越さなくてはいけなくなっても、私は持ち物が少ないのでいつでも大丈夫ですが、うちの夫はごみ屋敷状態のガレージにあふれるほど物を持っていますからね、引っ越しは簡単ではないですよ。

さて、

夫の父親が売りに出した家のメンテナンスに行くのを諦めたのは、暑くなるからという以外にもう一つ理由がありました。他にしなくちゃいけないことがあるからでした。

そのしなくちゃいけないことというは、商品の配達と勤めているツールショップの周りの草切り。息子にトラックを運転させて手伝ってもらうと言いました。

何だそれ?

うちの夫はしょっちゅうこういうことを言い出すんですけどね、

どうして今週たった一日しかない休みの日を使って商品の配達をしたり店の草切りをしなくちゃいけない?

店の草切りなんて業者に頼めばいいじゃないですか?商品の配達にしたって、休みの日を使って息子に手伝わせてまでやる必要はなかろう!

そもそも、なんで商品の配達なんかをうちの夫がしないといけないの?配達は配達業者に頼んでいるはずですよ。夫はもう車の運転ができないんですからね、自分で配達するには家族に運転を頼むしかないんです。

商品を注文したお客に「どうしてもこの日までに必要だ」と言われると、夫は無理をしてでも期待に応えようとするんですけど、「どうしてもこの日までに必要」ならお客が店まで買いに来ればいいんですよ。あるいは、お客が費用を払って速達を頼めばいいんです。

そんなことよりも、夫にはしないといけないことがたくさんあるんですよ。もうすぐ引っ越しをすることになるんですからね、休みの日を使ってごみ屋敷状態のガレージを何とかしないといけないんです。

ホントにもう考えることが普通じゃない。いつものことながら呆れます。

しかし、

夫は店の草切りには行きませんでした。商品の配達にも行きませんでした。ガレージの片付けもしませんでした。

昨日は、ほぼ昼寝で一日が終わりましたよ。天気も悪かったですしね、昨日のように薄暗くて陰鬱な天気の日は寝て過ごすことが多いです。身体も疲れていたんでしょうからね、昼寝が必要だったのなら寝て過ごして良かったです。


夫は仕事に責任感があるというのは分かるんですよ。

仕事が好きというのもあるんでしょうし、後で聞いた話ではツールショップのオーナーがもうすぐヴィクトリア州内の店舗を見に来るそうなので、夫は自分の店の外もきれいにしておきたいと思ったんでしょう。

うちの夫はね、子供達が小さい頃からいつもこんな調子でした。

子供を連れてどこかに遊びに行く時も、家で食事をしている時も、頭の中は仕事のことばかり。常に携帯電話を持っていて、いつでも仕事の話をしていました。今でもそうです。しょっちゅう電話がかかって来て仕事の話をしています。

私はもう腹も立ちませんよ。気にしないようにしています。

ただし、夫は双極性障害2型というのがありますから、躁モードになって言うこともすることも異常になることがあります。そういう時にはブレーキをかけてあげないといけません。

本当にそれをする必要があるのかよく考えろと言えば、言われた時には腹が立つらしいですが、考えを改めることもよくあります。

と、これを書いているちょうど今、夫が息子に電話をして来ました。今日は日曜日ですが仕事に行っています。今朝も私が車で送って行ったんです。

草切り用の道具をトラックでツールショップまで持って来てくれと息子に頼んだようです。日曜日は4時閉店なので、その後で草切りをするんだそうですよ。

休みの日を使ってするよりはマシですね。


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2023年2月25日

ウクライナの薄いパンケーキ「ムリンツィ」

ロシアによるウクライナ侵略戦争が始まって、昨日の2月24日で1年となりました。

プーチンというロシアの独裁者は、これまでにも国内外で蛮行の類を繰り返してきた殺人者ですが、まさか本当にウクライナを侵略するとは思わなかったですけどね。

本当にこの一年間、数え切れないほどの信じがたいほど恐ろしいことが行われて来ました。

自分達の国を守るために戦い、困難に耐え続けているウクライナの人々のことを考えない日は、この一年間一日たりともなかったですよ。

独立した他国を侵略して、その国を破壊し人々を殺して脅し、自分の思い通りにさせるなど絶対に許されてはいけませんから、この侵略戦争は失敗してプーチンが国際法で裁かれなければなりません。

一日も早く戦争がウクライナの勝利で終わり、平和が戻ることを祈っています。

ウクライナを支援してきた国では、戦争が長引くにつれ「支援疲れ」が広がっているなんてことを書いている記事が散見されますけど、私達は支援に疲れたりしちゃあいけません。

最後まで支援し続けて、自由と民主主義を守り抜かないと。

軍事力を持った強い国が弱い国を支配するのは仕方がないと、あきらめるわけには行かないでしょう。日本がお隣りの国に侵略されたらどうするんですか。自由をあきらめて暴力に服従するんですか。

ウクライナのために私達個人ができることは限られていますけど、一番肝心なのはウクライナのことを思い続けることだと思うんですよ。思い続けていれば、小さなことでも何かできることがあった時に行動できるでしょう。

ということで、

昨日、私はウクライナの薄いパンケーキ「ムリンツィ」(Mlyntsi)を作りました。

戦争が始まってから、様々なウクライナ料理に挑戦しましたが、この「ムリンツィ」は簡単に作れて美味しいので時々作っています。モチモチした食感が日本人好みだと思います。

英語で書いたレシピはこちら

作り方を紹介しましょう。

<材料> *オーストラリアの1カップは250ml
ふくらし粉入りの小麦粉(Self-Raising Flour)または普通の小麦粉 1カップ
塩 小さじ1/4
砂糖 小さじ1
牛乳 1カップ
卵(Lサイズ)1個
溶かしバター 大さじ1(15グラム)
焼くための油

<作り方>
1.小麦粉(ふくらし粉を入れるなら小さじ1くらい)、塩、砂糖をよく混ぜる。
2.牛乳、卵、溶かしバターを加えてよく混ぜる。
3.薄く油を敷いたフライパンで焼く。この量で18センチくらいのパンケーキが8枚出来ます。

生地がクレープのようにサラサラしていないので、お玉の下のところで伸ばすようにするといいですが、少しだけ牛乳を足してもう少しゆるくしてもいいです。

ふくらし粉入りの小麦粉で作ると、膨らむので(と言っても薄いから大した違いはありませんが、ブツブツ穴が開きます)このような感じになります。


ふくらし粉の入っていない普通の小麦粉で焼くとこんな感じ。


クレープにそっくりですけど、クレープよりも厚めになるし、食感がもっとモチモチしています。

甘いジャムやサワークリーム、フルーツと一緒に食べると美味しいです。普通のクリームでもいいです。


レモンカードを塗って食べても美味しいです。


昨日は、鶏のひき肉と玉ねぎのみじん切りを炒めて塩コショウしたのにコッテージチーズとディルを混ぜたのを詰めて食べました。豚のひき肉でも美味しいです。


コッテージチーズじゃあなくてクリームチーズを混ぜても美味しいです。

英語で書いたレシピはこちら

クレープのように、好きなものを巻いたり乗せたり塗ったりして食べるといいですよ。

ぜひ作って見てください。そして、ウクライナの人々のことを考える機会にしてください。

 
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2023年2月24日

知能指数と病気の関係

今日もまた知能検査の話題なんですけど、うちの娘が練習しなくちゃあいけないと焦っているウェクスラー知能検査というものについて調べているうちに、「IQ(知能指数)が高い」ということと「病気」の関係について書いてある複数のサイトに出くわしまして。

結論を言うと、どうもIQが高い人ほど心身の病気になりやすい傾向があるらしいのですよ。

知的能力が優れている人というのは、いろんなことが普通以上に上手にできるので、成功者となって高収入や社会的地位を手に入れやすいという印象がありますけど、健康を損ないやすいということも事実のようなんです。

アメリカの研究者グループが、例の「メンサ」(MENSA)という非常に高いIQを持つ人達が参加するグループの会員を対象に行った調査についての記事がありました。

「メンサ」会員の中で、気分障害・不安障害・注意欠陥多動性障害・自閉症スペクトラム障害・アレルギー・ぜんそく・自己免疫疾患を患っている人の数を調べて、それを全国平均と比べたのです。

そうしたら「メンサ」の会員は、どの病気も有病率が高かったのです。気分障害では全国平均の約2.5倍、環境アレルギーでは全国平均の3倍でした。

研究者グループは、この結果について、非常に高いIQを持つ人達によく見られる「Overexcitability」(オーバーエクサイタビリティ)が原因ではないかと考えているそうです。

「Overexcitability」というのは、Wikipediaによると「刺激増幅受容性」と訳されていますけど、簡単に言うと刺激に対して過剰に反応してしまうということですよ。

例えば、IQが高い人は誰かに否定的な評価を受けたりすると考え過ぎてしまい、そのストレスが原因で心身に異常をきたすのではないかということなんですけど。

IQが高い人ほどプレッシャーを感じる状況ではパフォーマンスがより低下するという研究結果もあるそうです。つまりプレッシャーに弱いということなんです。

IQが高い人の優れた処理能力を持つ脳みそは、優れているが故に過剰な情報処理をしようとする傾向があるわけですよ。感じ過ぎ、考え過ぎ、分析し過ぎ、簡単に言えばそういうことじゃあないですか。

そして過剰に敏感な人も多いです。ストレスはメンタルヘルスに良くないですからね。

ただし、高いIQが病気の原因だと証明されたわけではありません。知的な活動に没頭している人は、運動や社会的な活動に割く時間が短いため、結果として不健康になりやすいということも考えられるからです。

勉強や研究に没頭するあまり、ろくに食事をしないという人がよくいますよねえ。栄養をしっかり摂らず、運動もしないというのは不健康です。


高IQの人が多いうちの夫の家族ですけど、精神的な病気を抱えている人もいます。

うちの夫だって双極性障害2型だったんですからね。長い間そのことには気が付かなかったんですけど、「うつ状態」になった時に夫のメンタルには波があることに気が付いて、思い出してみると「躁状態」だったと思われる頃の行動はまさに「躁期」の特徴がはっきりしていたんです。

今では治療のおかげで落ち着いていますよ。波はありますけど、通常の生活が困難になるほど大きな波ではありません。

実を言うと、夫や夫の家族が精神的な病気を抱えるに至った原因が他にあるので、高IQとの関係は不明なんですけどね。

長年うちの夫を見て来て一番大したもんだなあと感心するのは、夫の記憶力です。一度頭に入れた知識は忘れないんですかね。本当にいろんなことを百科事典のように覚えていますよ。

例えば、勤めているツールショップで売っている道具や機械に関する商品情報、それらの使い方、トラブルの原因や対処法、メーカーの担当者、買い物に来た客のことまで、大量に記憶しているんです。よくもまあ覚えられるもんですよ、というかよくもまあ忘れないもんだ。

新型コロナのせいで夢と消えたヨーロッパ旅行の前に、夫はドイツ語の勉強を始めたんですけど。というのも、最も行きたかったのがドイツ(と言うかドイツの電動工具の工場)だったからですが、何週間もしないうちに基本的なドイツ語の日常会話は出来るようになったんです。

あれには驚きましたよ。

ものすごい記憶力を持ち、数字にめっぽう強くて計算も得意。それなのに、家の中で何がどこにあるかを覚えられないというのはどういうこと?

しょっちゅう物が見つからなくて探しているんですけどね、見つけられないから新しいのを買うのでホントに困ります。

身の回りの整理整頓能力は、あの高IQの脳みそのどこにも存在していないらしいですよ。

あんまりカンペキじゃあない方がいいかもしれませんけど。


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2023年2月23日

ウェクスラー知能検査

うちの娘が練習したいと言っていた知能検査ですが、「WAIS」(ワイス)と呼ばれる検査でした。(娘は「ウェイス」じゃあなくて「ワイス」と呼んでいました。)これはウェクスラー式知能検査と呼ばれるものの成人用の検査だそうです。

ウェクスラー式知能検査は現在最もよく使用される知能検査の一つで、子供用もあるそうです。

娘が勉強しているのは、成人用の最新版である「WAIS-IV」という第4版です。小型のスーツケースに入った一式を持って帰りましたよ。数冊の本と検査用のブロック(積み木)のセットで3千ドルもするそうです。

知能検査にも色々種類があるとは聞いていましたが、このウェクスラー式知能検査は、集団で筆記試験みたいに出来るものではなく、オンラインで出来るものでもないそうで、臨床心理士のような専門家が受検者と一対一で行う個別式の検査だそうです。

パズルみたいなのばっかりではありません。検査者からの質問を聞いて答えたりもするんです。文化によって獲得した一般知識についての質問というのもあるので、この「WAIS」という検査は、国が違うと内容も異なります。娘が使っているのは、オーストラリア&ニュージーランド版です。

算数のテストもあるし、聴覚情報を短時間記憶して操作する能力を調べるテストとか、積み木を指示通りに動かすテストとか、検査の内容はいろいろで広範囲の知的能力を調べるのだそうですよ。

簡単に行えるものではないし、特に検査結果を評価するのが時間もかかって大変なので、練習では評価をして知能指数を出すところまではしないと娘は言いました。

あくまで娘が検査の練習をしたいだけなので、

お母さんやってちょうだい!

と言われたんですけど、まずはうちの息子にやってもらいなさいと頼みましたよ。英語のハンデもあるのに文化知識のハンデもあるんですからね。

息子はいやいや練習台になっていました。ダイニングルームからはずっと声が聞こえていましたが1時間ほどで終了しました。

「あら、もう終わったの?2時間くらいかかると思っていたけど早かったわねえ!」
「全部はしなかったの…」

全部はしなかったというのに息子は疲れた様子でした。

「どうだったの?問題は難しかった?」
「難しくないけど、オレは算数になったらやる気が出なくて…」

その気持ちは分かる!

算数になったら私もやる気が出ないと思う。最近暗算力も落ちてきていると自覚していますしね。この検査をすると相当脳みそが疲れそうです。

「もっと練習しなくちゃ!お母さん、どうしてやってくれないの?」と言われましたが、次はお父さんにやってもらいなさいと、お母さんは練習台になるのを避けるのでございました。

仕事から早く帰って来た夫が、次の練習台になりました。


この夫がですね、やっぱり知能指数(IQ)が高いらしいんですよ。夫は途中で晩ご飯休憩を入れて検査を全部やったそうです。2時間近くかかったそうです。

検査者の娘が驚いたのは、うちのお父さんはこのタイプのテストは強いだろうと検査の内容によってある程度の予測をしていたそうですが、質問への回答や処理が予測を上回る量と内容と速度だったそうなんですよ。

例えばね、「リンゴとナシにはどのような共通点がありますか?」という質問があったとしますよ。(実際の質問は違います。)普通の人なら「どちらも果物です」くらいの回答をするでしょう。

ところが、これに対して夫の回答はすごい量だったそうで、娘のメモはA4の紙の半分以上にびっしり書かれていました。

うちのお父さんは数字がかかわるテストには強いだろうと思っていたそうですが、計算はもちろんのこと数字と記憶とその処理に関するテストが「すごかった」そうなんですよ。

「きっとすごいだろうと思っていたけど、あそこまですごいとは思わなかった」と驚いていました。

お父さんのIQは120は超えているだろうとか言うんですよ。ちなみに平均値は100で、ほとんどの人が85から115の間だそうですから、120は高い方です。

そんな話を聞いたらねえ、私はもっとやりたくなくなりますよ。

結局うちの娘が昨日練習できたのは二人だけでした。今日も本当は練習したいのだけど、カフェのアルバイトがあるからできないそうです。

来月検査能力を評価するテストがあるそうです。1回ミスをしたら不合格だそうですから、練習が必要なんだそうです。

うちの夫は、検査で答えられなかった質問について、検査の後で学習していましたよ。オーストラリアの歴史に関わる質問でした。

そんな質問が私に分かるわけないじゃん。

オーストラリア版ウェクスラー知能検査では、私のIQは標準以下になるのは確実ですよ。日本語版でやってもらわないとね。


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2023年2月22日

具合が悪そうな人を見て

昨日はうちの娘が帰って来ると言うので、晩ご飯はダイエットスープというわけにも行かず、食材も乏しかったので買い物に行きました。

イーストランド(Eastland)というショッピングセンター内のスーパーに行ったんですが、10時頃でしたからいつもなら車を停めるのに苦労するのに、駐車場はガラ空きだったんですよ。

どうしたんでしょうか。火曜日というのは買い物客が少ない日なんでしょうか。私は火曜日に買い物に行くことはあまりないので、いつも火曜日はあんなに空いているのなら、これからは火曜日が買い物日です。

スーパーはそれなりに大勢の人が買い物をしていました。

お肉コーナーで鶏肉と豚の薄切り肉を買って、次へ進もうとすると私の前に大きな身体の男性が止まっていました。その人の前には誰もいないのに止まったままだったので私は横から追い抜きました。

その時チラッと見たんですけど、おじいさんでした。70歳は超えているように見えました。ショッピングカートを押している姿勢のまま固まっているという感じで、全く身動きしません。

何を買おうかと考えているようにも見えました。私は先に進もうとしたんですけど、気になったので2〜3メートルほど行って振り返ったら、やっぱりずっと同じ姿勢のままだったんです。

ちょっと普通じゃあないと思いました。顔がこわばっているのが気になりました。

それで、私はおじいさんの所まで引き返したんです。

「Are you all right?」(大丈夫ですか?)と尋ねると、その人は全く身動きせずに「ノー」と言いました。大丈夫じゃあないということですよ。

「どうしたんです?」
「…」
「助けを呼びましょうか?」
「ノー」
「大丈夫なんですか?」
「イエス」

おじいさんが「イエス」と言ったので、私もそれ以上のことは言わずに先に進んだんですけど、おじいさんのことが気になって仕方がなくて、しばらくしてお肉コーナーに戻ってみると、おじいさんはショッピングカートにしがみつくようにしながら少しずつ進み始めたところでした。

亀が歩くくらいの速度でしたけど。

何か問題があったことは確かなんです。

もう少し何かできたんじゃあないかと私は悔やみました。お店のスタッフに頼んで、椅子でも持って来てもらって腰を下ろして休めたら、あの人は助かったかもしれないのに。

あの後、買い物を終えて、レジを済ませて、車まで持って行って、それを車に載せて、ショッピングカートを戻して、と考えてご覧なさい。まだまだしなくちゃあいけないことはたくさんあります。

あのおじいさん、大丈夫だったんでしょうか。


買い物中に体調を崩す人はいると思うんです。特に高齢の方で、食品の買い物を頼める人がいなくて無理して買い物に来ている様子の人はいますから、そういう方が急に具合が悪くなることはあると思います。

この私だって、スーパーの中で具合が悪くなったことは何度かあるんですよ。まだ風邪が治りきっていなかったり、目まいのせいだったり、メンタルのせいだった時もありました。

声をかけられたことはありません。買い物中の人は、他の買い物客の様子に注意を向けたりしませんからね。一度だけ、大汗を流してハアハアと息を切らしていた時にレジの人が「大丈夫ですか?」と聞いてくれたことがありますけど。

昨日は、偶然に具合が悪い人に気付いて、何かしてあげることができたのにしなかった。本当に後悔したので、いつかまた同じように具合が悪そうな人を見かけた時には、もう少し積極的に行動したいと思います。


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2023年2月21日

知能指数検査の練習

ラ・トローブ大学という学校で修士課程(大学院)の勉強を始めて2週間が経ったうちの娘ですが、実は学生としての登録に何らかの問題があったらしくて、娘は大学のデータベースにちゃんと学生として登録されていなかったんですって。

どの段階でどのような問題があったのかを明確にするためにとかいう理由で解決に時間がかかり、この間うちの娘は学生証もIDナンバーすらも、もらえていなかったんだそうです。

そのために大学の様々な資料やプログラムにアクセスできなかったので、最初の2週間で勉強に遅れが出たと言っています。

仮の学生証はもらえたので、これでやっと本格的に勉強できるそうです。

最初の2週間は毎日授業があったのでアルバイトはすべて休んでいました。3週目の今週からは授業があるのは週3日なので、住んでいるシェアハウスに近いメルボルン大学のカフェでのアルバイトだけを続けることにしたそうです。

それから、火曜日の夜はクラヴ・マガ(格闘術)の幼児クラスをボックスヒル(Box Hill)というところで教えていますが、それは続けるそうです。

今日は火曜日。その幼児クラスがあります。その場所からは、住んでいるシェアハウスよりも私達家族の家の方が近いので、時々家に帰って来ます。今日も帰って来るそうなのですが、今日帰って来るのには理由があるんです。

知能検査の練習をしたいんですって!

大学で知能指数「IQ」の検査について勉強しているんでしょうね。臨床心理士は、知能検査が出来なくてはいけませんから。

「IQ」というのは英語の「Intelligence Quotient」という言葉の略語ですが、これを「頭の良さ」と捉えている人が多いですけど、ちょっと違うんですよ。

確かにIQが高い人は、いわゆる「頭が良い人」である場合が多いですけど、知能というのは幅広い能力の集まりですから、それを測定する検査にも種類がいろいろありますし、検査の種類によって指数も変わってきます。

知能検査は、子供の発達の状態を知り、最も適切な指導の方向性を考えるために行われることが多いです。

非常に高いIQを持っていることが分かったり特別な才能を持っていることが分かった子供は、特別な教育を受けることができる場合があります。飛び級して小学生の年齢なのに高校レベルの学習を終えて大学に入学したりすることもありますけど、日本はこの点で大変遅れていますね。

IQが低くて学習が遅れる子供への対応はしていますが、その逆の場合への対応はシステム化されていません。「出る杭は打たれる社会」の日本では、特別に才能を持った子供はその才能を伸ばすための教育機会が与えられていないのが実情です。

それはともかく…

大人の知能検査は、入社テストに取り入れられることがよくあります。その人の知的能力を客観的に把握するため、また得意なことと苦手なことなど特性を知るために行われることが多いのですけど。

知能検査は、筆記試験のように集団で行うこともありますが、受検者と検査者が一対一で行う個別式の検査もあります。うちの娘はこの個別式の検査の練習がしたいと言っているんです。

でも、私は、

知能検査は受けたくない…

どの検査をするのかは知りませんがね、オーストラリアで一般的なIQテストというのは、パズルみたいなやつですよ。

私は、本来パズルみたいなやつは得意ではないんです。最近脳みそが劣化しているせいか、パズルとかは考えていると気持ちが悪くなるから楽しくないので、することもないです。

ああいうテストで低いIQが出るとイヤだな。

うちの夫はこういうのが大得意ですしIQテストは何度か受けたことがあるし、夫なら喜んで協力するでしょう。夫の家族には、ああいうパズルや計算が得意な人が多いのですよ。

IQも高いらしくて、メンサ(MENSA)という上位2%のIQを持つ人達が参加する団体のメンバーになっている人もいるらしいですけど、うちの夫はメンサなんかに興味は無いそうです。

私はパズルや計算では話にならないけど、表現力や創造力では負けていませんよ。夫の家族は美術とか音楽の分野ではとってもイマイチな人達だけど、私は得意ですしね。

人間の知的能力っていろいろなんです。IQが全てじゃあないから気にすることはないんですけど、私はIQテストはやりたくないの。

夫がダメならうちの息子に頼みます。


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2023年2月20日

洗車とやけくそ食い

うちの夫は最近自転車で通勤しなくなっていますから、誰かが送り迎えをしなくてはいけません。現在勤めている店舗ならバスでも行けるんですけど、バスで行ったりしません。

スタッフの一人のCさんが、随分遠回りになるのに車に乗せてくださることがよくあります。帰りも乗せてくださいます。でも、さすがに毎日というわけには行きませんし、日曜日はCさんは仕事がお休みでバスも走っていませんから、私が送り迎えをするしかありません。

するしか無いと割り切っていますからしていますけど、私だって努力しているんですよ。もうかれこれ2年近くも夫の運転手役をやっていますけどね、必要な時にはトラックだって運転してあげたし、トレーラーを牽引して高速道路を走ったりもしましたよ。

努力してあげているのです。

運転もしてあげているけど、それ以外にもいろいろしてあげていますよ。腎臓提供の件だって、本当はして欲しくないけど協力してあげているし、腎臓提供のために減量しなくちゃあいけないので、栄養のある低カロリーの食事作りに毎日取り組んでいます。

我慢もいろいろしています。何事もやりかけたら使った物を出しっ放しにして途中止めをする夫の悪癖だって、私は我慢しています。脱いだら脱いだままの服が転がっていても耐えていますよ。

うちの夫にはいろいろ不満はあるんですけど、言ったところでどうにもならないと分かっていることは我慢するしか無いですから。

最近の私は収入が無くて全面的に夫に頼っているので、したいことがあってもお金がかかることは諦めることが多いです。

でも、私には一つ、どうしてもしたいことがあったんですよ。

それは、

カローラの洗車!

もう1年以上どころか、覚えていないくらい洗っていません。さすがにひどい汚れです。

自分で洗うのは大変だし(とにかく手が痛い!)洗うための道具も持っていないので、ドライブスルーの洗車機で十分なんですけど、自分一人で洗車機に入ったことがないから怖いんです。

お金はかかりますけどね、大した額じゃあないですよ。15ドルくらいでしょう。

夫を迎えに行った帰りに洗車をしたいと何度か頼んで来たんですが、いつも今日はやめておこうという話になって先延ばしにしているうちにカローラはひどい有様なんです。

それで、昨日こそは夫を迎えに行った帰りに洗って帰ろうと決心していました。

何を頼んでも気持ちよくやってくれることがほとんど無いので、最近はもう何も頼まなくなっていますが、帰り道にドライブスルーの洗車機に入るのは難しいことではないでしょう。

4時に迎えに来てくれと言われて4時前に着いて、夫が帰る準備ができるまで25分も待たされました。

「帰りに車を洗って帰りたいんだけど、いい?」
「いいけど…」
「この近くだとカーウォッシュはどこにある?」
「家でも洗えるよ」
「え?」

それを聞いて思い出したのが、先日ごみ屋敷状態のガレージで見つけた新品の高圧洗浄機のことですよ。私には何も言わずにいつの間にか買っていたんです、3000ドルもする高圧洗浄機を。

「あれを使うつもりだな!」と思いました。あんなすごい高圧洗浄機を私に何も言わずに買ったので、あれを使ってカローラを洗ってくれるということに違いない。

「そう?じゃあまあいいか、家で洗うか」

昨日こそは洗うと決めていたのに、洗車はせずに家に帰りました。

私はすぐに晩ご飯の準備を始めましたが、夫はいつものようにテレビの前に座ってドラマを見始めました。洗車をしてくれそうな気配はゼロです。

まだ5時前でしたし、快晴で気温も高く、高圧洗浄機を使ってみるのにはうってつけの天気だったのに。

「ちょっとお、車を洗うのって、あの高圧洗浄機を使うの?」
「違うよ、バケツで洗える」
「バケツ?誰が洗うの?」
「…」
「私が洗うの?それが出来るのならとっくにやっているわ!それが大変過ぎるからカーウォッシュに行きたいって何度も頼んでいるのよ!」

私はこれでプッツリ切れてしまいまして。

「洗剤はどうするの!キッチンの洗剤で洗うの?」
「そうです」
「バケツで洗うための道具は持ってるわけ?」
「はい持っています」
「そりゃあ持ってるでしょうね、あのガレージには何でもあるから!」
「…」

いやあ、切れる時にはこんな些細なことでも切れますね。それも一瞬で。


この怒りのせいで最近やっているダイエットの食事制限に自暴自棄になってしまい、昨夜はむちゃくちゃ食べてしまいました。

やけくそ食いというやつね。

晩ご飯はいつもほとんど食べないのに、昨夜は肉も食べたし、チーズも食べたし、甘いものもいっぱい食べた。食べ物でフラストレーションや怒りを発散してしまったわけで、食べた後で後悔しましたけど、もう後の祭りです。

そのせいで余計に腹が立ちましてね。

いくら鈍感な夫も「洗車の件で私が怒っている」ことに気付いているはずだと思いますが、これもまた私の思い込みで、夫はな~んにも感じていないかもしれません。

「私は怒っていて、それはアンタが洗車に協力してくれないからだ」と言葉にして伝えないと夫は分からない可能性はあります。

今週、夫はメルボルンの店舗でマネージャー研修なので、私が送り迎えをする日が無いです。研修には、別の店舗のマネージャーの方に車に乗せてもらって通うそうですから。

次に洗車を頼んだ時には一緒に行ってくれると思います。行かないという選択肢は無いはずです。

でも、それは少なくとも1週間以上先のことですよ。

ダイエットのためだと思って、カローラの手洗いを自分で頑張ろうかどうしようかと今考えているところです。 

しかし、自分で手洗いするためには、ごみ屋敷の中からバケツやスポンジなりブラシなりの道具を見つけないといけません。それが一番大変かも。


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2023年2月19日

いい映画を観ました

「ザ・クワイエット・ガール」(The Quiet Girl)というアイルランドの映画です。今ならSBS放送のオンデマンドで観ることができます。

珍しいアイルランド語の映画です。

今年の映画賞シーズンは、多くのアイルランド人俳優がノミネートされたり受賞したりしています。私は「イニシェリン島の精霊」(The Banshees of Inisherin)というアイルランド映画に興味があって観たいと思っています。

この映画では、何と出演俳優が4人もアカデミー賞にノミネートされているんですよ。作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、そして作曲賞までノミネートされているんですから見逃せません。

ところが、映画の予告編を見たらですね、英語がよく分からなかったんです。アイルランド英語には独特のアクセントがあって。

だから、ストリーミングで英語字幕付きで観れるようになってから観ようと思っています。同じ予告編を何度も観ているうちに聞き取れるようになったので大丈夫かもしれませんけど、やっぱりちょっと自信がないです。

アカデミー賞にノミネートされているアイルランド映画がもう一つあって、それが国際長編映画賞にノミネートされている「ザ・クワイエット・ガール」なんです。

すでに多くの賞を受賞している作品ですが、アカデミー賞にアイルランド語のアイルランド映画がノミネートされたのは初めてだそうですよ。


家庭に恵まれない子供はどこの国にも大勢いるわけなんですが、主人公のおとなしい少女カイトもそんな子供の一人です。

1981年の夏のお話です。

アイルランドの田舎に暮らすこの少女の家族は、両親は不仲、ろくでもない父親は子供達に愛情などありません。子だくさんで経済的に困窮していているのに母親はまた妊娠していて、心身ともに疲れ果てている様子ですから子供に愛情を注ぐゆとりなど無いわけで、子供達は皆んなネグレクト気味です。

この家庭には安心も喜びもありません。緊張と不安があるだけ。

母親の出産を前にして、この内向的な少女のカイトが母親の遠縁の夫婦に預けられるのです。そこで少女は初めて愛情のある家庭というものを経験します。

特に大きな事件があるわけでもなく、ただ少女の毎日の暮らしがゆっくりと描かれ、少女が心を開いていく様子や少女を預かった夫婦の心の変化や、少女と夫婦との間に絆が結ばれていく様子が描かれます。

しかし母親は出産を終え、夏休みも終わり、少女はあの暗い家庭に帰らなければなりません。

最後のシーンでは、涙が出ました。

子供は親を選ぶことが出来ません。この少女のように不幸な子供はいっぱいいるんですよね。でも、ある出会いが子供の人生を変えるきっかけになることもあります。カイトの人生が変わって欲しいと願わずにはいられませんでした。


アイルランドという国は、国民のほとんどが保守的なカトリック教徒のために、離婚も避妊も中絶もできなかったのですが、アイルランド社会も変わって来ています。

今では離婚も中絶も法的に認められていますし、2015年に行われた国民投票で同性婚を認めることが決まった時には、世界中が驚いたものですよ。

保守的と思われていたアイルランド国民の6割以上が同性婚に賛成したんですから。国民投票の結果を受けて、アイルランド議会は性別に関係なく結婚ができるように憲法を変更したんです。

アイルランドが出来るなら自分達の国でも出来ると、多くの活動家は思ったんです、あの時。

長年英国の植民地として苦しみ、19世紀の飢饉では多くの国民が餓死したり海外に移民したりして、国の人口が半分に減ったというのは有名な話です。

ヨーロッパの中でも最貧国の一つだったアイルランドですが、近年どんどん進歩的な国に生まれ変わり、大きな経済成長を遂げています。

そのアイルランドが、まだ不幸だった頃のお話「ザ・クワイエット・ガール」です。機会があればぜひ観てみてください。

オーストラリアにお住まいなら、SBSのオンデマンドで今すぐ観れます。


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2023年2月18日

終わりなき闘い、相手は泥棒

昨日は暑かったですよ。

最高気温は41.4度でした。うちの夫がシーツを洗ってくれと言うので洗濯機3杯分の洗濯をして干しましたけど、午後遅くに洗濯物を取り込む時は最悪に暑かったです。

気温が40度を超えるような時は乾燥しているので耐えられる暑さなんですが、体温よりも遥かに高い温度の風が吹いていましたからね、こういうのは久しぶりだなあと思いました。

つい先日は暖房が必要だったというのがウソみたいです。クールチェンジが来て夜の間に気温は下がり続け、今朝は肌寒いです。

しばらく涼しい日が続いて、水曜日からまた暑くなるそうです。メルボルンの天気は、こんなふうに暑くなったり寒くなったりします。

ところで、

うちの夫が勤めているツールショップにしょっちゅう泥棒が入るという話は、このブログでも度々話題にしておりますが。

つい先日も男1人女2人の3人組の泥棒が入り、夫が言うところの「エキサイティングな一日」について書いたばかりですけどね、あの3人組が一目見てメタンフェタミン(覚醒剤)の中毒者であるらしいと分かったように、最近の泥棒は違法薬物を買うお金欲しさというのが多いそうですよ。

真夜中に4人家族が総出で盗みに入って数百万円分の商品をごっそり盗んで行った一件は、薬物がらみかどうかは分かりませんけど。

こういうのがあまりにも多いので、警察もご苦労なことだと思いますが、ツールショップのスタッフも大変なんです。常に警戒して対策も立てていますけど、次々に現れる泥棒との闘いに終わりは無いのですよ。

うちの夫が務める店舗には一昨日も泥棒が入り、チェーンソーを盗まれそうになったそうです。それを防いだのがうちの夫です。

防犯カメラの映像を見せてもらいましたけど、その泥棒はごく普通の若者に見えました。

入口近くのレジにスタッフが誰もいなくなった一瞬のすきに、この店舗で売っている最も高額なチェーンソーを手にして、何知らぬ顔で出入り口から出て行こうとしたところに戻って来たのがうちの夫。

「おい!」と言われて慌てた男は、「あっそうか、あれも必要だった!」と言ってチェーンソーをそこに置くと、何かを探しているふりをして再び店の奥に入って行きます。

うちの夫がそのチェーンソーをレジに運んでいるすきに、男は逃げて行きました。

チェーンソーは盗まれずに済みましたが、防犯カメラの映像から男は小さな商品を服に隠して盗んで行ったことが分かりました。男の車にはナンバープレートが無かったそうです。

こういうナンバープレートの無い車でやって来て窃盗を働くというのは常習犯の可能性がありますのでね、盗まれた商品は大した額のものではなかったそうですけど、警察に被害届を出すことにしたそうです。

防犯カメラの映像には男の顔がはっきり写っていましたから、知っている人が見ればそれが誰かはすぐに分かるはずです。

この程度の盗みで警察が捜査するんだろうかと思いましたが、実はこういう小さな一件から身元が分かって、家に行ってみたら盗んだものがたくさん見つかって、刑務所行きになることもあるんですって。

ホントに泥棒に入られる頻度がすごいです。


昨日はうちの夫は仕事が休みで家にいたので、警察に提出する書類や証拠の防犯カメラ映像などを準備していました。準備ができてから警察に電話をして相談し、うちの息子に警察まで連れて行ってもらって被害届を出したそうです。

仕事の日は忙しくてこんなことをやっている時間が無いので、休みの日を利用してするというのがうちの夫らしいです。

男の車にはナンバープレートが無かったし、手がかりは防犯カメラの映像だけということですから、捕まえられるかどうかは分かりませんと警察には言われたそうですが、被害額はわずかですしね、何としても捕まえて欲しいとも思っていないんですよ。

でも、あの男はきっと別の場所にも泥棒に入るでしょうから、捕まるかもしれません。どこでどういうことになるか分かりませんからね、この男からもっと大きなシンジケートみたいなのが見つかる可能性もあるのです。

ツールショップでは、商品を盗まれる被害があまりに大きいので、出入り口にスタッフが交代で立って、出ていくお客が商品を盗んでいないかをチェックすることになったんですが、そんな警備員みたいな仕事をさせられるのがイヤで辞めていくスタッフもいます。

暴力的なお客もいますしね、私だったら出来ないわ、そんな仕事。

夫が勤める店舗では、見張りはやっていないことが多いみたいです。スタッフが見張りに立っていても、泥棒が逃げるのを止められないこともありますし、先日の記事にも書きましたが力づくで止めようとすると泥棒がナイフを取り出して抵抗したりもするんです。

武器を持った泥棒と格闘なんて、危なすぎるじゃあないですか?

ツールショップのスタッフは、そんな訓練は受けていませんからねえ。

本当に大変ですよ。


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2023年2月17日

頭痛持ちと片頭痛持ち

私は若い頃から頭痛持ちで、しょっちゅう頭が痛くなって困っていました。

バファリンという頭痛薬をしょっちゅう飲んでいました。(ちなみにオーストラリアにはバファリンはありません。)

バファリンを飲むと痛みは楽になりますが、頭痛が直るわけではないので何度か繰り返し飲むことになるわけですけど、私はバファリンを飲むと耳が聞こえにくくなっていました。

耳の中に何かが詰まっているというか何かが膨らんでいるような感じがして、聞こえにくくなるのですよ。完全に音が聞こえなくなったことはないんですけど、小さいくしか聞こえなくなるので心配しながらも飲んでいたんです。薬の効き目が消える頃には耳も聞こえるようになるのでね。

てっきりアレルギー反応だろうと思い込み、バファリンの主要な薬成分であるアスピリンが良くないと長年思っていたんですけど、いつだったかアスピリンのせいで耳が聞こえなくなるかどうか試してみようと思ってアスピリンを飲んだら何ともなかったんですよ。

何が原因だったんでしょうか。

とにかく、オーストラリアに住むようになってからも頭痛には頻繁に苦しんできました。しかし、うちの夫の頭痛はちょっと比べ物にならないほどひどいものだったんです。

夫の頭痛は、薬を飲んでも楽にならず、いつも必ずひどい吐き気をともないました。動くこともつらいらしいのですけど、頭痛が始まってしばらくすると必ずトイレに駆け込んで嘔吐し、嘔吐した後は吐き気が和らぐので少しは楽になるそうですが、日常生活はままならない状態です。

この頭痛が始まると寝室のカーテンを締めて暗くして、家族は物音を立てないように静かにしてあげる必要がありました。

半日なんかあじゃあ回復しませんから、頭痛が起きたらその日はもう寝ているしか何もできなくなるのです。

夫はこの頭痛を「マイグレン」(Migraine)と呼んでいました。日本語では片頭痛と言うんですね。片頭痛というのは聞いたことがありましたけど、実際に片頭痛で苦しむ人を見たことがなかったので、最初は驚きましたよ。

私の頭痛も相当ひどい時があるんですよ。片頭痛のようにこめかみから側頭部のあたりが脈打つように痛むこともありますが、嘔吐したりはしません。そういう時には強い頭痛薬が必要ですが、薬を飲めば楽になるものです。

さて、

この頭痛体質ですけど、遺伝するらしいですね。

頭痛持ちの母親と片頭痛持ちの父親から生まれたうちの息子がですね、気の毒なことにひどい頭痛持ちなんですよ。そして片頭痛にもなるんです。

息子は、うちの夫の健康問題を引き起こす遺伝子をいろいろ引き継いでいるらしくて、肝臓に鉄が過剰に蓄積される病気「ヘモクロマトーシス」も引き継いでいますし、遺伝性の黄斑変性も引き継いでいる可能性があるらしいのですけど、片頭痛も引き継いじゃっていてね。

しょっちゅう片頭痛でダウンしているんです。

昨日も朝から家の中でサングラスをかけているので何事かと思ったら、片頭痛が始まっていたのです。サウナみたいに暑い2階の寝室で扇風機全開で寝ているのも良くないんですよ。

トイレでゲボゲボやっている音が聞こえて来ましたので、お母さんは居間のエアコンを付けてカーテンを全部閉めて暗くして、ここで寝なさいと命令しましたよ。

夫の片頭痛にはアスピリンが一番効き目がある言いますが、アスピリンは血液を薄くして流れやすくするので息子の痔には良くないんだそうです。それで、普通の頭痛薬の「パナドール」(Panadol)という薬を飲んでいますが、片頭痛には効き目が今一つのようです。

最近は片頭痛によく効く薬があるそうなので、息子は医者に相談して薬を処方してもらっておいた方がいいでしょう。


私の頭痛も、ひどい時は「パナドール」では効き目が弱くて楽になれません。「パナドール」にコデイン(Codeine)が添加されている「パナディン」でも効き目が足りないことがあります。

一番効くのは、「パナディン・フォルテ」という強力な鎮痛薬で、これは頭痛以外のいろいろな痛みに効果がありますから、いつも医者に処方してもらっていたんですけど。

考えてみると、もう何年も処方してもらっていませんよ。「パナディン・フォルテ」が必要なほどの痛みに困っていないということですね。

私の頭痛の原因は、ストレス、肩や首のこり、寝不足、そして人混みや騒音などです。メンタルの問題があった頃は頻繁にひどい頭痛に苦しみましたが、最近はストレスが減っていますし、人混みや騒音のひどい場所に行くことは無いですし、睡眠不足も解消していますからね。

頭が痛くなるのは、肩や首のこりが原因のことが多い気がします。そういう頭痛は「パナドール」で十分なんですね。

うちの夫も、片頭痛でダウンすることはめったに無くなりました。片頭痛には前兆があるので、これから片頭痛になりそうだと分かるとアスピリンを飲むんだそうです。その対策のせいなのかもしれないし、歳をとってきたからかもしれません。


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2023年2月16日

夏の一日に思うこと

2月といえば最も暑い時期なのに、先日は寒すぎて薪ストーブに火を入れましたし、ここ数日も長袖シャツにカーディガン、早朝には防寒コートを羽織ったりという異常な気温で。

このまま夏は終わっちゃうんだろうか…

と思ったりしていたんですが、終わっちゃうわけがなかったです。暑くなったり寒くなったり、それも激しく変化するのがメルボルンの天気ですからね。

昨日の朝、銀行に出かけた時にはカーディガンを着ていましたが、帰る頃には汗が出ましたよ。あっという間に暑くなって、気温は33度を超えました。

今日は37度、明日は39度の予報です。

我が家の敷地は、毎年夏には草が枯れて砂漠のようになるんですが、今年は緑の草が生えています。

特にこの部分は草が青々しています。


草を切ったばかりなので良く分かりませんけど、この部分は青々しているだけじゃあなくて、分厚くて大きい葉っぱの草が育つんですよ。

なぜかと言うと、水洗されたトイレの排水を貯めるセプティックタンク(汚水浄化槽)から流れ出る上澄みの汚水を土壌処理するためのパイプが埋めてあるからです。

要するに地面の中に肥料が流れているみたいなもんです。

ここに生える草は美味しいらしくて、カンガルーくんが食べに来ていたのに最近見かけません。元気でいるんでしょうかね。


この写真を撮ろうと外に出た途端に蚊に刺されました。

うちの息子も最近やたらに蚊に刺されると言っています。うちの夫の寝室にも蚊が出ているらしくて、夫は蚊取りランターンを使っているようです。

ついに例のボウフラが蚊になったんだと思いますよ。

先日からおたまじゃくしのことで話題にしている我が家の噴水の水を溜めプールにいたボウフラです。うじゃうじゃいましたからね。

今年はプールにおたまじゃくしが出現したので、水がお湯になっておたまじゃくしが死なないようにと板をかぶせたりして保護しています。だからボウフラも保護されて、無事に羽化したということなんでしょう。


考えてみると、今年の夏は蚊にしてもハエにしても蛾にしても、虫に悩まされることが無かったです。セミの鳴き声もあまり聞かなかったし、アリも見かけませんでした。

肌寒い日が多かったせいでしょう。ヴィクトリア州では大きな森林火災もありませんでした。

世界各地で地震や洪水といった災害が発生し、戦争が続いている国もありますしますし、人々が弾圧されて苦しんでいる国もある。銃の乱射事件や殺人が日常茶飯事のように発生している国もあります。

毎日そういうニュースを読みながら、メルボルンは平和だなあと思いますね。

森林火災や干ばつを除けば自然災害とはほぼ無縁で、平和で安全、自由で人権が尊重される平等な社会です。私達家族は、毎日食べることの心配も寝るところの心配もありません。

恵まれているなあとふと思いました。


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2023年2月15日

腎臓提供の先行きに懸念

健康な腎臓を必要としているどこかの誰かに自分の腎臓を一つ差し上げたいという希望を持ったうちの夫が、一昨年から検査を続けていることは本ブログで度々話題にしております。

私はね、腎臓を提供するのがこんなに難しいとは知りませんでしたよ。

一体今までにどれだけ検査をして来たことか。その数も種類も本当にたくさんですよ。しかし、長くかかった検査もそろそろ終わり。腎臓の摘出は今年の3月か4月頃という話を聞いていましたから、うちの夫もその気になっていたんです。

先週は、これまでの検査結果の評価を別の医師にしてもらうためということで、手術をすることになるオースティン病院(Austin Hospital)で診察を受けまして、夫の腎臓はたいへん良い状態なのでもらう人はラッキーだと言われたそうでね。「さあいよいよだぞ」と思っていたに違いないんです。

ところが、

実は、昨日も診察があったんです。昨日はいつも行っているボックスヒル病院で、先日受けた血液検査の結果を聞くことになっていたらしいのですけど、夫はおそらく手術の時期が分かるだろうと考えていたそうです。

しかし、医者から言われたのは、先日の血液検査の結果、夫の肝臓に懸念されることが見つかったということでした。

肝臓に嚢胞(のうほう)があることはスキャン検査で分かったんですけど、それは腎臓の提供に問題は無いということでした。

懸念されることというのはですね、「ヘモクロマトーシス」という肝臓や膵臓などに鉄が過剰に蓄積される先天性の病気のことでした。「ヘモクロマトーシス」のことは最初から報告してあったのに何で今頃問題にするんだろうかと思ってしまいますが、先日採血したもので夫の遺伝子を調べたそうなんです。

ちなみに、「ヘモクロマトーシス」というのは、肝臓や膵臓などに鉄が過剰に蓄積される病気ですが、夫の場合は肝臓に過剰な鉄が沈着して、肝炎や肝硬変、肝臓がんを引き起こすのだそうです。

治療として定期的に瀉血(しゃけつ)を行います。瀉血というのは、簡単に言うと血の抜き取り。体内から過剰な鉄を排出させるために、鉄が含まれている血液を抜き取る、つまり早い話が定期的に献血に行っているということなんですが。

ここ数ヶ月は献血に行っていないんですよね。腎臓を提供するために。

「ヘモクロマトーシス」を引き起こす遺伝子がセットで存在すると深刻なんだそうですが、うちの夫は2種類の遺伝子が一つずつあることが分かったそうです。

夫の肝臓は脂肪肝であるとも言われたそうです。肥満ですからね、そんなことは言われなくても分かりますけど。夫は減量にも取り組んでいるんですよ。ただ、脂肪肝が腎臓を提供できない原因になるとは本人は思っていなかったでしょう。

太り過ぎていると、腎臓を取り出すのに苦労するくらいの認識だったんじゃあないかと思います。

とにかく、「ヘモクロマトーシス」で脂肪肝の肝臓について、もっと検査をしないいけないと言われたのだそうです。腎臓を一つ失うと糖尿病とか心臓病とか病気になるリスクが高まりますから。

腎臓を提供した人は肥満になる頻度が高いそうで、肥満は腎機能の低下を招くことが分かっていますからね、提供する前からすでに肥満というのでは心配ですよ。

「あなたは腎臓を提供できない」と言われたわけではないですが、夫は大変がっくり来ています。

もう一年以上に渡って様々な検査を受けて来たわけですが、検査を受けたり医者に会ったりする度に、有給休暇や病気休暇を使って来たので休める日がどんどん減って来ているんですって。

手術後に少なくとも2週間くらいは休まなくてはいけないので、検査と診察で休みを使い果たすと休めなくなりますよ。それに、年度末の6月が近づくと忙しくなるから休みは取れなくなるそうで、手術のタイミングのことも問題になっているようです。

まだあきらめていないそうで再び肝臓の検査をするつもりだそうですけど、もう何ヶ月も瀉血をしていませんから肝臓に鉄が蓄積している可能性は大きいです。

どうして一度に全部の検査をやってはっきりさせてくれないんだろうと、昨日はイライラしていました。


私はどう思っているのか?

私は、リスクがあるなら腎臓を提供するのは止めた方がいいと思っていますよ。さらなる肝臓の検査に加えて精神科医の診断も必要なのですけど、うちの夫はメンタルが不安定になることがある人ですからね。今は薬のおかげで落ち着いていますが、それでも「うつ傾向」の時期と「躁傾向」の時期があるんです。

それに、いずれ目が見えなくなるんですよ。身体を動かすことが少なくなれば、それこそ糖尿病になる可能性が大きくなるじゃあないですか。

健康にリスクのあることはして欲しくないというのが私の気持ちですけど、自分がやりたいことがあると他人の言葉など聞きませんからね。

「提供できないことになっても、それは仕方がないことだし、そのために検査をして来たんだし、いろいろタダで検査をやってもらって自分の身体のことが分かったから、それはそれで良かったと思った方がいいんじゃあないの?」と言いましたら、「うん」とは言いましたけど。

医者には早く「あなたは無理だ」と言って欲しいです。


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2023年2月14日

3回目の手術も全額自己負担で

度々このブログで話題にしている息子の手術の件ですが。

うちの息子がハイスクールの頃から痔の問題を抱えていたことを知ったのは、状態が悪化してついに医者に相談したというのを息子から聞いた時でした。もう3年以上前のことです。

私達家族が経済的に苦しかったのと、娘が精神的な病気で苦しんでいて、その治療費の工面にも親が苦労しているのを知っていた息子は、自分の痔の問題については誰にも言わずに我慢していたのです。

ついに医者に相談したら、相当状態が悪かったらしくて、すぐに公立病院の専門医の診察を受けられるように手配してもらえたんですが、オーストラリアの公立病院はとにかく順番待ちが長いもんですから、検査をしてもらうにも検査の結果を聞きに行くにも毎回むちゃくちゃ時間がかかってですね。

やっと手術をしてもらうことが決まった頃に新型コロナのパンデミックが始まりました。命に関わらない手術が延期となってしまったのですよ。

息子の痔はさらに悪化して、激痛のために寝たきり状態になってしまいました。これ以上待てないということで、息子は民間の病院で手術を受けたんです。民間の病院では、通常通り手術が行われていましたから。

公立の病院で手術をしてもらうと無料なんですけど、民間の病院では高額な手術費用がかかります。民間の医療保険に入っていれば、手術費用の何割かは保険でカバーされるのでしょうけど、我が家は民間の医療保険に入る経済力はありませんから、手術費用は全額自己負担となりました。

ちなみに、民間の病院で手術を受ける時には、手術をしてくれる医者に支払う分と麻酔医に支払う分、そして病院の施設使用料の3つを全額前払いで払う必要があります。

この時の費用は、うちの夫の家族が援助してくました。

息子の痔は1回の手術では治らない重症でしたから2回目の手術が必要でしたが、2回目は公立の病院で受けられると聞いていたのに、新型コロナ患者が激増してメルボルンは世界最長となったロックダウンに突入。

1年以上待っても手術を受けられる見通しが立たないことから、結局、2回めの手術も民間の病院で受けました。それが昨年の2月です。1年前のことですよ。

民間の病院で手術を受けると決めてから手術をしてもらうまでたったの2週間でした。経済力があると、このように迅速に必要な医療サービスを受けることができるわけです。

さて、息子の痔は2回の手術でも治らず、3回目の手術が必要でした。

3回目の手術は複数の公立の病院で順番待ちのリストに入っているから年末までには順番が回って来ると聞いていたのに、全く連絡が無いまま年が明けました。

新型コロナは患者も減ってメルボルンでは入院している人もほとんどいなくなっていますが、待てど暮らせど順番は回って来ない。

最近は物価の上昇で生活に困っている人が増え、地域のGP(一般開業医)に行けば済むような問題なのに、無料で診察を受けられる公立病院の救急外来にやって来る人が急増しているとかで、一部の病院では患者数に対応できないために手術が延期になっているというニュースもありました。

こんな状況では、いつ3回目の手術をしてもらえるか、全く見通しが立ちません。

息子は就職のチャンスや大きな仕事を受けるチャンスがあっても、3回目の手術がいつになるかが分からないためにそうしたチャンスを逃しているのでございます。

昨日も再びフルタイムの仕事に就ける話があったんですが、手術のことがあるから決められないということになり、このままズルズルと再び一年間待たされ続けて、結局順番は回って来ないということも考えられるわけです。

それでね、3回目の手術も民間の病院で受けることにしたんです。もちろん手術費用は全額自己負担ですよ。息子は、フルタイムの仕事に就けば今回の手術費用くらいはすぐに稼げると言っています。

早速予約を入れました。前回と同じ病院で来月の8日に手術と決まりました。

ホントに命も健康もお金次第なんですよ!


結局3回とも費用自己負担で手術を受けることになるなら、もっと早く手術してもらって、もっと早く普通の若者の暮らしができるようになれたのに。

可哀想なことをしたと思います。

何年も棒に振りましたからね。

とにかく、早くすっかり直って、おトイレの心配が無くなって、好きなことが出来るようになって欲しい。それだけがお母さんの望みです。


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2023年2月13日

ごみ屋敷の片付けと「何だこれ!」

うちの夫の持ち物とガラクタでごみ屋敷と化している我が家のガレージ。

本来は普通車なら3台は停められるくらいの広さがあるんですけど、収納棚や戸棚やキャビネットのせいで狭くなり、モノで溢れかえっていて、掃除も出来ないから汚れまくりで、文字通り足の踏み場も無い。

衣類乾燥機はこのガレージに置いてあるのですけどね、乾燥機を使いたくても安全にそこまで辿り着けないくらいに大散らかりなんです。ドアから3メートルほどの距離なのに。

「ヒロコは掃除をするな!片付けもするな!」と言われていましたから、見ないふりをして来ましたけど、一度だけドアから乾燥機までのルートを片付けて掃除をしたことがあります。自分の安全のためです。

しかし今は再びその3メートルは危険な道に逆戻り。乾燥機は死んだも同然で使うことも無くなったので、もうどうでもいいわと私はすっかり諦めました。

夫にもしもの事があったら「私は片付けをしないからね!アンタ達が何とかしてよ!」と息子と娘には言ってあります。娘は「その時は簡単なこと!全部ごみ捨て場行き!」と言いました。

それを聞いて、宝の持ち腐れであるツール類を知り合いに譲ると夫は言ったんですけど、言っただけでした。

うちの夫はですね、遺伝性の黄斑変性で目が見えなくなって来ていますから、持っているツールの多くはもう使わないんです。使わないものをいつまでも溜め込んでいるのはいけませんよ。

いずれこの家から引っ越さなくてはいけないのに、引っ越しを困難にするのはこのごみ屋敷ガレージだということは明らかなんです。

先月だったか、夫は持っているツールをフェイスブックのマーケットプレースで売ることにしたと言ったんですけど、まだ何もしていません。

やっぱり今回もまた言っただけ…

と思っていたら、一応少しずつガレージを片付けているようなんですよ。

昨日、ペンチを探しにガレージに入ったら、確かに以前に比べると床が見えるようになっていて、足の踏み場ができていました。


収納場所は山ほどあるのに、使ったものを片付けないから収納棚や戸棚はどんどん空になり、床がモノで埋まっていたんですけど、床が見えるようになったのは大進歩。

「雨垂れ石をも穿つ」と言うか、少しずつでも片付けていれば、いつかはごみ屋敷状態も解消するかもしれないなとは思いました。

その時ですよ。

目に入ったものがあったんです。

何だこれは!


つい先日ガレージに入った時にはなかったですよ。使用した形跡がない新品の高圧洗浄機です。

まさか買ったんじゃあなかろうな!


買ったんだそうです。

3000ドル(30万円)もするプロ用の高圧洗浄機ですよ。ガソリンで動かすタイプです。

「何に使うの?」と尋ねると、夫は「木の根っこに使う」と言いました。

夫は息子と一緒に、夫の父親が昨年8月に売りに出して未だに売れていない家の31エーカーもある敷地のメンテナンスをやっていますが、草刈りを困難にしているのが折れたり倒れたりした木なんだそうで。

そうした木を切って片付けるのに、どうして高圧洗浄機が必要なのか私には分かりませんでした。

息子の話によると、木の根っこの泥を落とすのに必要なんだそうです。根っこごと倒れた大きな木の根っこには泥がいっぱい付いていて、それが乾燥して岩のように固まっているので、そういうのは切るのも燃やすのも困難なんだそうです。

泥を落とすのは大仕事で時間もかかるので、高圧洗浄機があると便利だということなんですけど。

息子が根っこごと倒れた木の写真を見せてくれましたが、私の背丈よりも大きい根っこ部分は確かに泥まみれでカチカチでした。切るのも燃やすのも困難というのは分かります。

だから高圧洗浄機が欲しかったのかと理解は出来ましたけど、3000ドルですからね。

木を切るのにも、もっと性能の良いチェーンソーが必要だと言って高額なチェーンソーを買いましたし。

メンテナンスの仕事をするのにあれが要るこれが要るとツールを次々に買っているので、夫の父親にメンテナンスの報酬としてもらっているお金の大半はツールの購入に消えているわけですよ。

そして、ガレージがそうした新しいツールで埋まって行くわけです。

……

気にしない!気にしない!

 
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2023年2月12日

「The Last of Us」と菌類の危険

以前、うちの家族は「ゲーム・オブ・スローンズ」というTVドラマに夢中になっていまして、新しいエピソードが放送されるのを毎週楽しみにしていたものです。

私はどうしても興味がわかず、一度も見たことがないのですけど。

ついにシリーズが終わった時には、「ゲーム・オブ・スローンズ」ロスみたいになっていましたよ。「ああ終わっちゃった… これで楽しみにするものが無くなった」みたいな。

しかし、最近うちの夫と息子は、再びあるドラマにハマっています。

「The Last of Us」(ザ・ラスト・オブ・アス)というドラマです。日本でも英語のタイトルのまま「The Last of Us」で放送されているようですね。


ご存じの方には説明をする必要も無いわけですが、このドラマは同じタイトルのビデオゲームを原作としているんだそうです。菌類の感染症パンデミックによって文明が崩壊したアメリカを舞台に描かれるサバイバル・アクションゲームだそうで、非常に高い評価を得たゲームなんだそうですよ。

このゲームを米テレビ局HBOがドラマ化したんだそうですが、ゲームのファン達をも夢中にさせるすごいドラマなんですって。

もちろん私はゲームのことも知らないし、このドラマを見たこともないんですけど、夫と息子のハマりようを見ると相当面白いんでしょうね。

菌類に感染した人間が凶暴化してゾンビのように他の人間達を襲い、感染が広がって世界が崩壊しつつあるという設定だそうです。ゾンビとはちょっと違って、菌類に感染した人間はいずれキノコ人間化して死ぬらしいですよ。

当然、感染していない人達は「感染した人達」を排除する必要があるわけですけど、「感染しているかもしれない人達」というのがいるわけですよね。この「感染しているかもしれない人達」との間に暴力的な線が引かれることの恐ろしさも描かれているそうです。

人間は、いつの世でも偏見や思い込み、体制側の都合などによって、一部の人々を排除したり殺したりしてきましたけど、「感染しているかもしれない」ということが差別や攻撃の原因になるというのは、新型コロナのパンデミックを経験した私達にはリアリティがあります。

昨日ABC放送のニュースサイトを読んでいたら、面白い記事がありました。

「The Last of Us」というビデオゲームの制作者は、デイビッド・アッテンボローさんがナレーションを務めるBBC制作の「Planet Earth」というシリーズで紹介されたあるエピソードに触発されたそうなんです。

そのエピソードでは、菌類に感染したアリが脳をハイジャックされて意思のコントロールを失い、最後には菌類繁殖の住処と化してしまう様子が紹介されているんですよ。

菌類に感染したアリは、自分の意思とは関係なく木に登ります。アリを内側から消化した菌類は、アリの身体から成長して(エイリアンみたいに出てくる!)胞子のシャワーを放ち、より多くの「ゾンビ」を作り出すのです。

だから、感染していないアリ達は、感染したアリを見つけると離れたところに捨てるんですよ。木の枝から下に落とすんです。


人間も菌類に感染することはありますし、菌類の感染症で亡くなる人はいますけどね、「The Last of Us」のようなことが起こりうるのかと言うと、人間の身体は菌類が生存し続けるには温度が高すぎるんだそうです。

しかし、新型コロナのウイルスが変異するように、菌類だって変異する可能性があるわけで、地球温暖化によって人間の体温でも生存できる菌類が出来る可能性はあるんですって。

菌類を研究していらっしゃる科学者の方は、人々に忘れ去られていた菌類の危険が「The Last of Us」というドラマのおかげで再認識されるようになったことを歓迎しておられるそうです。

ただし、それは感染症とか食品の安全とか生物の多様性へのリスクという点で重要なのであって、ゾンビパンデミックで世界が終わる心配は無いそうですけど。

いやあ、ウイルスにも菌類にも気を付けないといけないんです。


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2023年2月11日

心が砕ける災害と人間の愚行

英語の「Hearbreaking」(ハートブレイキング)という単語を辞書で引くと、「悲痛な」「つらい」と書いてありますが、「心が壊れる・砕ける」という文字通りの意味です。

トルコとシリアを襲った大地震ですが、本当に心が砕けそうになります。

だからあまりニュースを詳しくは読まないようにしていましたし、現地の皆さんが撮影してSNSでシェアしている動画も見ないようにしていたんです。こういう心を砕くようなニュースのせいで自分のメンタルが悪化したことがあるので。

今朝の時点で確認された死者数が2万1千人を超えていますね。まだまだ倒壊した建物の瓦礫に埋まっている人が大勢いるんですから、一体どこまで増えることか。

瓦礫の中からへその緒が付いた状態の生まれたばかりの赤ちゃんが助け出されたというニュースがありましたね。倒壊したアパートの瓦礫の中で赤ちゃんを産んだ若いお母さんがいたんですよ。もう想像を絶します。お母さんは亡くなったそうです。

倒壊したアパートの前で泣き叫ぶお母さんを撮影した動画も見ました。家族が瓦礫に埋まっているのでしょう。

犠牲になった赤ちゃんを抱いて泣き続ける若いお父さんの動画もつい見てしまいました。涙が出ました。

子供達が犠牲になったのを見るのは特につらいです。

あるお父さんが建物に閉じ込められた子供に、お父さんがお祈りを唱えるから後について言いなさいと大声で励ましている動画や、救助隊員が「眠っちゃダメだよ!チョコレートを上げるから頑張れ!」と励ましている動画も見ましたが、あの子供達が無事に救助されたことを祈ります。

それにしても、凄まじい被害の様子です。

トルコには世界各国から次々に救援隊が駆けつけ、支援物資も届いているそうですが、10年以上続く内戦で国が荒廃しているシリアでは、地震の被害にあった地域に援助がほとんど届いていないそうですね。

被害が大きかった地域は反政府勢力が拠点にしているとかで、外国からの救援隊が入ることも支援物資を届けるのも困難だと聞いていましたけど、今朝のニュースではシリアのアサド政権はそれを許可すると発表したそうです。

苦しむ人々を助けるのはあたりまえのことなんですけど、普段は殺し合っているわけですから、反政府の人々を助けるはずがありません。

ロシアは地震直後にトルコに救援隊を派遣しました。トルコでは被災者を助けながら、同時にウクライナでは地震以上の破壊を行っています。

莫大な資源と多くの人命を破壊と殺人のために使い、より暮らしにくい社会を作って何の得があるんでしょう。まあ支配者にとって得があるからやっているんでしょうけど。

人間は、愚かな殺し合いと破壊をいつまで続けるんでしょうか。お互いに我慢し合って共存する道を選べないものでしょうか。

地震のような自然災害の前には、敵も味方もないですよ。


日本では、いつか必ず発生する大地震について、自分達の備えについても話題になっていることでしょう。

東京で大地震が起きたら、トルコの状況を遥かに上回る甚大な被害が出るのは確実です。

日本の建築物は、耐震基準に沿って設計されているのでしょうが、トルコでも日本と同レベルの基準はあったそうですが、基準に沿って建築されたはずの高層マンションが倒壊したりもしています。古い建物はそうした基準に沿った設計にはなっていなかったでしょうし。

いつかは起きる日本の大地震が心配になりますね。

苦しんでいる被災者の皆さんを助けるために私ができることは寄付くらいしかありません。

しかしね、防ぐことが出来たはずの被害は、再び同じことが起きないようにちゃんとしなくちゃあいけませんよ。住宅の耐震基準は、設計だけでなくて建築の段階でもちゃんと守られるように、厳しく検査しないと。

鉄筋の数を減らしたとか、高層マンションの1階部分に入っているレストランや店舗が無許可で柱を減らしたとか、トルコではそういうことがあったらしいですしね。

そして、ウクライナでの被害ですけど、こちらも毎日心が砕けそうになります。

何万人も亡くなり、街も農地も破壊され、何百万人ものウクライナ人が難民になっています。ロシアが侵略しなかったら起きなかったことです。今すぐ止めて欲しいです。さらに莫大な資源をさらなる破壊に使おうと言うんですか?まったく無意味なことです。

世界中の国々が、軍事に使う資金と資源を人々の幸福と安全のために使ったら、人間はもっと良い暮らしが出来るのに。


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2023年2月10日

Macの不調とセキュリティソフト

 Mac(マック)というのはアップル社のコンピューターのことですが、私はずっとMac愛用者です。現在はiMacというのを使っています。

どんなコンピューターでもウイルス対策が必要なのはあたりまえですが、長年Macにはセキュリティソフトは不要だと言われて来ました。

なぜかと言うと、ウイルス感染を防ぎ、マルウェアと呼ばれる悪いことをするやつの侵入を防ぎ、インターネット上の危険から守ってくれるだけでなく、良くないものの駆除までやってくれるセキュリティソフトをMacが標準搭載しているからです。

つまり最初からセキュリティソフトが入っているということ。

しかし、専門のセキュリティソフトと比較すると劣る部分があるとか完全に安全だとは言えないという話も聞きますし、Macでのウイルス被害も確認されているみたいなんですけど、誰がそういう事を言っているかと言うとセキュリティソフトのメーカーだったり販売店だったりするので、そういう話を鵜呑みにするわけには行きません。

私のiMacは、何年か前にOSを新しいのに(と言っても結構古いカタリナというやつに)アップグレードしてから動きが非常に遅くなり、最近はもう話にならないほどパフォーマンスが落ちています。

一昨日、実は私のウェブサイトに不具合が発生しまして、あわや2千以上のレシピを持つウェブサイトを失うかもしれないという恐怖を味わいました。

もしも私のMacがウイルスに感染していたとして、そういう感染したコンピューターから毎日アクセスすることがウェブサイトの不具合の原因にもなるというのをどこかで読んだんです。

それで、いろいろ調べてみたら、上記のようにMacでも専門のセキュリティソフトを入れた方が良いと書いているウェブサイトがたくさんあったんですよ。

あまりにiMacの調子が悪いので、ウイルスに感染していないかどうか調べたいと思いましたし、セキュリティソフトを入れてみることにしました。

複数のウェブサイトでセキュリティソフトの評価を調べました。WindowsのPCで痛い目にあったNortonとかMcAfeeといったソフトは避けることにしました。

かなり高評価だったBitdefenderというのはちょっと値段が高すぎましたので、Integoというのをやってみることにしました。豪ドルで1年間29ドルという安さも魅力でしたが、評価が良かったんですよ。Integoは業界最高のMac用セキュリティーソフトだと書いているところがいくつもありました。

さて、

長くなるのでこれ以上ダラダラと書くのは止めますよ。

結論を言いますとね、

私のMacは動かなくなっちゃったのよ〜!

ただでも動きが遅くて困っていたのが、もう全く動かなくなったんです。Integoを起動していると他のことが何も出来ないのですよ。マウスを動かしただけでも虹色の丸がくるくると回り、Macが処理不能に陥っていることが分かります。

このセキュリティソフトがものすごい量のメモリを消費していることは明らかですけど、それを調べることも出来ません。何も出来ないんだから。

昨日は翻訳の仕事も来ていたんですが、ワードを起動することも困難で、数分かかって起動しましたが、どこかをクリックするたびに虹色の丸がくるくる回るから、仕事なんてできないの。

結局、29ドルかかったこのソフトはアンインストール(コンピューターから除去)しました。


やっぱりMac自前のセキュリティソフトでやって行くことにします。

ただね、ウイルスは日々進化しているわけでして、OSを新しいのにアップグレードしないとソフトも更新できないのですけど、私のMacは古すぎて新しいOSに対応していないんですよ。

インターネットの脅威に対して、脆弱であるということです。

新しいOSを入れるには、もっと新しい型のMacに買い換えないといけませんが、iMacの一番安いのが2000ドルですよ。そんな物を買うお金は今は無いの。

だって、実を言うと歯医者に行く必要があって、もしかしたらまた大金が必要になるかもしれないし。

上の前歯2本の歯根治療と新しい歯冠を作ってもらうのに、合計7,325ドル(73万円)もかかったんですから。オーストラリアでは歯科治療はバカ高なんですよ。

最近うちの息子が新しいコンピューターを買ったので、誰も使っていない古いDELLのコンピューターがあるんですけど、Windowsを使うのはイヤだしなあ。

まだ使えているiMacを、何とかメンテナンスしながら大事に使っていきます。


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2023年2月9日

足が出た!芽も出た!

宝の持ち腐れである我が家の「噴水」の水を貯めるプールにおたまじゃくしがいるのを見つけたのはうちの夫でした。

おたまじゃくしがいるということはカエルがどこかからかやって来て、こんな場所に卵を生んだということなのでしてね。

我が家の近くにカエルが生息している場所があるというのがもう信じがたいことですから、おたまじゃくしがいるなんて青天のヘキレキと言って良い驚きでしたが。

このプールで金魚を飼おうとしたことがある夫は、真夏の猛暑でプールの水がお湯になってしまって金魚を死なせてしまったことを人知らず気にしていたらしくて。

おたまじゃくしが死なないようにプールの半分を板で覆ってやったという話「噴水と板とカエル問題」を書いたのは、もう一ヶ月も前のことです。

その後、おたまじゃくしはちゃんと生き延びて、というか今年の夏は肌寒い日が多くてね、水がお湯になるほどの猛暑は無かったんですけど。

おたまじゃくしからカエルになるのに1~2ヶ月かかるそうですから、もうそろそろ後ろ足が出てくるはずだと毎日のように見に行っていたんですけど、

ついに出ましたよ!

後ろ足が出ているやつはまだ1匹だけですけど。


出てるでしょ?


目もでかくなってます!

おたまじゃくしからカエルになるということは、えら呼吸をする水中動物から肺呼吸をする陸上動物に変わるんですから、陸上に出られるようにということでしょうか、誰かが棒を1本水に突っ込んでいます。

うちの夫か息子がしたんでしょう。


無事にカエルになってプールから出てきたら、クッカバーラかマグパイに食べられてしまう可能性が高いです。我が家にはクッカバーラやマグパイがたくさん住んでいて、常に食べ物を探していますからね。

この棒を伝ってカエルが出てくると知ったら、棒の上で待ち構えていそうです。可愛そうな気もするけど、それもまた仕方のないことです。


カエルの足が出たと喜んでいたら、昨日はこんな嬉しい発見もありました。 


鉢で育てているミョウガは、次々に葉っぱは出て来ていたんですけど、ついに花茎が出たんです。つまり食べられる部分。普通ミョウガと言ったらこの部分のことですよね。

もうちょっと大きくなったら、花が咲いてしまう前に摘んで食べます。

さらに、昨日は掃除をしようと思って植木鉢を動かしたら、こんな物がタイルの隙間で育っていました。


生き残っていたか!

青じそですよ。カタツムリかナメクジにやられて全滅したと思っていましたから、びっくりするやらうれしいやら。ミョウガと一緒にいただきます。

昨日はまるで「秋が深まりつつあります」みたいな天気だったのですけど、今は夏なんですよ。本来なら暑いはずですが、肌寒いので今もカーディガンを着てこれを書いています。

うちの夫と息子は、夫の伯母のジョーンに頼まれて生け垣の剪定に行き、切ったのを全部家に持って帰りました。

いつか燃やすそうです。


昨日は洗濯物も外に干しました。もう花粉の心配がないですから、天気が良い日は外に干すのが気持ちいいです。


このまま夏が終わって秋になるんでしょうかね。


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2023年2月8日

修理人に感じた人種の誇り

食器洗い機が直りました。

我が家の食器洗い機は、フィッシャー&パイケル(Fisher & Paykel)というメーカーの製品なんですけど、修理はこのメーカーのウェブサイトから依頼しました。

やって来たのは、フィッシャー&パイケルのユニフォームを着た白髪まじりのアジア人のおじさんでした。

フィッシャー&パイケルの営業所が我が家から近いリングウッド(Ringwood)という街にあるので、修理スタッフがそこに勤めているのかもしれません。

修理人は、前日に「予定通り明日の午前中に行きます」と連絡メールをよこし、当日の10時前には「現在あなたの家に向かっているところです」とメッセージを送って来たのですけど、まめに連絡をしてくるのは会社の方針なのか修理人個人の仕事に対する姿勢を表しているのか、どっちにしても感じがヨロシイとは思ったんですけど、アジア人だったか!

アジア人と言っても北東アジア人。もっと言うと、日本人か中国人かのどちらかだなと私は思いました。私の出身地である岡山の田舎の町で見かけそうな外見でした。

一目見て、私はなんだか良い予感がしたんです。

英語に中国訛りがなかったので、もしかしたら日本人かもしれないと思って「日本語を話しますか」と聞いたら日本語は話せないとおっしゃいましたから、中国系でしょう。シンガポールとかマレーシアとか、あの辺りの出身かもしれません。

とにかく、この修理人のおじさんがですね、

ちゃんとした人だったんですよ!

どうちゃんとしていたかと言うと、トラブル内容はすでに把握しているから説明の必要はなく、仕事はもちろんプロフェッショナルで、テキパキと一生懸命仕事をこなし、私に分かるように全部ちゃんと説明してくださいました。

排水ホースは、実はうちの夫の修理で直っていたんですよ。ところが、そのホースを間違って排水管に接続していたのです。だから全く排水ができなかったんです。

排水ホースの交換は不要だったのですが、修理に来てもらってよかったと思ったのは、温水を食器洗い機に給水するホースから水漏れしていたことが分かったからです。あのまま気付かなかったら、また床が腐るところでした。

とにかく、実直かつ真面目なのがにじみ出ているおじさん。

そういうのってすぐに分かるじゃないですか。

私は、おじさんが同じ人種ということで親近感を覚えたせいかもしれませんが、食器洗い機を直してくれているおじさんの横に立ってお喋りまでしてしまいましたよ。普段はこういう修理の方とお喋りなんてしないんですけど。

そして、ついでに壊れたオーブンのことやぼったくり修理人のことまで話したら、食器洗い機を直しながらオーブンのトラブルについていろいろ私に質問して、可能性のある原因を説明してくださいました。おじさんはオーブンの修理もしていらっしゃるのです。

食器洗い機の修理が終わるやいなやオーブンのスイッチを入れて、冷却ファンが変な音を立てているのを聞くと、「最近オーブンのヒーターエレメントを交換しましたか?」と尋ねられました。

「はい、うちの夫が交換しました。その後からこのへんな音がするようになって、時々冷却ファンが止まるんです」と私が言いますと、またこのへんな音の原因を説明してくださったんです。

ヒーターエレメントを交換する時にワイヤーを引っ張り過ぎて、冷却ファンがワイヤに接触しているのだそうで、「このままだとショートするようになりますよ」とおっしゃったのです。オーブンは時々ショートしているんですよ。

予約が詰まっていて時間が無いと言いながら、オーブンを引っ張り出してトラブルの原因を見てあげましょうかとおっしゃいましたが、遠慮しました。修理人さんを待っている次の方達に申し訳ないですから。

おじさんは可能性として考えられる原因とどうやって直すか、その場合どの程度の費用がかかるかを説明してから次へ行かれました。

修理をしてもらった方が新しいオーブンを買うよりもはるかに安いと分かりましたよ。

いやあ、私はね、人種に偏見があるわけじゃあないですけど、この人があまりにちゃんとした修理人だったので、北東アジア人はさすがだと人種の誇りみたいなものさえ感じたのでございます。

アジア人とひとくくりには出来ないほどいろいろなアジア人がいます。きちんとしていないアジア人もいますよ。これまでに、私はインド系には良い印象を持っていません。ドバイでパキスタン人にぼったくられかかったから、あれでパキスタン人にも悪い印象を持ちましたし。

もちろん、どんな人種でもちゃんとした人はいるんですよ。その逆も。それはそうなんですけどね。

オーブンのショートが連発するようだと、おじさんに直してもらうしかないでしょう。うちの夫と相談します。


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2023年2月7日

うんざりする落ち葉掃きと皿洗い

毎日掃いています、落ち葉を。

草地に降り積もった葉っぱは、草切りの時に粉砕してしまうのでいいのですけどね、我が家の周囲はタイルやコンクリートで覆われていますから、その部分を掃いているんです。

ただし、タイルやコンクリートで覆われている部分がやたらに広いので、一日で全部を掃くことは出来ません。

ちなみに今は真夏です。(肌寒いですけど…)

我が家の敷地内にある木のほとんどがユーカリの木ですが、ユーカリの木っていうのは一年中のべつ幕なしに葉っぱを落とすんですよ。

真夏でも、というか真夏は一番、葉っぱを落とします。乾燥から身を守っているとも聞きますけど。

葉っぱは、風が吹くとこれでもかっていうくらいの量が落ちます。まさに降り積もるという感じです。

枝が折れやすい木なので小枝も落ちますし、ちょっと風が吹くと中ぐらいの枝でも落ちてきます。

家がこういう木に囲まれていると本当に大変なんですよ。

掃いても掃いても終わりがない!

それも一年12ヶ月間ずっと。

本当にうんざりします。

きれいに掃いても、掃いた直後に葉っぱが落ちて来ますから、最近はもうキレイに掃いたりしません。見苦しくない程度に掃くだけです。2〜3日も掃かないでいると再び見苦しい状態になりますから、また掃かなくちゃあいけないわけで。

この家の次に住む家は、周囲にユーカリの木が無いというのが条件です。草取りをしなくても良いというのも希望です。

残りの人生がどんどん短くなって来ているというのにね、落ち葉掃きと草取りに毎日時間を取られるなんてイヤですよ。


落ち葉掃きにもうんざりさせられていますが、皿洗いにもうんざりさせられています。

食器洗い機がいまだに壊れたままなんです!

食器洗い機が故障したのは、クリスマスの日の朝でした。あれからずっと、私が全部手洗いしているんです。

大きなボウルや鍋やフライパンはいつも手洗いしていましたし、それほど苦にならないんです。問題は食器類で、特に問題なのがお皿です。

先日の記事「編み物と壊れたままの食器洗い機」に書きましたけど、洗う時にお皿を持つ左手の親指の付け根の膨らんだところが痛むからです。

この痛みのせいで編物ができなくなったわけですが、編み物は我慢しても皿洗いはしないわけには行かない。

食事の後、全部洗って片付けて、しばらくしてキッチンに行くとまた汚れた食器が置いてあると頭に来ます。

「自分で洗ってよ!」と言えば、夫も息子も洗いますけど、必ずキレイになっていないから私が洗い直す羽目になります。

どうして修理にこんなに時間がかかっているかと言うと、うちの夫がなかなか修理を頼んでくれなかったからです。

そしてやっと頼んでくれた時には(1月下旬)順番待ちが2週間もあったのです。

今日修理人が来ることになっていますが、来ると言われて一日中待ち続けて結局来なかったこともありますしね。

来たのはいいけど、修理人が直せなかったとか、直すよりも新しいのを買えと言われて、結局何もしていないのに最低料金をぼったくられたこともあるし。

いろいろ悪い経験をしていますから、今日ちゃんと修理人が来てくれて食器洗い機が使えるようになるとは期待していません。

直ったらうれしいけどな…くらいの期待度でいないと、後でがっかりしますからね。

今日来てくれる修理人は、あのぼったくり修理人のようなインターネットで見つけた「信頼できるかどうか分からない修理人」ではなくて、食器洗い機のメーカーのウェブサイトを通して依頼したメーカー公認修理人ですから、ちゃんと直してくれる確率は高いと思いますけど。

今日で直るといいな。左手がホントに痛いですから。


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2023年2月6日

日本で大きくならなくて良かった

うちの夫の知り合いのLさんは中国系のマレーシア人で、普段は経理の仕事をしておられますが、イベントなどで食べ物を売る店を出したりお料理のデモンストレーションなんかもやっていらっしゃいます。そのアシスタントとして、うちの娘がいつも手伝いに行っています。

昨日の日曜日、グレン・ウェイヴァリー(Glen Waverley)という街で春節」(旧正月)をお祝いするイベントがありまして、お手伝いをすることになったからと娘が家に帰って来ました。

イベント会場周辺は駐車が困難だと言うので私が送って行ったんですけどね、まあものすごい人出でしたよ。あんなに大勢の中国人を見たのは初めてでした。会場周辺は大混雑で、車を停める場所なんて無くて、娘を下ろすのにも苦労しました。

それはともかく、

送って行く車の中でいろいろな話をしたんですが、先日から世界的にもニュースになっている日本の首相と首相秘書官の同性婚に関する発言についても話したんです。

日本の首相が「同性婚を認めると社会が変わってしまうから問題だ」と言ったらしいと聞いて、「そこがポイントなのに!」「社会を変えなくちゃあいけないのに!」と娘は大きな声を上げました。

次に秘書官が「同性カップルが隣りに住むのは嫌だ、見るのも嫌だ」と言ったそうだと聞いて、娘はショックを受けたようでした。娘は同性愛者ですからね、自分を見るのも嫌だと言われたのと同じことですから。

「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」とも言ったらしいと聞いて呆れていましたよ。

そして叫んだんです。

ああ日本で大きくならなくて良かった!ずっと日本にいたら、私はもう死んでるわ!

本当にそうかも知れないと思いました。

私達家族は、娘が幼稚園の頃から小学校の1年生を終わるまで日本に住んでいたんです。でも、私はうちの子供達に日本で教育を受けさせるわけには行かないと気づいたんです。

息子はハーフだということでいじめを受けていましたし、私自身のメンタルヘルスも日本に住んでいる間に悪化したんですが、住んでいた町では近くに相談できる医療機関も無くて。

それでオーストラリアに戻ることにしたんです。

オーストラリアの学校でもいじめはあるんですよ。うちの娘は、ハイスクールに入ってからある少女グループから、悪口を言われたり嫌がらせを受けたりしていました。

娘は小学校の頃に初めて本気で好きになったのが女の子だったことから、自分が同性愛者であることに気づき始めたそうですが、ハイスクールに入ってからはっきりと分かったのだそうです。自分が好きになるのは女の子だと。

ハイスクールの制服はスカートではなくズボンをはいていたことなどから「アンタは〇〇じゃあないのか」と同性愛者を罵る言葉を使ったいじめや嫌がらせが少女グループから続いたそうです。

うちの娘は、小学生の頃の抜毛症に始まって様々な不安症の症状に苦しみましたが、この同性愛に関する悩みやトラブルで症状は悪化して、摂食障害を患って食べることができなくなり、自傷を繰り返していた時期もあるのです。

娘は、私達家族が同性愛者に偏見が無いことも、家族が娘を愛していることも、何があっても自分をサポートしてくれるだろうということも、十分に分かっていましたけど、なかなか悩みを話してはくれませんでした。

最も状態がひどかった頃、ある日、お父さんとお母さんに言いたいことがあると言いましてね。

「私は女の子が好き!」と告白したんです。

「はい、分かりましたよ、女の子が好きなのね。あなたが好きになる人が女でも男でもお母さんはあなたがハッピーならそれでいいのよ、知ってるでしょ?」と言いましたら、「うん知ってる、でも一応言っておこうと思って」と言いました。

家族が100%自分を理解しサポートしてくれると分かっていても、そのくらい苦しんでいたんですよ。

もし日本に住んでいて、理解してくれない親戚や友達や学校の先生がいるかもしれない状況で、同性愛者であることを隠し続けなければならない暮らしをしていたら、娘は自傷行為では終わらずに命を断っていたかもしれません。

今では、病気だったことが信じられないくらいに元気になっています。友達も皆んな同性愛を含むLGBTGI+(性的少数者)に偏見が無い人達で、同性愛のこともオープンに話題にすることが出来て、娘は幸せそうです。

今日から大学院の勉強も始まりますしね、娘の暮らしは充実しているようですから、お母さんも嬉しいです。


しかし、世の中には、家族にさえ隠し続けるしか無くて、苦しむ人が大勢いますね。特に自分の性的指向に気づく中高生の頃には、多くの子供達が苦しみます。

苦しむ原因は、ありのままの自分を家族や友達に、あるいは学校の先生達に、受け入れてもらえないかもしれないという恐怖からですよ。同性愛者への偏見や差別を知っているからです。

特にひどいのは、同性愛者への偏見を持つ親の発言を聞いて育った子供達が、自分が同性愛者だと気づいた時です。

それでも勇気を出して告白する子供もいますけど、家を追い出されるケースもあると聞きます。ちょっと信じがたいです。こんなことを理由に子供を愛せなくなるんでしょうか。

首相の秘書官が「同性愛カップルを見るのも嫌だ」と発言したり、愛知県議が「気持ちが悪い」と発言したりするところからも、日本にはまだまだそういう認識の人達が大勢いるのだろうと思います。

だから、日本では家族にすら隠し続けるしかないと考える人が多いのでしょう。親を悲しませたくないという理由から隠し続ける人も多いと聞きますけど、愛する子供が同性愛者だと分かると親は悲しむんですか?

それこそ、根深い偏見があることを証明しているようなものです。


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2023年2月5日

古い価値観に縛られた国

日本の首相の「同性婚を認めると社会が変わってしまうから問題だ」という発言について記事を書いたばかりですが、人を差別する法律をより公正なものに変えることが出来ないのは、国民のせいだと私は思っているんですよ。

法律を作ったり政治を行う国会議員というのは、ただ「国民を代表している人達」なのでして、もっと言えば「公僕」なんです。その人達は国民が自由意志で選ぶことが出来るわけで、しかも日本では選挙が適正に行なわれているんですから、社会は国民の意志によって変えて行くことが出来るはずなんですけど。

昨日は、首相の秘書官が「同性愛のカップルが隣りに住んでいるのは嫌だ、見るのも嫌だ」と発言したというニュースを読みまして、まあそう思っている人は大勢いるんだろうなと思いました。

秘書官の発言を言語道断と言った首相も、五十歩百歩の考えの持ち主なんですけどねえ。

その秘書官も、発言を撤回して謝罪したりしないで、「嫌なものは嫌なんだ」と開き直るという手もありましたよね。どこかの県議会議員のように「同性婚が気持ち悪いと言って何がいけないんですか」と堂々と発言しても、民主主義なんですからそれは許されないことではないんです。

秘書官は辞めさせられたそうですが、同じ発言を議員の誰かがしていても、同じ反同性愛の考えを持つ国民が選挙でその議員を選べば、そのことに問題は無いんです。

BBCのニュースサイトでは、日本は未だに古い男女の役割認識と家族の価値観に縛られていると書いてありました。ホントに残念ですけど、なかなか変わりませんね。

うちの娘は同性愛者なので、日本が異性愛者と同等の権利を同性愛者に認めていないこと、すなわち法律で差別していることについて、私は無関心ではいられないんですけど。

社会のあり方というのは、いつの時代でも権力者が人々をコントロールするのに都合が良いようにルールを作って従わせ、教えや考え方を広めて洗脳し、従わない人々は弾圧したり排除したりして来たわけです。

権力者は時には宗教の指導者だったり、権力者と宗教が強く結びついていたりしました。ヨーロッパではキリスト教の影響で同性愛が罪であるという考えが広まりましたよね。イスラム教の国でもそうですけど。

人間の歴史を見てみると、何千年も前から同性愛が存在していたことは遺跡や古い書物などの記録からも明らかなのですが、それってあたりまえのことなんです。

だって人間という動物は、生物学的に見ただけでもオスとメスだけじゃあないわけでしょ?雄と雌の両方の生殖器を持って生まれる人も不完全な生殖器を持つ人も大勢いるんですよ。

性格も人それぞれ違うし、好き嫌いも皆んな違うんですから、性的に魅力を感じる対象が違うなんてあたりまえなんですよ。

古代ギリシャでも古代エジプトでも古代ローマでも、同性愛も異性愛もいろいろな愛の形があったことが分かっています。日本だって、外国からの影響を受け始める明治時代よりも前の社会はそうでした。

それがいつの間にか、異性愛だけが、それも一夫一婦で子供を作れる夫婦という関係だけが正常みたいなことになってね。そういう人達だけが権利を認められて来たわけですよ。

そんな不公平な社会のあり方は変える必要があるということで、法律を変更する国が増えているわけです。多くの国ではキリスト教徒が多いにもかかわらず、同性愛を悪だとか罪だとか言う宗教の方に問題があると批判もされるようになっています。

先日の記事にも書きましたが、オーストラリアでは同性愛は「犯罪」だったんですよ。見つかると警察に逮捕されていたんです。そんな時代は大昔のことではなくて、ヴィクトリア州で同性愛が犯罪ではなくなったのは1980年のことです。

タスマニア州では1997年まで同性愛を犯罪とする法律が残っていました。

それから20年後の2017年、オーストラリアでは性別に関係なく婚姻が認められることになり、同性カップルも異性カップルも、すべての国民が同等の権利を認められることになりました。法律的な婚姻関係を結んでいない事実婚のカップルも同等の権利が認められています。

性差別や人種差別は、オーストラリアの社会に今も残っていますけど、差別を無くすための法律が作られて、社会はより公正な社会へと変わって来ているのです。

ところで、

オーストラリアの外相ペニー・ウォンさんは、同性愛者であることを公表していて同性の相手と結婚されていて子供さんもあるんですけど、同性愛者を見るのも嫌だと思っている日本政府の関係者は、ペニー・ウォン外相が訪日する時には気持ちが悪いと思いながら対応するんでしょうかね。


オーストラリアでは、議員を選ぶ選挙は国民の権利ではなくて「義務」ですから、全員が投票しなくてはいけません。投票を怠ると罰金です。「義務」である以上、様々な方法で誰でも必ず投票ができるような制度が出来ています。

選挙日当日に投票所に行くしか方法がないと、投票できない人が大勢出てきてしまいますから問題です。ですからね、選挙日前に投票出来る投票所も各地に設けられます。私は、選挙日当日に長い列に並ぶのがイヤで選挙日前に投票をしに行ったことが何度もありますよ。

郵便や電話でも投票できます。何らかの障害を持つ人は、希望すれば様々な援助を受けられます。スタッフが自宅まで来てくれて投票できたりもします。

こういう事情があるので、国民の意識が国会に反映されやすくなっているんです。政権政党もしょっちゅう変わりますし、ちゃんと仕事をしないと有力議員でも選挙に負けることはよくあります。

それに、やりたかったことをやり終えたからとか家族との時間をもっと持ちたいからとかで、政治の仕事を止める議員もよくいますしね。要するに転職するんです。

話がそれましたけど、日本の皆さんがもっと選挙という制度を上手く使って、より良い国に変えて行って欲しいと願わずにはいられません。

進歩的な考えを持つ若い人達が皆んなで選挙に行って、自分達が期待する変化をもたらすためにちゃんと仕事をしてくれる人を議員に選べば、日本は変わるだろうにと思うのです。


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