あなたの身近にそういう人がいらっしゃったら、「どうしてそんなことができないんだ!」と思うのではなくて「どういう事情があるのかな?」と考えて接することができると、その人には助けになるかもしれませんよ。
昨日、娘をメルボルンのアパートまで車で送って行きました。勤めている心理クリニックに頼まれたとかで、クリニック内に置く鉢植えや前庭に植える花や木や土をたくさん買ったので、電車で帰ることができなくなりましてね。
誰かが送って行かなくてはいけなくなったんですけど、誰かと言っても、うちの夫は視力の問題で車の運転はできませんし、息子は痔の手術後でまだ長時間座っていることができませんので、私が行くしか無いのでした。
メルボルンは人でいっぱいでした。
カフェやレストランが並ぶ通りは特に大勢の人で賑わっていました。新型コロナの規制で一時はゴーストタウンのようになっていましたけどね。
車も多くて道路は混雑していましたし、市内のあちこちで工事をしていて道路が通行止めになっていたりしましたが、回り道をしながら娘が勤めるクリニックに寄って荷物を降ろしてから、アパートまで送って行きました。
そして、運転しながら思ったんです。
こんな混雑したメルボルン中心部を車で運転するなんて、以前の私には考えられないことだったなあと。
不安がひどくなったのは娘がまだ幼かった頃ですが、いろいろなことができなくなりました。最も困難だったのは電話でした。電話が鳴ると怖くて心臓がバクバクしてしまい電話に出られなくなりました。
そして、車の運転も、道をよく知っている家とスーパーの間くらいしか運転できなくなりました。スーパーに買い物に行くのも苦しかった時期がありました。
昨日混雑したメルボルン市内を運転しながら、自分でも「なぜこんなことができなかったのだろうか」と不思議でしたけど、できなかった頃は怖くて怖くてどうしようもなかったんです。
うちの娘が具合が悪かった頃は、家から外に出られませんでしたし、バスや電車に乗ることが困難でした。大学に通えるようになるために何ヶ月もかけてバスや電車に乗る練習をしました。
「電話に出ること」や「バスや電車に乗ること」が問題なくできる人は「どうしてそんなことができないんだ?」と不思議でしょうね。でも、できない人がいるんですよ。
歩くこととか、立っていることとか、息を吸うこととか、誰でも当たり前にできると思うようなことが簡単ではない人もいます。
周囲の人に思いやりを持ちたいものです。
ところで、
現在うちの娘は引越し先のアパートを探しているのですが、車からいろいろなアパートを見ながらアパート探しの話になった時に、娘は高層アパートには住めないと言いました。高所恐怖症だというのも理由だそうですが、自殺衝動が起きた時に飛び降りてしまいそうで怖いからだと言いました。
ハイスクールの頃には自傷行為がひどかったのですけど、パニック障害を克服し、不安の発作も起きなくなり、元気になったのかと思っていましたけど、双極性障害のうちの夫のように気分の浮き沈みがあるようで、気持ちが沈んだ時に自殺を考えてしまうことがあるんだそうですよ。
それを聞いて、お母さんはびっくりしました。
とにかく、自殺を考えてしまった時に簡単に飛び降りれるような高い所にあるアパートには住まないようにすると言いましたから、ホッとしましたけどね。
娘も夫も、メンタルの状態を安定させるための薬は今も服用し続けています。
私が15年間も服用した抗うつ薬をやめたのは、2019年の終わり頃です。やめてから2年以上になりますが、この間、不安を引き起こすようなことをできるだけ避けて暮らして来ましたけど、電話には出られるようになりました。
運転の不安も徐々に解消して、夫が車の運転ができなくなってからは避けていられなくなり、遠くの知らない街まで運転しましたし、トラックも運転できるようになり、そのトラックでトレーラーを牽引して高速道路を走ったりと、以前の私には考えられないようなことをしてきましたけど。
夫の目がどんどん見えなくなって来ていますからね、運転が怖くなくなったのは本当に良かったと思っています。
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