昨日の記事では夫と映画を観に行った時に話題になったCさんのことを書きましたが、夫の誕生日にうちの娘が映画のチケットをプレゼントしたので、夫が仕事が休みだった水曜日に2人で観に行ったんです。「I Swear」(アイ・スウェア)というイギリス映画を観ました。
この映画は、10代の頃にトゥレット症候群と診断され、いじめや社会の無理解などに苦しみながらこの病気の啓蒙活動をして来られたジョン・デイヴィッドさん(John Davidson)の実話を元にした物語です。
「I Swear」(アイ・スウェア)とは、「私は誓う」という意味がある一方、「私は汚い言葉を言う」という意味もあるんですけど、映画を見ればタイトルの意味するところが分かるでしょう。
ジョン・デイヴィッドさんがトゥレット症候群と診断された1980年代には、この病気はほとんど知られていませんでした。ジョンさんは両親にも理解されず、学校でも警察でもひどい扱いを受けます。
BBCがジョンさんのことを取り上げた「John's Not Mad」というドキュメンタリー番組があるんですが、トゥレット症候群のことをメディアが取り上げたり有名人がこの病気であることを公表するなどして、今ではある程度知られるようになりました。しかし、社会的に理解されているとは言い難い状況だと思います。
トゥレット症候群は、発作的に首を振ったり手や身体が動くなどの「運動チック」と、奇声を発したり不適切な汚い言葉を口に出してしまう「音声チック」を特徴とする神経系の疾患です。本人の意志とは関係なくそうした症状が現れますが、特に汚い言葉を口に出してしまう症状は誤解されやすく、トラブルの原因になります。
私は、ジョンさんを演じた主演のロバート・アラマヨさんが、BAFTA( 英国アカデミー賞)の主演男優賞を受賞したのがきっかけでこの映画を知りました。BAFTAの授賞式にはジョン・デイヴィッドさん本人も出席されていたんですけど、ジョンさんが不適切な言葉を叫んでしまったのが放送されて、ニュースになりましたよね。
とても良い映画ですので、ご覧になることをおすすめします。
トゥレット症候群に限らず、社会の理解が得られていない病気や障害がいろいろあります。自閉スペクトラム症をはじめ、多くの発達障害はまだまだ理解されていません。私達は、自分達が持っている偏見によって、そうした病気や障害を持つ人々を苦しめているかもしれませんよ。
よく聞く例としては、自閉スペクトラム症の子供を持つ親への偏見や批判です。「言うことを聞かない」「癇癪を起こす」「わがままを言う」といった問題行動に見える特徴を見せる子供を、親が「甘やかしている」「しつけが出来ていない」などと批判したり、親切心から助言したりする人がいるのです。
スーパーの店内で奇声を発する子供がいたりすると、「親はなんで静かにさせないんだ」とイライラしていませんか?「何らかの障害があるのかもしれない」と思えば気にならないし、むしろその子供の親が困っていたら助けてあげようとも思えます。
この映画「I Swear」は、トゥレット症候群という病気を知るきっかけになると同時に、理解されない病気や障害を持つ人々とその家族が直面する困難について考えさせられると思います。
映画のあるシーンで登場人物の一人が言うんですよ。「トゥレット症候群が問題じゃあないんだ。トゥレット症候群のことを知らない人達が問題なんだ」と。何事についてもそうですよね。知らないことが偏見や差別を生むのです。
自分の無知のせいで、人を差別する人間にはなりたくないです。少なくとも理解して受け入れて、寄り添う側の人間でいたいと思います。
お帰りの前に1クリックを!

