2023年3月31日

麻酔薬が効きにくい人っているのか?

今の時代では、手術をする時に麻酔をするのは常識。局所麻酔というのと全身麻酔というのがありますね。

私はオーストラリアに来てから、これまでに両方の手の手根管症候群、肩に出来た脂肪腫の除去、右膝の損傷した半月板と4回手術を受けていますが、いつも全身麻酔でした。

あれは、患者が痛みを感じないようにするという以上に、患者の意識を意図的に失わせて筋肉に力が入らない状態にすることで、医者が手術をしやすい環境を作るのが目的だそうです。

そりゃあまあね、手術中に患者が痛みを訴えて暴れたり、突然動いたりすると大変ですよ。

ということで、手術をする際には、麻酔の管理を行う麻酔医という専門のお医者さんもいらっしゃいます。麻酔薬を投与するだけでなく、手術中の患者の容態をモニターして必要な場合は生命維持のための医療行為を担うという重要なお仕事です。

さて、

全身麻酔ですが、皆さんは経験したことがお有りですか?「はいじゃあこれから麻酔をしますよ」と言われてあっという間に意識を失います。麻酔ってすごいですよ。そして私はね、なかなか目が覚めなかったんです。

手術後目が覚めるまでにかかる時間は個人差が大きいそうですけど、私は時間がかかるみたいです。

なぜ今日こんなことを話題にしているかと言うと、先日「早期発見&早期治療が大事」という記事に書いたTさんが、手術を受けられたという話を聞いたからなんです。

詳しいことは分かりませんが、この日の手術の主な目的は、がんが転移していた頭蓋骨を削り取ることだったようです。

もちろん全身麻酔で行われました。

ところがTさんは、

手術中に目が覚めちゃったんですって!

医者がTさんの頭蓋骨をドリルで削っている時でした。

Tさんは目が覚めて、医者がボッシュの12V電気ドリルを使っているのが見えたそうです。痛かったそうです。ドリルに力を入れ過ぎていると思ったそうです。

「ドリルに力を入れ過ぎですよ」
「キミ(アシスタントに向かって)私にああしろこうしろと指導するのかね?」
「先生、違います。今のは患者です」
「え?」
「痛いんですよ、ドリルを押し過ぎなんです」
「麻酔!麻酔!薬を増やして!」

Tさんは再び意識を失いました。

頭蓋骨の手術が終わり、大きく失った頭の皮膚は肩の皮膚を切り取って塞ぐことになっていたそうです。

医者が肩の皮膚を切り取っていた時、何とTさんは、

また目が覚めちゃったんですって!

「さっきも言ったんですけど、痛いんですよ」
「何?キミ?(アシスタントに向かって)」
「先生、違います。患者です」
「麻酔!麻酔!薬を増やして!」


ちょっとねえ、こんなんじゃあ困りますよねえ。手術中に痛くて目が覚めたら医者が頭の骨を電気ドリルで削っていてごらんなさいよ。私だったらトラウマになるわ。

しかも、信じがたいことにTさん2回も目が覚めたんですよ。

実はTさんはね、以前にも全身麻酔で手術を受けた時に、手術中に目が覚めたんだそうです。麻酔が効きにくい人っているんですかね?

2度あることは3度あるです。

次は、がんが転移している睾丸の摘出と腎臓の手術だそうですが、睾丸摘出中に目が覚めたくないだろうなあ。

腎臓だってイヤですよねえ。お腹を開いている時に目が覚めたくないですよ。

目が覚めても痛みを感じていないのならまだアレですけど、Tさんは痛くて目が覚めているんですからね。

麻酔医の方は、次回はもっと慎重にお願いします。


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2023年3月30日

拒否する勇気と罪悪感

3週間前に3回目の痔の手術を受けたうちの息子ですが、昨日は状態が悪化したと言うもんですから、お昼ご飯に野菜を山ほど入れて煮込みうどんを作っていましたら、非常にかしこまった様子の夫がやって来ました。

昨日は水曜日でしたからね、仕事が休みで家にいたんです。朝ご飯を食べた後もう一度寝て、お昼前に起きて来たんですけど。

「ええっと、それが終わったら、またトレーラーをツールショップに持って行かないといけないのでお願いします」
「ええ?またあ? 」(先週の水曜日にも頼まれてトラックを運転させられたんです。トレーラーを使って商品の配達に行くんですよ。)
「その後、できればスーパーに寄ってロースト用の子羊肉とか材料を買って、まあボクが何か作ってもいいんだけど、Kくんがまたトレーラーを家まで返しに来てくれるから(返しに来るついでに夫を家まで送ってくれる)」
「Kくんを晩ご飯に呼んだの?」
「はい」
「トラックでスーパーに寄って買い物をしろと言うの?」
「だって先週も返しに来てくれたし、今日も返しに来てくれるんですよ。お礼をするのはあたりまえでしょう」
「そういう時はKくんとパブにでも行って晩ご飯をご馳走してあげるというのがよくある方法ですけど」
「Kくんはどうせうちに来るんだよ!パブとかは行ったり帰ったりがボクの場合問題だし(運転ができないから)」
「私がパブまで送り迎えしてあげますけど」
「…(無言)」

さて、この会話から分かることは、夫は私が再びトラックを運転してトレーラーをツールショップまで牽引して行き、その後買い物をして帰って、Kくんのために子羊のロースト料理を作ってくれと言っているのです。

トレーラーはツールショップまで持って行きましたけど、子羊のロースト料理は作りませんでした。

以前の夫は、いつもこういう調子でね、私には一言の相談もなく友人や仕事仲間や親戚の人や知り合った知人などを気軽に食事に招待し、私には直前に、あるいは前日に報告しますから私は断るに断れない状況になり、大いにストレスをためて献立を決めたり買い物に行ったり掃除をしたり料理をしたりと一人で奮闘するはめになっていたんですよ。

今これを書いていても腹が立って来るんですけどね!

私は自分の仕事と子供達のことと家のことをほぼ一人で全部やっていたのに、こういうことがしょっちゅうあったんです。知らない人達が突然家にやって来て、その人達のために食事を準備しなくちゃあいけない。私はちっとも楽しくないし、しんどいだけでね。

子供達だって嫌がりましたよ。

夫はと言うと、招待した人達と飲み食いやおしゃべりを楽しんで大満足というわけですけど。

私は一時期不安障害やうつで具合が悪くなっていましたが、このことも大きなストレスの一つになり、夫が誰かを食事に招待する度に心臓がバクバクしたり身体の力が抜けたり吐き気がしたりと不安発作が起きるようになったのです。

そこで、人を食事に招待する時には必ず招待する前に私に相談してくれと夫に頼みました。具合が悪くて頑張れない時もあるんですから。

そして、相談されて私が了解した場合を除いて、私は夫が誰かをもてなすためにお料理をしたりはしませんと宣言したんです。

それなのに、夫の父親の弟さんとその奥さんをクリスマスディナーに招待したんですよ。よく私達は離婚しなかったもんだというくらいに夫婦関係は険悪になりましたよ、あの時は。

私は何もしませんでした。(でも掃除はしました。)夫はBBQをすることにして肉やソーセージを買って来ましたが、肉以外の料理が無いと分かったので、当日直前になって私はサラダを作ったんですけど、それは夫のためではなくお客様のため。デザートは夫が自分でチョコレートムースを作りました。

お料理を拒否したのは、その時が初めてでした。

その後も、私に相談なくツールショップのスタッフや友人を食事に招待したことが何度かありました。

私が料理を拒否して部屋に閉じこもったので、うちの娘が食事の準備をしたこともありましたけど、作ったのは普段の晩ご飯に食べるような簡単な料理でね。私がレシピサイトをやっていることを知っているスタッフの皆さんは、ご馳走を期待して来たんだろうと思いますよ。

一度なんて、夫はスタッフだけではなくてスタッフのパートナーも招待したんです。食事に招待されると手土産を持参するのがマナーですから、皆さんワインとかチョコレートとか花とか持って来られたんです。

ところが、この家の奥さんは食事の準備をしていないどころか部屋に閉じこもって顔も見せないんですからね、「どうしちゃったの?」と思ったでしょうね。

私は部屋から出ませんでしたが、激しい罪悪感で本当に苦しかったですよ。でも、ここで負けちゃあダメなんです。夫に思い知らせるためには、この罪悪感に負けるわけにはいかないんです。

そうしないと、いつまでも同じことが繰り返されます。夫が誰かを食事に招待する度に私はストレスで苦しむんです。ストレスで苦しんでいるのに楽しいふりをしてお客様の相手をするので、もっと苦しくなるんです。

イヤなことをイヤだと言うのは勇気がいりますけど、イヤだと言っているのに理解してもらえない時は、逃げるしか無いですよ。

こうしたことが何度かあって、さすがに夫はもう勝手に人を食事に招待しなくなりました。

私はストレスが減りました。

昨日は、私が言ったようにKくんとパブに行ったそうです。それで十分なんですよ。Kくんだって、私に子羊のロースト料理をご馳走してもらいたいとは思っていませんよ。

うちの夫が、自分の奥さんがご馳走してくれるところを見せていい気分になりたいだけです。


夫は、自分が期待していることを期待した通りにやってくれないと大変機嫌が悪くなります。

私はトラックも気持ちよく運転してくれませんしね。

でもね、トラックの運転は怖いんですよ。だから頼まれたらストレスを感じるんです。それでもやってあげているだけエライというものですよ。

30年近くも夫が誰かを食事に呼んで楽しむために働いて来ましたけど、逃げ場のない状況に突然追い詰められると苦しいのです。

もしも夫が時間的な余裕を持って「Kくんにお礼をしたいから食事に呼びたいと思うんだけど協力してくれないだろうか」と聞いてくれたら、私はきっと了解して頑張ると思いますよ。

でも「Kくんが晩ご飯を食べに来るからご馳走を作ってくれ」と突然言われると、これはもう話が違うんです。しかもトラックが関わっているし。

ということで、

夫の機嫌が悪くなることは承知で、出来ないことは出来ないと、したくないことはしたくないと、拒否するようになった私ですが、それにともなう罪悪感でいつも押しつぶされそうになります。

でも、自分のメンタルヘルスは大事なので、罪悪感と闘うんです。

晩ご飯に招待されたのが急にキャンセルされても、別に大事件ではありません。行ってみたら、その家の奥さんがどういう理由だかいなくて、ろくな料理が出てこなかったとしても、誰も苦しみませんよ。

そう思って自分を肯定しています。

この問題をちゃんと理解していないうちの夫がいけません。

あの人はね、こういうのは察して欲しいと思っても分からない人なので、最近はいちいち言葉で説明するようにしていますけど、また忘れて同じことを繰り返すっていうのは夫に何か問題があるんですかね。

まあとにかく私も気分悪いです。夫もご機嫌悪いです。今朝は何を言ってもまともな返事は無しで、「いってらっしゃい」と言っても無言で出かけましたよ。

ご機嫌が直るのに2〜3日はかかるでしょう。


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2023年3月29日

片頭痛に効く鎮痛薬

英語で「マイグレン」(Migraine)と呼ばれる頭痛。日本語では「片頭痛」と呼ばれますが、私は片頭痛というのになったことが無い(と思う)のでツラさがよく分かりません。

若い頃にしょっちゅう片頭痛でダウンしていたうちの夫の話では、ひどい吐き気をともなうのがつらいんだそうです。

ズッキンズッキンと発作のように襲う激しい頭の痛みで動くこともつらいのに、痛みが始まってしばらくすると必ずトイレに駆け込んでゲボゲボと嘔吐することになるのです。

嘔吐した後は吐き気が和らぐので少しは楽になるそうですが、鎮痛薬があまり効かないので片頭痛になると寝ているしか何もできなくなるのでした。

光や音に敏感になりますから、寝室のカーテンを締めて暗くして、家族は物音を立てないように静かにしてあげる必要がありました。

最近はめったに片頭痛になっていません。歳をとってきたからかもしれませんが、片頭痛になりそうな時には早めにアスピリンを飲むようにしているそうです。アスピリンは片頭痛によく効くんだそうですよ。

先月「頭痛持ちと片頭痛持ち」という記事にも書きましたが、頭痛体質というのは遺伝するらしくて、うちの息子がしょっちゅう片頭痛になっています。

アスピリンがよく効くと夫は言いますが、血液を薄くして流れやすくするアスピリンは、息子の痔を出血しやすくするからダメなんだそうです。だから、オーストラリアで最も一般的な鎮痛薬である「パナドール」(Panadol)という薬を飲んでいます。

「パナドール」はパラセタモールなんですけど、片頭痛には効き目が今一つのようでね、一日寝込んでもまだ治らないということがよくあるのですよ。

医者に相談して薬を処方してもらいなさいよと言っていたんですけど、片頭痛にはどういうタイプの鎮痛薬が良いのか気になったお母さんは調べてみました。

そうしたら、いろんなサイトにアスピリンが効くと書いてありましたが、カフェインが効くとも書いてあったんです。

それで思い出したのが、この薬「パナドール・エクストラ」です。


私は片頭痛にはならないけど、若い頃から頭痛持ちで、今でもしょっちゅう頭痛には悩まされているんです。痛みがひどい時には「パナドール」では楽にならないので、「パナドール」にコデイン(Codeine)が添加されている「パナディン」を飲んでいたんですが、何年か前にコデインの入っている鎮痛薬は簡単には買えなくなりました。

それで目に止まったのがこの「パナドール・エクストラ」だったんです。どこのスーパーでも売っています。

「エクストラ」と言うくらいだから普通の「パナドール」よりも強い薬なんだろうと信じて買って飲んでいたんですけど、効かないんですよこれが。

老眼鏡をかけてパッケージを良く読んだら、この薬は「パナドール」にカフェインを添加しただけだと分かったので「何だカフェインだけか!」と思って買うのは止めたんです。

でも、カフェインが片頭痛に効くのなら「パナドール・エクストラ」が効くかもしれないじゃあないですか?

それで息子のために買っておいたんですよ。

さて、

3回目の痔の手術以来3週間もずっと寝た切り(ベッドで安静中)で、頭痛になることもなかった息子ですが、昨日の朝起きたら頭が痛くて、片頭痛になったんですって。

それで「パナドール・エクストラ」を飲んでみたそうです。

お昼頃にはすっかり治っていたそうです。

ホントか?

やっぱりカフェインが片頭痛には効くのでしょうか?

これ1回だけで「パナドール・エクストラ」は片頭痛に効きますよと宣伝するわけには行きませんけど、いつもなら1日経ってもまだ治らなかったり少なくとも必ず嘔吐していたのに、2〜3時間のうちに治っちゃったというのは事実なんですからね、一応書いておきます。

オーストラリアなら「パナドール」を売っている店なら売っています。

日本でも、カフェインが添加されている鎮痛薬はあるはずですよね。


カフェインが効くのならコーヒーを飲めばいいじゃあないかとお思いの方がいらっしゃるかもしれませんが、片頭痛には吐き気がともなうのでコーヒーを飲むのはツライかもしれませんし、うちの息子はコーヒーもカフェイン飲料も苦手なのです。

最近やっとミルクティーなら飲めるようになった程度で、飲み物はもっぱら「水」という人ですから、コーヒーという選択肢はないんです。

偏頭痛というのは、脳の血管が拡張して痛みが起こるので、血液を薄くして流れやすくするアスピリンや血管を収縮させる働きのあるカフェインは効果があるんだそうですよ。

ただし、私がよくなる緊張型の頭痛の場合には、血管が収縮すると痛みが悪化する可能性があるそうです。私の頭痛には効き目がなかったのも納得です。

こういうことを今頃知ったわけですよ。やっぱり何事も正しい知識というのが大事ですね。


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2023年3月28日

早期発見&早期治療が大事

うちの夫はツールショップに勤めているんですが、現在勤めている店舗に転勤する前の店舗で同僚だったTさんが、頭に黒いシミのようなものを見つけて、それが皮膚がんだったという話「スキンヘッドと皮膚がん」を書いたのは、昨年の7月のことです。

Tさんは、店舗内の防犯カメラに偶然写った自分の頭を見て「あれ?」と思ったのですよ。頭の上に黒いシミのようなものがあったからです。ところが、気になったもののすぐには医者に相談に行かなかったんです。

ある日怪我をして、そのせいで医者に会った時についでに頭のシミも診てもらったらすぐに専門医に会うように言われ、そのシミが皮膚がんだと分かったのでした。

Tさんは頭を剃り上げたスタイル、つまりスキンヘッドでしたから、長年頭に有害紫外線を浴び続けていたのですよ。

皮膚がんは身体のどこにでも出来ますが、やはり紫外線をたくさん浴びる部分が危険です。毛髪が無いスキンヘッドの頭は、最も危険な部分なんです。

皮膚がんだと分かってから8ヶ月になりますが、もちろんTさんは皮膚がん除去の手術を受けたのですけど、検査の結果、さらに大きく皮膚を取り除く必要があったそうで、頭の皮膚をごっそりと大きく失うことになりました。

そして、一番最近の検査の結果、前立腺と腎臓に転移していることが分かったそうです。頭蓋骨にも転移しているんだそうです。頭蓋骨に転移しているということは、脳にも転移している可能性があるんでしょうか。

Tさんは、昨年50歳になられたばかりです。お子さんはまだ中学生ですよ。これから困難な治療を受けられるのだと思います。本当にお気の毒です。


頭にできた黒いシミにもっと早く気づけていたら良かったのにと悔やまれます。皮膚がんは皮膚にできるのですから早期発見が可能なんですけど、自分の頭の上というのはなかなか見ることがありませんし、他人の頭の上だってあまり見ることはありません。

ヘアカットに行かない人は、理容師の方に見つけてもらえるチャンスもありませんしね。

そして、見つけた時に早く医者に相談していればよかったのにとも悔やまれます。皮膚がんは、早期に治療を始めれば手術などによって完治する可能性が高いのに、多くの人がすぐには医者に相談しないので、診察を受けた時にはがんが進行した状態になっていることが多いと聞きます。

皮膚がんはシミやホクロに似ているのでね、シロウトにはそれが悪性腫瘍だとは分かりにくいのですよ。

私は顔にできたシミが気になって受診したことがあります。ただのシミだと言われて「あははは」と笑ってすみましたけど。

皆さん、皮膚におかしな出来物や今まで無かったシミやホクロができた時は、面倒がらずに医者に相談しましょう。

特にオーストラリアにお住まいの皆さん、この国の紫外線は有害ですよ。女性の多くはシミやそばかすが出来るのを気にしますから日焼け止めには気を使いますけど、お子さんや男性パートナーの日焼け対策も忘れないようにしてください。

Tさんは、がんが転移した前立腺と腎臓の手術を受けるんでしょうけど、こういう命に関わる手術の場合、順番待ちはどうなっているんでしょうか。

オーストラリアの公立病院で手術を受ける場合は、順番待ちが危機的な状況なんです。新型コロナの影響も大きいですけど、人口に対して病院の数も医者の数も足りていないのが最大の原因です。先日のニュースによると、現在手術を待っている人の数は8万人以上だそうですよ。

経済力のある方は、民間の病院で迅速に治療を受けられますけどね。

命に関わる手術なんですから、うちの息子の痔の手術のように1年待ってもまだ順番が回って来ないなんてことはないと思いますが、1ヶ月待たされても手遅れになる可能性があります。

Tさんが早く適切な治療が受けられることを祈っています。何とかコントロールできる状態が長く続いて欲しいです。


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2023年3月27日

初めての心理カウンセリング

大学院で心理学を勉強しているうちの娘が、先日初めてカウンセリングを行ったそうです。

クライエントは、心の問題を抱えた本当の患者さんです。

「学生がそんなことをしてもいいのか?」と私は思ったんですが、学校の先生になることを目指している学生が教育実習を行うのと同じように、心理カウンセラーになることを目指している学生も実習をしなくてはいけないのだそうです。そりゃそうですね。

大学院の1年目では、カウンセリングルームに指導者が同席して行い、2年目からは学生が一人で行うんだそうです。いずれの場合も、カウンセリングは録画されて評価されるそうです。

患者さんは、もちろんカウンセラーが学生だということは承知しています。料金が破格に安いということで、納得して学生によるカウンセリングを受けるのです。

うちの娘は、小学生の頃から長年カウンセリングを受けて来ましたから、カウンセリングに関しては経験者です。非常に効果があった優れたカウンセラーもいましたが、そうじゃあない人もいましたよ。中には2回目で「この人はダメだ」とあきらめたカウンセラーもいました。

経験があると言ってもそれは患者としての立場。初めてカウンセリングを行う立場になったわけですが、始まる前は大変緊張したそうです。

初めてのクライエントは、若い女性でした。

娘はカウンセリングルームにピンク色のクッションを用意しておいたそうです。不安を抱えている患者さんは、クッションを身体に抱えることで不安を和らげることが出来るからだそうです。

娘自身も、一時期具合が悪かった頃には不安を和らげるためのぬいぐるみを持っていました。

クライエントの女性は、部屋に入って来るなりピンク色のクッションを見つけて、それを抱きかかえたそうです。役に立ったんですね。

初めてのカウンセリングは大変うまく行ったそうです。

女性が希望したので、45分のカウンセリングを2回分の90分に延長したそうです。女性はリラックスしてたくさん話し、これまで気づいていなかったことに気づくことも出来、何度も声を出して笑ったそうです。

初めてのカウンセリングが上手く行って、娘は少し自信がついたようです。


うちの娘は、小学生の頃に髪の毛を抜いてしまう病気になったのを始まりに、様々な不安障害や抑うつで苦労して来ました。

食べ物が食べられなくなってガリガリにやせ細っていた頃もあります。自分を傷つけていた時期もありますし、人に会うことが怖かったりパニック発作が怖かったりして家から出られなくなっていた時期もあります。一時期は毎日暗い部屋に閉じこもっていました。

大学に通学出来るようになるために、娘と私は二人で練習をしたんですよ。認知行動療法という治療法で、苦手だったことに少しずつ挑戦して「考え」や「行動」を変えていくのです。

最初の練習は、玄関を出て近くのバス停まで歩いて行って帰ることでした。バス停まで5分もかかりませんけど、そこまで歩いて行くということが困難だったんです。その時は、玄関を出るだけでも強い決意と準備が必要でした。

3ヶ月近くかけて何とか大学までは行けるようになりました。少しずつ遠くまで行けるようになり、電車とトラム(路面電車)でメルボルン大学まで行けるようになったのですが、一人で行けるようになるまでは毎日私が一緒に行ったんです。

電車の中で苦しむ娘を何日も見続けましたよ。

私も苦しかったのですけど、そういうのは見せちゃあいけませんから頑張りましたが、正直言って大変でした。

あの頃は、娘が今のように強く元気になることなど考えられませんでした。いつかは普通のことが普通にできるようになって欲しいと願っていましたけどね。

こうした娘自身の病歴のために、患者さんに接してカウンセリングを行う臨床の仕事は難しいのではないかと言われていましたし、本人も私もそう思っていたのですけど、心も身体も強くなった今の娘は、自分の経験がカウンセリングの役に立つと信じているようです。

自分がカウンセラーに助けられて病気を克服できたように、今度は自分が誰かを助けたいと思っているんですよ。

親としてとても誇らしく思います。

大学院の勉強は大変でしょうけど、アルバイトも頑張っていますし、クラヴ・マガのトレーニングも続けていますし、住んでいるシェアハウスでは気分転換に野菜作りをしているそうです。

車の運転にだけは気を付けて、目標に向かって頑張って欲しいです。


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