2026年9月13日

お隣りのテイラーさん

私達家族は、現在住んでいる家に引っ越してくる前の10年間は、山の中の家に住んでいたんですが、その隣りの家に住んでいたのがテイラーさん夫婦です。旦那さんのドンさんは高校の数学の先生をされていたそうで、奥さんのミリアムさんは小学校の先生でした。現在はお二人とも80代です。

テイラーさんの家と私達が住んでいた家は、フェンスを挟んですぐ隣りでしたが、訪問し合うにはお互い一旦道路まで出なくてはいけなくて、それぞれ家から道路まで距離があったので、坂道をかなり歩かなくてはいけませんでした。

それでも、ドンさんはしょっちゅう私達の家にやって来ました。釣りが趣味のドンさんは大きなボートを持っていて、よく息子さん達と海に釣りに行っていたのですが、釣って来た魚を私達にくださるのです。自分でちゃんと切り身にしたのを持って来てくださるので、私は嬉しかったです。

魚だけではなく、庭で採れた果物や野菜も良く持って来てくださいました。グレープフルーツだけはいらないと何度も断ったのに、「誰ももらってくれないから食べてくれ」と言って持って来られるので困りました。

ドンさんは、心の底から親切な方です。

うちの娘がハイスクールの時に、数学で困っていると聞いた時は教えに来てくださいました。1回教えてもらって分からなかったことが理解できた娘は、試験で良い成績が取れました。

私が回転する目まいで倒れて救急車を呼んだ時には、懐中電灯を持って家の外を走るうちの夫に気づいて事情を聞いてくださって、雨が降る中、道路脇に立って救急車が来るのを待ち、家まで誘導してくだいました。

うちの夫の目の病気を知った時も、夫がうつ状態になって苦しんでいた時も、本当にいろいろと気遣ってくださいました。夫のことだけでなくて、私のことを気遣ってくださるので本当に有難かったです。

私がテイラーさん夫婦に最後に会ったのは、うちの夫の父親の「80歳の誕生日パーティー」でした。今年の6月のことです。私達が住んでいた家には、現在は夫の父親と中国人の奥さんが住んでいて、夫の父親とドンさんは良い友人になっているそうなんです。

パーティーで久しぶりに会ったドンさんは、とても痩せていました。そして、顔色が黄色い灰色だったので、私は肝臓が悪いのではないかと思ったのですけど、ドンさんは自分は健康だし、痩せたのは膝が痛むからダイエットをして体重を落としたのだと言っていたんですが。

先日、ドンさんが血液のがんだと聞きました。がん細胞が蓄積した肝臓は、もはや手の施しようがない状態なんだそうです。やはり肝臓が悪かったのだと思いました。

うちの夫の話によると、ドンさんは持ち物の整理を始めたそうです。そして、ジェネレーター(発電機)が故障していることが分かって、2週間ほど前ですが、うちの夫に修理を頼んだのです。夫とドンさんは道具を貸したり借りたりする仲でしたし、夫が機械の修理が得意なことも知っているのです。

夫は頼まれてすぐに修理にしに行きましたが、部品がないと直せなかったそうです。注文していた部品が届いたので、昨日の朝、もう一度修理をしに行きました。ジェネレーターはすぐに直ったそうです。「ドンさんの様子はどうだった?」と私が聞くと、「元気そうだったけど弱って来ている」と夫は言いました。

そして、昨日は息子さんが来られていたそうです。お父さんのドンさんと釣りに行くんだとおっしゃったそうです。「For one last time」(最後にもう一度)とおっしゃったそうです。昨日は暖かくて穏やかな天気でしたから、父と息子で釣りを楽しまれたはずです。

夫は、修理のお礼に庭で採れたオレンジを袋いっぱいもらって帰りました。毎年ドンさんにもらって食べていたオレンジです。小ぶりですが味の濃い美味しいオレンジなんです。

そのオレンジを食べながら、私はいろんなことを思い出しました。よい思い出しかありません。


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2026年9月12日

良いニュースが2つ

気分が沈むような話が続いていましたが、今朝は良いニュースが2つあります。

1つは、うちの夫が元気そうなことです。水曜日に元気が無くなってほとんど喋らなくなり、このまま「うつ状態」突入かもしれないと私は覚悟していましたが、今朝の様子から判断すると大丈夫のようです。

今日は仕事が休みなので、以前住んでいた家の隣人テイラーさんに頼まれたジェネレーターの修理をするんだそうです。先ほど夫の父親が迎えに来たので、道具を積んで出かけて行きました。

私達が以前住んでいた家というのは義妹(夫の妹)が所有する家で、現在は夫の父親と中国人の奥さんが住んでいるんですが、テイラーさんのジェネレーターの修理が終わったら、その家の修理や草切りもすることになっているそうです。

DIYの達人であるうちの夫は、目のせいで出来ないことも増えていますが、得意な仕事に取り組んでいれば牡蠣の養殖場への失望感もまぎれるでしょう。

「じゃあ、行ってきま〜す」と日本語で言って出かけましたけど、その言い方も声の調子も大きさも「大丈夫そうだな」と思えるものでしたから、私はホッとしました。


そしてもう1つの良いニュースは、夫と同じツールショップに勤める同僚で、夫の親友でもあるCさんのことです。この人の物忘れについては、これまで何度も話題にしているんですが、「物忘れ」というレベルじゃあない状況になって来ているんですけど、仕事上の問題も起きていたんです。

Cさんの仕事ではフォークリフトの運転が出来ることが不可欠なのですが、フォークリフト免許の有効期限が近づいていることを忘れ続けて、ついに免許が切れてしまったんです。

オーストラリアではフォークリフト免許は5年間有効で、運転免許と同じように有効期限が切れる前に更新の手続きをすれば簡単に更新してもらえるんです。うっかり期限を過ぎてしまっても、一定期間内なら学科試験や技能試験を受けずに更新してもらえるんですけど。

Cさんは更新手続きをしなくてはいけないことを忘れ続けたために、免許を取り直さなくてはいけなくなったのです。この間、ずっと「無免許運転」状態でしたが、店長はこれを把握していませんでしたから、普通に仕事をしていました。

ゼロからの受験となってしまったCさんは、フォークリフト免許講習の予約を入れましたが、そのことを忘れて別の予定を入れてしまったために講習に行けませんでした。そういうことが2回もあったんですよ。

そしてついに、店長がCさんのフォークリフト免許が切れていることを知ることになり、Cさんは免許を再取得するまでは部署の責任者から降格となりました。

ところが、その後も免許講習の予約を入れるのを忘れるので、うちの夫が何度も思い出させて予約を入れさせ、やっと昨日の金曜日に講習を受けることになっていたんです。

フォークリフトの運転に関してはベテランですからね、技能試験は問題なく合格すると思われましたが、記憶力の問題から学科試験を心配したCさんは、木曜日に仕事を休んで勉強したそうです。勉強して覚えた内容を一晩寝たら忘れるんじゃあないかと、うちの夫も息子も心配していましたけど。

とにかく、この講習を逃すわけには行きませんから、夫は何度もCさんに金曜日に講習があることを思い出させたそうです。「そこまでするか?」というレベルなんですから、そこまでしなくちゃあいけないんです。

そして昨晩、Cさんから無事に学科試験も技能試験も合格し、フォークリフト免許を再取得できたとの連絡があったそうです。

良かった、良かった。


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2026年9月11日

大きな失望感と気分の落ち込み

昨日の記事で、うちの夫がクイーンズランドのモートン島で従弟がやっている牡蠣の養殖場の手伝いに行くことになっていたのに、突然行かないことになってガッカリしているという話を書きました。そして、気分が沈んでいても料理をした後の片付けはちゃんとやってもらいたいという話を書いたんですけど。

昨日の時点では私が知らなかったことがあったんです。

夫はモートン島に行かないことが決まった翌日の水曜日は仕事が休みで家にいましたが、一日中ほとんど喋りませんでした。ガッカリしているんだろうと私は思っていたんですが、今思えば手伝いに行かなくなっただけにしてはあまりにも元気がなかったのです。

昨日の朝はさらに元気がなくなっていて、夕方仕事から帰って来た時には明らかに様子がおかしかったです。昨日は、勤めているツールショップで売り上げが目標に達していないことを理由に会社から「書面による警告」をもらったそうです。夫の勤める会社では「書面による警告」を6ヶ月間に3回もらうとクビになります。

気持ちが沈んでいる時にそんなものをもらうと余計に気持ちが沈むのは当たり前ですけど、それにしてもあまりに元気がないので話を聞いてみると、実はもっと気持ちが沈むような出来事があったのでした。

牡蠣の養殖場の経営改善計画ですけど、経営改善のために必要な設備を導入することが決まったら、大学の先生でもある多忙な従弟に代わって島に常駐する運営責任者が必要なわけですよ。うちの夫は、それを自分がやりたかったのです。

勤めているツールショップを長期休職するか退職してでも行くつもりだったようですけど、従弟から夫の視力を理由に断られたんだそうです。うちの夫が遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で目が見えなくなって来ていることは度々話題にしていますけど、車の運転が出来ずボート免許の取得も出来ないうちの夫には運営を任せられないと言われたそうです。

夫の目のことは最初から分かっていたことですから、もっと早い段階ではっきり言ってくれていたら、夫もいろいろ期待したり夢見たりすることもなかったし、経営改善計画だってあそこまでのめり込んで取り組んだりもしなかったでしょう。


双極性障害のうちの夫はですね、最近は自分でも「躁状態」だと言っていましたが、毎日エネルギーに満ち溢れていて、養殖場の経営改善計画にのめり込むように取り組んで来たわけですけど、双極性障害っていうのは「躁状態」の後には「うつ状態」が来るのです。

気持ちが沈むような出来事がきっかけで「うつ状態」になってしまったことが度々ありました。薬のおかげで「躁状態」も「うつ状態」も極端にひどい状態にはなりませんけど、「うつ状態」になると仕事に行くのがつらくなりますから大変なのです。

2日間ほとんど喋らなかった夫ですが、今朝はこれまで私に教えてくれていなかった話もしてくれました。

今回手伝いに行かないことが急に決まった理由は、従弟の妹夫婦が手伝いに行くことになったからという理由でしたけど、妹夫婦が手伝いに行くという話は現時点では決まっていないことが別ルートから分かったそうです。

事業の出資者でもあるドバイ在住の義妹(夫の妹)が来ることは確かなんですが、義妹とパートナーの手伝いだけでは今回の大量の収穫作業は不可能なので、従弟がどうするつもりなのか誰も知りません。

私はね、従弟のメンタルヘルスも心配していますよ。大学の先生でもある従弟は養殖場とのかけ持ちで非常に多忙なわけですが、共同出資者かつ共同経営者だった奥さんとは現在離婚協議中なんだそうです。

養殖場は経営継続が困難なため売ろうとして来たわけですが、売れない状況が続いていますし、収穫作業をしないわけにもいかないし、従弟は身体的にも精神的にもすごいストレスを感じているはずです。

将来的にこの牡蠣養殖事業に夫が関わることは出来なくなりましたが、視力のことは私が繰り返し指摘して来た問題ですから、予測出来たことではあります。私は正直言って無理だと思っていました。

もしも、夫が作った経営改善計画も無駄になって、夫が夢描いていたことが何も起きないということになれば、さらにガッカリするでしょうね。たとえそうなっても、そのせいで「うつ状態」にならないように気持ちを入れ替えて、何か別のプロジェクトに取り組んで欲しいです。


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2026年9月10日

気持ちが沈んでいても

昨日の記事に、うちの夫が再びクイーンズランドのモートン島で従弟がやっている牡蠣の養殖場の手伝いに行くことになったという話を書いたばかりなんですが、行かないことになったそうです。

ドバイ在住の義妹(夫の妹)とパートナー、そしてうちの夫の3人が手伝いに行くことになっていたのに、従弟の妹夫婦が来ることになったので、うちの夫が遠いメルボルンから行く必要はなくなったと連絡があったそうです。

3週間も仕事を休む件では、まだ全部は許可がもらえていなくて交渉中だったそうですが、もう休む必要はなくなりました。8月に行った時は、この妹夫婦が行くはずだったのにドタキャンしたせいでうちの夫が急遽行くことになったんですけど、今回またドタキャンしても、もう夫が仕事を休んで行くことは出来ません。

モートン島に行かないことになって、夫は明らかにガッカリしています。養殖場の経営改善計画作りにのめり込んでいましたしね、今回はこの事業の出資者でもある義妹が来るので行きたかったようですけど。ガッカリし過ぎて何もする気にならないのか、仕事が休みだった昨日は一日中退屈そうで、テレビを観たり昼寝をしたりしていました。


そして、昨日の晩ご飯なんですけど、うちの夫が作ることになっていたんですが、養殖場の件でガッカリしたことが影響したのかどうかは分かりませんが、晩ご飯は前夜に漬け込んでいた鶏肉をオーブンで焼いたの以外は、炊飯器で炊いたライスと「シルバービート」(Silverbeet)と呼ばれる巨大なほうれん草みたいな野菜を蒸したものだけでした。

ほとんど手間がかからない料理ですから、夫は鶏肉が焼けるまでテレビを観ていましたが、完全に目を離していたせいでシルバービートを蒸していた鍋の水が無くなり、野菜から出た汁が焦げついて鍋が真っ黒になってしまったんです。シルバービートは蒸し過ぎて茶色っぽくなり、歯がなくても飲み込める柔らかさになっていました。

でも、それはいいんです。鶏肉も美味しかったんです。問題はですね、食べ終わった後に、夫がいつものように居間に行ってしまったことでした。キッチンには脂まみれのオーブントレーや使った道具類、包丁やまな板や切りかけの唐辛子や、真っ黒になった鍋が残されているわけですよ。

誰が片付けるんだよ!

息子は、自分が使った食器を食器洗い機に入れると自室に行ってしまいました。夫は、自分が使った食器すらテーブルに放置したままでした。これを見て、私は絶対に片付けをしないと心に決めましたよ。

だってね、ここで私が片付けをしてしまうと「放っておけばヒロコがやってくれる」と夫に思わせてしまうでしょう?片付けのことを指摘すると怒る可能性があったので、私は何も言いませんでした。

しばらくテレビを観ていた夫ですが、キッチンから物音が聞こえたので片付けをしているんだろうと思ったんですけど、私が寝る前に行った時には、包丁やまな板や切りかけの唐辛子や使った道具類がそのままでした。私が片付けてあげようかなとも一瞬思いましたが、しませんでした。

そして今朝、出しっ放しだった物はそのまま、朝食を作るのに使ったアボカドの皮やバターの容器も出しっ放しのまま、夫はテレビの前に座りました。出勤時間が来るまでテレビを見るつもりでしょう。このままでは私が片付けをする羽目になると思って、私はどういう言い方をするべきか熟考してから言いました。

「キッチンの片付けは私にやって欲しいの?」

夫は一瞬黙った後、「いや、ボクがする」と言いました。そして、本当にちゃんと片付けをして、真っ黒の鍋も洗ってから仕事に行きました。

こういう時、以前の私は少なからず罪悪感を感じたものなんですよ。やってあげればよかったなと。でも、やってあげると夫は私がやってくれると期待しますからね、結局いつまでも片付けを私がやり続けなくてはいけないわけです。

夫が料理をすることが増えるのは歓迎しますけど、片付けまでちゃんとやらないのなら料理なんてして欲しくないですから。料理をする時は「片付けもちゃんとやるのが当たり前」になって欲しいのです。

牡蠣の養殖場の件でガッカリして気持ちが沈んでいたんだとは思いますけど、片付けはやってもらわないと困りますからね、「私が罪悪感を感じる必要はない」と自分を励ましています。


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2026年9月9日

またまた手伝いに行くそうです

うちの夫が、今月下旬からまたクイーンズランドのモートン島で従弟がやっている牡蠣の養殖場の手伝いに行くそうです。

10月にもまた行くという話を以前聞いていたので、どうなっているのかと聞いたら、もう出発日も帰って来る日も決まっていたのでございますよ。そういうことは、決まった時点で私に教えるべきなのに教えなかったのは何故?

私には言いにくい事情があったのか、私への影響など考えもしなかったのか。

今回は収穫予定の牡蠣の量が大変多いので、2週間以上の滞在になるそうです。この事業に出資しているドバイ在住の義妹も来て手伝うそうです。そして、牡蠣の養殖場の手伝いが終わった後は、父親主催の家族旅行でバイロンベイにも行くそうなので、3週間も仕事を休むんだそうですよ。

モートン島の牡蠣の養殖場へは、4月と7月と8月にそれぞれ2週間ずつ手伝いに行っていますから、これが今年4回目になります。8月に行った時には有給休暇が足りなくて病気休暇を使ったらしいのに、今回はどうやって行くんですか?

夫は「まだ有給休暇が残っている」と言うんですけど、3週間も休むんですよ。詳しい話を私に教えてくれない理由は、そのへんにありそうです。そもそも、会社に雇用されている従業員の夫が、こんなに仕事を休んで許されるんですか。普通ありえませんよねえ。

有給休暇ではなくて無給休暇なんじゃあないかと私は疑っているんですけど、そうだとすると牡蠣の養殖場の手伝いは「手伝い」なんですから報酬をもらうわけではありませんからね、私達の暮らしは大丈夫なのかと心配になるわけです。


最初は手伝いだったのに、従弟の牡蠣の養殖事業については夫が経営改善計画を作るほど足を突っ込んでいて、いろいろ夢見ているようなんですけど。

大学の先生でもある従弟はモートン島に定住することが出来ないために、経営を継続することが困難だから養殖場を売りたいわけです。売りたいのになかなか売れないのは、人の労働に頼り過ぎているやり方が問題だということなんですけど。

詳しいことを聞いていない私にはよく分かりません。夫は自分がやりたいことが最優先で私の意見には関心がありませんし、私も暮らしに困窮するようなことにならないのなら受け入れるしかないと思っています。

仕事が休みの今日は、晩ご飯を夫が作るそうです。昨日の夕方、仕事を終えた後、材料の買い物に行き、一晩漬け込んでおく必要があった鶏肉の仕込みをやっていました。滅多にないことですよ。

私の機嫌取りだとすると、

やっぱり何か事情があるに違いない…


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