2023年9月30日

親を叩く子供

トラックを修理するのに必要なものを買いに行きたいと夫が言うので、昨日の朝は「スーパーチープ・オート」(Supercheap Auto)というお店に夫を連れて行きました。

遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で目が見えなくなって来ているうちの夫は、もう車の運転が出来ませんので、買い物に行きたい時には私が運転手です。

帰りにヘアカットをしたいと言うのでショッピングセンターにも寄り、夫がヘアカットをしている間に私は食品の買い物をしたんですけど、スーパーの外で私はびっくりするような場面を目撃したんです。

それはごく普通のアジア人の親子3人でした。両親と思われる男女が幼稚園児くらいの男の子を連れていました。もしかしたら小学校のプレップ(準備学年)くらいの年齢かもしれません。

箱のようなものをたくさん載せているショッピングカートを押していたのは女性です。買い物袋もたくさん持っていて、それをカートに載せようとしていました。

男の子は走り回っていましたが、女性に何か言われて女性のところに行きました。男性は少し離れたところで腕を組んで女性と男の子を睨むように見ていただけでした。

「どうしてあの男は手伝わないんだろうねえ?ああいう風に女性に何もかも全部やらせて、自分は何もしないで突っ立っているだけの男が多過ぎるのよ…」

私がそう思った時ですよ。男の子が女性に何か言いましたけど、女性は首を振りました。そうしたら、男の子は女性を叩いたんです。

腕を振り抜いて、女性の腕とお腹の辺りを力いっぱいバシンと叩いたんですよ。カッとなって躊躇せずに叩いたという感じです。

小さな子供でも、あんなふうに叩かれたら痛かったはずですけど、叩かれた女性は何も言いませんでした。

それを見ていた男性が男の子に怒鳴りましたけど、腕を組んで突っ立っているだけで、男の子は完全に無視していました。そしてまた走り回り始めた男の子に、男性が大声で怒鳴っていました。

あの女性は男の子の母親だと思いますし、男性は父親だと思います。ショッピングセンターのような場所で、あんなふうにお母さんを叩くということは、きっと家でも日常的に叩いているのだと思いますよ。

感情の表現の仕方がよく分からない幼児が親を叩くことは珍しいことではありませんけど、5〜6歳の男の子がお母さんをあんなふうに叩くのは問題です。学校で他の子供達を叩くことも考えられます。

男の子の周りにいる大人が、叩くことを「しつけの手段」として日常的に使っている可能性がありますし、あるいは周りの大人が叩いているのを見て「不満がある時には叩けばいい」と学んだ可能性もあります。

小さな子供というのは、自分の思い通りにならない時に、泣けば欲しい物が手に入ったり自分の期待通りのことが起きたりすると「泣くことは効果がある」と学んで、わざと泣き真似をしたりしますけどね、それと同じように「叩くことは効果がある」と学んだ子供は叩くようになります。

怒鳴るだけで何もしない父親はいけません。きっといつも怒鳴るだけなんでしょう。あの男の子は父親のことを完全に無視していましたもの。怒鳴られることに慣れているんだと思いますよ。

叩かれて子供の言うことを聞くお母さんも絶対にいけません。叩かれて何も言わないのもいけません。叩いた時には、ちゃんと叩いてはダメだということを教えないと。

それを教えるために、叩かれた痛みを分からせると言って親が叩くのもいけません。

あの男の子がまだ小さいうちに、叩かない問題解決法を学ぶようにちゃんと教えて欲しいものです。

ホントにああいう親子は心配です。


お帰りの前に1クリックを!



2023年9月29日

引っ越し先の家と暑さ問題

メルボルンは、今日は「AFL決勝戦前日」という祝日です。

AFLというのは、オーストラリアン・フットボールのプロリーグのことで、決勝戦が明日の土曜日に行われるのです。今日は、その決勝戦の前日という祝日なんですよ。

メルボルンには世界が驚く2つの祝日がありまして、1つはこの「AFL決勝戦前日」で、もう1つは11月第一火曜日の「メルボルンカップの日」です。メルボルンカップというのは、競馬のレースのことですよ。

すごいでしょう?フットボールや競馬のために、学校も会社も休みになるんですから。

うちの夫が勤めるツールショップは祝日でも営業していますが、夫は休みです。オーストラリアでは、祝日に従業員を働かせると通常の2倍、祝日が土日だとさらに余分の給料を払わないといけません。うちの夫を働かせると給料が高く付くので、今日は給料が安いスタッフが出勤しているそうです。

うちの夫は、ごみ屋敷状態のガレージを片付けないといけないんですから、仕事が休みの今日はそれに取り組んでもらいたいのですが、片付けを始める前に故障しているトラックを直さないといけないとも言っていますから、トラックの修理で一日が終わる可能性がありますね。

引っ越し先は、まだ決まっていません。

私達が住んでいる家の持ち主である義妹(うちの夫の妹)がこの家を売ると決めたのは1ヶ月くらい前のことです。

すぐに家探しを始めて、ツールショップから徒歩圏内に見つけた家に賃貸の申込書を出したのは11日でした。

いろいろ足りない書類があったりしましたが、必要な書類と身元証明が全部揃った後、1週間以上たっても不動産屋からは何の連絡も無かったので、私達は別の家にも申し込みをしました。

その家は、最初に申し込んだ第1希望の家よりも私は住みたい気持ちが強いのですけど、何しろツールショップまで歩いて6〜7分という絶好の場所だし、すべての部屋にエアコンがあるのでね。

しかし、その家を管理している不動産屋からは全く何の連絡もありません。

おそらくたくさんの申し込みが来たのだろうと想像できますが、その不動産屋の社長とうちの夫が知り合いだったので、もう決まったも同然と私は期待していたんですけど。

第1希望の家は、やっと見学させてもらえることになり、水曜日の午後に見に行って来ました。

他の見学者はいませんでした。私達だけということは、見学の後で私達がこの家で良いと言えば決まりじゃあないのかと思っていたんですけど。

不動産屋の担当者が来なかったんですよ。

歯が折れたとかで…

確かに、歯が折れたら仕事どころじゃあないでしょうねえ。

急遽、代わりに事務所のアシスタントだという女性が来ましたが、このアシスタントは事情をよく知らない様子で、「あなた方が賃貸人に選ばれたんですか?」と私達に聞くんです。それはこちらが聞きたいことです。

歯が折れた担当者からは、昨日も連絡は無かったです。

見学させてもらうのに2週間以上も時間がかかり、入居可能日が二転三転して決まらないのも、おそらく入居日が決まらないから契約書が作れないのも、現在住んでいる方の事情のせいだと思います。

この方は、他州に引っ越しをされるのでいろいろなことが簡単ではないらしいのですよ。それに、家を不特定多数の知らない人達に見せる見学会(Open For Inspection)というのをしたくないと拒否しておられたらしいです。

私達は、この家が賃貸に出た時にすぐに場所を確認するために見に行ったんですけど、その時、住所を覚えていなかったので、8軒あるタウンハウスのどの家が賃貸に出ているのかが分かりませんでした。

偶然通りかかった犬を連れた女性に「どの家が賃貸に出ているのかご存知ですか」と聞いたら、「知ってますよ、私が住んでいる家です」と教えて下さいましてね、その時しばらく立ち話をしたんです。

この女性とは、水曜日に見学にうかがった時にも話をしました。

私達はこれまでずっと賃貸暮らしだったので、知らない人が家を見学に来る見学会というのは何度も経験しています。私はその都度きれいに掃除をして家の中を片付けたものですけど、この女性は掃除も片付けもしていませんでしたよ。

それに、私はいつも見学会の間は外に出ていてくれと言われましたが、この女性はずっと家の中にいて、不動産屋のアシスタントとおしゃべりをしていました。

家の中は、引っ越し作業を始めている様子はなかったですが、いろんなものが出しっぱなしでしたし、キッチンの流しには鍋や食器が突っ込んであったし、誰かが家を見に来るからキレイにしておこうとした様子は無かったです。

こういう対応でいいんだと思って、私は気が楽になりました。

賃貸契約中の自分の家に他人を入れて自由に見て歩かせて、そのために掃除や片づけをしても、得をするのは家主と不動産屋だけなんですからね。

見学会をしたいと不動産屋が言って来たら断れないのだと思っていましたけど、断れるんですね。家の中の写真を撮るのも拒否できるらしいですよ。

いろいろ話を聞いていたら、この女性は弁護士だったと分かりました。法律のことには詳しいので、賃貸人の権利というのもよくご存知なんです。

歯が折れた担当者の代わりに来たアシスタントの話から判断すると、やはり私達が賃貸人に選ばれたから見学させてもらえたらしいのですが、まだはっきりしません。

アシスタントには「私達はこの家を借りたいです」と言っておきましたから、後は契約書を作ってもらって、サインをして、ボンド(敷金みたいなもの)と最初の月の家賃を支払うだけだと思うんですよ。

早く決まるとありがたいのですけど、歯が折れた担当者と連絡がつかないので、待つしかないです。


ところで、不動産サイトに掲載されて1週間ほどで消えていく物件も多いのに、絶対に人気があるはずだと思える物件なのに掲載されたままの状態が何週間も続いているのがあります。

私達が申し込んだもう1件の家もそうです。

私はね、もしかしたら家賃入札を期待して時間をかけているんじゃあないかと疑っているんです。家賃入札は違法ですから、家主にしても不動産屋にしても、それを勧誘するようなことを言うと罰せられます。

ですからね、時間をかけてじらすのではないかと。

申込みが殺到しているのは確実なので、時間がかかって借りられる可能性があるのか無いのか分からない宙ぶらりんの状態が続くと、イライラした申込者が「家賃をもっと払ってもいいですから私達に貸してください」と自発的に高い家賃をオファーする場合もあるだろうと思うんですよ。

家主はそれをねらっているんじゃないかと。

現在、メルボルンは賃貸住宅不足ですから家主の立場が圧倒的に強いのです。条件が悪い家なのに法外な家賃を要求する人もいるんですよ。

それに、借り手がいろいろとリクエストをすると嫌がられて賃貸契約を更新してもらえなかったり立ち退きを要求されたりもするらしくて、それを恐れるあまり賃貸人は不満があってもおとなしくするしかないという状況もあるそうです。

第1希望の家に住んでいらっしゃる女性ですけど、これまで6年もこの家に住んで来られたそうですが、やはり夏は2階の寝室が耐え難い暑さになり、とても眠れない状況だったそうです。しかし、何度リクエストをしても家主はエアコンもファンも付けてくれなかったんですって。

そこで、天井に付けるファンを自費で取り付けたけど、引っ越しを前に全部取り外したとおっしゃっていました。付けたままにしておいてくださると助かるんですけどね。どうせ処分するのにもったいないです。

2階には寝室が3つありますが、主寝室だけに小さいエアコンがあります。その部屋以外は、ものすごい暑さになるそうですよ。1階にはエアコンはありません。

この家を借りることになったら、暑さ対策を何とかしないと熱中症が心配です。猛暑の日は、夜になっても室内の気温が30度以上あるなんてことはザラなんですからね。

エルニーニョの夏ですから暑さが心配です。暑さに弱い私がこの家に住めるんだろうかと不安でいっぱいです。


お帰りの前に1クリックを!



2023年9月28日

腎臓提供者は名前を明かさず

うちの夫が健康な腎臓を必要としているどこかの誰かに自分の腎臓を1つ差し上げたいということで、これまで2年以上も検査を繰り返して来たことについて、私は何度もこのブログで記事に書いて来ましたけど。

いよいよ手術日が近づいて来たので、最近はこの話題が続いていますが、腎臓提供者は、匿名と言うんですか、名前を明かさないことが方針として決められているそうなので、身元が特定できるようなことは、

書いちゃあいけなかったらしいんですよ!

うちの夫が腎臓の提供者だということは、このブログの読者の皆さんにはもうバレバレじゃあないですか!

「腎臓関係の記事は削除しなくちゃあいけないの?」と聞きましたらね、削除しなくてもいいけど、手術日とかは絶対に書くなと言いました。手術日が分かると患者さんに身元が特定されてしまうと言うんです。

手術日のことも何度も書いて来ましたよ!

それを聞いてすぐに、手術日のことを書いている記事を探し出して書き直したんですが、このブログをいつも読んでくださっている皆さん、手術日のことは忘れてください。

このブログや私のSNSなどからうちの夫の身元を特定して、インターネット上で「この日この病院で腎臓を提供するのはこの人だぞ!」とバラしたりしないでくださいね。よろしくお願いします。

腎臓の提供を受ける患者さんやご家族は、どこの誰から提供してもらうのかは分からないことになっているそうですし、夫も自分の腎臓を誰に提供するのかは知りたくないと言っています。

夫は入院中にメディアの取材を受けることになっているそうですが、顔が写らないようにするんですかね。あるいは番組内では顔をぼかすんでしょうか?インタビューされるだけかもしれませんね。

この生体腎臓移植プログラムですが、「Australian and New Zealand Paired Kidney Exchange (ANZKX) Program」という名前のプログラムです。2019年に設立されたそうですから、始まってまだ4年しか経っていません。

プログラムは、オーストラリア保健省の「Australian Organ and Tissue Authority」という組織とニュージーランド保健省から資金提供されて運営されています。

日本では、生体腎臓移植で提供者になれるのは、患者の家族(父、母、子供、兄弟姉妹、祖父母、伯父伯母、夫、妻など)に限られているそうですね。

日本移植学会の倫理指針で、生体臓器移植では親族からの提供に限るとされているそうですから、夫が参加しているようなプログラムを日本で行うのは不可能ということでしょうか。

単なる善意から腎臓を1つどこかの誰かに提供したいと考える人は、多くはなくてもいらっしゃると思いますし、家族の腎臓が適合しない患者さんにとっては、とても有益なプログラムだと思いますけどね。


ところで、お肉が大好きなうちの夫は、大きなかたまり肉のロースト料理を作るとすごい量の肉を食べます。

ハイスクールの時、学校から帰宅したら母親が晩ご飯用に作っていた子羊の骨付きモモ肉のローストがあったのを、空腹のティーンエイジャーだったうちの夫が少し食べたらが止まらなくなって、ほとんど一人で食べてしまったというエピソードもあるくらいなんですけど。

腎臓を摘出した後は一度にたくさんのお肉を食べられなくなると分かり、手術の前に最後のご馳走(?)にロースト料理を作ってくれと私に言っていたんですけどね。

手術前に肉を腹いっぱい食べたいという気持ちは分かりますけど、それは患者さんに対して無責任じゃあないのかと私が言おうとしたら、ロースト料理はもういらないと自分から言いましたよ。

これから手術日までは、ずっと健康的な食事を続けたいし、少しでも減量したいので、これまで通り晩ご飯は具だくさんスープでお願いしますと言いました。

そして、パンを焼くのをやめてくれとも言うんです。

私が家で焼くパンは、どうしても食べ過ぎてしまうし、あると食べたくなって我慢が出来ないから作らないでくれと。それに、パンを食べると便が固くなるとか。

「それはねえ、一度に1斤も食べたりするからよ!あなたはとにかく食べ過ぎなの!1切れで我慢すればパンを食べても何の問題もありません」
「じゃあ、焼いたパンは少しだけ出しておいて、あとは冷凍しておく?」
「そんなに我慢が出来ないの?」

我慢は出来ないようです。

昨日もパンを焼いたんですけど、食べるなと言っておいたのに一番最初に切って食べたのは夫ですよ。お代わりもしていました。ピーナッツバターをたっぷり塗って食べていました。

パンを焼くのをやめないといけないかもしれません。


お帰りの前に1クリックを!



2023年9月27日

移植患者数の新記録

昨日、うちの夫は腎臓摘出手術前の最後の診察があるということで仕事を休んでいたのですが、午前中は勤めているツールショップ会社の全店舗の店長と副店長がオンラインで会議をすることになっていて、夫はその準備をしていました。

新しく導入されるシステムについての説明講習会みたいなものだったらしいですけど。

夫の診察は午後1時半からでしたから、夫を病院に送って行くのはお昼過ぎです。私は午前中にヘアカットに行こうかと思っていたんですが、行くのをやめました。

バタバタしていると、夫の携帯に不動産屋から電話がありました。申し込みをしている家の見学ができることになりました。それは今日の午後させてもらえることになっています。

もうすぐオンライン会議が始まるという時になって、再び夫の携帯が鳴りました。病院からでした。

診察は午後1時半からだったのですが、午前中には血液検査とかの検査が予定されていたのだそうです。時間になってもうちの夫が来ないから連絡して来られたのですよ。

夫は検査のことはすっかり忘れていたそうです。

ヘアカットに行かなくてよかったわ!

夫は病院の担当者に「今からすぐに行きます」と答え、私も大急ぎで出かける準備をして家を出ましたが、オンライン会議はどうするの?

店長の夫に代わって誰かが会議に参加しなくてはいけません。私が病院へと車を走らせている横で、夫はその手配をしていました。

本当にむちゃくちゃバタバタしましたよ。


午前中の検査は、夫の腎臓が正常に機能していることを再確認することが目的だったそうですが、機能し過ぎくらいに完璧に機能しているそうです。午後の診察では、これから手術までの間に注意することなどを指導されたそうです。

最も注意しなくてはいけないのは、病気にならないことです。

特に新型コロナ!

手術前々日には、新型コロナの検査を受けに再び病院に行かなければいけません。そして、手術が行われる病院には前日の午後に入院します。全て順調なら手術後3〜4日で退院できるんだそうですよ。

夫が参加している生体腎臓移植プログラムは、移植を受ける患者と腎臓を提供するその患者の家族(家族とは限りませんけど)というペアで参加するプログラムです。

家族の腎臓が患者に適合しないために移植ができないというケースです。うちの夫のようなボランティア提供者の腎臓がある患者に移植されると、その患者の家族が提供する腎臓は適合する別の患者に移植されるのです。

昨日の記事にも書きましたように、うちの夫の腎臓がAさんという患者に、Aさんの家族の腎臓がBさんに、Bさんの家族の腎臓がCさんに、という具合につながって、今回12人の患者さんが腎臓移植を受けることになっていると聞いていたのですが。

昨日医者から教えてもらった話では、その後さらに患者さんとその家族の腎臓が適合する別の患者さんがつながって行って、今回移植を受ける患者数は、

なんと16人になったそうですよ!

そのスタートになるのが、うちの夫なのです。自分の家族には患者がいない、完全にボランティアの腎臓提供者です。

この生体腎臓移植プログラムとしては、一度に16人というのは新記録なのだそうです。手術が行われるオースティン病院でも、これまでにない大プロジェクトになったわけで、メディアも取材に来ることになっているんだそうですよ。うちの夫も取材されるらしいです。

16人の腎臓摘出手術と16人の腎臓移植手術ですからね、オースティン病院だけで行えるわけがないですから、どの病院でどのようにして手術が行われるのか、私も興味があります。

このプログラムは、オーストラリアだけでなくニュージーランドでも適合する患者を探すそうですから、ニュージーランドの病院でも手術が行われる可能性がありますね。

夫はメディアが取材に来ることを喜んでいます。この生体腎臓移植プログラムがテレビで報道されて、それをきっかけに自分のように腎臓を提供しようと思う人が一人でも増えると素晴らしいことだと言っています。

放送日が分かったら、またこのブログで紹介します。

「緊張したり不安になったりしていないの?」と聞いてみましたらね、不安などは全く無いそうですよ。

10年以上も前から、腎臓を提供したいと思って来たそうなので、ついにその時が来たということで、楽しみでしょうがないそうです。こんなにワクワクする気持ちになったのは久しぶりだそうですよ。

私は自分の腎臓をどこの誰とも分からない人に差し上げるなんてとても出来ませんけど、うちの夫を助けることで役に立ちたいと思います。

助けると言っても、私に出来ることは夫を病院に送り迎えすることと、退院後の世話くらいなものですけどね。

16人の患者さん達は、今どんな気持ちで手術を待っていらっしゃるのでしょうかね。患者さん達のことを考えると、私に出来ることは何でもしようと思います。


お帰りの前に1クリックを!



2023年9月26日

腎臓摘出手術前の診察

うちの夫の腎臓摘出手術が近づいて来ています。

今日は、手術前の最後の診察があるので仕事を休んでいます。いよいよですよ。

どんな気持ちでいるんでしょうか。

健康な腎臓を必要としているどこかの誰かに自分の腎臓を1つ差し上げたいということは、何年も前から考えていたんだそうですが、実際に行動を起こしたのは2年前です。

見ず知らずの赤の他人に提供するので、自分の家族に提供する場合に比べてはるかに慎重に検査が行われました。

いろいろ問題が見つかったものですから、さらに詳しい検査が必要になったり、肥満が問題視されて減量に取り組んだり、また夫にはメンタルヘルスの問題もありますから精神科医の診断も必要だったりして、腎臓提供が決まるまでに2年もかかりました。

夫が参加を申し込んだ生体腎臓移植プログラムというのは、腎臓移植を受ける患者さんの家族や知り合いなどの関係者も、どこかの誰かに腎臓を提供することを約束しているので、適合する患者が上手く見つかると「芋づる式に」と言うと言葉は悪いですけど、次々に提供者と患者が繋がって行く可能性があります。

どういうことかと言いますとね、Aさんという患者さんがいるとしますよ。Aさんの家族がAさんに腎臓を提供したいと希望しているのだけど、その人の腎臓はAさんには適合しないので移植ができないとします。

でも、うちの夫の腎臓をAさんに提供することができると、Aさんの家族は腎臓が適合するBさんに提供することになるのです。うちの夫とAさんは見ず知らずの他人ですし、腎臓を提供するAさんの家族とBさんも他人です。

Bさんにも腎臓を提供したいと思っている家族がいますが、適合しないからBさんには移植できません。ですから、その人はCさんに提供することになります。

そしてCさんの家族がDさんに提供し、Dさんの家族はEさんに、という具合に「腎臓を提供してもらう&その患者の家族が別の患者に腎臓を提供する」がつながって行くのです。

今回、うちの夫がスタートになって、分かっているだけで12人の患者が移植を受けられることが決まっているんですよ。その12人の中には、適合する腎臓が見つからず3年間も待ち続けていた人もいるそうです。

12人の患者の移植手術を行うということは、24回の手術が行われることになります。もちろん一つの病院で全ての手術が出来るわけがありませんから、複数の病院が関わっている大プロジェクトになっているわけなんですけど。

スタートになるうちの夫が、この手術前の大事な時に病気になったりメンタルの具合が悪くなったりすると大迷惑がかかりますからね、夫も体調管理に気をつけています。


私達は引っ越しをしないといけないので、申し込みをしている家を私達が借りられることが決まったら、契約のこととか、支払いのこととか、荷物の準備、引越し業者の手配など、いろいろと手術と重なってしまう可能性があります。

腎臓摘出手術後、数日間は入院するんですしね、私が一人で引っ越しをするようなことになるとイヤだなあと思っているんですよ。

息子がいますから手伝ってはくれますけど、息子はまだ痔の手術から完全に回復できていませんし。

どうなるんだろうかと少し心配していますけど、何も決まっていないことを心配するのは無駄なことですね。

夫が順調に回復するのかどうか、これがきっかけでまたメンタルが不調になるんじゃあないかとか、そういう心配もあるんですよ。

でも、なるようにしかならないんですからね。

私は「取り越し苦労」 をしやすい性分ですけど、これはね、実際に悪いことが起きた経験が重なったことも影響しているんです。最悪のシナリオを想像してしまうのは、経験から生じた不安が原因でもあるんです。

今から心配しても仕方がないと、自分に言い聞かせています。

「きっと悪いことは起きない」とは思っていませんよ。「悪いことが起きても何とかなる」と考えるようにしています。


お帰りの前に1クリックを!