昨日、運転免許証の再交付を願って視力検査に行ったうちの夫ですが、再び車を運転できる可能性は、
完全にゼロだったそうです!
運転免許証を返納したのは5年前の今頃なんですけど、あの時、ヴィクトリア州の交通局 VicRoads から求められた「視野検査」を受けて、運転に適正な視力が無いと判断されたのです。
あれから5年も経って視力は確実に悪化しているわけですから、「運転免許証の再交付なんてありえない」と私は思いましたが、夫は特定の条件での限定的な運転なら出来るのではないかと期待していたのです。
5年前に受けたのと同じ「視野検査」を受けたそうです。その検査は、画面の中心を見つめながら視野のどこかで光の点滅が見えたらボタンを押すという単純な検査です。
5年前は、検査中に光が全く点滅しない時間が度々あったそうです。点滅していなかったのではなくて、光の点滅が夫には見えていなかったわけですけど。
昨日は、視野の中心部分では光の点滅は全く見えなかったそうです。視野の外側の方では見えたそうですけど、運転をする時に見ているはずの部分では見えないということです。
そんなことは検査をしなくても分かっていたことなんですよ。夫の目は視野の中心部分は黒くなっているんですから。
今年の1月に撮ってもらった眼底の写真を見てもらえれば、皆さんにも想像していただけると思いますが、網膜の黄斑と呼ばれる視野の中心となる部分の視細胞は、ほぼ死んでしまっているんです。視細胞が死んでしまうと光も感じませんから、視野の中心部分が黒くなっているのです。
それでもまだ文字が読めるのは、焦点を合わせる位置を見ようとする文字からあっちやこっちにずらすことで、視細胞が生き残っている部分、すなわちまだ見える部分を見つけることが出来るからです。
これを日常的に無意識のうちにやりながら、左右の目でそれぞれを補いながら見ていますから、本人はまだ見えていると思っているんですよ。でも実際には見えていない物があるので、そうした物につまずいて転倒したりするわけですよ。
焦点を合わせる位置をあっちやこっちにずらすことで、そこにあると分かっている物を見ることは出来ても、何があるか分からない場所でそのようなことは出来ません。ましてや車の運転中になど無理な話です。
昨日は少なからず期待していたようですが、検眼医に車の運転は100パーセント不可能だと言われ、自分でも見えないことを自覚しましたので、夫は納得したようです。納得はしても悲しそうでした。
計画しているキャリアチェンジの障害になるようですけど、こればかりはどうしようもありません。「だから無理だって言ったでしょ!」なんて言えませんからね、私は「残念だったね」と慰めました。
すると、夫は言いました。
「でもね、良かったですよ。もしも、まだ運転ができるという結果になっていたら、これまでの5年間、トラックまで運転させられて来たヒロコは頭に来たでしょ?」
「そりゃあ頭に来たわよ!トレーラーまで牽引して商品の配達まで手伝わされて、どれだけ苦労したことか!」
冗談を言って、ギャハハと笑いながら、心の中では夫がとても気の毒でした。
遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」は、治療法も進行を遅らせる方法もありません。これからさらに視力を失って行くだけです。どうしようもないんです。
せめて、キャリアチェンジが上手く行って、たとえ1〜2年でも「やりがい」のある仕事ができたらいいのでしょうが、夫がやりたいと考えている仕事に車の運転が必要なのなら、残念ながらこのキャリアチェンジは無理な話です。
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