2026年4月25日

アンザック・デーに思うこと

今日は、アンザック・デー(ANZAC Day)という祝日です。

毎年のように書いていますが、ANZACとは、Australia and New Zealand Army Corps(オーストラリア・ニュージーランド軍団)を意味します。アンザック・デーは、あらゆる戦争、紛争、平和維持活動に従事して命を落としたすべてのオーストラリア人とニュージーランド人を追悼する日です。


なぜ4月25日なのかと言うと、1915年4月25日にオーストラリア・ニュージーランド軍団の兵士達がトルコのガリポリに上陸したことに由来します。もともとは、第一次世界大戦のガリポリの戦いに従軍した兵士達を称えるために制定された記念日なのです。

ガリポリの戦いは、オーストラリアでは大変有名な話ですが、私はオーストラリアに来るまで知りませんでした。ピーター・ウィアー監督の映画「ガリポリ(Gallipoli)」(邦題「誓い」)で描かれているのがガリポリの戦いです。

1981年の作品です。映画の前半はオーストラリアの雄大な風景を舞台に、メル・ギブソン演じる主人公と仲間の青年たちが、軍隊に志願するか否かを悩む青春ドラマが描かれ、後半はイメージしていた憧れの戦場とは全くかけ離れた、凄惨で無慈悲な戦争の現実を描いています。

第一次世界大戦は、オーストラリアとニュージーランドにとって、本格的な戦争としては初めての参戦でしたが、ガリポリの戦いだけでも甚大な犠牲を出しました。

ガリポリの戦いは、戦線が膠着してからの塹壕戦の悲惨が有名で、非常に長びいた塹壕戦のために、連合軍の兵士約14万人が腸チフスや赤痢で病死したと推定されているそうです。
 

戦争は、過去の出来事ではなくて、現在進行形ですよね。今もウクライナや中東を初め、世界の様々な地域で戦争や紛争が起きています。そして、戦場で命を失ったり心身に深刻な傷を負ったりするのは、兵士や民間人なわけですよ。

侵略者から国を守るために戦うとか、敵から家族を守るために戦うとか、そういう犠牲を正当化する理由のない戦争や紛争も起きています。

国の指導者あるいは指導層の欲やエゴで起こされる場合もあるわけですよ。そして、兵士は上官から命令されたから攻撃する、あるいは報酬のために恨みも敵意も感じていない人々を傷つける、そういうことが今も行われているわけです。

人命の損失だけではありません。戦争がもたらす経済的な損失や、莫大な税金が戦費に使われることも忘れてはいけません。

甚大な被害を出して失敗したガリポリの戦いですが、立案したのはウィンストン・チャーチルでした。この人は、二枚舌外交(三枚舌外交とも言われています)で現在まで続く中東問題の種を撒いた人です。戦争をゲームか何かのように考えていた人で、自分の栄光のために無謀な作戦を平気でやらせた帝国主義者です。

悲惨な戦争や紛争を引き起こした国の指導者は大勢いますけど、選挙で選ばれた人が大半です。選挙の正当性の問題はありますけどね、そういう人達を国の指導者に選んではいけませんよ。

日本もオーストラリアも民主主義の国です。私達には自分の国の運営を任せる指導者や議員を選ぶことが出来るわけですから、不要な戦争を起こしたり、他国を支配したり搾取・利用したりするような人間には投票しないことです。

そのためにも、誤った情報をちゃんと識別して、正しい判断をしなくてはいけません。オーストラリアでは投票は国民の義務ですけど、日本ではまだまだ投票に行かない人が大勢いますね。それは無責任なことだと思います。

投票のやり方そのものが一部の人にとって難しい状況があるなら、変えたらいいのです。「変えてくれる人」を選んで変えて行くんです。ただし、悪い方向に変えようとする人もいますからね、選挙の際には候補者の本質を見抜かなくてはいけません。

まあとにかく、少なくとも戦争を肯定するような人間に投票して国の政治を任せるのだけはやめましょう。


お帰りの前に1クリックを!



2026年4月24日

どこかに行きたいけど

日曜日の朝は冷え込んで気温は2度でしたし、メルボルンは暖房が必要な季節になっています。

今住んでいる家は、お隣りの家の大きな木のせいで日当たりが悪いので、洗濯物を外に干しても乾きませんから、最近は部屋干ししているんですけど、仕事部屋と居間の間の鴨居に洗濯物をぶらさげながら、扇風機がじゃまになっていることに気付きました。

ちょうどその辺りに置いてあるんですよ。この家にはエアコンが無いので暑い夏には毎日フル稼働していた扇風機ですけど、最近は使っていませんでした。

そろそろ片付けた方がいいかもしれないとは思っていたんですけど、片付けなくて良かったですよ。

今週は秋晴れのいい天気が続いていて、昨日は気温が26度まで上がりました。26度は大した暑さじゃあないですが、その気温の中、お日様を浴びながらスーパーへ歩いて行って帰ると、

汗が吹き出ます!

来週もずっと秋晴れで気温も高くなるようなので、扇風機を片付けるのはもう少し待った方が良さそうです。



上の写真は昨日スーパーまで歩く途中で撮った写真ですが、こういうまさに秋の行楽日和という感じの天気が続いているんですよ。

どこかに行きたいなあとは思うけど、行くには自分で車を運転しなくちゃあいけないし、運転は苦手だし、どこに行くにしてもめちゃくちゃ遠いし、一人で行ってもつまらないし。

うちの夫は、クイーンズランドのモートン島でBBCのドキュメンタリーでしか見られないような未知の世界を経験しているわけですが、私はというと毎日同じ場所で同じ暮らしです。

人が旅行に行きたいと思う理由は、気分をリフレッシュしたいとかストレスから解放されたいとかいろいろあるでしょうけど、一番はやはり刺激じゃあないですかねえ。日常とは異なる景色や文化に触れることで得られる刺激ですよ。

ああ、どこかに行きたい!

でも自分で車を運転して行くのはイヤだ。

誰かどこかに連れて行って!

そんなことを期待している限り、どこにも行けません。


お帰りの前に1クリックを!



2026年4月23日

ソルジャークラブとミッジ

クイーンズランドのモートン島で従兄弟がやっている牡蠣の養殖場の手伝いに行っているうちの夫は、とても疲れている様子です。仕事はかなりの重労働のようです。


クタクタになるほど身体を動かしているわけですが、体重は減っていないそうですよ。従兄弟が、毎日ご馳走を食べさせてくれているそうなんです。

昨日、その従兄弟のインスタグラムを見たら、こんな写真が載っていました。こういうのを食べさせてもらっているわけですよ。


海で働いていると面白いものを見つけることもあるようで、こんな写真を送って来ました。小さな砂の球体が大量にあります。


これは「ソルジャークラブ」(Soldier Crab)と呼ばれるカニが作るんだそうです。2.5センチほどの小さなカニです。日本では「ミナミコメツキガニ」と呼ばれるようです。

柔らかい干潟に大きな群れを作って生息し、普段は砂の下に潜って隠れていますが、潮が引くと地上に現れて歩き回ります。このカニは、前に歩くことが出来るのが特徴だそうですよ。


「ソルジャー」とは「兵士」という意味ですが、集団で前に歩いていく様子が軍隊のようなので、そういう名前が付けられたそうです。

砂泥をハサミですくって口に入れ、プランクトンとか微生物の死骸などを濾しとって食べて、砂を球状にして捨てるんだそうです。

面白いですね。


モートン島は砂の島で、ほぼ全体が国立公園に指定されています。ここの海洋生態系は興味深く、私が見たこともない世界ですし、私も夫と一緒に行けばよかったなあと思ったりもしたんですよ。大してお手伝いは出来ないでしょうが。

しかし、夫から「ミッジがすごい!」と聞いて、やっぱり行かなくてよかったと思いました。

ミッジというのは、蚊のようなブヨのような小さな吸血虫ですが、牡蠣の養殖場周辺には大量にいるんだそうです。うちの夫はミッジに刺されて痒くてたまらないそうですよ。

吸血系の虫には非常に好かれる体質の私は、ミッジが大量にいるような場所に行くわけにはいきません。サメや毒ダコは近寄らなければ大丈夫だけど、吸血虫からは逃げられませんからね。

やっぱり蒸し暑い島の大自然なんていうのは、私には無理です。


お帰りの前に1クリックを!



2026年4月22日

ニラじゃなかった

昨年末、うちの娘がそれまで住んでいたシェアハウスを出て、私達が住んでいる家に持ち物を全部持って帰ったので、家の中が大散らかりだということを何度か話題にしていますが、娘は相変わらずちゃんとした住む場所がないままです。

最近は私達の家に住んでいます。居間のソファーで寝泊まりしています。この家からだと勤め先の一つが非常に遠いので、通勤に大変な時間がかかっていますよ。ガソリン代も相当かかっているはずです。

それはともかく…

娘は鉢植えの植物もたくさん持って帰ったんですが、くるみや桃やネクタリンなどの木の大きな鉢もあれば、小さい鉢もあります。その中にニラがありました。萎れかかっていました。

八百屋でニラを買うと、直径8センチくらいの束で売っているので量が多過ぎて困るんです。鉢植えで育てれば、少しだけ使いたい時に便利だと思い、せっせと水やりをしました。

だいぶ葉っぱが茂って来たので、先日ニラ玉を作ろうと思って取りに出ました。そうしたら、葉っぱがですね、それまではピンと立っていたのに倒れている葉っぱがたくさんあって、ニラにしては弱々しいなあと思ったんです。

日当たりが悪いせいかもしれないとも思ったんですが、1本ちぎってにおいを嗅いでみました。すると、

においがない…

あの独特のニンニクのようなにおいがしないんです。よく見ると、なんだか葉っぱがニラとは違う気もしました。そして、スイセンの葉っぱをニラと間違えて食べて死んだ人のことを思い出したので、食べるのはやめたんですけど。

昨日、久しぶりに裏庭に出たら、そのニラだと思っていたのに紫色の花が咲いていたんですよ。ニラの花とは大違いの花でした。

食べなくてよかった…


早速、その花の写真を撮って、以前うちの妹に教えてもらったGoogleレンズというので調べてみましたら、「チョコレートリリー」(Chocolate Lily)というオーストラリア原産の植物に似ているんです。学名は「Arthropodium Strictum」です。


この植物には芋のような塊茎が出来るんだそうで、先住民のアボリジニはそれを焼いて食べていたそうなんですけど、紫色の花はチョコレートのようなにおいがするので「チョコレートリリー」と呼ばれるそうなんです。

ホントか?

私は再び裏庭に出て、この紫色の花のにおいを嗅いでみました。


ホントだ!

チョコレートというか、バニラのような甘いにおいですよ。小さな花ですけど、においはかなり強いです。この花は食べることが出来るので、サラダに入れたり料理の飾りとしても使われるそうです。

夕方、うちの娘に確認したところ「チョコレートリリー」だと言いました。鉢植えで育て始めた目的は、この花だそうです。葉っぱは食べられないと娘は言いましたが、毒はないようなのでニラと間違って食べても死にはしないようなんですけど。

これによく似た野生の植物で有毒のものがあるらしいので、やはりシロウトはお店で売られているニラを食べた方がいいですね。

キノコ狩りとか山菜採りとか、野生の植物を採取して食べるのを趣味にしていらっしゃる方がいますけど、食べられる植物とそっくりだけど有毒の植物というのがいろいろあるんですよ。

そう言えば最近、山菜と間違えてトリカブトを食べて死んだ人がいませんでしたか?

気をつけなくちゃあいけません。私は葉っぱのにおいを嗅いでみたから変だと思ったけど、あのまま食べていた可能性もあるんでしてね。食べなくてよかったわ、ホントに。


お帰りの前に1クリックを!



2026年4月21日

住宅価格の高騰と今後の不安

昨日は雲一つない秋晴れとなり、スーパーまで歩いて行って、少し遠回りをして帰りました。いい運動になりました。

普段は歩かない道を歩いていて気が付いたんですが、私達が住んでいるエリアではたくさんの家が売りに出ています。この辺りは住宅地として開発されたのが古いので一区画が最近の住宅地に比べるととても広く、古い家が売りに出されると必ず住宅開発会社に買われます。

そして、家は取り壊され、その土地に2〜4軒のユニットかタウンハウスが建てられるのです。ユニットというのは、独立した複数の家が一つの区画に建っている場合の呼び方で、家がくっついているのはタウンハウスと呼ばれます。

アパートやマンションを建てるには規制があって、私達が住んでいるエリアではアパートは建てられません。

先月のことですが、私達の家から2軒隣りのユニットの一つが売りに出ました。庭らしい庭はなく、カーペットみたいな人工芝が敷いてあります。写真で見るときれいに見えますが、人工芝は道路から見てもいかにも合成樹脂という感じで、交換が必要になればごみになります。


私達が住んでいる家よりも新しいですけど、同じ平屋で大きさも同じくらいなので、一体どのくらいの値段なのかと思って調べたら、1.4ミリオンドル以上ということでした。

1ドル100円の単純計算だと、

1億4千万円ですよ!

この辺りは普通の労働者が住んでいるエリアなんですけど、1億4千万円は一般的収入の労働者に手が届く価格じゃあないでしょう?

メルボルンでは、持ち家は多くの市民にとってどんどん手が届かない夢になって来ていますが、庭もない平屋のユニットが1億4千万円もしたんじゃあ、そりゃあもう手は届きませんよ。

この家をそんな値段で買いたいと思う人がどれだけいるのかなあと思っていたら、あっという間に「売却済み」のステッカーが貼られました。

買える人には買えるんですね。もしかしたら、買ったのは中国人かもしれません。この辺りでは、不動産屋も中国人が多いですし、住宅開発会社も中国人が多いし、住んでいる住人も中国人が多いのです。

私達夫婦は家を買うなんてとっくにあきらめていますけど、歳を取って賃貸住宅に住んでいると不安です。賃貸契約は1年毎ですし、家主が家を売りに出せば引っ越さなくてはいけなくなります。

家主が家を売りに出さなくても、うちの夫の目が見えなくなって仕事を辞めたら週600ドル(6万円)の家賃は払えませんから、私達はどこかもっと安い所を探す必要があるわけですけど。

賃貸住宅は貸し手市場で競争が激しいので、年金暮らしの高齢者がその競争に勝って住む家を見つけるのは難しいのですよ。


ヴィクトリア州政府は、低所得者や住宅確保が困難な人達のために、住宅支援をしていると言うんですよ。公営住宅や手頃な家賃の賃貸住宅を建てていると言うんですけど、「一体そんなのがどこにあるの?」と私は思います。

あるとしたら、場所が限られているんでしょうし、数が全く足りていません。

私がメルボルンに住むようになった90年代には、すでに住宅不足や値上がりが問題になっていましたけど、改善するどころか悪化する一方です。州政府の住宅政策は、本当に残念なものなんです。

メルボルンの人口は増え続けていますからね、今後も住宅価格は上がり続けるでしょう。目が見えなくなった夫と、どこでどうやって暮らしていくのか、考えると不安になりますよ。


お帰りの前に1クリックを!