2026年2月6日

携帯、眼鏡、財布、鍵

いつもなら6時過ぎには仕事に出かけるうちの夫が、昨日の朝は時間を過ぎても道具の刃の研磨をしていました。仕事が休みだった前日にいくらでも時間があったのに、どうして出勤直前にするんですかねえ。

勤めているツールショップは7時開店なのに、6時半を過ぎてもまだ研磨しているので、時間に気づいていないのかと心配した私が言いました。

「今日は遅番なの?」
「違いますよ」
「もう6時半過ぎているわよ」
「はいはい…」

その会話の後、私はおトイレに入ったんですが、出て来たら夫が玄関を出て行くのが見えました。早足で歩いて行きました。6時半を過ぎていると分かって、あわてて出勤したようでした。

その時、ハッと気づいたんですよ。

あわてて出かける時には、忘れ物をしやすいです。私はおトイレに入っていたから、玄関を出る夫にいつもの決まり文句「携帯、眼鏡、財布、鍵」を言わなかった。

まさか…

GPSで居場所が分かるアプリで夫がいる場所を調べました。夫がいる場所というのは、要するに持って歩いているiPhoneの場所ですからね。ちゃんと持って行っていれば、歩いて通勤している夫がいる場所にあるんです。

そうしたら、夫のiPhoneは、

家にあったのだった!

やっぱり忘れて行ってる!

夫が刃を研磨していたデスクを見ると、そこにiPhoneはありませんでした。朝ご飯を食べながらiPhoneでYouTube動画を見ていたダイニングテーブルを見ると、


こんな大散らかりのテーブルで食べているのでございますよ。


夫の忘れ物のお届けは、最近は息子に頼んでいたんですけど、息子も仕事で出た後でしたから、私が届けるしかありません。

昨日の朝はヘアカットの予約を入れていたので、美容院へ行く途中に寄って届けました。そうしたら、iPhoneを受け取った夫が言いました。

「ダイニングの黒いテーブルの上に白い紙があると思うから、それに書いてあるメモの写真を撮って送ってくれる?」

メモも忘れたのか?

大事なお客さんの電話番号だったようです。

美容院の予約まで30分くらいあったので、私はツールショップから家に戻り、鍵を開けて中に入り、紙を見つけてメモの写真を撮り、それを送ってから家に鍵をかけ、車まで走って行って、大急ぎで美容院に行きました。

予約時間の1分前に着きました。

それにしても、何でこんなに忘れ物をする?60歳が近づいているおじさんが、注意力の足りない子供のように忘れ物をしまくる。朝の決まり文句を言ってあげないと、たちまちこれですよ!

今朝は、さすがに自分で「携帯、眼鏡、財布、鍵、ナイフ、弁当...」と声に出して言いながら確認していました。

それを聞いていたのに、「行って来ます」と玄関を出ようとする夫に「携帯は持っているわよね!」としつこく声をかけたのは、私です。

「はい、持っています」と、夫はしおらしく言いました。


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2026年2月5日

持続性知覚性姿勢誘発めまい

「何だそれ!」と思ったでしょう?

持続性知覚性姿勢誘発めまいとは、昨日の2時間に及ぶいくつもの検査と問診の結果、私に下された病名です。日本語でも言いにくい名前ですが、英語では「Persistent Postural-Perceptual Dizziness」という、発音するのも難しい名前なんですよ。 ここでは「PPPD」と呼ぶことにします。

「PPPD」は、2017年に国際学会で診断基準が確立された概念の新しい慢性めまいだそうです。かつて心因性のめまいと言われていたものも含まれる場合があります。

昨日の専門医の説明によると、「PPPD」は、ある日突然発症するものではなくて、前庭神経炎とか内耳の異常や耳石などによるめまいを経験した人が、病気が治った後で発症するそうです。

平衡感覚というのは、内耳と視覚と足の裏からの感覚の3つの情報を脳が総合的に処理しているわけですが、病気でこれが障害された後、ふらつきを補おうと脳が過剰に情報処理している結果らしいんですけど、原因ははっきり分かっていません。

次のような症状や特徴があります。

  • 回転するめまいではなく、揺れているようなフラフラする不安定感
  • ほぼ毎日ずっと感じていて、それが数ヶ月以上続く
  • 身体を起こしている時、立っている時や歩いている時に悪化する
  • 寝ころんだ状態だとあまり感じないか全く感じない
  • 身体や頭を動かした時に悪化する
  • 視覚的な刺激、例えば人ごみを見たり、スーパーの商品陳列棚や動きが激しいものを見たりすることで悪化する
  • 不安のために場所や行動を避けるようになる場合がある

全て当てはまっているのでございますよ!

昨日の検査で内耳にも前庭神経にも異常は無いと分かったのは良かったのですが、ストレスや不安が脳をより過敏にすると専門医はおっしゃって、私は心理カウンセリングまで勧められたんです。

「心因性だと言うの?違うでしょ!」と、私は聞きながら心の中で叫んでました。

そして、SSRIと呼ばれる薬が「PPPD」の治療に効果があるという研究もあるとおっしゃったんですけど、SSRIってね、うつ病や不安障害の治療に使われる抗うつ薬の一つですよ。私が15年間も飲み続けた薬がそれです。

その抗うつ薬が脳の過敏性を下げるらしいんですが、

ちょっと待って!

私はあの薬はもう飲みたくないです。飲み始めの2週間はゾンビ状態になるし、断薬が難しい薬ですからね。一日飲み忘れるだけで副作用がひどかったし。

毎日せっせと続けている前庭リハビリは良いことらしいので続けます。じっとしている方がめまいが楽なので動かない人もいるんだそうですが、それは良くないそうです。

そして最後に、専門医は「あれこれ心配せずになんでもやってください」と私を励まされたんですけど、いやいやそういうのとは違うんですよ。めまいを心配しているから、めまいがしているわけじゃあないのです。

最近は、めまいが心配で一人で外出するのが怖いとも思っていないし。ただね、私のめまいは脳の過剰処理であってどこにも異常は無いと分かっても、クラクラしていると運転は怖いですよ。高速道路なんて運転したくないです。

十分な睡眠も大切だそうですが、

そんなことはとっくに知ってます!


2時間もかかった診察と検査の料金はゼロでした。公的医療制度のメディケア(Medicare)でカバーされるそうです。

いやあ、何だか変な話になった検査でした。専門医の報告がGP(一般家庭医)のコー医師に届いたら、これからどうするかを相談するんですけど、抗うつ薬は飲みませんよ。

心理カウンセリングも必要ありません。持続性知覚性姿勢誘発めまいと診断されるケースにもいろいろあるんですよ。心因性なんかじゃあないことは自分で分かります。


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2026年2月4日

めまいの検査

今日は、めまいの検査を受けに行く日です。神経耳科の専門医が最新の技術を用いた検査で前庭機能(内耳関連のバランス機能)を評価するんだそうです。

検査は2時間かかるそうです。特別なゴーグルを装着して、様々な方向に頭を動かした時の眼球の動きを調べたり、バランステストとかするらしいんですけど。

どんなことをするのか楽しみでもありますが、正直なことを言うと、検査は必要ないような気もしているんです。だって、最近あまり頭がクラクラしていないんですよ。

耳石が原因の回転するめまいは何ヶ月も起きていませんし、検査はお金の無駄な気がしているんです。

第一に私はクラクラする原因を知っていますからね。5年前に起きた前庭神経炎による回転するめまいの後遺症だと思うんです。この不快なクラクラ感が消えて失くなって、元に戻ることはないだろうと思っているんです。

炎症のダメージで死んでしまった前庭神経の細胞は元には戻りませんから、生き残った細胞で機能を補うための「前庭リハビリ」というのをするくらいしか出来ることは無いと思っています。

検査を受けることになったので、この2ヶ月ほど毎日せっせと「前庭リハビリ」をやっています。クラ〜となる原因の動きをわざとたくさんやっています。例えば、車をバックさせる時に後ろを振り返るような動きとか、左右を素早く確認するような動きです。

これが功を奏したのか、最近はバランスを崩すことがほとんど無くなりました。だから、先週はこの検査をキャンセルしようかと思ったんです。

そうしたら、うちの夫とスーパーに買い物に行った時にクラクラしてショッピングカードにしがみつく羽目になりまして、やっぱり検査は受けることにしたのです。

検査は9時からです。遠いので一人で運転して行くのが不安ですが、仕方がないので一人で行ってきます。


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2026年2月3日

熱波と高温と悲劇の話

最近、日が短くなって来たことが分かります。うちの夫は朝の6時過ぎに仕事に出かけるんですが、その時間が暗くなって来ました。懐中電灯がないと危ない暗さです。

道路には街灯がありますから普通の視力の人は懐中電灯などなくても問題なく歩けますが、薄暗いと物が見えないうちの夫には危険なんです。

夏時間が終わるのはまだ先で、今年は4月5日です。夏時間が終わると時計の針を1時間戻すので、朝の6時は5時になります。その頃の6時はもう真っ暗でしょうから、それが5時ということになれば暗くても気分的にはマシなんですけど。

それはともかく…

10年間もツールショップに勤めて来たうちの夫は、いろいろなお客さんを相手に様々な経験をして来ましたが、土曜日に初めての経験をしたそうです。

その日一番最初のお客さんでした。そのおじさん(と言うかおじいさん)は、店に入って来るとカウンターのところにいたうちの夫の方に真っ直ぐに歩いて来ました。

そして、自分が買いたいツールをあれこれとうちの夫に伝えているうちに、突然嗚咽して泣き始めたんだそうです。

このおじさんはですね、ヴィクトリア州中北部で農場を経営されているんだそうですが、熱波の時の火災で被害を受け、持っていた道具や機械の全てを失ったんだそうです。

住んでいた家のことは話されなかったようですが、被害があったのかもしれません。家族か知り合いの家に避難しておられたから、農場から遠く離れたメルボルンのツールショップに道具を買いに来られたのかもしれません。

毎年多くの人が森林火災で家や牧場や農場を失います。今年も、このおじさんのように被害を受けた方が大勢いらっしゃいます。亡くなられた方もいらっしゃいます。そのお一人は、牧場を経営している方でした。家畜を残して避難できず、牧場に残って消火を試みておられたようです。

この夏発生した火災は、まだ燃え続けている所があります。そして、夏はまだ終わっていません。


今年はもう熱波が来ないことを祈りたいですが、森林火災に関わる気象条件は、今後さらに悪化する見込みなんだそうです。

先週、オーストラリアの観測史上最高気温が更新されました。南オーストラリアのアンダムーカ(Andamooka)とポートオーガスタ(Port Augusta)というところで、気温が50.0度になったんですよ。

気象の専門家は、年に何度か50度を超えるような暑さになることが、これからは普通のことになるだろうと言っています。そして乾燥していますからね、森林火災は防ぐことが出来ないんです。備えるしか無いのです。

オーストラリアの森林火災は「ブッシュファイア」と呼ばれることからも分かるように、ブッシュ(低木)や枯れた下草が燃えることが多いです。それば、強風の日には信じられないようなスピードで燃え広がり、牧場や農場が被害を受けます。

火災のリスクがある地域で農業をしておられる方は、保険に入っておられるんでしょうが、保険料は高額で十分な補償がもらえないことも多いと聞きます。

うちの夫の目の前で慟哭されたおじさんも、よほど苦労されているのでしょう。農場をやっておられる以上、道具がないと何もできませんからね、買いに来られたんでしょうけど。

夫には、話を聞いてあげることくらいしか出来ませんでした。あとは、おじさんが購入したい道具を出来るだけ良い値段で売ってあげることだけです。

とてもお気の毒だったと、夫は言っていました。


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2026年2月2日

一つのマイルストーン

昨夜は、うちの息子が正社員として就職して最初の一週間が過ぎたお祝いに、家族4人でピッツェリアに晩ご飯を食べに行きました。

このピッツェリアに、息子は一人で行って一人でお祝いするつもりだったという話は、「一人でお祝いのディナー?」に書いた通りなんですけど、家族4人で行けて本当に良かったです。

家族で行くことになって、4人分のテーブルを予約をしてくれたのも息子なんですが、ピッツェリアで注文をしてくれたのも息子だったし、食事代は全部息子が払ってくれたのですよ。初めてのことでした。そういうことが出来て、息子も嬉しそうでした。

うちの息子は今年30歳になりますが、これまで心身の健康問題で本当に苦労して来ました。そのことは、このブログでも度々話題にしましたし、今回の就職に大きく役立ったフォークリフト免許を取得することになったという記事「フォークリフト免許取得へ」を読んでいただけると少し分かっていただけると思います。

長い間引きこもり状態でしたが、いつかこういう日が来ると信じていました。長かったですけど、ついに長いトンネルを出ました。本当に良かったです。ピッツェリアでの食事は、息子にとっても私達家族にとっても、1つのマイルストーンになったと思います。


1年前の今頃は、やっと自分が楽しいと思えることをやってみようとし始めて、再び趣味のハイキングや山登りに行くようになり、念願だった日本旅行実現のための費用を稼ぐために治験のボランティア被験者になろうとしていました。

夫も私も、治験でお金を稼ぐことに対しては反対しなかったんですよ。アドバイスはしましたけど、息子が自分でリサーチして決めたことだから見守りました。結局、事前検査で健康問題がいろいろ見つかったので、治験でお金を稼ぐことは出来なかったのですが、あれは良い経験だったと思います。

あの頃の息子にとっては、治験が唯一のお金を稼ぐ方法のように思えていたのでしょう。必要に迫られて、治験会社の人達と電話で話をしたり、病院まで行って検査を受けたり、未知のことに取り組みました。それが社会に出ていく自信を取り戻す助けになったと思います。

昨年の暮れ、フォークリフト免許を取得した後、就職が上手く行かず一度は挫折してメンタルヘルスが悪化していたんですけど、夫が勤めるツールショップ会社に就職できて本当に良かったです。これも、新店舗準備のアルバイトをした際に真面目に頑張る姿を評価してもらっていたからなんですよ。

本人は、ツールショップでの仕事をずっと続けたいとは思っていませんが、これを踏み台にして次のステップアップに生かせるではずです。アートの仕事もまだあきらめていないようですから絵は描き続けるのでしょうが、息子がやりたいと思っているような仕事はAIに取って代わられています。

安定した収入で暮らしは変わると思いますよ。息子は今年もまた日本に行きたいようですが、これからは毎年でも行けます。

メンタルヘルスの問題は続いていますので、心理カウンセリングは続けるそうです。それもいつかは不要になる時が来るでしょう。

無駄にしてしまった20代を取り戻すことは出来ませんが、これからどんどん好きなことをやって、とにかく自分の人生を楽しんで欲しい。それが私の願いです。


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