昨夜、仕事から帰って来たうちの息子が、いつものようにその日の出来事をいろいろ話してくれていた時に、とても残念な話をしました。話しながら息子が思わずフフッと笑ったので、私は少し腹が立ちました。
何故なら、その話が私自身の嫌な経験を思い出させたからです。
息子が勤めるツールショップに、非常に慌てた様子の中国人のお客さんが入って来て、ブロークンな英語で「すみません、おトイレを使わせてもらえませんか?」と聞いたんだそうです。スタッフは「いいですよ」と言って、トイレの場所を教えました。
その人は大急ぎで走って行きましたが、説明を正しく聞き取れていなかったらしくて間違った方向に曲がったので、トイレを見つけられませんでした。再びスタッフに場所を聞いて、トイレにたどり着くのに時間がかかりました。
やっとトイレに着いたら、トイレには誰かが入っていました。入っていたのはうちの息子と同じ部署で働くWさんで、「オーノー!オーノー!」と唸るお客さんの声が聞こえたそうです。
実はもう一つスタッフだけが使えるトイレがあったそうですが、そこにはいろいろな物が置いてあるので、スタッフはお客さんに使わせませんでした。そして、トイレに入っていたWさんが出てきた時には、すでにアクシデントが起きてしまっていたそうなんです。
忘れもしない!
私には、とても嫌な経験をしたことがあるんですよ。それは、サルヴェーションアーミー(Salvation Army)という有名なキリスト教系の慈善団体がやっている「Salvos」(サルヴォーズ)というチャリティーショップでのことでした。
リングウッド(Ringwood)という街にある「Salvos」の店です。当時、私達家族は経済的に困窮していたので、私は何か必要なものがあるとこのお店で中古品を買っていたんですけど、ある日、店内で古着を見ていた時に突然腹痛に襲われたのです。
つい先日も同様のことが起きましたが、私は家にいたので痛みに耐えながらトイレに走って行って、アクシデントは回避したわけですけど。
この時、私は「Salvos」の店内で腹痛に襲われたものの、少し我慢していたらラクになったのでショッピングを続けていました。そうしたら、再び激しい腹痛に襲われたんです。吐き気もし始めて、下痢になりそうな感じでした。
「これはちょっとヤバい…」と思ったので、おトイレを貸してもらえないかとお店の女性スタッフに頼みました。そうしたら、「お客さんが使えるトイレはありません」と言われたんです。
大いにがっかりして店を出ようとした私は、再び襲ってきた腹痛で身動きが取れなくなりました。お腹を抱えてうずくまり、痛みが収まるのを待つ私は、こっちを見ないふりをしている女性スタッフに、「すみません、お願いですから、おトイレを使わせてください」ともう一度頼んだのです。
そうしたらね、その人が何と言ったと思いますか?
「ソーリー(ごめんなさいね)」と言ったんです!
お客でなくてもね、誰かが具合が悪くなってうずくまっていたら、普通は助けるものでしょ?ましてやここは、慈善団体が経営するチャリティーショップですよ。スタッフは、人を助ける仕事をしたいとボランティアをやっているわけでしょ?
私は痛みでうずくまって「プリーズ」と頼んでいるんです。それでも、このお店はおトイレを使わせてくれなかったのですよ。
少し年配の女性スタッフは、申し訳無さそうな顔をして、近くのショッピングセンターのトイレが使えますよと言いました。それは私も知っていました。車を運転してそこまで行く余裕は無かったので、私は腹痛と便意に耐えながらショッピングセンターまで走りました。
200メートルぐらいの距離でした。当時まだ50歳代で走れたので何とかなりましたけどね、今の私には無理な距離ですよ。
ショッピングセンターのトイレがどこにあるのかを知っていたのは幸いでした。走っている途中に一度しゃがんで便意に耐え、再び走りました。残念ながら少しアクシデントは起きたんですけど、ひどいことにはならずに済みました。
しばらくトイレで悶絶した後、フラフラしながら車を停めていた「Salvos」の店の前まで歩いて戻り、「二度とこの店で買い物はしない!」と心に決めたのです。この店のスタッフのことは、
今でも恨んでいます!
お腹が痛くてうずくまっている人がおトイレを貸してくれと頼んだら、自分の店のお客ではなくても使わせてあげるのが普通ですよ。私がスタッフの一人なら、店長がダメだと言っても使わせますね。
昨日ツールショップに入って来たお客さんも、その焦った様子から察してあげるべきでした。スタッフしか使えないトイレを使わせてあげていたら、助かったはずですよ。
中国人ではなかったら、使わせてあげていた可能性もあります。差別意識は、無意識のうちにこうした判断に影響するものです。
この話をちょっとした笑い話のようにフフッと笑いながら話した息子のことを、私は批判しませんでしたけど、自分の経験を話して(今までに話したことはあるんですけど)困っている人は助けてあげてと頼みました。
アクシデントが起きてしまったそのお客さんは、本当にお気の毒です。こういう経験はね、一生記憶から消えることのないトラウマになるんですよ。
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