私は知らなかったので、うちの娘がクリスマスの翌日に「ダンプスター・ダイビング」に行くと聞いても、どこへ行くのか何をするのか見当がつかなかったんですけど。
ダンプスター(Dumpster)というのは、飲食店や小売店などがゴミを廃棄するのに使う業務用ゴミ廃棄コンテナのことです。鉄製です。サイズはいろいろあるようですけど、小さいものでもかなりの大きさがあります。
ダイビング(Diving)とは飛び込むということですからね、「ダンプスター・ダイビング」とは「ゴミ廃棄コンテナに飛び込む」という意味ですよ。うちの娘は、クリスマスの翌日にそれをしに行くと言ったのです。
目的は?
まだ食べられるのに廃棄された食品を手に入れるためです!
多くの飲食店がクリスマスに向けて大量に食品を仕入れますが、クリスマスからお正月にかけて数日間休業するところも多いです。
そういうところが、余った食品を廃棄するんだそうですよ。うちの娘はレストランでアルバイトしていますけど、そのレストランは2週間ほど休業するそうなので、大量の食品が廃棄されるはずだと言っていました。
ホームレスの人達が食べるものを探すためにゴミ箱を漁るという話はよく聞きますが、食べられる食品を捨ててしまう「食品ロス」問題への取り組みとしてゴミ箱漁りをやっている人達が最近増えているらしいです。
ゴミ廃棄コンテナに捨ててあるものをもらって来るだけですから、別に悪いことをしているわけではありませんけど、ダンプスター・ダイビングは夜暗くなってからするようです。
そのため、うちの娘は小型懐中電灯を頭に付けるヘッドランプというのをうちの息子に借りて、クリスマス翌日の夜に友人と2人で行ったそうです。
ちなみに、その友人というのは元高校の先生で、現在は大学で博士課程を勉強している人です。
昨日の朝、達成感でいっぱいの娘がゴミ廃棄コンテナから手に入れて来た食べ物の写真を送って来ました。
これ全部捨てられていたものです。
野菜も果物も、どこも悪くないように見えますねえ。まあそういうのを選んで持って帰ったんでしょうけど。
パンは、美味しそうなパンですが、どういう状態で捨てられていたのかが分かりませんから、私はちょっと食べるのは躊躇しますけど、加熱すれば食べられるでしょうか。パンプディングにするとか、外の皮を取り除いてパン粉にするとかね。
バナナは、ケーキやマフィンに入れるには熟し度が足りないくらいのまだ新鮮なのがたくさんありますよ。なんでこれを捨てるのよというレベルのものあります。
もったいない…
こんなにたくさんをすぐには食べきれませんから、パスタソースにしたりジャムやチャツネにして保存したり、冷凍したりするんだそうで、うちの娘はしばらく料理で忙しくなるでしょう。
家が近かったら少しもらいに行きたいです。
うちの娘と友人がいくつのゴミ廃棄コンテナに「ダイビング」したのか知りませんが、飲食店が多いメルボルン全体では一体どれだけの量の食品が廃棄されているんでしょうか。
オーストラリアでは、ゴミは全部土に埋めるんですから、こうした大量の廃棄食品は大きな環境問題にもなっています。
まだ食べられる食品はチャリティー団体等に寄付してもらって、経済的に困っている人達に無料で提供するということがもっと組織的にできたら良いのにと思います。
そういうことをしている人達はいますし、アプリもあると聞きました。そのアプリでは、どこで何が廃棄されるかという情報がシェアされて、欲しい人が無料でもらいに行けるということなんですが。
こういうことは、一部の限られたところで行われているだけです。
貧困で食べることにも困っているような人達は、高齢者だったり身体が不自由だったりすることも多いですし、車を持っていない場合も多いですからね、もらいに行くのは難しいですよ。
まだ食べられるのに廃棄される食品をもっと有効に利用するには、何らかのシステムが必要です。
農家が販売できずに廃棄する野菜や果物も相当な量だそうですね。サイズや形が規格に合わないとか少し傷があるという理由で廃棄されると聞きます。
せめて、自分の家では「食品ロス」とは無縁でありたいと思います。お店に近い所に引っ越して来ましたので毎日でも買い物に行けますから、私は必要な食品だけを買い、買ったものは全部使い切るようにしています。
それにしても「ダンプスター・ダイビング」ね、若かったらやってみたい気もしますよ。あなたもやってみたい?
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