娘が住んでいるシェアハウスには犬を入れることはできませんので、ダラスの飼い主カップルが旅行から帰って来るまでは飼い主が住んでいるマンションで過ごすそうです。
我が家にいた間、娘は「ダンプスター・ダイビング」(Dumpster Diving)で手に入れた食品の消費のため、ずっと料理をしていました。
「ダンプスター・ダイビング」とは「ゴミ廃棄コンテナに飛び込む」という意味です。すなわち、食品を販売する店がゴミを廃棄するのに使う業務用ゴミ廃棄コンテナからまだ食べられる食品を手に入れることを意味します。
うちの娘は時々これをやっているのですよ。
主に野菜や果物を取って来るのですが、今回はベーグルというパンや乳製品も取って来ていました。泡立ててケーキに使ったりするクリームも大量に取って来ていました。
ベーグルも乳製品も賞味期限を1日過ぎていました。あらゆるお店が営業しないイースター連休初日の「グッド・フライデー」前に廃棄されていたわけですが、運良く気温が低かったので腐っていませんでした。
持って帰ったクリームの容器は何十個もありましたから、あんな大量のクリームをどうやって使うんだろうと思ったら、娘はバターを作りました。それを焦がしバターにして固めました。
バターを作った後にできる液体をバターミルクと言いますが、それを使ってケーキも焼きました。
バターを使ってチョコレートフロスティングを作り、以前に「ダンプスター・ダイビング」で手に入れたチェリーで作ったコンポートをはさんで、ブラックフォレストケーキを作りました。
牛乳は見つけてすぐにリコッタチーズにしたそうです。そのチーズでマカロニチーズというオーブン料理を作り、「ダンプスター・ダイビング」で手に入れた野菜で作ったコールスローと一緒に私達家族の晩ご飯になりました。
娘が「ダンプスター・ダイビング」をしているのは、おもにスーパーマーケットのゴミ廃棄コンテナだそうです。どのスーパーも信じがたい量の食品を捨てているそうです。
賞味期限が過ぎたものはもちろんですが、まだ十分に食べられる野菜や果物を大量に廃棄しているんです。
スーパーマーケットが受け入れないために販売できない野菜や果物は、農場で廃棄されてもいます。サイズが規格外、つまり大きすぎるとか小さいとか、傷のようなものがあるとか色が均一でないとか。
そういう廃棄される野菜や果物を安く販売するところもありますが、数も場所も限られています。
私達消費者もこうした食品に対する意識を変える必要があると思います。自分で野菜を栽培したことがある人なら分かりますが、キュウリやインゲンが曲がってしまうとかトマトに茶色い部分が出来るとか、ズッキーニの片側が色が薄いとか、そんなのは当たり前なんですよ。
でも、お店で買う消費者は、そういうのは避ける傾向がありますからね。
毎食ちゃんと食べられないほど経済的に苦しい暮らしの人達が大勢いるのに、大量の食品が廃棄されているというのはどうかしています。
食品ロス(フードロス)は社会問題になっているわけですが、うちの娘がゴミ廃棄コンテナから見つけて来る食品を実際に見ると衝撃を受けますよ。
夜の闇に隠れて「ダンプスター・ダイビング」をしなくても済むように、小売店が処分したい食品を欲しい人に無料で提供するようなシステムは作れないものですかね。
0 件のコメント:
コメントを投稿