腰痛になっています。
原因は明らか。コンピューターの前に長時間座り続けたからですよ。
翻訳の仕事がたくさん来ていた頃には、朝から夜まで座り続けることがよくあって、そういう時には必ず腰痛になっていましたから分かります。
今回座り続けた理由は読書です。文字を拡大表示して読める電子書籍のアマゾンKindle本をコンピューター用のアプリで読んでいたんです。
Kindle本専用のデバイス(電子書籍リーダー)を持っていませんから、iPhone のアプリでも読んでみましたけど、iPhoneで読むと首も手も疲れるんですよ。コンピューターのモニター画面に大きく表示して読むのは、思っていたよりもはるかに快適でした。
ところで、私が読んでいたのは英国イングランド北部の街カーライル在住の作家、M. W. クレイブン(M. W. Craven)の作品のうち、ワシントン・ポーという名前の刑事が主人公となるシリーズです。
主人公のポー刑事(エドガーという名前の犬を飼っている)をはじめ登場人物が良いです。カンブリアという地域が舞台となる点も、話の組み立ても面白いんです。
英国推理作家協会がその年の最優秀長編作品に与える賞「ゴールド・ダガー賞」というのを2019年に受賞した「The Puppet Show」(邦題:ストーンサークルの殺人)を読んで面白さにハマり、次々と4作品目までを読みました。
4作品目「Dead Ground」(邦題:グレイラットの殺人)は、英国推理作家協会のイアン・フレミング・スチール・ダガー賞を受賞しています。大変読み応えがありました。
もちろん5作品目も読みたくなったのですが、翻訳本がまだ出ていません。いつ発売になるかわからない翻訳本を待つのもアレなので、5作品目の「The Botanist」は原書(英語版)で読むことにしました。
知らない単語や意味不明の専門用語がやたらに出てきて辞書を引いたりグーグルしたりする必要がありましたが、アプリで読むと辞書機能を使って簡単に意味を理解することが出来ることも多いですし、コンピューターの画面で読んでいるのでグーグルで調べるのも簡単でした。
それに私の英語読書速度はいつの間にか速くなっていたらしくて、翻訳本を読むのと大差ないスピードで読むことが出来ましたから、イライラすることもなかったです。
そして思ったのはですね、小説の翻訳は難しいということでした。
翻訳者が原書を読んで受け取ったニュアンスやイメージが日本語に反映されてしまいますからね。
例えば「This is a pen」(これはペンです)という一文も、人が話す場合には様々な言い方ができるんですよ。
これはペンでしょ。
これってペンじゃん。
これはぺんだぞ。
これはペンでございます。
これはぺんなんだけど…
言い方によって、話している人物がどういう人なのか、読み手は異なるイメージを持つじゃあないですか?
私は、かつてハリー・ポッターのシリーズを原書で読みましたが、翻訳が出るのを待ちきれなくて原書で読んだということなんですけど、原書で読んだ後に翻訳を少し読んだら違和感が大きくて、これはちょっと違い過ぎると思ったのを思い出します。
日本語版だと、世界観がまったく違ってくるんです。
M. W. クレイブンのワシントン・ポー・シリーズもですね、翻訳で読んだ4作品を原書と比べるために無料サンプルを読んで比べてみたんですが、英語で読んだ時と日本語で読んだ時とでは登場人物のイメージに違いが出ます。
日本語では表現しにくい言葉もたくさん出てきますし、そういうのは本来のニュアンスが伝わらなかったりするし、小説の翻訳は難しいですね。
ワシントン・ポー・シリーズの翻訳は読みやすいですよ。読んでいると「おそらく原書ではこういう表現なんだろうな」と思える違和感のある表現はもちろんあります。
日本語と英語は文章の構成の仕方が異なるので、原文の構成にとらわれるとヘンテコな日本語になることは多いんです。
そういう部分に度々遭遇はしても、一気に読み進めて大いに楽しめるストーリーですし、辞書を引きながら読むことも無いですからね、翻訳本を否定する気は全く無いですが、私は次の作品も原書で読むつもりです。
6作品目の「The Mercy Chair」が6月6日に発売されるのですよ。666と6を並べたところにもなんだか期待させられます。
はじめまして、いつも楽しみにブログを読ませていただいております。
返信削除記事の最後にあるブログランキングのリンクが表示されていなかったのでご連絡します。
私のブログを読んでくださってありがとうございます。ブログランキングのリンクが表示されていないということですが、こういう問題を教えていただけるのはありがたいことです。ただし、私のPCやスマートフォンでは通常通りに表示されているので、もしかしたらあなたのPCに何らかの不具合が生じているのかもしれません。
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