2023年8月13日

肉じゃがとグレイハウンド犬

先日の記事「タンパク質不足と米の調理方法」に書きました通り、うちの娘は、この8月中、知人が旅行に行っている間の犬の世話をするために、いつも住んでいるシェアハウスではなくてその知人のアパートに住んでいます。

8月は大学院の後期も始まりましたが、勉強がかなり大変ならしくて精神的にとても疲れているので、お母さんが作る「Japanese Comforting Food」が食べたいと言って昨日家に帰って来ました。

「Comforting Food」というのは、食べるとホッとして幸福感を感じるような食べ物のことで、砂糖や炭水化物を多く含んでいる料理であることが多いです。子供の頃に好きだった家庭料理であることもしばしばです。

娘はそういう和食が食べたいと言ったのですけど、食べると幸福感を感じるような和食の料理とは何でしょうかね。

私が真っ先に思いついたのは「肉じゃが」でした。白ご飯とお汁と肉じゃが、これにチョイサムという小松菜みたいな野菜の和え物とインゲンの胡麻和えを作りました。

娘は何を食べたいか言わなかったのですが、私が「肉じゃが」を作る予定だと言ったら大喜びしましたよ。先日からずっと食べたいと思っていたのが「肉じゃが」だったんですって。

だったら最初から「肉じゃが」を作ってくれと言ってくれたら良かったのに。でも偶然食べたかったものを作ることにしていて良かったです。

お汁は、豆腐がなかったので卵とネギだけのお汁でしたが、それでも大満足していました。一人暮らしをしていると、自分だけのためにそういう料理を作ったりしないんだそうです。

お汁を一人分作るのは簡単なことなのにねえ。

晩ご飯の残りは、白ご飯もおかずも全部持って帰りました。アーモンドタルトも焼いていたんですけど、その残りも持って帰りました。

まあ、お母さんとしては、娘が肉じゃがと卵とネギだけのお汁で幸福感でいっぱいになってくれたのなら嬉しいです。


ところで、娘が面倒を見ている犬というのは、グレイハウンドという種類の犬です。ダラスという名前の11歳のメスです。顔に白髪が目立ってきたおばあちゃん犬です。

ご存知かどうか知りませんが、オーストラリアでは「グレイハウンドレース」という競馬のような犬のレースが人気があるそうで、各地にレース場があります。

ダラスは競走犬だったんですよ。

どういう事情だったのか動物福祉団体に保護されて、その団体から娘の知人カップルが家族として迎え入れました。愛されて大事にされているのが分かる落ち着いた犬です。

私は、グレイハウンドとかウィペットという種類の犬は、どうも見た目が好みではなかったのですけど、実際に触れ合ってみると思っていたのと違って可愛らしい犬でした。

身体はかなり大きいです。頭はちっちゃいです。


そして、もちろん脚がむちゃくちゃ長いんですけど、驚くほど細いんですよ。この身体でレースを走らされていたのかと思うと可哀想になりました。

グレイハウンドレースに対しては、動物虐待であるとの強い批判がありますが、ギャンブルとして根強い人気があるのだそうです。

優れた競走犬を育てるために、グレイハウンドレース業界では非常に多くの犬を繁殖させます。馬は1頭産みますけど、犬はたくさん産むでしょ?たくさん生まれた子犬達の中から選ばれた子犬だけがトレーニングを受けて競走犬になるのです。

競走犬になれなかった子犬達はどうなるのかと言いますと、それらは人々のペットになるのだと業界は言いますが、数が多いのですべての子犬にもらい手が見つかるわけがありません。

大半の子犬は殺されているそうです。その数は年間で数千匹に上ると言われています。

レースは危険です。かなりの速度で走りますから、怪我をする犬も多いそうです。怪我をした犬は殺されます。パフォーマンスが悪い犬もそうです。健康に問題がなくてもです。平均して毎週5匹が殺されているそうです。

優秀な犬は繁殖犬になるそうですが、そうした繁殖犬に対して行われる人工授精も動物福祉の観点から問題があるとされています。

競走犬としてレースを走るようになった犬達には、パフォーマンスを向上させてレースで勝つチャンスを高めるために、さまざまな薬物が与えられます。

トレーニングに本物の小動物を使うことは禁止されていますが、生きたウサギを使っていることが報道されたこともありました。

グレイハウンドレース業界は、透明性の欠如も問題になっています。そりゃあひどいことをしているのだから隠そうとするのもあたりまえですけど。

そもそも人間の金儲けのためだけに犬を大量に繁殖し、繁殖した犬達を競走犬にするためだけに扱い、役に立たなければ殺したり捨てたりするなんていうのが、どうしてビジネスとして許可されているのか大変疑問です。

不幸なグレイハウンドを積極的に保護している動物福祉団体も多いのですけど、娘が面倒を見ているダラスが良い人達に引き取られて幸せに暮らしているのはせめてもの救いです。

ダラスにはお気に入りのベッドがあって、大好きな散歩に出ている時間以外はほとんどベッドに寝転んで過ごしているそうですが、しょっちゅうこんな感じで寝ているんですよ。


ウソじゃなくてホントに!

この体勢がラクなんでしょうか。

この写真を撮った時、ダラスのベッドは薪ストーブの近くに置いていたから、暖かくて気持ちが良かったんですよ。

それにしても、頭がちっちゃいですよねえ。


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