2023年8月6日

ツールショップで命を救われた客

うちの夫が以前勤めていた店舗で同僚だったTさんのことは、このブログで時々話題にしていますが、毎日放射線治療に通っていらっしゃるそうです。

まだうちの夫と同じ店舗で働いていた頃のことですけど、Tさんは店内の防犯カメラに偶然写った自分の頭に黒いシミがあるのを見つけたんですよ。

すぐには医者に相談に行かなかったのですが、別の件で医者に会った際についでに診てもらったらすぐに専門医に会うように言われ、早い話がそのシミは皮膚がんだったのです。

皮膚がんは頭蓋骨にも転移していて、その手術中に2回も目が覚めて、頭蓋骨を削っていた医者にドリルに力を入れ過ぎていると注意したら医者がびっくり仰天したという話もありました。

幸運だったのは、Tさんのがんは悪性度の低いがんだったのです。どうやら治るらしいと聞いて、「勝ち続ける不死身のTさん」という記事も書いたのですけどね。

今日の話題は、このTさんが現在勤めている店舗に買い物にやって来たあるお客さんの話です。

Tさんは、接客中にそのお客さんの顔に黒いほくろのようなものがあることに気づいたそうです。

「その黒いほくろみたいなやつ、気がついていますよねえ」
「え?」
「それ、メラノーマ(悪性黒色腫)かもしれませんよ」
「え?」
「ボクだったら今すぐ医者に診てもらいに行きますよ」
「え?」

道具を買いに行ったツールショップのスタッフからこんなことを言われたら、あなたはどうしますか?

Tさんは頭の皮膚をごっそり切除して、頭蓋骨も削り取るという手術をした後でしたから、自分の経験もそのお客さんに話したのでしょう。

そのお客さんは、すぐにGP(一般開業医)に相談に行ったそうです。そうしたらすぐに専門医に会うように言われ、専門医の診察を受けたらメラノーマの疑いが強いということで、すぐに検査をしたんですって。

その結果、メラノーマだということが分かり、すぐに手術が行われて完全に切除することが出来たので、この方は死なずにすんだのですよ。

昨日、このお客さんがお店に来られたようです。買い物のためじゃあなくてTさんにお礼を言うために。そしてね、お礼を言うどころか、このお客さんはTさんにハグしたそうですよ。命の恩人だと言って。

Tさんはそれが嬉しかったのでしょう。うちの夫に電話をして教えてくれたのでした。

余計なお世話かもしれないと思うようなことでも、気になったことは言った方がいいですね。そして、そのお客さんもすぐに医者の診察を受けたのは良い判断でした。

皮膚がんの中でもメラノーマは悪性度の高いがんです。 病気の進行が早く、早い段階で他の組織に転移するがんです。手術で切除しても再発することが少なくないと聞きますし、メラノーマが疑われる皮膚の異常を見つけたらすぐに医者に相談することが大切なのです。

Tさんの一言がそのお客さんの命を救ったのは間違いありません。


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