2023年8月25日

湿潤療法のためのジェル

今日もまた火傷の話ですが、とても役立つ情報が含まれていますので、特にオーストラリアにお住まいの皆さんには読んでいただきたいと思います。

昨日と一昨日は、火傷の治療に効果があると言われている「湿潤療法」について書きました。

もう一度説明すると、「湿潤療法」というのは、従来の傷の治療法である「傷を消毒してからガーゼで覆って乾燥させる」とは違って、「傷を水道水等でキレイに洗った後は消毒をせず、乾燥させない被覆材で覆って湿潤な状態を保つ」という治療法です。

湿潤な環境では細胞が活発に働くので、火傷や怪我の傷をそうした湿潤な環境に保つことで自己治癒能力を最大限に活かすことができ、傷が早く治るということです。

消毒をしないので傷口周辺の正常な細胞が破壊されないことも、早く傷が治る一つの理由だそうです。

問題はどうやって湿潤な環境を作るかということです。

医療機関ではもちろん医療用の被覆材を使うわけですけど、それが高価だったり一般の人には手に入りにくかったりすることから、日本ではワセリンと食品用ラップを使う「ラップ療法」というのが広がったようです。インターネットで調べると「ラップ療法」を勧めている医者もいるくらいです。

しかし、傷の状態や怪我をした人の健康状態などによっては、ラップの下で細菌が増える「ラップ療法」には感染症や敗血症の危険があるのだそうです。火傷の専門医の集まりである日本熱傷学会は、「ラップ療法」を使うべきではないという見解です。

「ラップ療法」に挑戦したものの、痒くなったので1日で止めた私ですが、ラップを貼るのを止めた後もワセリンを塗るのは続けていたんですけど。

ワセリンは何の効果もないから止めた方がいいとか、ビタミンEクリームを塗れとか、いろいろアドバイスをしてくれる友人がいましてね、私はどうしようかと悩んだのですよ。

そして、ふと手にしたのが病院の医者がくれたジェルでした。

医者は、このジェルを塗ると火傷が落ち着き、痛みも和らぐと言ってくれたのですけど、これを塗るとジェルが乾いて被膜のようになり、はがすタイプのフェイスパックをしているみたいに顔がパンパンになります。

私の火傷は口周りに集中しているものですから、口の周りがパンパンになると口を動かしにくくなって食事をするのが難しいのですよ。

それで、自己流「ラップ療法」を始めてからはジェルは使っていなかったのですけど、このジェルについて少し調べてみたのです。そうしたらですね、このジェルの目的は「湿潤療法」だと分かったのです。

このジェルを塗るとジェルが薄い被膜になって傷を覆うので、傷を湿潤な環境に保つことが出来るのです。しかし、食品用ラップとは異なり、薄い被膜になったジェルの下に水や汗が溜まることはありません。

ラップを貼るのが難し過ぎてあきらめた口の周りも、このジェルならただ塗るだけで「湿潤療法」が可能だったのですよ。もっと早く気がつけばよかったです。

このジェルは「SOLUGEL」という名前の商品です。どう発音するんでしょうかね。たぶん「ソルージェル」じゃあないかと思いますけど。


オーストラリアでは、もう20年も販売されて来ているそうです。価格は50グラム入りのチューブが10ドルくらいですから、安価だと言えるでしょう。

さまざまな用途に使用できる多目的ジェルで、自宅で処置できる程度の軽度の火傷や熱傷、切り傷、すり傷、日焼けなどに使えます。痛みや不快感を和らげ、水分を補給し、傷を湿潤な環境に保つというのですから、私の顔の火傷には最適だったわけです。

ジェルが乾くとはがすタイプのフェイスパックみたいになるので、寝ている間にラップがズレたりワセリンが布団に付いたりすることを心配しなくてもいいのです。

口周りに塗ると口を動かしにくくなり食事をするのに困るという問題はありますけど、無理に口を動かして被膜が破れたら塗り直せばいいわけですからね。

「SOLUGEL」には、プロピレングリコール(25% w/w)、塩化ナトリウム(0.6% w/w)、ヒドロキシ安息香酸プロピル(0.04% w/w)およびヒドロキシ安息香酸メチル(0.1% w/w) が含まれているそうです。

何のことやらさっぱり分かりませんけど、ワセリンよりは良さそうです。いろいろなサイトでレビューを見ると、非常に高評価です。病院の医者がくれたのも納得です。

ホントにもっと早く気がつけば良かったです。

こんな安価で便利なジェルは、日本でも販売されているのではないでしょうか。あるいは類似の商品が日本のメーカーから販売されているのかもしれません。私にはよく分かりませんけど。

オーストラリアにお住まいの皆さんは、簡単に安く手に入るわけですからね、ご家庭の救急箱に入れておくと良いかもしれませんね。

子供さんのすり傷にも最適だと思いますよ。


ジェルを塗ると乾いて膜のようになり傷口を保護すると分かって、指先のひび割れに液体絆創膏のように使えるじゃあないかと思ったんですけど、そういう使い方は難しいかもしれません。

このジェルは、乾いて皮膜になっている状態に水をかけるとすぐに柔らかくなり、簡単に洗い流せるからです。

指先のひび割れに使っても、濡れたら取れてしまいます。水に濡らさない間の保護にはなりますけど。

絆創膏を貼ると痒くなる事が多い私には、便利なジェルだと思います。顔に付けても痒くなりませんでしたから、手足には問題な使えます。

すり傷や切り傷にこれを塗っておけば傷の保護になる上、「湿潤療法」で傷が早く治るとなればこんなにいいものはないです。塗るだけだから簡単ですし、大きな絆創膏が必要な傷にはこのジェルの方がはるかに簡単で安上がりじゃあないですか?

ただし、防水ではないという点だけは覚えておいてください。でも、それは水で簡単に洗い流せるという利点でもあります。


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