2009年2月7日の土曜日、ビクトリア州では同時多発的に大規模なブッシュファイアが発生して大きな被害がでました。173人が死亡、何百人もの人が大火傷などで負傷、2029軒の家屋が燃えました。この森林火災は3月中旬まで燃え続け、4500平方キロ以上が焼失しました。
大災害が発生した2月7日の土曜日を、ブラックサタデー(Black Saturday)と呼んでいます。
この日は、前日から当時のブランビー州知事や消防庁の人がテレビやラジオで注意喚起のメッセージを送り続けていました。「100年に一度あるかないかの非常に危険な天候となるから十分な準備と注意をしろ」と呼びかけ続けていましたけど、土曜日の朝になっても「ブッシュファイアの危険日だって本当に?」と、呑気な気分の私でした。きっと多くの人達がそうだったに違いないです。
しかし、何年にもわたる降雨不足で草地も森林も極度に乾燥していたところへ来て、記録的な高温と強風に見舞われたこの日、各地で放火や電線事故などで発生した小さな火災は瞬く間に燃え広がったのです。
午前中はそれほどの暑さではありませんでした。風もなく、青空の広がる普通の夏の日。気温は昼頃でせいぜい40度くらいだったか。
土曜日は、息子はギターのレッスン、娘はダンスのレッスンがあり、私は車での送り迎えに忙しかったのですが、昼過ぎに子供達をピックアップしてから家に帰ろうと北に向かった時に見た空は、一生忘れることはできません。リングウッドの街の上に広がっていた青空の半分が真っ黒になっていたのです。
台風並みの強風(しかも熱風)が吹き荒れて、さすがに怖くなり始めた午後、ラジオで次々に火災のレポートが入り始めました。我が家の電話も鳴り始めました。家族や友人が多く住むヤラバレーでも各地で火災が発生して燃え広がり始めたのです。
火を消すお手伝いに行くとかそんな場合じゃありません。心配だけど何もできません。私達家族は、おそらく火災の心配はないと思われる住宅地にある家の冷房の効いた部屋でラジオを聞いていました。
外の気温はどんどん上がり、我が家の南向き(つまりお日様が出ない日陰側)の屋根付きウッドデッキの気温は、この日48度を記録しました。
この写真を撮った時点で47度 |
家族や友人達を心配しながら寝苦しい夜が明けた翌朝早く、義母から電話がありメアリーズビルという街が無くなったと聞いたんですが、街が無くなったってどういうこと?
すぐにテレビをつけて目に飛び込んできた信じがたい光景!確かに一つの街が燃えて無くなっていました。
「街の人達はどうなったの?夜の間に避難したの?」
テレビのニュースが伝える内容に、私は震えました。
森林火災は毎年発生しています。
ブラックサタデー並みの火災も再び起きるでしょう。
しかし、自分達の命を守るための備えをすることはできます。
Prepare. Act. Survive.
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