2023年8月19日

毒キノコ事件の続報

この事件ですけどね、「事件」と書くべきじゃあないかもしれないんですよ。ただの「事故」かもしれないんです。1週間ほど前に「おかしな話になってきた毒キノコ事件」という記事に書きましたので、詳しいことはその記事をお読みいただくとして。

その後も警察からは何の発表もありませんし、捜査の状況など全く漏れて来ませんので、どういうことになっているのかさっぱり分かりません。

それでも、メディアはいろいろ取材して報道していますから、分かって来たこともいくつかあるんです。

そして、疑惑の女性(亡くなったご夫婦の息子の元妻)が弁護士からのアドバイスに基づいて書いたと思われる声明文を弁護士を通して発表しましたので、そこから新たな疑問も出て来たんです。

1.まず、疑惑の女性は、警察の事情聴取で嘘をついたことや質問に答えるのを拒否したことを謝罪しました。

女性が住んでいる地域のゴミ処分場で警察が見つけたフードディハイドレーター(食品乾燥機)は、自分が捨てたものだと認めました。

そりゃあねえ、警察が防犯カメラの映像を調べているということでしたから、自分が捨てたことがバレるのは確実ですからね、認めるしか無かったでしょう。

捨てたのは、元義両親や義母の妹夫婦の具合が悪くなった後です。パニックになって捨てたと言っています。

2.しかし、料理に使ったキノコは店で買ったものだったと主張しているんです。作った料理は「ビーフウェリントンパイ」で、これに2種類のキノコを使ったと言っています。

一つは、住んでいる町の某スーパーで買った普通のマッシュルーム。そしてもう一つは、何ヶ月も前にメルボルンのアジア食品店で買った乾燥キノコ。これには「手書きの白いシールが貼ってあった」と言うのですよ。

つまり、この疑惑の女性(白人)は、毒キノコの出処をアジア食品店だと言っているわけです。自分には罪は無くて、毒キノコを売ったアジア人に責任があるという主張なわけです。

いろんな街のいろんなアジア食品店で買い物をしたことがある私に言わせるとですね、「手書きの白いシール」が貼ってあるような乾燥キノコなど売っているお店はありませんよ。

「手書きのシール」ってなんですか?

自分で採ってきた野生のキノコか自家栽培のキノコかを自分で乾燥させて、それを売っている人がいるとでも言うんですかね?

アジア人をバカにするんじゃありませんよ!

アジア食品店で売られている乾燥キノコは、いずれも商業的に製造されて適切に包装された商品だけです。野生でしか生えない毒キノコの「デスキャップ」がそうした商品に紛れ込む可能性は無いんです。

何ヶ月も前に買ったと言いますが、これまでにアジア食品店で売られていた乾燥キノコ絡みの事故など1件も起きていませんし、リコールもなかったですよ。

どのアジア食品店で買ったかは覚えていないそうです。メルボルンには数え切れないほどのアジア食品店があるのだから、覚えていなくても仕方がないと思いそうなところですが。

買った乾燥キノコは当時自分が所有していた家にずっと置いたままだったと言っています。その家はマウントウェイバリー(Mount Waverley)というメルボルンからはかなり南東に離れた街にありました。

メルボルンのアジア食品店というのは、マウントウェイバリーのアジア食品店だったことが分かりました。

マウントウェイバリーの街とその周辺の街のアジア食品店は、毒キノコのデスキャップが販売されていた可能性を完全に否定していますし、マッシュルーム業界もデスキャップが商品に混じるなどありえないと言っています。

この女性は、また嘘をついていると思われます。

3.この女性の知り合いが、この女性は野生のキノコ狩りのベテランであることを証言しています。女性の元夫も一緒に野生のキノコ狩りをしていたそうですから、元夫が警察に証言しているはずです。

4.採ってきた野生のキノコの保存には、フードディハイドレーター(食品乾燥機)が使われるのが普通ですから、女性がゴミ処分場に捨てたフードディハイドレーターは、野生のキノコの乾燥に使ったはずです。

5.死者が出た毒キノコ料理ですが、この女性もその料理を食べて嘔吐下痢の症状が出たので病院に行ったと言っています。たとえそうだったとしても症状が軽かったことは間違いないです。

6.2人の子供達は、当日は映画を観に行っていて家にはいなかったそうですが、夜に残り物を食べたと言っています。子供達はキノコが嫌いなので、キノコを避けてそれ以外を食べたそうです。何の症状も出ませんでした。本当に食べたのかどうかは分かりません。

7.その子供達ですけど、以前住んでいた家の壁に描いたものがかなりショッキングなんです。昨年その家が売りに出された時に、その壁のペンキ塗りを頼まれた人が、ショックを受けて写真に撮ったそうなんですけど、その写真がメディアで報道されています。

描かれている絵も書かれている言葉も「死」や「殺人」に関することばかりで、子供達のメンタルヘルスが心配になるレベルなんですけど。

8.疑惑の女性の母親は児童文学の学者だったそうで、4年前に亡くなった時に多くの遺産を残しています。疑惑の女性は専業主婦だそうですが、亡くなった母親の遺産で複数の不動産を買っており、経済的には裕福なんだそうです。

大きな立派な家に住んでいますけど、その家はこの女性が所有しているそうです。


これまでに分かっていることから考えると、この女性がわざと毒キノコ料理を元義両親や義母の妹夫婦に食べさせたとは考えにくいんです。動機が分からないですからね。

昼食には元夫も来ることになっていたので、その毒キノコ料理は元夫も食べるはずのものだったわけですが。元夫との復縁を希望していたそうなので、復縁したいと思っている人にわざと毒キノコを食べさせるとは考えられないんですけど。

そして、毒キノコの出処を隠す理由もよく分かりません。どうしてアジア食品店で買ったなどと嘘をつくのでしょうか。

どう考えても、女性が自分が採って来たか、子供達が採って来たか、誰かにもらったかでしょう。そして、その毒キノコをフードディハイドレーターで乾燥させた事実があったから捨てに行ったんでしょう?

自分も料理を食べて具合が悪くなっていたのなら、「自分が採って来たキノコを毒キノコとは思わずに使った」と言っていれば、事故で終わった話なんじゃあないかと思うんですけど。

たとえ悪意のない事故だったとしても、どうしても自分のせいにしたくない理由があるんでしょうか。

警察は捜査には時間がかかると言っています。気になる事件です。

ちなみに、マッシュルームの売上には影響は出ていないそうですよ。危ないのは野生のキノコ。絶対に安全だと自信がある方以外は、食べない方がよろしい。


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