私はね、腎臓を提供するのがこんなに難しいとは知りませんでしたよ。
一体今までにどれだけ検査をして来たことか。その数も種類も本当にたくさんですよ。しかし、長くかかった検査もそろそろ終わり。腎臓の摘出は今年の3月か4月頃という話を聞いていましたから、うちの夫もその気になっていたんです。
先週は、これまでの検査結果の評価を別の医師にしてもらうためということで、手術をすることになるオースティン病院(Austin Hospital)で診察を受けまして、夫の腎臓はたいへん良い状態なのでもらう人はラッキーだと言われたそうでね。「さあいよいよだぞ」と思っていたに違いないんです。
ところが、
実は、昨日も診察があったんです。昨日はいつも行っているボックスヒル病院で、先日受けた血液検査の結果を聞くことになっていたらしいのですけど、夫はおそらく手術の時期が分かるだろうと考えていたそうです。
しかし、医者から言われたのは、先日の血液検査の結果、夫の肝臓に懸念されることが見つかったということでした。
肝臓に嚢胞(のうほう)があることはスキャン検査で分かったんですけど、それは腎臓の提供に問題は無いということでした。
懸念されることというのはですね、「ヘモクロマトーシス」という肝臓や膵臓などに鉄が過剰に蓄積される先天性の病気のことでした。「ヘモクロマトーシス」のことは最初から報告してあったのに何で今頃問題にするんだろうかと思ってしまいますが、先日採血したもので夫の遺伝子を調べたそうなんです。
ちなみに、「ヘモクロマトーシス」というのは、肝臓や膵臓などに鉄が過剰に蓄積される病気ですが、夫の場合は肝臓に過剰な鉄が沈着して、肝炎や肝硬変、肝臓がんを引き起こすのだそうです。
治療として定期的に瀉血(しゃけつ)を行います。瀉血というのは、簡単に言うと血の抜き取り。体内から過剰な鉄を排出させるために、鉄が含まれている血液を抜き取る、つまり早い話が定期的に献血に行っているということなんですが。
ここ数ヶ月は献血に行っていないんですよね。腎臓を提供するために。
「ヘモクロマトーシス」を引き起こす遺伝子がセットで存在すると深刻なんだそうですが、うちの夫は2種類の遺伝子が一つずつあることが分かったそうです。
夫の肝臓は脂肪肝であるとも言われたそうです。肥満ですからね、そんなことは言われなくても分かりますけど。夫は減量にも取り組んでいるんですよ。ただ、脂肪肝が腎臓を提供できない原因になるとは本人は思っていなかったでしょう。
太り過ぎていると、腎臓を取り出すのに苦労するくらいの認識だったんじゃあないかと思います。
とにかく、「ヘモクロマトーシス」で脂肪肝の肝臓について、もっと検査をしないいけないと言われたのだそうです。腎臓を一つ失うと糖尿病とか心臓病とか病気になるリスクが高まりますから。
腎臓を提供した人は肥満になる頻度が高いそうで、肥満は腎機能の低下を招くことが分かっていますからね、提供する前からすでに肥満というのでは心配ですよ。
「あなたは腎臓を提供できない」と言われたわけではないですが、夫は大変がっくり来ています。
もう一年以上に渡って様々な検査を受けて来たわけですが、検査を受けたり医者に会ったりする度に、有給休暇や病気休暇を使って来たので休める日がどんどん減って来ているんですって。
手術後に少なくとも2週間くらいは休まなくてはいけないので、検査と診察で休みを使い果たすと休めなくなりますよ。それに、年度末の6月が近づくと忙しくなるから休みは取れなくなるそうで、手術のタイミングのことも問題になっているようです。
まだあきらめていないそうで再び肝臓の検査をするつもりだそうですけど、もう何ヶ月も瀉血をしていませんから肝臓に鉄が蓄積している可能性は大きいです。
どうして一度に全部の検査をやってはっきりさせてくれないんだろうと、昨日はイライラしていました。
私はどう思っているのか?
私は、リスクがあるなら腎臓を提供するのは止めた方がいいと思っていますよ。さらなる肝臓の検査に加えて精神科医の診断も必要なのですけど、うちの夫はメンタルが不安定になることがある人ですからね。今は薬のおかげで落ち着いていますが、それでも「うつ傾向」の時期と「躁傾向」の時期があるんです。
それに、いずれ目が見えなくなるんですよ。身体を動かすことが少なくなれば、それこそ糖尿病になる可能性が大きくなるじゃあないですか。
健康にリスクのあることはして欲しくないというのが私の気持ちですけど、自分がやりたいことがあると他人の言葉など聞きませんからね。
「提供できないことになっても、それは仕方がないことだし、そのために検査をして来たんだし、いろいろタダで検査をやってもらって自分の身体のことが分かったから、それはそれで良かったと思った方がいいんじゃあないの?」と言いましたら、「うん」とは言いましたけど。
医者には早く「あなたは無理だ」と言って欲しいです。
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