2020年7月16日

オペラ座の怪人オリジナルキャストCD

メルボルンの新規感染者は、昨日も200人超えの238人、今日は何と317人の新記録!

現在症状のある感染者数が2千人に迫る中、入院患者数も急増していまして、医者や看護師など医療従事者の感染も増えております。

オーストラリアの公立病院は、患者の受け入れ拒否なんてありえませんし無料ですから国民は安心なのですけど、数に限りがあるわけですよ。米国なんかと比べると「この程度でそこまでするか!」と思うような厳しい規制も、公共医療サービスが破綻するのを防ぐためには必要なのです。

ところで、

突然ですが、ミュージカルの話です。

「オペラ座の怪人に取り憑かれて」という記事を書いたのは5月4日のこと。実は、かれこれ2ヶ月もの間、私は怪人に取り憑かれたままでございます。

YouTube などで部分的に見ているのでは満足できなくなりまして、DVDを探していたのですけど、「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)」関係のDVDは、俳優のジェラルド・バトラーがファントムを演じた映画版と、25周年記念公演のDVDしかありません。

どちらもエンターテインメントとしてはDVDになって然るべき作品なんですけど、ロイヤル・アルバート・ホールで上演された25周年記念公演は素晴らしかったですけど、特にクリスティーヌを演じたシエラ・ボーゲスは見事な歌唱と演技なんですけど、

私はね、いろいろ見てきた後で断言しますが、ファントムはオリジナルキャストのマイケル・クロウフォード以上にファントムを表現した人はいませんよ。

生まれながらの醜悪な容姿のために母親から愛されず、精神的身体的な虐待を受けながら成長した非常に複雑な人間であるエリックという男(ファントム)。見世物小屋で見世物にされたりして、悲劇的な少年期を経験しているわけでしてね、生まれた時からずっと残酷な仕打ちに遭い続けた男が、初めて本当に愛した人がクリスティーヌという若い女性だったのです。しかし、クリスティーヌにはラウルという恋人がいる。

この複雑なキャラクターは、歌の上手い素晴らしい声を持つ俳優が、歌唱力を見せびらかすように歌っても表現できないんですって。マイケル・クロフォードは素晴らしい歌唱力を持っていますが、高音になると声の厚みが無くなって危なさや弱さを感じさせるのです。

ファントムの複雑さがその声から伝わってくるといいますか。

クリスティーヌを演じたサラ・ブライトマンは、声質や歌唱力を散々批判されましたけど、澄んだ美しい歌唱は私が今更ここに書く必要もないほど有名です。

とにかく、私は、1986年のオリジナルキャストの「オペラ座の怪人」が見たいのですけど、撮影しなかったのかDVDになっていません。オリジナルの舞台を鑑賞する唯一の方法は、CDしかないのでした。

しようがないからCDを買ったのです。

そして、昨晩、私と同様にすっかりファントムに取り憑かれている娘と一緒に、薄暗くなる居間のステレオで聞きました。

音声だけで十分に舞台を想像できました。

そして、

泣いたわ、私…

途中で何度かぐっと来ましたけど、最後の場面では喉の奥にものが詰まったようになりまして、涙がこぼれました。

エリックが可愛そうで。

ああ…

ミュージカル「オペラ座の怪人」は傑作です。アンドリュー・ロイド・ウェバーは天才です。いつかロンドンの Her Majesty's Theatre London で見てみたいですけど、でもやはり本当はオリジナルを見たかった。せめてビデオでもいいから見たいのに、なんでDVDにしないんだろう。


貴方は見たことがないんですか?

25周年記念公演のDVDをご覧ください。舞台のDVDはそれしかないです。映画版では同じ感動は味わえません。

アンドリュー・ロイド・ウェバーの音楽や俳優たちの演技や歌唱だけではなく、衣装や舞台デザインや照明などにも注目してください。英語が不得意な方は、あらかじめストーリーを理解してから見れば問題ありません。

すごい作品です。心を揺さぶられますよ。


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