2020年7月19日

マスク着用義務化

今日のメルボルンの新規感染者数は、再び300人超えの363人でした。(400人に近いじゃん!)

規制の効果は出てきているとは聞きますが、感染者がほどんどメルボルンの北西部に集中していたのが徐々に広がってきているのが気になります。私が住んでいる行政区内の感染者数もいつの間にか30人を超えていました。メルボルン都市圏以外にも広がってきています。

レベル3の規制が再導入されて2週間も経つのにこんなに大勢の新規感染者が出続けるということは、皆さん仕事場で感染っているのではないかと私は思っていたのですが、やはりそのようです。

外出しても良い4つの理由の一つに在宅では行えない労働というのがあります。

この在宅では行えない労働に携わる人々の中に、有給病気休暇制度とは無縁の状況で働いている人が大勢いるのです。

臨時雇いや日雇いの労働者には、事業主は老齢年金の給付金(Superannuation)を支払わなくて良いですし、有給休暇等の負担もないというわけで、不当な待遇でスタッフを雇っている会社は多いのですよ。

こうした形態で雇用されている人々は、仕事を休むと収入が無くなってたちまち困窮します。ですから、体調を崩しても仕事を休むわけにはいきません。

高齢者の介護施設では、こうした形態で雇われているスタッフが多いのだそうです。これには驚きました。

現在、新型コロナの感染拡大が最も問題視されているのは、高齢者の介護施設ですよ。そして、高齢者は感染した場合に重篤になる確率が高く、ヴィクトリア州で新型コロナが原因で亡くなった方々のほとんどが高齢者です。

そういう施設で、病気になっても休めないから仕事に来るしかない人が大勢働いているなんて。

有給病気休暇がもらえない人は州政府から給付金がもらえるので、心配しないで仕事を休んで検査を受けてくださいと、州政府は繰り返し言いますが、一日休むとたちまち食べて行けなくなるとか失業するような状況だと、なかなか難しい問題です。

新型ウイルスの検査場と給付金制度を管理する Centrelink が、密接に連携して対応しないといけません。

また、州政府は今日、なかなか感染拡大に歯止めがかからない状況から、マスクの着用を義務化しました。水曜日の深夜からです。もう顔に汗をかいて暑苦しいからどうしようかなあ…なんていう問題ではなくなりました。

マスクは、医療用のマスクでなくても何でも良いそうです。手作りマスクでも、スカーフでも構わないそうです。要するに、感染している人の飛沫が拡散するのを少しでも減らすことが目的でしょう。

空気中に浮遊するウイルスも遮断するなんていうのは、よほど特別なマスクでなければ無理ですからね。

自分が感染らないようにすると言うより、自分がウイルスを持っていた場合に他人に感染さないということがマスク着用の一番の目的です。

ところで、

ヴィクトリア州のこれまでに確認された感染者数の総計は 5696人ですが、死亡者は38人ということで、世界的な平均値と比較すると致命率が低いとされています。

重症化する人が少ないのかと思ったりしましたけど、そういう訳ではないようです。

と言いますのも、最近テレビや新聞などで、重症化して死にそうになったけど命が助かったという人達の話が度々取り上げられているのですが、その多くが、何週間も何ヶ月も経った現在も後遺症で苦しんでいらっしゃるほど一時は重篤だったのですけど、彼らは治療のおかげで命を救われたのだということが分かるんです。

つまり、メルボルンには優れた医療制度があるから、命が救われているということです。

聞いた話では、ICU(集中治療室)に入った患者の救命率は、米国は30%、英国は60%なのに比べ、オーストラリアは90%に近いそうです。

優れた病院施設があって優れた医療スタッフがいる。一般開業医と病院との連携も確立されていますし、何と言っても公立病院だと基本的に無料ですからね。回復したのはいいけど莫大な請求書が届くなんていう心配はないですし、優れた公共医療制度の存在は本当にありがたいことです。

しかし、数に限りがあるんですよ。

現在、各病院は新型コロナへの対応に全力を上げていますけど、対応できないほど患者が増えたら、救える命も救えなくなるということですから、私達一人ひとりが感染拡大防止のためにやれることはやりましょうということ。

だから私も毎日家にこもっています。どこにも行かず、家の中で過ごしています。翻訳の仕事はもう半年も全く来ていませんので無収入ですが、夫のおかげで食べるのに苦労することもなく、暖かい家で退屈しているなんて、贅沢な話です。


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