うちの娘の親しい友人のJさんが、メルボルンでも最も感染者が急増している町に住んでいます。一人暮らしですから、3月に新型コロナが始まって以来大変孤独を感じるようになり、精神的に不安定になっているという話を聞いていました。
家族は全員西オーストラリア州に住んでいるので、会いに行くことはできません。
メルボルンでは友達と会うこともできず、アパートに一人で閉じこもる暮らしが長く続いて、メンタルがかなり弱ってきていました。
やっと規制の緩和が始まり、家からほとんど外に出ない暮らしで、バスも電車も避けていたうちの娘も、そろそろJさんに会いに行くこともできるかもしれないと思っていた矢先に感染拡大が始まり、Jさんが住む町は最初にロックダウンとなりました。
そして今日から、メルボルン都市圏全域が再び6週間のロックダウンです。
うちの娘はいいんですよ、まだ会話をする家族がいるんですから。でも、Jさんは完全に一人っきりです。
こういう状況でも、
救われるのは、今の時代は顔を見ながらおしゃべりをする方法が幾つもあるということ。
インターネット接続さえあれば、一日中でもビデオ会話をしていられますからね。
娘の勉強部屋や寝室からは、時々にぎやかな声が聞こえます。Jさんとおしゃべりをしているのです。
今日は、途中でインターネット接続がおかしくなったからと、私がお料理をしていたキッチンの電話を使っておしゃべりをしていました。ですから会話が丸聞こえ。話題は小説についてで、特にドフトエフスキーの作品について話していました。
友人とのおしゃべりが「ドストエフスキー論」とは、
お母さんは話題について行けません…
私は、ドストエフスキーの小説なんて一つもまともに読んでいませんから。「罪と罰」は読みかけたことがありますけどね。基本的に作り話の小説というものにはなかなか興味がわかないので、熟読した小説は少ないのです。
会話を聞いて大変勉強になりましたよ。ドストエフスキーがギャンブル中毒だったなんて知りませんでした。
てんかんの発作に苦しんでいたとか信心深いキリスト教徒だったとか、作品に影響しているそうです。
ドストエフスキーが反ユダヤ主義者だったことも知りませんでした。強烈なユダヤ人批判を続けたそうで、ドイツ(ナチス)の反ユダヤ主義にも大きな影響を与えたのだそうです。
ああ、それから、
うちの娘は犯罪者の心理学を勉強していますが、もっと詳しく言うと犯罪者の自傷行為に関する心理を研究していますが、やっはり結構耳を覆いたくなるようなおぞましい内容の文献やデータを読んでいるようです。
聞きたくなかったけど聞こえました。
それにしても、かつては夢みたいな話だった「テレビ電話」ですが、新型コロナのせいで一気に普及しましたね。スマートフォンとインターネット接続さえあれば、どこでも誰とでも簡単にコミュニケーションできるって、便利な時代です。
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