2020年7月10日

ブラック企業に良い人材は集まらない

昨日、うちの夫は久しぶりに仕事が休みで、朝はゆっくり起き、朝ごはんをゆっくりと食べ、再びベッドに行って昼過ぎまで寝ていまして、これで少しは身体が休まるかとホッとしました。

起きてきたらゆっくりランチを食べてもらおうと思い、焼きたてのパンとローストチキンとアボカドなどを買ってきまして、寝ている夫を起こさないように静かにしていたんです。

そうしましたら、1時過ぎ頃に服を整えて2階から下りてきました。

「あら、お出かけ?」
「商品の配達をしなくちゃあいけなくて…」
「配達?休みの日は他のスタッフにやってもらったら?」
「そうできるならそうします」

話を聞くと、夫の勤めるツールショップは、相変わらずスタッフ不足らしくて。

スタッフの採用を担当する部署はニューサウスウェールズ州にある本部にあり、ヴィクトリア州では求人応募者のレジュメチェックや面接などは、若きマネージャーのウィル君が責任者です。

ウィル君はまだ20代の若者ですが、うちの夫も絶賛する優秀なマネージャーで、現在ビクトリア州の責任者でもあります。

会社がヴィクトリア州に進出し、次々に新店舗をオープンさせてきたこれまでの2年半の間に、採用したスタッフの中にはとんでもないのが結構いました。店内の商品を盗むとか他のスタッフに麻薬を売り込むなんていう犯罪者もいましたし、怠け者、ツールに関して無知すぎる者、すぐ喧嘩をする者、嘘をつく者、いろいろいました。

新店舗オープンが一段落した現在、ウィル君はスタッフの採用に慎重で「良いスタッフ」を見つけることにこだわっています。

ところが、

なかなかそれが難しいのですよ。

と言いますのも、求人サイトの口コミ情報でとんでもなくひどいレビューを書かれているからです。

レビューは、元社員がその会社の満足度・不満足度を評価して書いているので、その会社の求人へ応募を検討している人には、非常に参考になるわけです。

夫の勤めるツールショップ会社の元社員達が書いているレビューに共通するのは、

  1. 仕事とプライペートのバランスが最悪
  2. スタッフ不足で忙しすぎて負担が大きい

ということのようです。

1 について言えば全くその通り!

週休一日ですし、他のスタッフが病気になったり怪我をしたりして足りなくなると、その一日しかない休日も出勤する必要が出てきます。子供がいる人は、子供と過ごす時間なんて無いでしょうし、休みの日に趣味の何かを楽しむとか、そういうことは難しいでしょう。

あまりに急激に新店舗を次々にオープンさせて、スタッフを雇ってもすぐに辞めていく人も多かったようですし、とんでもないやつはクビですし、常にスタッフが足りない状態が続いていましたが、やっと落ち着いてきた矢先に新型コロナが始まって、経営者からの命令で各店舗はスタッフを削減、つまり大勢をクビにしました。

ところが、ツールショップは新型コロナの影響を受けなかった!客足も売上も落ちるどころがむしろ増えたそうで、スタッフ不足が深刻となりました。

もちろん、ウィル君はスタッフ探しを続けていましたよ。「良いスタッフ」を見つけたいウィル君ですが、なかなかそういう人材は応募してこない。応募してきて採用しても、そいう人材はもっと条件の良いところが見つかると辞めていきます。

そりゃそうでしょ!

金儲け第一主義で、社員を信用していないから各店舗の防犯カメラの映像をニューサウスウェールズ州の本部で常時監視しているという会社の経営者兄弟が、社員を酷使しても賃金さえしっかり払えば大丈夫という主義を変えて、社員の福利厚生に留意した経営をしないと「良いスタッフ」はなかなか見つからないでしょうね。

いくら給料がよくても、身体を壊したのではどうしようもないですから。

配達を終えて帰宅した夫は、再びベッドに行って寝始めました。

仕事の携帯電話は一日中鳴りっぱなしでしたよ。昨日は流石に電話を無視して寝ていましたが、起きてくると着信記録をチェックして電話をかけていました。夕方からは、個人の携帯に他のスタッフやウィル君から次々と電話がかかって来ていました。

大変そうですが、本人はやりがいのある仕事だと言います。

スタッフ不足さえ解消すれば楽になるとは思うんですけどね。

夫とウィル君の会話から分かったことですが、「良いスタッフ」を見つけたいウィル君は他社ツールショップの優秀セールスマンをヘッドハンティングしているらしいです。

ヘッドハンティングした人がすぐに辞めていかないようにするには、良い給料だけではダメですよ。


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