2020年10月17日

新型コロナの感染力と不正直

先々週、メルボルン最大のショッピングセンター、チャッドストン・ショッピングセンター(Chadstone Shopping Centre)で集団感染が発生し、感染者数が急増しました。

発端はショッピングセンターの掃除をしている女性でした。

この人は感染者が出ていたフランクストン(Frankston)という町に住んでいました。家族の一人が病気になりましたが、彼女は掃除の仕事を続けました。

病気になった家族は新型コロナ検査で陽性となり自宅隔離しなくてはいけなくなりましたが、こういう場合は家族も自宅隔離をしないといけません。自宅隔離ルールに違反する人が大勢いるので、メルボルンでは警察が訪問して確認しています。

警察が来たので仕事に行けなくなり、女性が欠勤の連絡をしたのが9月24日の木曜日。その2日後、女性も新型コロナ検査で陽性と分かりました。

問題は、この女性がチャッドストン・ショッピングセンターの掃除をしていたことを感染経路追跡調査員に言わなかったことです。ショッピングセンターは、感染拡大防止への対応が遅れました。

ショッピングセンターに入っている肉屋の店長が体調を崩し、検査で陽性と分かったのは月曜日でした。掃除の女性がこの肉屋の掃除もしていたことが分かったのは、その後のことです。

肉屋のスタッフが感染していることが次々に分かりました。

そのスタッフの一人のお父さんは、トラックの運転手でした。貨物を運搬するトラックは、メルボルン都市圏の外に出ることが許可されています。ただし、仕事先以外の場所に立ち寄ることは禁止されているのですけど。

このトラックの運転手が、実は肉屋に勤める息子から感染していたのです。

キルモア(Kilmore)の町に行き、カフェで食事をしました。ここで、カフェのスタッフに感染させ、そのスタッフから感染が広がりしました。町の住民何百人もが検査を受け、結果が出るまで自宅隔離ということになりました。

キルモアでの集団感染が問題になり始めた後、シェパトン(Shepparton)という町のタイヤ販売店のスタッフが病気になり、新型コロナに感染していることが分かりました。

一体どこで感染したのかを追跡調査する中で、そのトラック運転手がシェパトンにも行ったと認めました。バニングスというホームセンターに立ち寄っていたのです。

キルモアの感染が分かった時点で、シェパトンにも行ったことが分かっていればもっと早く対応できていたでしょうが、すでに2週間近くが経過しており感染が広がりました。

シェパトンの住民の多くも検査を受けることになり、結果が出るまで自宅隔離ということになりました。

とまあ、このように、

新型コロナウイルスというのは凄まじい感染力を持つわけです。

そして、掃除係の女性とかトラック運転手とかの不注意と不正直が、感染拡大の原因になっているわけです。

感染してしまうことは仕方がないとしても、感染した時には自分から他人への感染を防ぐ必要があるということを一人一人ががよく理解する必要がりますよ。そして、外出した場所をすべて正直に報告しなくてはいけません。

明日は何らかの規制緩和が発表されるはずですけど、チャッドストン・ショッピングセンターから始まった集団感染がなかったら、新規感染者数の14日間平均は5人以下になっていたはずで、ステップ3の緩和になるはずだったんですよ。


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