2021年7月15日

充実した毎日と引きこもり

ヒュンダイ車の運転を避けていたうちの娘ですが、私が夫の送り迎えにカローラを使う必要があったために、選択肢がなくなってヒュンダイ車を使い始めました。

ヒュンダイ車は私のカローラと同じくらいの大きさですが、とにかくパワーがなさ過ぎると言っています。軽過ぎて、弱過ぎて、「 I don't like it!」だそうです。

「不安」が原因で、できれば避けたいことや、やらずに済むならやりたくないことがたくさんある娘ですが、やるしかないとなれば不安を克服してやってみるしかないわけでして、思い切ってやってみれば大抵のことは問題なくやれるものです。

そうした経験の積み重ねで、できることが少しずつ増え、「不安」を感じることも減ってきたようです。まだ心理カウンセラーのセラピーを定期的に受けていますが、不安発作を起こすようなことは無くなりました。

毎日生き生きとメルボルンに出かけて行きます。仕事とクラヴ・マガのトレーニングと、昨日は友達とアイススケートに行きましたよ。

一時期家から出られなくなっていたことがウソのようです。

思い出すと遠い昔のことのように感じます。娘の一連の不安障害は、小学生の頃の抜毛症から始まりましたが、その後は拒食症になり、自傷を続けていた時期もあったし、ハイスクール卒業の頃にはパニック障害が悪化して、家から全く出られなくなったのです。

メルボルン大学への進学が決まった後、大学に行けるようになるために、カウンセラーのセラピーを受けながら、少しずつ外出する練習をしました。認知行動療法というやつです。

一番最初の練習は、家を出て近くのバス停まで歩いて行って帰ってくるという練習でした。次の練習は、バス停まで行って、そこで向こうからやって来るバスを見るという練習。

そんなことに練習が必要なのかとお思いでしょうね。

バス停でバスを見るのは簡単ではありませんでしたよ。バスに乗るわけではないんです。ただ向こうからやってくるバスを見るだけなんですが、バスを見ても不安発作が起きないという段階が必要だったんです。

練習を始めたのは12月で、一人で大学まで行って一人で帰って来れるようになるまでに、4ヶ月かかりました。

すべての練習と、まだ一人で行けなかった頃には通学にも付き添ったお母さんは、苦しむ娘の横で平静を装っていましたけど、不安を一緒に感じ続け、心配し続け、緊張し続けていたせいで、実はお母さんもメンタルが悪化したのでした。

娘は運転免許の取得にも苦労しました。「不安」と闘いながら試験を受けましたけど、2回も不合格となって、それがトラウマになってしまって。もう二度と車を運転しないと言っていたのですけど、注文したマンゴーを受け取りに行くために運転練習を再開したのでした。

そんな娘が、今では毎日高速道路を運転してメルボルンに通っているんですからね。時速100キロを出すのにヒュンダイ車はパワーが無さ過ぎるとか文句を言っているんですから。

娘は、来年から修士課程の勉強を始める予定ですが、修士課程を履修するには就労経験が必要だということで、2021年は就労経験を積む年ということにしたわけです。運良く心理カウンセラーのクリニックの受付の仕事につくことが出来て、おかげで心理学界にコネも出来て、クラブ・マガという打ち込める趣味も出来て、毎日が大変充実している様子です。

いよいよ本気でアパート探しを始めたそうですから、早く良いアパートが見つかって一人暮らしが始められると良いと思います。


一方、うちの息子は現在お先真っ暗…

お尻の調子が良くないらしくて。1回目の手術を受けたのは12月のクリスマス前でしたから、もう半年以上になるのに、まだ普通に座ることが出来ません。

痛みとか血に弱い人だからなおさらです。

GP(一般開業医)に相談したのが2019年の12月ですよ。息子のお尻は重症の痔核(いぼ痔)と裂肛(きれ痔)だったのですけど、クローン病かもしれないと言われて検査を繰り返し、その都度何週間も待たされて。

クローン病ではないことが分かって、やっと手術をしてもらえるという頃に新型コロナの感染拡大で命に関わらない手術が中止され、手術を待っている間にお尻の状態は悪化の一途をたどり、寝たきり状態になってしまったのでした。

夫の家族が経済的に支援してくれたので、費用全額負担で民間の病院で手術を受けたのですけど、息子のお尻は重症だったため1回の手術では治せないということでした。

2回目の手術が必要なんです。

「2回目の手術は公立病院でやれるでしょう。おそらく4月頃には順番が回ってくるでしょう」と医者が言うので、公立病院の順番が来るのを待っていたんですけど、もう7月ですよ。

座っていることが困難なため、息子はほとんど外出しません。

毎日毎日ずっと家にいます。スケッチは毎日しているようで、お尻の調子がいい時にはコンピューターを使って絵を描いていますけど。

ここ3〜4年ほとんど家から出ない暮らしですが、お尻が悪化してからは引きこもり状態ですから、お先真っ暗というのはそういうこと。

2回目の手術でどこまで良くなるのか分かりませんけど、2回目の手術をしてもらうまでは今の暮らしから抜け出せないのは確かです。本人にとって次の手術は「希望の星」なのです。

オーストラリアの公的医療制度の欠点と新型コロナがもたらした悲劇なのでございます。

引きこもりが長くなると、外に出ることや人に会うことに「不安」を感じるようになっていますから、妹にいろいろ相談しているようです。

妹は専門家ですし経験者でもありますから、息子は頼りにしているのです。昨日は、妹が新しいスケッチブックを買ってくれたと喜んでいました。

兄妹仲が良くて何よりです。


それにしても、うちの家族は常に誰かが何らかの困難に直面しています。家族全員が同時に困難に直面していた時期もあります。メンタルの病気で働けないと収入が途絶えて経済的に困窮しますし、本当にしんどい時期もありましたが何とかやって来ましたから、これからも何とかやって行けるでしょう。

火曜日の夜から伯母さんの家に泊まっているうちの夫は、万事順調だそうです。

伯母さんの家からツールショップまでは車で20分なのですが、朝は勤めているツールショップまで伯母さんが車で送ってくれて、帰りはスタッフの誰かにおばさんの家まで送ってもらっているそうです。

キャリアウーマンでずっと独身だった伯母さんは、まだ元気で一人暮らしですけど、夫が泊まっているということで料理を頑張っているらしいです。伯母さんは大変料理上手なのです。

夫は体重が激増しているそうですよ。

よかったよかった…と言うか、体重激増したらダメじゃん!本人が言うところの「120は行っていません」の体重が「130は行っていません」になっちゃうぞ!


お帰りの前に1クリックを!



0 件のコメント:

コメントを投稿