2週間ほど前に、うちの夫が視野検査を受けることになったという記事を書きました。
夫は遺伝性の黄斑変性という疾患があり、運転に適性な視力があるかどうかを定期的に検査する必要があったのですが、VicRoads というヴィクトリア州の運輸交通局みたいなところから、医者からの適性検査の報告書が必要と言われまして、いつもお世話になっているGP(一般開業医)のリム医師に検査をしてもらったのですが。
その検査結果から判断すると夫の視力は運転の適性が無いという連絡が VicRoads から来たのです。追加の検査を行い、まだ適正な視力があるという証明書を提出しなくてはならなくなくなりました。
目の能力というのは、視力表を使って計測する「視力」の他に「視野の広さ」とか「明るさや暗さへの順応」という能力も重要です。
健康な人ならあまり問題になりませんけど、黄斑変性の疾患がある人は、視野の中心が見えなくなるだけではなく、薄暗い状況でものが見えにくくなったり視野の中心以外の見えている部分が歪んできます。
ということで、VicRoads から求められた視野検査を昨日受けに行ってきました。
左目はすでに視野の中心が真っ黒で何も見えていないそうで、見えている視野の外側ではものが歪んで見えるそうですが、右目はまだ普通に見えると本人が言っていたので、もうしばらくは運転は可能だろうと楽観していました。
しかし、検査の結果は最悪でした。
まだ見えると思っていた右目は、視野の中心は真っ黒にはなっていないものの、見えていないんだそうです。視野検査の一つは、画面にある点を見つめながら視野の中に光の点滅が見えたらボタンを押すという検査ですが、夫は検査をしながら「これはおかしい」と感じたそうです。
光が全く点滅しない時間が長かったのだそうです。長い検査時間中、光の点滅が見えない長い時間が度々あったそうです。
検査の結果は直ちに VicRoads に送られましたので、もうすぐ VicRoads から「もう運転をしてはいけません」という連絡が来ます。その連絡が来たら免許証を返納しなければなりません。
こんなに早く運転ができなくなるとは…
ツールショップの現在勤めている店舗には通勤できなくなりますので、家から近くてバスで通勤できる店舗に転勤しなくてはいけないでしょう。役職も変わってくるでしょうから、おそらく給料も減給されるでしょう。
転勤が可能かどうかはまだ分かりませんが、その店舗に勤めるとしたらバスで通勤するか私が送り迎えをすることになります。片道20分くらいです。
もっと交通の便が良い場所に引っ越すことも考えなくてはいけません。現在住んでいる家の広い敷地は、人が乗って運転するトラクター型草刈り機で草を切っていますが、こんなに早く症状が進行していると、いずれ草切りもできなくなります。
車がないとどこにも行けない山の中に住んでいると、仕事だけでなくプライベートの面でも外出する必要がある度に困りますから。
両目とも、視野の中心以外の部分ではまだ見えていますから、運転はできなくなっても、まだ見えているうちに今後の暮らしに備えていかなければいけません。
黄斑変性という疾患にもいろいろ種類があって、うちの夫はこの疾患が見つかった時に非常に稀な患者ということで、メルボルン大学の研究者に協力して様々な検査を受けました。
夫の疾患には、治療法がないだけでなく進行を遅くする方法もないそうです。進行が遅いことを祈っていましたが、思っていたよりも早く進んでいます。
勤めている会社ではスタッフの指導的立場にいるので、運転ができなくなったことを理由にクビになることはないだろうと思いますけど、いずれコンピューターの画面が見えなくなるとか文字が読めなくなるという状態まで進行すると、仕事も辞めざるを得なくなるでしょう。
こういう時がいずれ来るとは分かっていたのですが、ついに運転ができなくなるということが分かった昨日は、私もショックでした。少し動揺して涙が出そうでしたが、これからどうするかという現実的なことを夫婦で相談しました。
VicRoads から連絡が来て運転免許証を返納し、実際に運転ができなくなった時、どんな気持ちになるのでしょうか。
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