2020年5月27日

ラグラン袖の増し目の方法

ネックから編むラグラン袖は、両肩の前後4箇所で増し目をしながら編み進めて身頃と袖部分を作っていきます。

昨今は、ネックから編むラグラン袖ニットの編み方を紹介しているサイトがたくさんありますけど、増し目の方法は決まったように「マーカーの両側二目の外でねじり目による増し目」なんですねえ。

他にもいろいろありますので紹介します。


1.増し目をする箇所の目の数

増し目をする4箇所にマーカー(目印)を付け、そのマーカーの両側の二つの目の外側で増し目をするのが一般的なようですが、二つではなくて一つの目だけにマーカーを付けておいて、その一つの目の両側で増し目をするという方法もあります。


2.渡り糸をそのまま編む増し目

最も簡単な方法ですが、穴が開きます。

しかし、その穴を透かし模様のように活かすという手もあります。


マーカーの両側の二つの目の外側の渡り糸をねじったりせずにそのまま編むとこんな感じに。


二つではなくて一つの目の両側で渡り糸をそのまま編むとこうなります。こっちの方がおしゃれな感じです。



3.渡り糸をねじり目にして編む増し目

日本で最も多く利用されている方法でしょう。


ねじり目をねじる向きによっては、編み上がりが大きく異なります。

外側に(右側は右へ、左側は左へ)ねじると、こうなります。最も多く利用されている方法です。


これを逆に、内側へ(右側は左へ、左側は右へ)ねじるとこうなります。


目立ちにくいですね。

注意: 太い糸で編む場合は、渡り糸でねじり目を作るのは無理です。一つ前の段でねじり目を作る場所にかけ目をしてねじり目になる部分を作っておきましょう。


4.kf&bで編む増し目

kf&b は、日本ではあまり利用されていない編み方です。欧米の編み図では Kf&bともKF&BともKFBとも書かれます。

「knit(表編み)front(表側)& back(裏側)」つまり、一つの目の表側で一度表編みしたら、編んだ目の裏側でももう一度表編みをするという増し目の方法です。

私はこの編み方でできる模様が好きです。ねじり目をするよりも遥かに簡単ですよ。


マーカーの両側の二つの目で kf&b をするとこうなります。


間に1目表編みを入れると、つまりマーカーを付けた一つの目の両側で kf&b をするとこんな感じです。



5.下の段の目の端を立てて編む増し目

ねじり目よりも遥かに簡単で、どこで目を立てるかによって素敵な模様になるのに、全然利用されていない編み方です。

まずは、マーカーの両側の二つの目で増し目をする場合です。


マーカーの両側の二つの目のその外側の目の下段の目を立てると、つまりマーカーの右側の目を編む前に、その右隣りの目の下段の目の左端を使って左増し目、マーカーの左側の目を編んだ後で、その左隣りの目の下段の目の右端を使って右増し目をしますと、こうなります。


マーカーの両側の二つの目そのもので増し目をおこなうと、つまり右側の目を編む前にその右側の目の下段の目で右増し目、左側の目を編んだ後でその下段の目で左増し目をすると、なんとこうなるのでございますよ。


これはいい感じ!

次は、二つではなくて一つの目だけにマーカーを付けて増し目をする場合です。


マーカーを付けた一つの目の外側の目の下段の目を使って、右側では左増し目、左側では右増し目をするとこうなります。


これはねじり目による増し目にそっくりですね。

マーカーを付けた一つの目そのもので増し目をおこなうと、つまりその一つの目を編む前にその下段の目の右端で右増し目をし、その一つの目を普通に編んだら、下段の目(さっき右端で右増し目をした目)の左端で左増し目をするとこうなります。


いいですねえ、これ!


これら以外にも増し目の方法は色々あるでしょう。

ラグラン袖の増し目ラインをできるだけ目立たせないようにするか、そのラインをデザインに活かすか、自分の好みに応じて楽しんでください。

編地の模様によっては、増し目の編み方を工夫してもほとんど違いが見えない場合もあります。そういう時は一番編みやすい方法がベストでしょう。


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2 件のコメント:

  1. 疑問に思っていたことを分かりやすく教えて下さり、ありがとうございます!編み物初心者ですが、増し目の指示が編み図(日本や海外)ごとに違っていたので、何が違うのかとずっと疑問に思っていました。
    編み物って奥深くて、面白いですね!勉強になりました!

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    1. こんにちは。記事がお役に立って良かったです。私は最近手が痛くて編み物をしていませんが、また編みたくなっています。手に負荷がかかりにくい単純な編み方で夏物のカーディガンでも編もうかと思っていましたが、そうか、ラグラン袖という手がありましたね。

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