ヴィクトリア州は、新型コロナ感染者をゼロあるいはそれに近いレベルに維持する方針ですから、クラスターが発生すると躊躇なくロックダウンという事になるのでして。
私はもう慣れましたけど、経営難にあえぐ各種事業者の皆さんは大変ですよ。
何人の感染者が出ているかと言いますとね、昨日の発表の時点で、
18人です!
たったの18人でロックダウンです。メルボルンだけじゃあなくてヴィクトリア州全体です。
ヴィクトリア州の感染者は、先月のロックダウン後に再びゼロになっていたんですよ。
ニューサウスウェールズ州のシドニーを中心とする地域で感染が急拡大しましたが、ロックダウンの措置が少し遅れて感染者数が急増し、ロックダウンを行っても効果が出なかったんですよね。
シドニーでは、いまだに感染者が増え続けています。現在の感染者数は840人だそうですが、昨日の新規感染者数は65人でした。現在入院しているのは73人だそうです。
シドニーのこの数字は危機的という認識ですが、東京に比べたらそれほど深刻な状況には見えないでしょう。東京は一日当りの新規感染者が1000人超えているそうじゃあないですか。入院している患者数も2000人を超えていますよ。
ロックダウンというのは人々の動きを制限するのが目的ですが、それがほんの1〜2日遅れただけで感染者がねずみ算式に増えることがシドニーの状況から分かります。
オーストラリアでは、ワクチン接種を完了した人の割合がまだ低いので、感染者数を抑える必要があることも分かるんです。
だから、感染者数たった18人の段階でヴィクトリア州はロックダウンを決めたわけです。
それにしもねえ、
またか…
ですよ。
5日間で終わればいいけど。
今回の新型コロナウイルスは、シドニーから来ています。クラスターの一つは、シドニーから来た引っ越し屋の3人が働いたアパートです。引っ越し屋達が感染していたのですよ。
引っ越しをした家族とそのアパートの同じ階に住む人が感染し、感染した人が週末にフットボールを見に行ったMCGスタジアムでも、この人から複数の人が感染したことが分かっているそうです。
ニューサウスウェールズ州とヴィクトリア州の州境は、許可無しでは通れないはずなのに、どうも許可無しで来ていたらしいし、引っ越し屋達は感染経路調査員に正直に協力しなかったらしく、そのために対応が遅れて感染が広がることになって、担当者が会見で怒っていました。
もう一つのクラスターはシドニーから帰って来て自宅で14日間の自己隔離をしていなくちゃあいけなかったのに外出していた家族からの感染拡大。
短期間の間に感染者が増えましたから、これを放っておけばあっという間にシドニーのようなことになる可能性が大きいことは分かります。
シドニーだって一人から始まったのですよ。確かシドニー空港で国際線乗組員を運ぶ車両の運転手からでした。
それにしても、いつもこうです。
再び感染者が発生するのは、外からウイルスが持ち込まれるからです。メルボルンでは、海外からの入国者は人数が制限されていますし厳しく管理されていますけど、州境は道路がいくつもあるのでして、今回は警察が道路に柵を設置して州境を通る人をすべてチェックするなんてことはしていません。
みんなが正しくルールを守れば、こんなことにはならないのに。
とにかく早くワクチン接種を進めないといけません。オーストラリアはアストラゼネカのワクチンに大きく頼っていたので、それが血栓問題のせいで60歳以上に限るというような方針転換がありましたせいで、遅れているのです。
前回のロックダウンは1週間の予定でしたが2週間に延長されました。あの時、感染者数は一気に100人近くにまで増えましたが、短期間でゼロになりました。早めの対応が鍵なのです。それは分かるんですけどね。
今回のロックダウンも前回と同様、外出は5つの理由のみで家から5キロ圏内です。
シドニーのロックダウンの規制内容が不明確で、多くの小売店やサービス業が営業を続けて批判されたニューサウスウェールズ州との違いを打ち出すためか、メルボルンのロックダウンは食品や医薬品など生活必需品以外の小売店やサービス業(美容院を含む)は全て営業禁止だとヴィクトリア州政府は念を押しましたからね。
感染者18人でここまでやるヴィクトリア州は、海外でもニュースになっていますよ。
ところで、
感染拡大の原因になった引っ越し屋達は、訴追される見通しです。最初から大いに反省して感染経路調査員に協力していれば話は違ったかもしれません。
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