2021年7月18日

キーパスという身分証明書

オーストラリアでは、身分証明書として運転免許証の提示を求められる場面が大変多いです。年齢制限のある場所に入る時や年齢制限のあるものを購入する時、例えばビールやワインなどの酒類を買う時、顔写真付きの身分証明書を提示しなくてはいけません。

もちろん、明らかに18歳を超えていると分かる私のようなおばちゃんがビールを買うのに身分証明書を見せろとは言いませんけど。

銀行口座を開く時とか、 何かをレンタルする時とか、注文した商品を受け取る時とか、顔写真付きの身分証明書が必要となる場面は多いのです。

運転免許証を持っていない場合にはパスポートが使えますが、パスポートを持ち歩くのはリスクがあります。運転免許証もパスポートも持っていない人は、何をするにも面倒です。

オーストラリアには、キーパス(Keypass)という身分証明カードがあることをご存知ですか?

私は知りませんでした。おそらく多くのオーストラリア人がキーパスのことを知らないと思います。

キーパスというのは郵便局が発行する身分証明書です。お近くの郵便局で申し込めますし、オンラインでも申し込めます。

うちの夫が運転免許証を返納することになり、返納する前にこのキーパスを作っておく必要がありましたので、昨日郵便局に行ってきました。土曜日でしたが、多くの郵便局は土曜日でも午前中は営業しています。

ロックダウン中なので外出に関する規制がいろいろありますが、これは許可されるはずだということで、私が運転して郵便局まで送っていきました。私は中に入らずにちゃんと車で待っていましたよ。

18歳以上の成人用のキーパスは、17歳11ヶ月から申請できます。18歳未満用のキーパスは15歳以上で申請が出来ます。プラスチックのカード型キーパスの他にスマートフォンに保存して使用できるデジタル版キーパスというのもあります。

正式な身分証明証ですから、パスポートの申請と同等の書類を提出する必要があり、身分を証明する顔写真付きの何かが必要です。うちの夫の場合は、現在持っている運転免許証とパスポートを持って行きましたが、いろいろ確認することがあったそうで結構時間がかかりました。

キーパスカードは郵便で送られてきます。速達を申し込んでおけば最短で申請から5日で手に入ります。緊急で必要な場合は、ヴィクトリア州ならメルボルンCBDの郵便局かフッツクレイ(Footscray)郵便局でカードを即日発行してくれるそうです。

詳しいことはオーストラリアポストのウェブサイトに載っていますよ。

日本では、運転免許証を返納したり失効したりした場合に「運転経歴証明証」というものが利用できるそうですが、オーストラリアには同様のものはありません。

運転経歴の有無に関わらず誰でも取得できるキーパス(Keypass)が、運転免許証返納後の身分証明書となるのです。

ものをしょっちゅう無くしたり忘れたりするうちの夫のような人は、パスポートを持ち歩かない方が良いですからね、キーパスがおすすめです。

プラスチックのカード型の場合は手数料と送料が必要ですが、デジタル版だけなら無料だそうですよ。


それにしても、オーストラリアの郵便局「オーストラリアポスト」は、本当になんでも屋です。

日本の郵便局も時代の流れに適応して変わって来ているのでしょうけど、オーストラリアポストは、全国あらゆる場所にあるという利点を生かして、本当にもうありとあらゆるサービスを提供しています。

郵便事業と銀行事業はもちろんのこと、近年は宅配業に力を入れていますからオーストラリア最大手の宅配業者といえばオーストラリアポストなんです。

オーストラリアポストは保険事業もやっています。

店舗では、ギフト商品やカードや文房具やおもちゃや携帯電話や電気製品やコンピューターまで、様々なものを売っています。我が家の近所の店舗なんて、本やジュエリーや服や手芸品まで売っていますよ。

そして、オーストラリアポストの店舗では、パスポートの申請やパスポート用の写真撮影も出来ますし、運転免許証の更新手続きや、本来なら警察で申請する無犯罪証明書の手続きや、税務署へ申請する納税者番号の申請や、法律的に証明された文書の作成など、非常に多くのことができるんです。

郵便局員が大きな権限を持っているわけなので、この人達が悪者達とグルになって犯罪行為に関与していたということも無いわけではありません。いつだったか、パスポートの違法取得を行っていたグループが摘発された時には、ある郵便局のスタッフが逮捕されました。

そういうことも無いわけではありませんけど、事業を幅広く展開しているオーストラリアポストは、大変便利なのでございます。


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2 件のコメント:

  1. 日本ではこのところの温暖化のせいか、レモン、ライム、などの木やオーストラリアのティーツリー、も植える人がいますが無事に成長しています。オリーブの木は家の外で門や玄関脇に植える人が沢山います。少し前なら考えられませんでした。オーストラリアへ行くとあらゆる植物は、初めて見るものばかりと思いましたが、今ではこれはオーストラリアで見たことがある!と思います。そちらへ行った時に買ってきた写真入りの本が役にたちます。オーストラリアの植物を専門とする庭師もいるようです。生け花の世界ではずいぶん前からユーカリは広く使われる素材です。

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    1. オーストラリア原産の植物は、過酷な自然環境で育つものが多いです。高温や乾燥、時には森林火災も耐えます。ユーカリは成長が早く、建築木材としても使われます。南米の畜牛牧場で、環境の改善と温暖化防止への取り組みとしてユーカリの木を植える試みが効果を見せているというニュースがありました。植えたユーカリの木が土中の水分を保持して日陰を作り、それは牛達にも良いですが、短期間で成長するユーカリの木を木材として販売することで、農家は収益増加になるということだそうです。

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