これまでに398人が亡くなっていますが、その多くが高齢者介護施設の入居者でした。
ヴィクトリア州の高齢者介護施設は、入居者とスタッフの両方に多くの感染者を出しています。その原因として、介護スタッフの多くが複数の施設を掛け持ちで働かなければならない賃金水準や有給病休がない労働条件、慢性的な職員不足が挙げられています。
オーストラリアの高齢者介護サービスは、各州政府ではなく連邦政府が管理していますが、新型コロナのせいでこれまで指摘されていた様々な問題が大きく露呈しています。
ところで、昨日のお昼前のこと。
テレビを付けましたら、高齢者介護施設が深刻な被害を出した原因調査を進めている連邦議会調査委員会の質疑応答が放送されていました。オンラインで行われていました。
リチャード・コルベック(Richard Colbeck)高齢者介護担当大臣が、ある連邦上院議員に「ヴィクトリア州の高齢者介護施設でこれまでに何人の新型コロナの死者が出ているのですか?」と質問されました。
難しい質問ではありません。担当大臣なんですから死者数くらい把握しているだろうと思ったら貴方、大間違いですよ。
コルベック大臣はすぐには答えらなかったのです。
「ええっとそれは、報告書を見なくては…」と言い、老眼鏡をかけ、デスクの上の書類を探す大臣。
延々と探し続ける!
35秒間沈黙して報告書なるものを探し続けた後、「報告書が見つからないから死亡者数は分かりません」と言ったんですよ。
何だそれ!
私は開いた口が塞がりませんでした。
高齢者介護サービスへの予算不足、担当省の管理不十分、新型コロナ問題が発生した後の対応の不策と遅れ、様々な問題を批判されている組織のトップである大臣がこれですよ。まさに象徴的じゃあないですか。
生放送で無能ぶりを露呈した形となったコルベック大臣ですが、新型コロナ特別予算のうちの10億ドルを超える高齢者介護部門を管理しているのはこの人なんだそうです。
政治家になる前は、建築工事関連の積算コンサルタントだったそうです。
ちょっとこの人には任せておけないという印象を全国民に与えてしまいました。
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