2020年8月7日

発音が難しい名前

私の名前は「ヒロコ」というのですが、漢字では「公子」と書くのでした

「でした」と過去形にしているのは、もう過去のことだからです。オーストラリア人になった今はもう漢字は関係ないですから。

今では私の名前は「Hiroko」ですからね、もう誰も間違わないだろうと思ったら大間違い。これが発音できない人が大勢いるのです。

私は名前のせいで子供の頃からずっとイヤな思いをしました。

まず、断言しますけど、「公子」を「ヒロコ」と読める人はいません。「キミコ」が当たりまえなんですからね、間違われても我慢していましたけど、忘れもしない小学校の卒業式。

お世話になった担任の平川先生が、一年間私のことを「ヒロコちゃん」とか「ヒロちゃん」と呼んでくれていたのに、卒業証書授与の時に限って「キミコ」と呼んだのですよ。私はすぐには返事ができなくて、1.5秒ほど起立が遅れました。

まさか卒業式で間違うとは…

返事をしないわけにはいかないので「はい」と言って起立して、卒業証書を受け取りに行きましたけどね、屈辱的でしたよ。

オーストラリアに移住してからしばらくの間は、姓の「ニシバヤシ」で苦労の連続でした。「Nishibayashi」というのを誰も正しく発音できないし、綴りを教えるのにいちいち苦労するし、しょっちゅう間違われたのです。「ニシバヤスキー」とか。

ですから結婚を機に、綴りが容易な夫の姓を使うようになったんですけど。

うちの息子は「Kai」という名前ですが、これを「ケイ」とか「キア」とか読む人が時々います。車のメーカーは「Kia」で綴りが違うでしょうが!

娘は「Sachi」という名前のせいで私と同じようにイヤな思いをし続けました。簡単な名前のように思えますが、多くの人が「サチ」と発音できないのです。「サキ」だったり「サシャイ」だったり。

なんでサシャイになる?

「Kai」や「Sachi」程度でも苦労するオーストラリア人は、近年増えた英語圏以外の国の名前の発音に四苦八苦しています。

特に学校の先生達は、生徒の名前を読み上げる機会が多いので、賞の授与式や卒業式などの前には発音練習に余念がないそうです。テレビ局のアナウンサーなども人の名前の発音にはかなり調査や練習をするそうです。

貴方は「Annastacia Palaszczuk」という名前を発音できますか?

クイーンズランド州の州首相の名前です。ファーストネームの「アナステイシァ」はなんとかなるけど、姓の「Palaszczuk」は難しいでしょ?これは「パラシェ」と発音します。

難しいですね…

ニューサウスウェールズ州の州首相の名前「Gladys Berejiklian」もちょっと難しいです。ファーストネームは「グラディス」ですね。姓は「ベレジクリァン」です。

ヨーロッパ人の名前は、英語風に発音すると間違っている場合がありますが、アイルランド系の名前には発音困難な名前が多いです。

有名な若手の女優さんで「Saoirse」という名前の人がいますが、この名前は「サーシャ」と発音するんですよ。「Niamh」も発音が超困難な名前の一つ。これは「ニーヴ」です。

難しすぎです!

アジア系やインド系の名前も発音が難しいのが多いですけど、近年急増しているアフリカ系の名前にも発音するのが至難の業というのが多いです。

発音を間違うとその生徒が傷ついたりしますからね、先生達も大変なのでして。練習するのはもちろんのこと、名簿に発音記号を書き込むといった努力もしていますよ。私は学校で教えていた頃にはカタカナをふっていました。

平川先生も「公子」にふりがなをふっておけば良かったのに。


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