2024年10月20日

初めての殺人犯

大学院で心理学を学んでいるうちの娘が、7月からはヴィクトリア州のフォレンジック・ディサビリティー・サービス(Forensic Disability Services)の司法精神医療施設で研修をしていることは度々このブログで話題にして来ました。

刑事司法制度に関わる事件を起こした人々の中で、刑務所ではなくてそうした医療施設に入っている人達というのは、精神障害やメンタルヘルスの問題がある人達です。

フォレンジック・ディサビリティー・サービスは、そうした犯罪者の社会復帰を助けるために治療やサポートを提供しているわけですが、うちの娘がこれまでカウンセリングを行って来た人達の多くは、知的障害のある性犯罪者でした。

中には、幼児をレイプして逮捕された小児性愛者の若者もいました。知的障害のある21歳の若者でした。自閉症スペクトラム障害があり、強い関心とこだわりを持っている対象が幼児なんです。

初めて幼児を襲ったのは17歳の時だったそうです。自分のしたことが悪いことだとは理解していません。

自閉症スペクトラム障害の人の「こだわり行動」というのは障害の特性によるもので、こだわりの対象となるものに非常に強い欲求が現れるそうですけど、その若者の「こだわり行動」は幼児と性行為を行うことなわけです。

それは完全に止めさせなくてはいけませんが、なぜ止めなければいけないのかが理解出来ない人にどうアプローチすれば良いのか、そもそも障害の特性として現れている欲求を止めることができるのか。

その若者の社会復帰は、非常に難しいと娘は言っていました。

娘がカウンセリングを行って来た犯罪者の中には、知的障害のある家庭内暴力の加害者達もいました。全員男性でした。この人達も心理カウンセリングによる治療は難しいようです。

予算不足で十分なことが出来ていないと娘は悩むことが多いようですけど、そもそも犯罪者達を社会復帰させるために莫大な税金を使うことにも批判があるのですよ。

それでも心理カウンセラーとしての使命感を持って頑張っているうちの娘ですが、ついに殺人犯のカウンセリングをすることになったそうです。

「カウンセリング中に襲われたりしないんでしょうね?」と思ったら、やはりそういう可能性はあるのです。家庭内暴力の加害者だって性犯罪者だって、いつ医療施設のスタッフを襲うか分かりませんからね。もしもの時のためにいろいろ対策は講じてあるそうです。

お母さんはそういう話を聞くと心配になるんですけど、娘はクラヴ・マガのトレーニングを積んでいるので、襲われても身を守ることは出来そうな気がします。本人は自信があるようですよ。

今年大学院を卒業したら、司法精神医療施設では働いてもらいたくないと私は思っています。犯罪者達の社会復帰を助ける仕事じゃあなくて、被害者を助ける仕事の方をして欲しいというのが正直な気持ちです。

ところで、娘が受け持つことになったその殺人犯は、女性だそうです。何らかの精神的な障害があるということでしたが、まだ詳しい話は聞いていません。

人を殺すという犯罪を犯すのは圧倒的に男性が多いわけですけど、女性が人を殺す場合、目的は何なんでしょう。その女性にどのような障害があるのか、どんな家庭環境で育った人なのか、殺人の動機は何だったのか、なんだか気になります。

幻覚や幻聴、妄想といった症状があったとすれば、カウンセリンではなくて薬による治療が必要ですからね、その人の障害は別のものだと思うんですけど。

お気の毒なケースかもしれません。


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