2024年7月11日

知的障害のある性犯罪者

今月から司法精神医療施設での研修が始まったうちの娘ですが、2週目の研修を終えた今、いろいろストレスがたまっているらしいです。

何度か記事に書きましたが、オーストラリアには「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」(Forensic Disability Services)と呼ばれるものがありまして、刑事司法制度に関わる事件を起こした人々の中で精神障害や重篤なメンタルヘルスの問題がある人達にサポートと治療を提供しています。

犯罪者に精神障害があった場合には罪を問わず、代わりに精神医療施設で強制的に入院治療を受けさせて社会復帰の支援を行うということなんですけど。

娘はこの「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」の限界を感じて悩んでいるらしんです。

娘が研修を行っている施設では、人が足りていないために十分なことが出来ていないと感じているようで、失望したりイライラしたりしているようなんですけどね、施設でやっていることにも問題があるんですよ。

娘が研修をしている施設は、グーグルマップで検索しても地図に出て来ません。一般市民からは隠されているという印象です。この施設に収容されているのは「知的障害のある性犯罪者」らしいのです。

この施設のことはメディアが取り上げたこともあるようで、調べるといろいろ新聞記事が見つかりました。収容されていた犯罪者が脱走してニュースになったこともあるようです。

内容を読むと、この施設に多額の税金が使われていることについて、一般市民は大いに疑問を感じるだろうと思わずにはいられませんでした。

収容されている犯罪者達が犯した性犯罪というがひどいんです。被害者が幼い子供だったりもするんです。中には被害者を殺した人もいるんですよ。

こうした知的障害のある性犯罪者の社会復帰を支援するために、年間何億円もの税金を使って治療を行っているわけですが、再犯率は高いそうなんです。この施設を出て数時間のうちに再び性犯罪を犯した人もいるのです。

この記事は10年以上も前に書かれたものですが、これによると治療を終えて社会に復帰した人達の再犯率は18%だそうです。5人に1人は再び性犯罪を犯すというのは問題じゃあないですか?

しかし、治療を行わなかった場合の再犯率は60%ということなので、多額の税金を使っていることを政府は正当化しているようなんですが。

記事によると、この施設の運営に年間630万ドルの費用がかかっているそうです。単純計算で6億3000万円。10年前にその額なら、今はその2倍はかかっているんじゃあないですかねえ。

施設に収容されている犯罪者の人数は限られています。その限られた人数の犯罪者のために、それもおぞましい性犯罪を犯した人達のために、それほどの税金が使われている。

そして、5人に1人は社会復帰後に再び性犯罪を犯す。

税金の無駄遣いと批判されても仕方がないと思います。

犯罪者達は確かに皆さんお気の毒なんですよ。全員が不幸な境遇で育っていますし、知的障害のせいで正しい判断が出来ない人もいるんでしょうけど。

社会に出て来ないようにするためにお金を使った方が良いと考える人が出て当然ですよ。

少なくとも、再犯の可能性がゼロになるまで社会に復帰させるなと批判する人達もいます。再犯の可能性がゼロにならなかったら、それはもうお気の毒としか言いようがないと。

ですからね、人が足りていなくて十分なことが出来ていないとうちの娘が感じても、人を増やすためにもっと税金を使いましょうという話にはならないのですよ。


娘は、司法心理学者を大学院修了後の進路の一つとして考えているらしいんですけど、性犯罪の被害者を支援するのはもちろんやりがいのある仕事だと思いますが、性犯罪を犯した者が社会に復帰するのを支援するというのは、やりがいを感じる仕事なんでしょうか。

研修は始まったばかりですが、一体自分はこの研修で何か達成できることがあるのだろうかと悩み始めたようです。

施設で働くスタッフが施設内で襲われることもあるそうなので、特にカウンセリング中はリスクが高いと聞きますし、お母さんはそれが心配です。


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