2021年1月22日

レシート検査と中国嫌悪

先日、米国の連邦議会議事堂乱入騒動があった時、ほとんどが白人だった乱入者への警察の甘い対応が問題視されました。

もしも乱入したのが黒人だったら、あんなことでは済まなかっただろうと言われています。

黒人であるというだけの理由で、警察や当局から不当な扱いを受けることや、その扱いが命にも関わること、あの国に根強く残る人種差別や偏見という社会問題が、昨年は BLM(Black Lives Matter)運動に発展しましたが、人種差別や偏見はここオーストラリアにもあります。

白豪主義というアパルトヘイトにも匹敵する白人最優先主義とそれに基づく非白人への排除政策があった国です。

1973年の移民法と憲法の改正、そして1975年に人種差別禁止法が制定されて、原則的に移住手続きや移民の教育や雇用などに関して人種差別が禁止されるまで、人種差別が国の政策だったんですからね。

私がメルボルンで暮らすようになったのは1993年ですが、人種差別禁止法から20年近くが経っていた当時でも、差別を経験することはまれなことではありませんでした。

田舎の町のベイカリーで注文する順番を持っていると店の人から無視されたり、デパートで「May I help you?」なんて言ってもらえないから、こちらから「ちょっとすみません」と声をかけても「何?」と冷たい対応を受けるとか。

当時デパートのスタッフは、どこのデパートへ行ってもほぼ白人でしたが、不当な扱いを受けた経験と、身なりが良い時はマシな扱いを受けるという経験から、買い物に行く時はできるだけ良い服を来て、メイクなどもちゃんとして出かけるようにしていました。

こうした事情は、より多様な移民が増えて多民族多文化主義が発展し、教育のおかげもあって大変向上したと思います。

それでも、人種偏見というのは根強いのでしてね。

特に最近は、激増した中国人移民と、中国という国への嫌悪感が手伝って、中国人のおばちゃんに見える私は、冷たい扱いを受けることが度々あるのです。

小売業に従事するスタッフというのは、店にやってくるお客に対しては公平な接客態度が求められるはずですけど、あからさまに小馬鹿にするような態度の人がいるんですよ。私が普通に英語ができると分かるとコロッと態度が変わったりします。

ところで、

私は食品や日用品の買い物には Coles というスーパーを利用していますが、いつもセルフチェックアウトをします。自分の好きなように買ったものを袋に詰めたいのと、レジのおばさんと会話するのがうっとおしいので、セルフチェックアウトの方が好きなのです。

スーパーへ行く前に八百屋やアジア食品店で買い物をしますから、スーパーのショッピングカートには他の店で買ったものが入っています。

私のように他の店で買ったものをショッピングカートに入れた状態で買い物をする人は大勢いますよ。そして、私はこれまでに、そうした他の店で買ったもののレシートを見せろと言われている人を見かけたことは、ほとんどありません。

しかし、

私はこれまでに、4回くらいレシートを見せろと言われたことがあるんです。

セルフチェックアウトは、不正の温床であるということは分かるんですけどね、今日もまた、レシートを見せろと言われたのでございます。

今日は、スーパーの前に八百屋に行ったので、買い物袋に詰めた野菜をたくさん持っていたのですが、

「ちょっと貴方、これ(袋に入っているもの)のレシートは持ってるの?」
「レシート?もちろん持っていますよ、はいこれです。全部野菜ですよ。あそこの八百屋で買った野菜です。どうぞ、全部調べてくださって結構です!」

その中年女性スタッフは2秒ほどレシートを見ましたがね、何をチェックしたんでしょうか。

これで5回目!

こういう事が度々あるのでね、私はどこで何を買う時も、必ずレシートをもらい、家に帰るまで絶対に無くさないように気をつけているのです。

万引窃盗対策に店の入口で見張っている人達には、店に入る時にアイコンタクトして必ず挨拶しますし、出る時には自ら進んでバッグの中を見せます。泥棒扱いされるのは嫌ですから。

これと人種偏見は関係ないだろうと思ったら大間違いです。

止められてバッグの中を見せろとかレシートを見せろと言われるのは、有色人種のほうが絶対に多いんだから。

それとねえ、英語ができない中国人移民の高齢者の皆さんですよ。きっと肩身が狭い思いをしていますよ。馬鹿にする人達の、あの見下すような目つきがホントに嫌な感じです。


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