2020年12月16日

起きるべくして起きた事故

ヴィクトリア州にある国立公園のうち、最も大きく人気ナンバーワンの国立公園と言えば、グランピアンズ国立公園(Grampians National Park)です。

グランピアンズ国立公園は、メルボルンの都市圏から遠くないので気軽に出かけられますし、ヴィクトリア州を訪れる観光客にも人気スポットです。

自然や野生動植物に興味のある方やハイキングやトレッキングがお好きな方には、魅力的な場所だろうと思います。

グランピアンズで有名なのが、岩山の断崖です。

岩山には絶景スポットがいくつもありますが、最も人気のあるのがボロカ展望台(Boroka Lookout)です。ここからは、遠くの湖やふもとの村、そして空の向こうまで広がる山々や大平原といった息を呑むような絶景が楽しめるそうです。

ただし、展望場所は岩山の崖の端っこですからね、落ちたら即死ですから、頑丈な安全柵が設置されているのですけど、この柵を乗り越える人が跡を絶たないそうです。ボロカ展望台の先に突き出た岩の上に立って(あるいは座って)写真を撮るためです。

先週の土曜日、一人の女性が写真を撮ろうと柵を乗り越え、その突き出た岩の上で足を滑らせて80メートル下に転落して死亡しました。夫と子供達の目の前で。

ボロカ展望台から転落して死亡した人は、この女性が初めてではありません。これまでに何人も死んでいます。転落した人達は、皆んな安全柵を乗り越えて岩の先まで行ったということです。

インスタグラムで注目される印象的な写真を撮ろうと、命がけの危険な行為をする人がいますけど、事故が起きた時には大勢の人に迷惑がかかります。

それこそ命がけで救助活動する人達や遺体の回収をする人達への迷惑を考えてごらんなさいよ。土曜日に転落した女性の遺体は、ヴィクトリア州緊急救助隊が6時間かけて引き上げたそうです。

「Boroka Lookout」というキーワードでグーグルすると、自分の命だけでなく、救助隊の命も危険にさらして撮った写真を見ることができます。自撮りではなく誰かに撮影してもらったものが多いので、一緒に行った人が危険行為を止めるのではなく協力しているんですね。

この女性の夫や子供達も、彼女を止めなかったのでしょうか。

無責任な危険行為はやめてもらいたいです。


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