2020年12月1日

ネイティブでも間違うヘンテコ英語

その時、私はキッチンでクリスマス用のカップケーキを試作しておりました。

結構手間がかかるそのカップキーキは、私の「Chestnut Cupcakes(栗のカップケーキ)」をアレンジしたもので、刻んだ栗は生地に混ぜ込まずにカップケーキをくり抜いたところに詰めて、くり抜いた部分を逆さまに置いて、栗クリームに抹茶を混ぜで緑にしたのをモンブラン風に絞り出してクリスマスツリーに見立てたようなカップケーキを作ろうとしていたのでございます。

ところが、スーパーの健康食品売り場で買った抹茶パウダーは発色が悪くて、大さじ1杯も入れてもクリームがあまり緑にならず、クリームもいくら泡立ててもゆるくて、味も変だったから、これは腐りかけていたのかもしれないなどと思い、バタバタしていたんです。

そこにやって来たうちの娘。

「お母さん(私を呼ぶ時はいつも Okaa-san)I will be dinner tonight」
「You will be dinner tonight?ぎゃはははは!」

このヘンテコ英語の間違いに気づいた娘は、

「ええそうよ、私を丸焼きにして皆さんの晩ご飯にするつもりです」

英語で言ったんですけど。

うちの子供達は、基本的に私と話をする時には英語です。日本語を話すことはまずありません。特にうちの娘は、幼稚園少しと小学校1年生を日本で過ごしましたが、その後は英語の暮らしですから、日本語は忘れてしまっておりまして、英語がネイティブなはずなんですけど。

なんだよその英語は!

「晩ご飯は私が作るから」と言いたかった場合は、「I will cook dinner tonight」あるいは「I will be cooking dinner tonight」でないといけないだろう。

「I will be dinner tonight」では「私が今晩の晩ご飯になります」になっちゃって、聞いた瞬間に凄い食卓を想像しちゃいましたよ。


大笑いしながら、私は「チキンを食べました」を英語で言う場合に、日本人が良くする間違いの話を思い出しました。

日本人はですね、名詞には冠詞の「a」か「the」をつけなくちゃあいけないというような呪縛があって、この使い分けで苦労している方も多いのですけど。

マーク・ピーターセン著の「日本人の英語」の冒頭で紹介されている、この「チキンを食べました」という例文ですが、多くの日本人は「I ate a chicken」と言うべきか「I ate the chicken」と言うべきかで悩むんですよね。

「チキンを食べた」って言いたい場合は、「I ate chicken」でないといけません。「a」も「the」も付けないのが正解です。

何故なら、「a」は基本的に「一つの」という意味ですから「I ate a chicken」と言うとニワトリを一羽食べたという意味になっちゃうわけです。一つ以上食べたからと複数形にして「I ate chickens」と言うと複数のニワトリを食べたということになり、聞いている者が想像するのは顔を血だらけ羽だらけにしてニワトリを貪っている様子です。怖いです。

ニワトリを意味する「chicken」は数えられる名詞ですが、鶏肉という食品を意味する「chicken」は数えられませんから「a」はつかないのです。

「a」が間違いなら「the」を使えば良いんだなと「I ate the chicken」と言うと、聞いている者は「え?どのチキン?」と考えてしまいます。「the」は話し手と聞き手の両方が共通に理解している「特定のもの」という意味がありますからね。

使い方がよく分からない方は、「a」は数が一つだということを言いたい時に使い、特定のものについて話したい時には「the」をつける。それ以外は冠詞は付けない方が無難です。


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