2020年5月28日

治療薬とワクチンができるまで

新型コロナ感染拡大防止のための多くの規制が長く続いていたヴィクトリア州でも、規制は徐々に緩和され、今週の火曜日からは学校が再開され(一部の学年だけ)、商店が営業を再開し始め、社交目的の訪問が許可され(人数制限あり)、屋内外で人が集まることも徐々に許可され、市民の暮らしは元に戻りつつあります。

ヴィクトリア州でこれまでに報告された感染者数は1,618人、死亡者は19人と、被害は少なかったと言えると思います。ヴィクトリア州は「やり過ぎである」と批判されたくらいです。

規制が緩和され始めてからも、新たな感染者は毎日見つかっています。

それがわずかな数でも、感染者が1人でもいれば感染が広がる可能性があるのですから、油断できません。このパンデミックだって、元々は1人の感染者から始まったんですから。

昨日は、クイーンズランドのブラックウォーター(Blackwater)という小さな町に住む30歳の男性が亡くなりました。ブラックウォーターは石炭鉱山の町で、この男性も鉱山で働いていました。

ここ数週間、何らかの健康問題があったそうですが、その日帰宅したパートナーの女性が男性が死亡しているのを発見しました。検査は受けていなかったそうです。亡くなった後の検査で新型コロナに感染していたことが分かりました。

ブラックウォーターの町では、これまでに感染者は報告されていません。

ブラックウォーター周辺の地域でも、これまでに1人も感染者は報告されていません。

この男性は、何ヶ月も町から出ていないそうです。

直ちにクイーンズランド州保健省が男性の感染経路調査を始めましたが、まだ感染経路は不明のままです。

200キロ以上離れた町に住む看護師の女性が、移動制限期間中にブラックウォーターを訪問していたことが分かっているそうです。何でも夕日を見るためだったとか。この看護師の女性は、その後に感染していたことが分かりました。

亡くなった男性は、この看護師の女性がブラックウォーターを訪問する前から具合が悪かったということで、この女性が感染源かどうかは不明だそうですが、少なくともこの女性がウイルスをブラックウォーターの町に持ち込んだ可能性はあります。

石炭鉱山には多くの労働者が出入りしますから、感染経路調査は困難な仕事になるそうです。

更に悪いことに、亡くなった男性とパートナーの女性は、男性が無くなる4日前に自宅でパーティーを開いていたんだそうです。感染が広がっている可能性があります。

このニュースを聞いて思うのは、どこでどうやって感染するか本当に分からないということですよ。

現在は、オーストラリア国内の感染者はわずかですが、完全に感染者がいなくなることは無いでしょうから、私達がCOVID-19の感染を心配せずに、以前と同じ暮らしができるようになるには、治療薬とワクチンの開発を待たなければいけません。

メルボルンの研究所ではワクチンの臨床試験が始まっています。

それまでは、とにかく感染者を見つけて新たな感染拡大を防ぐことが重要だということで、ヴィクトリア州では現在ものすごい数の検査をやっています。これまでの検査数は50万件に近いです。

ちょっとでも具合が悪い人は検査を受けろと言っていますが、私は先日具合が悪くなった時に検査を受けませんでした。

検査を受けに行く元気が出ませんでした。頭が割れそうに痛かったし、寒くてたまらずお布団をかぶって寝ていたんですからね。

受けるべきだったのでしょうか。

すっかり元気になりましたから、あれはただの風邪だったと思っていますが、軽症の人や無症状の人もいるということなので、こればかりは本当に分からないです。


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