うちの娘は、今年スウィンバーン工科大学というところで優等学士課程を履修しております。優等学士課程というのは修士課程や博士課程の前段階に当たり、論文を提出することが課題です。
娘は「法心理学(Forensic Psychology)」というのを勉強しておりまして、先日「ダークな心理学と新型コロナ」という記事にも書きましたけど、犯罪者の心理学を研究しているという話でした。詳しい内容は知らなかったのですけど、
実は、娘が取り組んでいるのは「犯罪者の自傷行為に関する心理研究」なんだそうです。
自傷行為ってね、
重いテーマなんですよ。
刑務所に入れられている犯罪者は、自分を傷つけようったって傷つけるための道具が限られているわけでして、じゃあ一体どのようにして自傷行為をおこなうのかと言うと、そこはやはり人間いろいろ工夫するわけです。
いざとなったら道具なんて無くても…
いや…
詳しいことは…
書かない方がいいな!
書いたらあなたが読んでしまうでしょ?読んでしまうと脳みそに記憶されちゃって消せませんからね。私は、犯罪者の自傷方法について少し話を聞いた後に「聞くんじゃあなかった」と後悔しましたからね。
でも、聞いちゃったものはどうしようもないのよ。
脳みそに想像したイメージが焼き付いちゃって、もう消せません。
とにかく、おぞましい内容の文献を読み続けていると二次的外傷性ストレスで学習者がトラウマを抱える可能性がありますし、論文の執筆というのにはアドバイザーみたいな人の助けが必要なのでして、娘の場合「メリッサ」という名前のカナダ人女性が担当です。
ところが、この人の名前はね、「メリッサ」じゃあなくて「メラニー」なんです。
この人のことを初めて聞いた時、どういう経緯だったか覚えていませんけど、私はTVドラマシリーズの「大草原の小さな家」のことを考えていたので、そのアドバイザーの名前が「メリッサ」と脳みそにインプットされてしまったのです。
主人公のローラ役を演じたのがメリッサ・ギルバート、長女のメアリーを演じたのはメリッサ・スー・アンダーソン、この二人は私の中では有名なんです。
その後、娘のアドバイザーは「メリッサ」じゃない「メラニー」だと指摘されても、どうしてもその人の話になると頭の中に「大草原の小さな家」のインガルス一家の家族写真が現れて、「メリッサ」になってしまうの。
とっさには、なかなか「メラニー」という聞き慣れない名前は思い出せないのでして。
誰か有名な「メラニー」はいないかと考えて思いついたのが、整形手術で顔の変形が痛々しい女優のメラニー・グリフィス。
ですからね、それ以来、娘のアドバイザーの話になる度に、私の頭の中には「大草原の小さな家」と「インガルス一家」そして「メラニー・グリフィスの整形で変形した顔」というのが目まぐるしく登場して、「メリッサ」だったっけ「メラニー」だったっけという混乱が毎度毎度生じるのでございます。
一度繋がってしまった脳みそ回路を配線し直すのは、なかなか大変なんですね。
配線し直すのも大変だけど、一度インプットされた情報を消すというのは不可能に近いですよ。それでもなんとか消し去りたいと強く思うような場合には、その不都合な記憶を担当してくれる別人格を作り上げちゃったりするわけで。
人間の脳みそは、本当に複雑です。
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