オーストラリアは、ついにロックダウン(Lockdown)となりました。
ロックダウン(Lockdown)というのを「封鎖」とか「外出制限」と訳しては語弊があるので、どう訳すべきかと思案しているんですけど、「様々な制限が出された」ということです。基本的には次のような制限です。
1.市民生活に必要な商業活動およびサービス活動以外は禁止
引き続き営業できるのは、食品や生活に必要なものの販売店と製造業、薬局、運送業、宅配業、ガソリンスタンド、郵便局、銀行、託児所など、市民生活に必要なものに限られます。酒屋は大丈夫ですけど、一昨日この措置が発表された直後には酒屋にパニック買いの人達が押し寄せました。
レストランやカフェやパブなど飲食店は、人が集まる場所ですから感染拡大のリスクが高いし、生活に必要な場所ではないということで営業禁止です。ただしレストランのテイクアウェイや配達は可能だそうです。
レジャー施設やスポーツ施設、多くの観光地は営業禁止です。人が大勢集まる教会やモスクやお寺などの宗教施設での活動も禁止です。
しかしねえ、ショッピングセンターは開いているのですから人が集まるのは確実だし、この程度の措置で効果があるのかどうかは疑問です。
2.学校は休校になった州もある
ヴィクトリア州の学校は来週から秋休みでしたが、それを前倒しして今日から休みになりました。例外的に、保護が必要な一部の子供達や親が保健医療、警察、救急隊員などの仕事についていて休めない場合には、引き続き学校に行くことができ先生達が面倒を見てくれます。休校にしていない州もあります。
また、子供を学校に通学させずに自宅で学習をおこなう「ホームスクーリング」を選択する親が増えているという報告もあります。
オーストラリアには、遠隔地に住む子供達のための教育プログラムが整備されていますから、ホームスクーリングを行いやすい環境が整っていると思われます。
3.市民にはできるだけ外出を控え自宅で過ごして欲しいと要請
仕事に行くとか食品の買い物に行くとか、どうしても家から出なくてはならない理由がない限り、できるだけ外に出ないで家で過ごすことが望まれています。強制ではなく、市民各自の良識ある判断に任されているわけですけど、良識なんて無い人が大勢いるんですからね、警察が見回りをすることになりました。
ロックダウン(Lockdown)の目的は、新型コロナウイルスの感染を遅らせることです。封じ込めは、もう遅すぎるということで断念したようです。
オーストラリアには、貧富の差に関係なく国民全員が受けられるの公的医療サービスがあり、ほとんどの場合それは無料なのですが、病院のベッド数は限られています。現在のペースで感染者が増え続けたら対応できなくなる、すなわち患者を救えなくなる、だから感染拡大を遅らせなくてはいけないということで、経済的な大きな影響を承知の上で踏み込んだ措置を取ったということです。
これまでにも、人の動きを制限する措置は取られていました。
しかし、
不要不急の海外渡航は避けるようにと政府は言ってきましたが、それでも海外旅行に行く人達はいます。新型コロナウイルスの感染症が問題になっているにも関わらずクルーズ旅行に行った人たちが大勢いて、現時点で3000人ものオーストラリア人が世界各地のクルーズ船から出られない状況になっているんだそうですよ。
すでに外国人の入国はできなくなっていますし、海外から帰国するオーストラリア人は2週間の自主隔離を義務付けられています。でも、守らない人はいっぱいいるのです。
今回のロックダウン直前には、不要不急の国内旅行もやめるようにと政府は発表しましたが、航空会社が飛行機を飛ばさないとか物理的に旅行に行けなくならない限り、行く人はいます。
「人が大勢集まる場所を避けなさい」「他の人との間に1.5メートル以上の距離を取るようにしなさい」と、政府は繰り返し「ソーシャル・ディスタンスィング(Social Distancing)」と呼ばれる感染症予防対策のルールを守るようにと言ってきました。
屋内なら100人まで、屋外なら500人まで。それ以上の人が集まるイベントは禁止です。
100人が集まるイベントは小さくはないですけど、「人と人の間に1.5メートル以上の距離を取る」というルールがありますから、ほぼイベントは禁止という状況に近いです。でもね、そんなルールなんて全く気にしない人達が多すぎるのですよ。
日本人の感覚からすると、全くもう呆れちゃうほどルール無視です。
だからもっと厳しい措置が必要になるし、警察の見回りも不可欠になるのです。そのうち、違反者を逮捕したり、罰金を科すなどの厳しい対応が必要になるでしょう。
そういえば、先日すごい人出で大問題になり、翌日閉鎖されたシドニーのボンダイビーチでは、感染者が出ました。バックパッカーの旅行者で、よくパーティーに参加していたそうです。
ボンダイビーチ周辺で感染者が増えるのは確実です。
ところで、
うちの夫が勤めるツールショップは、市民の生活に必要な商業活動ということになるのかどうかよく分からないので、一応引き続き営業するそうです。建築土木関係の労働者には必要な店ですし、安全保護用品もたくさん取り扱っているのですけど。
よく分からないので、営業しちゃあダメと言われるまで営業するんですって。
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