私はオーストラリアに来てから、これまでに両方の手の手根管症候群、肩に出来た脂肪腫の除去、右膝の損傷した半月板と4回手術を受けていますが、いつも全身麻酔でした。
あれは、患者が痛みを感じないようにするという以上に、患者の意識を意図的に失わせて筋肉に力が入らない状態にすることで、医者が手術をしやすい環境を作るのが目的だそうです。
そりゃあまあね、手術中に患者が痛みを訴えて暴れたり、突然動いたりすると大変ですよ。
ということで、手術をする際には、麻酔の管理を行う麻酔医という専門のお医者さんもいらっしゃいます。麻酔薬を投与するだけでなく、手術中の患者の容態をモニターして必要な場合は生命維持のための医療行為を担うという重要なお仕事です。
さて、
全身麻酔ですが、皆さんは経験したことがお有りですか?「はいじゃあこれから麻酔をしますよ」と言われてあっという間に意識を失います。麻酔ってすごいですよ。そして私はね、なかなか目が覚めなかったんです。
手術後目が覚めるまでにかかる時間は個人差が大きいそうですけど、私は時間がかかるみたいです。
なぜ今日こんなことを話題にしているかと言うと、先日「早期発見&早期治療が大事」という記事に書いたTさんが、手術を受けられたという話を聞いたからなんです。
詳しいことは分かりませんが、この日の手術の主な目的は、がんが転移していた頭蓋骨を削り取ることだったようです。
もちろん全身麻酔で行われました。
ところがTさんは、
手術中に目が覚めちゃったんですって!
医者がTさんの頭蓋骨をドリルで削っている時でした。
Tさんは目が覚めて、医者がボッシュの12V電気ドリルを使っているのが見えたそうです。痛かったそうです。ドリルに力を入れ過ぎていると思ったそうです。
「ドリルに力を入れ過ぎですよ。少し力を弱めるとドリルがもっと速く回ります」
「キミ(アシスタントに向かって)私にああしろこうしろと指導するのかね?」
「先生、違います。今のは患者です」
「え?」
「痛いんですよ、ドリルを押し過ぎなんです」
「麻酔!麻酔!薬を増やして!」
Tさんは再び意識を失いました。
頭蓋骨の手術が終わり、大きく失った頭の皮膚は肩の皮膚を切り取って塞ぐことになっていたそうです。
医者が肩の皮膚を切り取っていた時、何とTさんは、
また目が覚めちゃったんですって!
「さっきも言ったんですけど、痛いんですよ」
「何?今のキミ?(アシスタントに向かって)」
「先生、違います。患者です」
「麻酔!麻酔!薬を増やして!」
ちょっとねえ、こんなんじゃあ困りますよねえ。手術中に痛くて目が覚めたら医者が頭の骨を電気ドリルで削っていてごらんなさいよ。私だったらトラウマになるわ。
しかも、信じがたいことにTさん2回も目が覚めたんですよ。
実はTさんはね、以前にも全身麻酔で手術を受けた時に、手術中に目が覚めたんだそうです。麻酔が効きにくい人っているんですかね?
2度あることは3度あるです。
次は、がんが転移している睾丸の摘出と腎臓の手術だそうですが、睾丸摘出中に目が覚めたくないだろうなあ。
腎臓だってイヤですよねえ。お腹を開いている時に目が覚めたくないですよ。
目が覚めても痛みを感じていないのならまだアレですけど、Tさんは痛くて目が覚めているんですしね。
麻酔医の方は、次回はもっと慎重にお願いします。
0 件のコメント:
コメントを投稿