結局、私は買い物に行ったんです。
そうしたら時間帯が悪かったせいで駐車場がいっぱいでね、随分離れたところに停める羽目になり、そこから歩いてスーパーにたどり着いた時にはもう息が上がっていましたよ。
せっかく来たんだから牛乳以外の必要なものも買ったんですけど、広いスーパーの中をショッピングカートにしがみつきながら歩いているだけで疲労感がハンパない。
脳みそもまだちゃんと働いていないから、セルフレジもさっさと手際よくやれなくて時間がかかり、スタッフの若い女の子が「あのおばさん大丈夫かしら?」って感じで何度も私を見ていました。
家に帰って、ハアハア言いながら買って来たものを片付けました。昨日は息子が部屋から出て来て、片付けるのを手伝ってくれました。
それからお昼ご飯にスープの残りを食べて、洗い物をしていた1時半頃ですよ。
玄関のドアが開いて誰かが入って来たんです。夫がまた早退して帰って来たのかと思いました。
「だれ?」
「ただいまあ!お母さん具合はどう?」
そう言いながら娘がキッチンに入って来ました。
「アンタ、大学はどうしたの?もう終わったの?」
「うん終わった、今日はお昼まで。お母さん、寝てなくて大丈夫なの?」
そう言って私をぎゅっとハグしてくれました。
「いろいろすることがあるから寝ているわけには行かないのよ。今日は買い物に行かなくちゃあいけなかったし」
「買い物に行ったの?もう!」
「だって、他に誰が行けるのよ?しんどかったけど」
「お母さん、何が食べたい?晩ご飯は何にして欲しい?私が作るから!」
そう言われても、お母さんは食べたいものがあまりないんです。食べたいのはスープで、毎日スープとお茶ばっかり飲んでいるんです。
娘は冷蔵庫と冷凍庫にあるものを確認してから、スーパーへ買い物に行きました。買い物はして来たばかりだから行かなくてもいいと言ったんですけど。
帰って来て、私のための卵入りクリームコーンスープを作り、夫と息子の晩ご飯には、息子が野菜をたっぷり食べないといけないということで、大量の野菜が入ったピリ辛豚そぼろを作り、ご飯を炊きました。
さらに、今日と明日の晩ご飯用にポテトと鮭缶のグラタン(オーブンに入れて焼くだけでできる)と豚バラと白菜のミルフィーユ鍋(火にかけるだけでできる)を作ってくれました。(つまり現在冷蔵庫には、大きなグラタン容器と鍋が入っているのでございますよ。)
ものすごい手際の良さであっという間にこれらを作り、片付けもちゃんとやってくれて、うちの夫が帰って来るのを待っている間に、我が家の生ごみを持って帰る準備をしていました。
野菜を育てている畑で使う堆肥作りのためだそうです。リサイクルごみ箱に入っていた紙製の卵容器を取り出して、小さく切って生ごみと混ぜていましたよ。
帰って来た夫には「今度お母さんが病気になった時はウーバー(タクシー)を使ってよ」と上手に言ってから、メルボルンのシェアハウスに帰って行きました。
嵐のようにやって来て、嵐のように去って行きましたけどね、こんなこと書かなくても皆さんもうお分かりのように、私は嬉しかったです。こんないい娘がいて誇らしかったです。
本当にすっかり自立した女性になりました。
数年前までは、家から出られないほど具合が悪かったんですよ。小学生の頃から、本当につらいことがいろいろありましたけどね。
大学院の勉強も上手く行っているようですし、心理カウンセリングもクライエントが増えてさらに経験を積んでいるようです。
昨日はお料理をしながら、最近のいろいろな話をしてくれましたよ。デートしている人もいるらしいです。その人は小学校の先生だそうです。クラブ・マガのトレーニングも毎日のように行っているそうで、クラヴ・マガはすっかり娘の第2の家族になっています。
シェアハウスでの暮らしも充実しているらしくて、本当に生き生きしていました。
元気いっぱいの娘を見ながら、うちの息子が一日も早く回復して、元気に楽しく毎日の暮らしを楽しめるようになって欲しいと心の底から思いました。
娘が帰って来ると、うちの夫も息子も元気になります。家族の間に会話が生まれますしね。
娘が私のために料理をしてくれただけでなく、病気の時に食べたくなるおやつを買って来てくれたり、「あれをして欲しい、これをして欲しい」といちいち頼まなくても「お母さんは休んでいて」と言って洗濯物を片付けたりごみを集めたりといろいろやっているのを見て、うちの男達は何か気付いたでしょうか。
「危ないから病気のお母さんに無理な運転をさせないで」と言われた夫は、少し反省した様子ではありました。
娘が買って来てくれたプリンは、甘くて美味しくて、喉にも気持ちよかったです。果肉入りの甘いヨーグルトも買って来てくれています。どちらも子供達が病気になった時に私が買っていたものです。(笑)
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