2023年4月27日

大卒者より稼ぐトレイディー

トレイディーというのは技術労働者の皆さんのことです。大工さんなど建築関係労働者、プラマー(水道管排水管工事業者)、レンガを積む職人、電気工事屋、自動車の修理屋、道路工事関係の仕事をする人など。

トレイディーの多くは、時給が高い職種ランキングで上位に入っているんですよ。トレイディーの職種の中では、プラマーがトップです。

「プラマーは本当に儲かるらしい」という記事に書きましたけど、2年前のデータによるとプラマーの平均年収は11万ドルです。大雑把に1ドル100円で計算すると、1100万円ですよ。

なんでこんな話を書いているかと言うと、昨日ABC放送のニュースサイトに「20代では大卒者よりトレイディーの方が収入も多いしハッピーである」という記事が載っていたんです。

こんな記事を読んでも全く驚きません。トレイディーの収入が良いのは知っていますから。

トレイディーの仕事は、職種によっては専門学校で知識や技術を学ぶ必要がありますが、オーストラリアでは「アプレンティスシップ」(Apprenticeship)と呼ばれる見習い制度で、資格を持った人の下で見習いとして働きながら技術を学ぶ制度が一般的です。

ハイスクール卒業後に始める人が多いですから、例えば25歳くらいになるともう結構な経験者ということになります。プラマーとか大工さんといった高時給の職種だと、その頃にはかなり稼いでいるでしょうね。

大学を出たばかりくらいの年齢の若者を比べると、大卒者よりもトレイディーの方が収入が多くてハッピーである(暮らしを楽しんでいる)というのは納得です。


大卒者が就職する場合、大学を卒業しているということよりも大学で何を勉強してどういう資格を持っているかというのが、キャリアにとって重要になるわけですが。

私のよく知っている若い夫婦のことなんですけど、お二人とも博士号を取得している高学歴者ですが、勉強した専門分野というのが特殊で、その専門知識を生かせる職業というのが非常に限られているんですよ。

このお二人が勉強されたのは、確か野生動物の生態系を調査したりする内容だったと思います。「生物地理学」みたいなものでしょうか。

そういう仕事ってなかなか無いんですよねえ。

つまり競争が激しいわけですよ。はっきり言って、大学で研究を続けるか大学生に教える仕事くらいしか無いんじゃあないかと思いますけど、いずれにしても狭き門です。

博士課程を終えた時には30歳を過ぎていましたが、せっかく学んだ専門分野とは別の分野でもなかなか仕事は見つからなかったようなんです。

結婚されて、お子さんが生まれてからは働ける場所や時間に制限ができて、いろいろなストレスのためメンタルヘルスに影響が出て病気になり、現在は経済的に困窮されていると聞きました。

非常に優秀なお二人ですが、優れた学歴が必ずしもキャリアに結びつくわけではないということを思い知らされます。特に学んだ専門分野によっては、せっかく学んだ知識が就職の役に立たないこともあるわけで。

とても苦労されているようですが、ご家族の助けを得て、まずは健康を取り戻すことが大事です。そして、いつか良い仕事が見つかるといいのですけど。

かたや、20代で家を買い、良い車に乗って、毎年海外旅行を楽しんだりしているプラマーもいるわけですよ。


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