2023年4月7日

「ありがとう」で社会が変わる

昨日は目が回っていたのに、私は車を運転して出かけました。息子の薬を買うためです。息子は、痛みを我慢すれば自分で買いに行けたでしょうけど、これが原因でまた悪化しても困りますからね。

運転中は座っているので頭のフラフラはそれほどひどくないんですが、時々立ちくらみのような状態になるんです。クラ〜っと来ると視力にも影響します。

クラ〜となっている時は、よく見えなくなるんですよ。いつも運転している慣れた道だから行けましたけど、本当は運転しない方がいいです。

薬局の入っているショッピングセンターまで行ったわけですけど、家を出てから大きな道路に出るまでの狭い道で、対向車の人が少し広い場所で待ってくれました。「ありがとう」の合図をしたら対向車の女性はニッコリして「どういたしまして」合図を返してくれました。

朝早めに行ったのに、イースター前でショッピングセンターの駐車場はいっぱいでした。目が回っていましたから、あっちを見たりこっちを見たり頭を振るのがしんどかったのですけど、スペースが空いた場所を教えてくれた人がいました。

「ありがとう」と大きな声で言いましたが、もちろんその人には聞こえていません。でも、親切な人がいますね。

薬局で息子の薬を買ってレジのところに行きましたら、ちょうど同じタイミングで来た人が私を先に行かせてくれました。

「ありがとう」と言って先に行かせてもらいました。

せっかくスーパーの隣りの薬局に来ているんだから、ついでに少し買い物をして帰ろうと思いました。牛乳とかオーツ麦とか買ったのは少しだけですけど、頭がフラフラしているので歩き回るのが大変ですから、ショッピングカートにしがみついて歩きました。

商品棚の端のところを曲がった時、ちょうど向こう側から来た人とぶつかりそうになりました。その人は元気に飛びのいて、私を行かせてくれました。「ありがとう」と言いました。

今日は何だか「ありがとう」が多いなあと思ったせいか、他の買い物客の皆さんが「ありがとう」と言っているのに気づくようになりました。

気をつけて聞いていると、本当に大勢の人が「ありがとう」「ありがとう」と言っていますよ。

パン屋でパンを買った人が「ありがとう」と言いながら買ったパンを受け取っているのを見て、お客の方が店のスタッフに「ありがとう」と言うのは良い習慣だなあと思いました。

オーストラリア人って買い物をする時には、レジの人に「ありがとう」と言うんですよ。おつりをもらっても「ありがとう」、レシートをもらっても「ありがとう」と皆んな言います。何も言わずに黙って受け取る人はあまりいませんし、そういう人は感じ悪いです。

ベビーカーを押しながらエスカレーターに乗るのにちょっと苦労した若いお母さんがいました。それを助けてあげたおじさんに、若いお母さんが「ありがとう」と言いましたら、一緒にいた小さな子供も「ありがとう」と言いました。

いいなあ!「ありがとう」を言いまくる文化!

私がショッピングカートをカート置き場に戻そうとした時に、カートを集めて回る仕事をしているインド人の若者がカートを受け取ってくれたので「ありがとう」と元気に言いましたら、若者はニッコリしてうなづきました。

「ありがとう」と言われたら嬉しいから、また誰かに親切にしようと思うんですよね。そして、親切にされた人も嬉しいので、自分も誰かに親切にしようと思うんです。

私はメルボルンに住むようになって、道路沿いの店や狭い道から広い道路に出る時とか、車が連なっている車線に入ろうとする時に苦労することが無いんですけど、それって必ず誰かが入れてくれたり譲ってくれたりするからなんです。

そして、必ず「ありがとう」「どういたしまして」と手を振ったりして合図をします。

これがまた大変気分がいいのでね、どんどん積極的に他の人に親切にしようと心がけるわけですけど、そういうのは私だけじゃあないんですよ。

「ありがとう」と言ったり言われたりするような経験が増えるほど、人々がお互いにもっと譲り合って親切にし合う社会になると思います。


ところが、これね、オーストラリアってどこでも皆んなこんな感じなのかと思っていたら、シドニーに行った時に人々が親切ではなかったのでイヤな思いをしたことがあるんです。10年以上も前のことですけど。

車が連なっている車線には、なかなか入れませんでした。シドニーでは誰も入れてくれなかったんです。メルボルンでは苦労することもないのに。

車を運転していたのはうちの夫でしたが、イライラして腹が立って来ると、ついつい自分勝手な運転になりそうでした。シドニーには住みたくないと思った理由の一つがそれでした。人々が譲り合わない交通事情がすごくイヤだったんです。

「ありがとう」が人々の気持ちを優しくして社会が変わるように、「コノヤロウ」が社会を変えることもありますね。


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