このTV映画シリーズは、シェイクスピアの史劇に基づいたものだそうで、シーズン1が放送されたのはもう10年近く前の2012年です。
出演俳優陣もすごい顔ぶれですし、シーズン1の第1話は「リチャード2世」なんですけど、リチャード2世を演じるのが若き名優ベン・ウィショーですから、面白そうだなと興味はあったのですけど、これまで見る機会はありませんでした。
その後シーズン2も制作されて、最終話は「リチャード3世」ですよ。レスター市内の駐車場の下から遺骨が発見されたあの王です。遺骨の脊柱が曲がっていたことから、従来この王の悪評を補強するための偏見とも考えられていた「リチャード3世はせむしだった」という言い伝えが事実だったことが分かりました。
この発見に関するドキュメンタリー「Richard III: The King in the Car Park」を見ましたけど、大変興味深いドキュメンタリーでしたよ。まだ見たことがない方には絶賛オススメします。
このリチャード3世をベネディクト・カンバーバッチが演じているそうです。ちょっとキャスティングがどうなのとも思いますが。
このシリーズは、全てのエピソードが2時間前後という長さなのですけど、第1話「リチャード2世」は、なんと2時間21分もありました。ちょっと長すぎると気になりながらも見始めました。
そして、
見始めてすぐに思ったのは、シェイクスピアの史劇に基づいた映画だということを忘れていたということです。
ああ…
もうとにかくね、常に登場人物の誰かがしゃべっているんですよ。しゃべりまくるんです。長々と、小難しい言葉遣いで。
ところどころ理解できないところがある…じゃあなくてね、ところどころ理解できるところがあるというレベルの難解さでして。
日本語字幕お願いします!
と叫んでもどうにもなりません。
彼等が言っていることがちゃんと理解できないので、ストーリーが良く分からない。これは背景となっている歴史をちゃんと理解してからでないと、誰が誰だか何が何だか分からない。
そこで、Wikipediaで簡単にリチャード2世のことを読んで理解しようと思ったんですが、Wikipediaも難解でした。登場人物が分かりにくすぎるんです。ナントカカントカ公とかナントカカントカ伯とかいうのがいっぱいいて頭がこんがらがる。
大まかに史実を理解し、どの俳優がどの人物なのかを頭に入れてから、もう一度見始めましたが、ベン・ウィショーがどんなに上手くても、パトリック・スチュアートが流石な演技を見せても、しゃべりまくる俳優達というのが異様なんですよ。
映像は素晴らしいんです。プロダクションデザインや美術は素晴らしい。だから余計に違和感があるというか。
台詞が全部歌というミュージカル映画(オペラ映画)が異様に感じる人がいますけど、ああいう映画は最初からそういうものだと分かって見ないといけませんが、この映画もそうでしたよ。
シェイクスピアの史劇に基づいた映画と言うよりも、シェイクスピアの史劇を映像化したものだと最初から分かって見れば、シェイクスピアがお好きな方にはたまらない映画かもしれません。
私は、正直なところ退屈してしまいました。台詞が全部聞き取れないというのも大きかったでしょうけど。
ドラマに引き込まれず、俳優の皆さんがあの長々しい台詞を良く覚えて頑張って「演技している」のを見続けるのはしんどかったです。
結局、早送りに早送りを続け、2時間21分の「リチャード2世」はあっという間に終了したのでございました。
「リチャード2世」の後には、トム・ヒドルストンがヘンリー4世の放蕩息子ハル王子を演じる「ヘンリー4世」と彼がヘンリー5世となってからを描く「ヘンリー5世」が続きます。父親のヘンリー4世を演じたジェレミー・アイアンズが高評価を受けています。
シーズン2では、精神疾患を持っていたことで知られる「ヘンリー6世」と上記の「リチャード3世」のエピソードがあるのですが、私は日本語字幕があっても見ないでしょうね。
IMDbでは高評価なんですよ。
シェイクスピアがお好きな方なら、きっと楽しめるドラマなのだと思いますが、私には面白さが分からないのでございました。
「ホロウ・クラウン」は楽しめませんでしたけど、駐車場で遺骨が発見されたリチャード3世のドキュメンタリー「Richard III: The King in the Car Park」は大変面白かったですよ。こちらの方は自信を持ってオススメします。
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