「クラヴ・マガ」というのは、20世紀前半に、戦火が絶えなかったイスラエルで考案された近接格闘術です。イスラエルの諜報機関モサドをはじめ様々なイスラエル治安機関に採用されることで洗練され、現在、米国のCIAやFBIなど世界中の軍や警察が導入しています。
本来は「殺人術」も含まれている「クラヴ・マガ」ですが、一般市民向けには防御に重点を置いたレッスンが提供されており、メルボルンにも学校があります。
その学校で、3月から女性専門の「Women’s Self-Defence」という自己防衛術のコースを受けていたうちの娘ですが、レベル1を終了してテストに合格した後、レベル2のトレーニングを受けていました。
昨日そのテストがあったそうです。
テストには合格したそうですが、そのテストの様子を撮した動画を見せてもらいました。
テストは2つありました。
それぞれ異なる状況設定で、
複数の男達に襲われます!
押し倒され、馬乗りになって首を絞められ、反撃しようとすれば殴りかかられる、そういう状況です。
あきらめたら殺されるか、少なくとも強姦されるのは間違いない状況です。
いかにしてそういう危機的状況から逃げるかということなんですけど、うちの娘は闘っていました。のしかかられ、馬乗りになって首を絞められている状況から反撃に転じ、男達を殴り、蹴り、突き倒して、逃げることに成功してテストは合格。
結構マジでした…
最初に私が思ったのは、テストをやってくれているその男性達は大変だということです。
どの男性も大きな身体の、筋肉のすごい人達でした。娘を本当に殴ったりはしていませんでしたけど、殴るふりをしているだけでしたけど、首は締めているし体重をかけて完全にのしかかっているのです。
ですから、うちの娘も渾身の力と習った技を使って反撃しているわけです。
テストを受ける全ての女性相手にこれをやるんですから大変ですよ。襲い役の男性達は、プロテクターを付けていました。急所を蹴られたりもしますから、そちらのプロテクターもしっかり付けているそうです。
そりゃあ絶対に必要でしょう。
娘の話では、テストを受けた女性は30人くらいいたそうですが、30人を襲って、反撃を受けても襲い続けないといけないんですからね。
強靭な身体を持ち、トレーニングを積んだ彼等も、このテストではクタクタになるそうですよ。クタクタどころか脳震盪を起こすこともあるんですって。襲われる女性達は本気で殴ったり蹴ったりしてきますから。
お疲れさまですと申し上げたいですね。
それにしても、あのテストの様子から判断すると、うちの娘を襲った男が普通の体力レベルの男なら、襲って直ぐに襲ったことを後悔することになりそうですよ。
レベル1とレベル2で12週間の自己防衛術のコースは終わりましたが、これからも「クラヴ・マガ」のトレーニングは続けるそうです。
空手や柔道には習熟度に応じた級位や段位というのがありますが「クラヴ・マガ」にも同様のレベル分けがあるのです。
うちの娘は更に上のレベルを目指しているそうです。
空手や柔道が一定のルールの範囲で技を学ぶのと違って、「クラヴ・マガ」はあらゆる状況を想定して実践的な格闘方法を学ぶものです。
自分がより多様な状況で闘えるようになることに満足感があるらしく、それによって自信もつき、トレーニングで渾身の力を振り絞るとか相手を倒すというのが爽快な気分らしく、すっかり夢中になっています。
お母さんとしても、娘が強くなるのは嬉しいことです。
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