うちの夫に、先天性の黄斑変性である「スターガルト病(Stargardt Disease)」という目が見えなくなる病気があることは、このブログでも度々話題にしておりますが、ついに見えなくなってきたと気づいたのが今年の3月でした。
黄斑変性という病気は、網膜の中心部分に位置する直径2ミリほどの黄斑に問題が生じて、ものが見えにくくなる病気です。よくあるのは加齢にともなって発症する「加齢黄斑変性」ですけど、うちの夫は遺伝性の黄斑変性です。
遺伝性の場合は、年令に関係なく子供のうちからでも発症します。患者数は多くありません。
夫の場合、リーディンググラス(別名: 老眼鏡)が必要になった時の検査で網膜上にシミのように見える死んだ組織の斑点があったことから分かったのですけど、斑点が徐々に増えて繋がって大きくなって来ていました。昨年の検査では、ついに黄斑部にかかってきていたので、そろそろ影響が現れるだろうと言われていました。
今年3月のある日、インターネットのケーブルを探して地面を掘り返していた時、何かの拍子に左の目だけで見たところ景色が歪んでいるのに気付いたそうです。そして、意識して左目だけで見てみると、視野の中心に何も見えていない真っ黒な部分があることにも気づいたと言うのです。
すぐに検査を受けに行きましたら、左目はもうアウトでした。黄斑が死んだ組織の斑点に侵されていますので、今後はさらに見えない部分が大きくなって行くだけです。治療方法はありません。ただし、右目はまだ見えているので運転は可能だと言われたのですよ。
その後、VicRoads というヴィクトリア州の運輸交通局みたいなところから、医者からの適性検査の報告書が必要と言われ、いつもお世話になっているGP(一般開業医)のリム医師に検査をしてもらいました。
そうしたら、VicRoads から連絡があって、その報告書だけから判断すると夫の視力は運転の適性が無いということなんです。
さらに検査をしてもらわなくてはなりません。
目の能力と言えば、普通考えるのは視力表を使って計測する「視力」ですが、それだけではありません。「視力」の他に「視野の広さ」とか「明るさや暗さへの順応」という能力も重要です。
健康な人ならあまり問題になりませんけど、黄斑変性のある夫の場合は、視野や暗さへの順応力が問題になるらしいのです。
黄斑変性の疾患がある人は、視野の中心が見えなくなるだけではなく、薄暗い状況でものが見えにくくなったり視野の中心以外の見えている部分が歪んできます。
ということで、
2週間後に視野検査を受けることになりました。
本人が言うには、右目はまだ普通に見えるそうですから、検査をしてもらって、まだ運転できるという証明を提出すれば引き続き運転できます。
検査でそういう結果が出なくて、もう運転はしちゃあいけませんと言われたら、夫は運転をあきらめるつもりです。
運転できなくなったら現在勤めている店舗には通勤できなくなりますので、家から近いところにある小さい店舗に転勤しなくてはいけないでしょうし、役職も変わってくるでしょう。
通勤は、バスで通勤するか私が送り迎えをしなくてはいけなくなります。
右目にも症状が出始めているとしたら、それは大変残念です。運転できなくなるということは、ある意味自由を失うことになりますからね。本人の暮らしだけでなく家族の暮らしも変わりますし。
本人はあまり気にしていない様子ですが、気にしていないわけがないと思います。運転できなくなるかもしれないんですもの、気になっているはずですよ。
まだ右目は見えていると本人が言うので、運転は可能という結果になってもらいたいですけど、いずれは右目も見えなくなるわけですからね。
右目の進行が遅いことを祈るばかりです。
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日本では治療ではありませんが、これ以上症状を進行させないというお薬があります。
返信削除といってもアメリカから来た新薬で国保の対象ではありません。一か月に一回の注射で
一万円だそうです。友人のご主人はこれを受けて一年ぐらい、進行しないので、とりあえず
注射はお休みという状態になっています。私に眼科の先生は視力を買うと思えば、1万円は
安いものだと思わなくては、とおっしゃっています。そちらの眼科の事情や保険の事情が
わかりませんので、何とも言えませんが、友人は某大学病院の眼科に毎月連れ添って通っていました。
Snowmanさん、コメントありがとうございます。実は夫の母親が黄斑変性で、そうした薬を眼球に注射するという治療を試みたことがあります。残念ながら症状は進みました。夫はこの遺伝性の病気が分かった時から、患者数が多くないということもあって大学の研究者に協力することになりました。病気の進行を遅くできる薬の治験の話があれば協力するだろうと思います。少しでも進行を遅らせることができれば大きな助けになりますから。
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