2021年6月2日

ヨモギの悲劇と赤いポピー

柚子が黄色くなって収穫できると喜んだ昨日、悲劇がありました。

昨年、うちの娘が家の外の水道の横にある植木鉢にマリーゴールドを植えたのですが、冷夏のためにほとんど育たず。私は、枯れかけていたマリーゴールドを抜いて、そこにヨモギの種を蒔きました。夏の終り頃のことです。

種はオンラインでオーストラリアの種苗屋から買いました。

オーストラリアは海外からの植物の持ち込みが厳しく制限されていますから、海外から種を正しく買うのは難しいし、こっそりやるのは悪いことです。

小さな袋に入っていたヨモギの種はそれほど多くはなかったですが、それでも10個や20個ではなかったんですけど、まったく芽が出ませんでした。

ところが、何週間か前に小さな芽が2つ出ているのに気づきました。種を蒔いてからあまりに時間が経っていたし、雑草かもしれないのであまり期待しないようにしていたんですけど、少しずつ大きくなってきたその芽は、100%ヨモギの姿をしておりましてね。

それが分かった時の喜びと言ったらもう。

たったの2つですけど、大きくなったらヨモギ団子くらいは作れるかと思って、水やりも欠かさなかったのですけど。

昨日のお昼、生ゴミを捨てに外に出たら、その植木鉢にブルーベリーの木が植えてありました。



ノーーーー!

もちろんそこにヨモギの姿はありませんでしたよ。

背丈が3センチくらいにはなっていたんですけど。

ブルーベリーを植えたのは娘です。ただの雑草だと思って抜いたそうです。「ごめんなさい」と謝る前に「ちゃんと教えておいてよね」と言いました。

ヨモギは再挑戦します。できれば敷地の一角にヨモギが群生する場所というのができたらいいなあと思っていますが、最初は植木鉢で育てないとだめでしょう。真夏の40度超えに耐えるかどうかも分かりませんし。

これまでオーストラリアで手に入りにくい野菜の栽培を試みてきましたけど、大抵のものは簡単に栽培できます。

上手く行ったのは青ジソ、春菊、ミズナなど葉野菜は全部、シシトウ、ゴボウなど。

ゴボウは、ある知り合いのお母さんがゴミバケツの底を抜いたので育てていたという話を聞きましたよ。収穫時にはゴミバケツをすっぽりと外すと、簡単にゴボウを収穫できるんだそうです。私もやってみようと思っています。

上手くいかなかったのはミョウガ。

ミョウガは植えた場所が悪かったと思います。日当たりがそこそこ良い場所でしたから、真夏の酷暑と乾燥で枯れてしまいました。

メルボルンでの野菜栽培は、真夏の暑さ対策が一番の悩みです。とにかく乾燥しますので、乾燥に強い土作りが重要ですし、40度超えの酷暑から(乾燥しきった熱い強風も)いかにして野菜を守るかというのが課題なのですけど、我が家の箱型野菜畑の日当たり問題が悪化してからは私はやる気を無くしています。

もうね、暑い真夏しか日が当たらないんです。

それにしても、

あんな小さいヨモギを2本を抜かれただけで、結構ショックを受けるものですね。


ところで、園芸ネタのついでに書きますが、何年か前に私はフランダースポピーという真っ赤なケシの花を植えました。この赤いケシの花は、オーストラリアではアンザックポピーと呼ばれます。

アンザック(ANZAC)というのはオーストラリア・ニュージーランド軍団(Australia and New Zealand Army Corps)の略で、この赤いケシの花は、第一次世界大戦の時に戦場のヨーロッパに派遣されて命を落とした兵士達を追悼するシンボルになっているのです。


種は粉のように細かくて、風で吹き飛ばされてしまうんですけど、そうして吹き飛ばされた種が育って花を咲かせ、それらがまた種を飛ばしてという調子で年々増えて、昨年は家の周りにたくさん咲きました。

私はその種を集めまして、道路との境のフェンス沿いに蒔きました。うちの夫が草切りの時に間違って切ってしまわないように、フェンスの近くにだけ蒔きました。

少しは花を咲かせるでしょう。

そして数年後には、我が家のフェンス沿いに真っ赤なアンザックポピーがたくさん咲くようになったらいいなと思って、楽しみにしています。

ヨモギもね、そういうふうに自然に生えているというようにしたいんですけど、そこまでたくさんの種が手に入りませんから、まずは植木鉢で育てて、少しずつ増やしていけたらなと思っているのです。

アンザックポピーも最初は1つの植木鉢から始まったんですから。


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