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2024年5月27日

バイリンガルが役に立つ時

この週末は、うちの娘が久しぶりに帰って来ました。

大学院の論文の締め切りが2週間後に迫っているので、我が家で勉強をしたいということでしたが、土曜日は親友のCちゃんとカセドラル山脈(Cathedral Range State Park)という所にハイキングに行き、日曜日の午前中はうちの息子と例のマウント・ロフティー(Mount Lofty)にハイキングに行き、勉強していたのは日曜日の午後だけでしたよ。

論文は1年かけて研究してきた摂食障害に関することだそうです。あと2週間もあれば十分間に合うと言っていました。

それはともかく、娘は病院のリハビリテーション科での研修と論文で忙しいわけですが、レストランでのアルバイトもやっています。大学に入ってから今年で8年目ですが、親からの経済的援助ゼロで全部一人でやって来たんですから大したものなんですよ。

しかも、ハイスクールを卒業した頃はパニック障害で家から出られなくなっていたんですし、大学生活も最初のうちは家を出て大学まで行くということ自体が最大の問題で、不安障害では長年苦労したんですから。

アルバイトをしているのは、メルボルン大学の関係者が利用できる会員制のレストラン・カフェです。イベントが行われることもありますし、会員と一緒なら会員ではない人達も食事を楽しむことが出来ます。

先週はいつも以上にシフトが入っていて忙しかったそうですが、金曜日の夜にレストランからメッセージを送って来ました。有名人が来たとか、嬉しいことがあった時などによくメッセージを送って来るんです。

この日は、レストランに15人の日本人ビジネスマンと日本人研究者のグループが来たんだそうですよ。日本語を喋っているのですぐに分かりますからね、うちの娘は日本語で対応することにしたんだそうです。

メニューの説明やワインの紹介なども全部日本語でしたそうです。

以前の娘には、そんなことは無理でした。それが出来る日本語力が無かったですから。私が話す日本語を理解することは出来ても、めったに日本語を話すことは無かったんです。かなり苦手意識があったようです。

日本語が劇的に上手になったのは、シェアハウスに住むようになってからでした。そのシェアハウスに日本人が何人も住むようになり、彼女達と日本語で会話するようになってからどんどん上手になりました。

金曜日にレストランにやって来た日本人グループは、ウェイトレスに日本語で対応してもらえて大いに安心し、リラックスして食事を楽しんでくれたそうです。

「日本語が通じてよかったなあ」と話している声が聞こえたそうですよ。

この日は大変忙しくて厨房のスタッフもてんてこ舞い。今やベテランウェイトレスの娘は、どんな業務もこなせる「なんでも屋」ですから、デザートの盛り付けなど厨房の仕事も手伝ったそうです。

お客さん達には喜んでもらえて、レストランのマネージャーやシェフには感謝され、自分は達成感を感じることが出来て、相当嬉しかったらしいですよ。

特にバイリンガルであることが仕事で役に立ったことは嬉しかったようです。

娘は、大学院に入る前の2年間は就労経験が必要だったせいもありますが、学費を稼ぐために働いたんですけど、心理クリニックの受付の仕事をしていました。

この時も、バイリンガルであることが役に立ったんですよ。

ある日、クリニックにカウンセリングを受けに来た人が日本人だったので、娘は日本語で話しかけたのです。メンタルヘルスの問題を抱えていたその方は、受付の人に思いがけなく日本語で話しかけられて感激し、泣き出したそうです。

その方は、日本語で話しかけてくれたことを娘に感謝されたそうですよ。少し心が軽くなったに違いないです。

臨床心理士になってからも、日本語が話せるということが役に立つことがあるだろうと思います。


余談ですけど、うちの息子と娘がバイリンガルであることが将来役に立つと私が思っていることが一つあります。それは、私がいつか認知症か何かで英語を忘れたとしても大丈夫だということなんです。

よく聞く話ですよね。認知症になると、母語を忘れることはまれですが、後から獲得した言語は忘れてしまうのです。

私は日本語しか話せなくなり、うちの夫は英語しか話せなくなるでしょう。でも、うちの息子と娘はバイリンガルですからね、両親のどちらともちゃんと意思の疎通が出来るわけです。

これね、オーストラリアのような移民社会では問題になることがあるのです。父母や祖父母の話す言語を学ばずに育つ子供達が大勢いるからです。

英語が母語ではない父母や祖父母が英語を話せる場合は、家庭において英語で会話が出来ているうちは問題無いわけですが、認知症などで英語を忘れた時に意思の疎通が出来なくなるのです。

たとえ家庭内では母語を話して育てても、子供達が学校に行くようになると必ず英語がメインの言語になりますからね、母語を教える努力をしないと話せるようにはなりませんし、特に読み書きは出来るようにはなりません。

うちの息子と娘はハイスクールのVCEで日本語を勉強したので少しは読み書きが出来ますが、それは小学校低中学年レベルです。しかし、重要なのは会話力。

いつか私が英語を忘れても、息子や娘とは意思の疎通が出来るというのは安心です。


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2023年7月17日

ついに見た!超美形のパイロット

「お気の毒な夫婦の家」という記事で少しふれた我が家の斜め道路向かいの家に住んでいらっしゃるはずの男性ですけど、「住んでいらっしゃるはず」と書いたのはこの家に人が住んでいる気配がしないからです。

以前ここにあった家に住んでおられたお気の毒な老夫婦がお亡くなりになり、家はすぐに売りに出されてあっという間に取り壊されて、工事が始まりました。

ところが、ちょうどその頃に新型コロナも始まりまして、工事はむちゃくちゃ時間がかかったんですけど、家は完成したんです。

完成したんですが、引っ越しのトラックも見なかったし、人が住んでいるのを見かけたことも無かったんですよ。時々灯りがついているように見えることはあったんですが、変だなあと思っていたんです。

そうしたら、5月のことですが、うちの夫がこの家の方とついに会って話をしたと言って教えてくれました。この家のご主人は航空会社に勤めるパイロットでいらっしゃって、やっと家が完成した時に奥さんがお亡くなりになったのだそうです。

人が住んでいる気配がしなかったのはそのせいだったんですよ。

私達はここにあった家のことをサッドハウス(Sad House)すなわち「悲しい家」と呼んでいたんですが、それはその家に住んでいた老夫婦がお気の毒な方達で家自体も悲しい姿のボロ家だったからなんですけど、新しい家の住人もお気の毒なことになったということでね、今でも「悲しい家」という印象のままなのです。

家が完成すると、普通なら木や花を植えて前庭を作ったりしますけど、この「悲しい家」の周りはいつまでたってもキレイにならず、それでも先日は鉢植えの木が玄関横に置いてあるのを見て、少しホッとしたりしていたんです。

そんな先日、私はついにこの家のご主人を見ましたよ。

車で前を通っただけで話はしていませんけど、少し離れたところから見て最初に思ったのは、

ファッションモデルみたい!

スラリと長身で、頭はシルバーグレイつまり銀髪でしたから、50歳前後だろうと思いました。

小さなショベルカーで家の前を整地している若い男性と話をしていましたが、着ているものは普通のセーターとズボンなのに、まるでファッション雑誌から抜け出したよう。

車の中からジロジロ見るわけにも行かず、ちらっと2秒くらい見ただけですが、すごい美形でした。今どきの言葉で言えば「超イケメン」という感じ。

でもね「イケメン」と言ったんでは、あのエレガントさが表現できませんからね、何と言ったらいいんでしょうかね。容姿端麗、眉目秀麗、端整なルックス、ああダメだ、いい言葉が思いつかない。

まあとにかく、私は「世の中にはあのように容姿に恵まれた人もいるんだなあ」「おまけにあの人はパイロットなんだよ」と感心しながら我が家の車庫に入ったのでございました。

車から出て「道路向かいに住んでいます」って自己紹介しに行こうかと一瞬だけ思ったけど、行きませんでした。

うちの夫に、ついにあの「悲しい家」のパイロットを見かけたと話しました。「銀髪のスラリと背が高い中年男性と小さなショベルカーで整地をしている若い男がいたけど、パイロットは銀髪の方でしょ?」と聞いたら、そうだと夫は言いました。

年齢は夫よりも少し若いくらいだそうです。そして、夫はそのパイロットの容姿を「スタニングリー・アトラクティブ」(Stunningly Attractive)だと言ったんです。

それだ!その形容が一番しっくり来る!

スタン(Stun)という動詞は、「愕然とさせる、唖然とさせる、気絶させる、失神させる」というような意味ですが、スタニング(Stunning)は、そういう状態にさせるほど「ものすごくきれいで素敵」という意味になります。

スタニングリー(Stunningly)という副詞は、もっぱら美しさや素晴らしさを形容するのに使われます。

ということで、うちの夫が言った「スタニングリー・アトラクティブ」は「ものすごく魅力的」ということですよ。

うちの夫でもそう思ったのか!

「グッド・ルッキング」(Good Looking)というのも「美形である」という意味でよく使われる言葉ですけど、うちの夫はあのパイロットのことを「グッド・ルッキング」とは言いませんでしたからね。「スタニングリー・アトラクティブ」ですからね。

どれだけ美形かってことですよ。


映画スターで言えば誰に似た感じかなあと思って考えてみましたけど、まず姿形は似ている人を思いつきません。男性ファッションモデルの体型を想像して下さい。ああいう感じです。

そして、頭は銀髪をちゃんとスタイリングしていらっしゃいました。うちの夫も銀髪ですけど、夫のはバリカンで刈り上げただけのスポーツ刈りですからね、エレガントさに雲泥の差があります。

そして顔は、アナタが想像できる限りの美形にしてみてください。どこにも欠点がないような美しい顔です。

そういう容貌でですよ、この方は仕事の時にはパイロットのユニフォームを着るんですよ。

ちょっともうどうしたらいいの!

知り合いになっても、一緒に写真に写りたくないです。


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2022年12月5日

SNSとメンタルヘルス問題

SNSとは、皆さんご存知のように「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」のことです。

最近はたくさんありますけど、基本的にSNSというのは、登録した利用者同士がインターネット上で交流できる会員制のサービスだと言えます。私が利用しているのはフェイスブックです。

主に、私のレシピサイトに載せているレシピをシェアする(紹介する)ために使っています。フォローしてくださっている方もいつの間にか3千人くらいに増えました。

料理に関心のある方が見に来てくださるわけですが、遠くの知らない国にお住まいの方からメッセージをもらったりすることもあって、コミュニケーションを楽しんで来たんですよ。

不特定多数の人間が閲覧できるSNSは、近年様々な問題が指摘されています。SNS上での誹謗中傷で攻撃された個人が自殺に追い込まれたとか、投稿記事が原因で経済的な大被害を被ったとか。

私はこれまで自分のレシピをフェイスブックでシェアすることで不愉快な経験をすることは無かったんですけど、先日メンタル悪化の原因になることがありました。

些細なことだったんですよ。

皆さん「その他いろいろ」という意味の「エトセトラ」という言葉をご存知でしょう?「et cetera」というラテン語は「etc.」と略して書くことが普通です。

これね、「et」は「and(そして)」で「cetera」は「the rest(その他)」という意味なので、言葉を列記する際には「A, B, C, etc.」と書くのが正しいのですよ。

「A, B, C and etc.」と「and」を入れるとすでに「and」を含む「etc.」とかぶるので正しくないのです。

ところが、こうした列記に「and(そして)」ではなくて「or(あるいは)」を加えたい場合にはどうしたらいいのか。

私はこれを間違えていたのです。「or」を入れたい場合は、「A, B or C, etc.」が正しいのに、私は間違ったことをどこかで習って「A, B, C, or etc.」と書いていたんです。

これを、先日フェイスブックでからかわれたのですよ。

使い方が間違っていますよと教えてくれたらいいのに、からかわれるのは気分が悪い。

このコメントにガハハハと笑っている顔マークをつけた人がいました。

これを見て、私の英語の間違いを笑っている人達がいるんだと思うと辛くなりました。この時すでにメンタルが下降気味でしたのでね、これくらいのことで動揺するのです。

そうしたら、このコメントに触発されたある人が、私の投稿記事を添削して正しい(よりネイティブな)英語に直したのを送って来たんです。

これでもう涙が出ました。

そうしたら今度は、「他にもいろいろ英語が間違っている記事がありますけど、スクリーンショット(表示画面の画像)を送りましょうか」というメッセージが来ました。

私は英語が母語ではないですからね、私の英語にはヘンテコな部分があるでしょうし、間違いもあるでしょう。老眼が進んでいますし、目も回っていますし、タイプミスもよくあるんですよ。

気づいたら直しますし、もちろん投稿前によく目を通すようにしていますけど。

そういう英語のミスが取り上げられることになるとは思いもしませんでした。

英語がネイティブではない人も大勢いるわけですし、少々ミスがあっても意図することは理解できるじゃあないですか?

料理を通じて世界中の皆さんと交流することを楽しんでいたのに、記事やレシピの英語のミスを指摘されるようになったら、もう楽しくないです。


私は自分のレシピを英語版クックパッドでもシェアしていますが、クックパッドは様々な言語で運営されていますから、英語版に投稿している私のレシピを見に来てくれる方も英語ネイティブではない人が多いです。

だから、英語にミスがあったって、そんなことは問題にはなりません。

それに、クックパッドには日本版で言う「つくれぽ」というのがあります。英語版では「Cooksnap」と呼ばれていますが、見つけたレシピを自分で作ってみて、その写真と感想などを投稿するというものです。

知らない国の知らない人が私のレシピを作ってくれたのを見るのは興味深いし楽しいですよ。

英語のミスを笑いものにされたことに端を発する今回の件で、まだ心臓に何かが突き刺さっている感じが消えていません。

でも、レシピサイトは一生のプロジェクトとして、出来る限り続けていこうと思っていましたので、これからも続けたいとは思っています。


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2021年11月18日

朝焼けは雨、夕焼けは晴れ

今朝はきれいな朝焼けを見ました。

「朝焼けは雨」と言いますよねえ。

夫をツールショップに送っていく道で、西の空が広く見渡せる場所があるのですが、西の空には暗いねずみ色の雲がびっしりでしたから、やはり天気が崩れるのだなと思いました。

朝焼けは、太陽が上る東の空に光を遮る雲がない場合に見られます。東に雲が無いということは、反対側の西からは雲がやって来ている確率が高いわけで、空気中の湿気が増えた状況で光の屈折により空がより赤く見えるんだそうですから、天気が崩れることが多いのです。

美しい夕焼け空を見上げながら「明日はいい天気になるな」と思うことは多いですが、夕焼けは朝焼けの逆で、太陽が沈む西の空に光を遮る雲がない場合に見られるものです。西に雲が無いということは雲のない天気が移動して来ているということなので、翌日晴れる確率は高くなるわけです。

「夕焼けは晴れ」も「朝焼けは雨」も結構当たる確率が大きいです。

天気予報がなかった時代は、人々は経験に基づいて、空の色だとか月がかさをかぶっているとかぼやけて見えるとか、カエルが鳴くからとか、そういった自然現象から翌日の天気を予測していたわけですが、これは日本独自のものではありません。

世界中のあらゆる場所で、ヒトは同じことに気づいて天気を予測していたのです。

ですからね、「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」に相当することわざが英語にもあるのですよ。初めてそれを聞いた時には、なるほどと思わず膝を打ちました。

一番良く知られているのは、天気を知ることが非常に重要だった「船乗り」(sailor)のバージョンです。この英語版のことわざは、ちゃんと韻を踏んでいるんですよ。

Red sky at night, sailors' delight.
Red sky at morning, sailors take warning.

日本語にすると「夕焼けは船乗りの喜び、朝焼けは船乗りを警戒させる」という意味です。

船乗りではなくて「羊飼い」(shepherd)のバーションもあります。羊の群れを移動させる羊飼いにとっても、天気を知ることは重要ですからね。急に天気が崩れると、危機的な状況になる可能性があるでしょうから。

うちの夫は、このことわざを「農夫」のバージョンで覚えていました。夫が知っていたのはこれです。

Red sky at night, farmer's delight.
Red sky morning, farmer's warning. 

農夫にとっても天気を知ることは大事なことだったでしょう。

この英語版のことわざの起源は、聖書にあるという話も聞きました。聖書に、イエスが「夕方に空が赤くなると翌日は天気が良く、朝に空が赤くなると天気が悪くなる」と言ったという記述があるのだそうですよ。本当かどうかは知りませんけど。

私が子供の頃には、「つばめが低く飛ぶと雨になる」というのをよく聞きました。つばめは虫を食べるわけですが、湿度が高くなると虫は低く飛ぶのでつばめも低く飛ぶわけです。つばめが低く飛ぶようになると湿度が上がっているということなので、雨が近いというわけです。


今朝は本当にいいお天気でした。

朝焼けの後は、お日様が眩しくて運転するのに苦労しました。お日様の位置が低すぎて、車の日除けが役に立ちませんからね。おまけにフロントガラスが汚れているので、光って前が見えなくて。

危ないですよねえ。時にはちゃんと洗車くらいしなくちゃあいけません。

今朝は、夫が6時近くになっても起きて来なくて、起こしに行きました。まだ寝ていました。大急ぎでシャワーを浴びて、朝ご飯も食べずに出かけました。

7時にツールショップを開けるために、夫は他のスタッフが来る前に行って、鍵を開け、電気を付け、コンピューターを付け、準備をするんです。

今日は、早番の朝7時スタート(実際には6時半)で遅番の夜8時終了だそうです。13時間勤務というのはしょっちゅうです。なんでも、現在またスタッフ不足になっているんだそうで。

スタッフの一人の奥さんが新型コロナの濃厚接触者になって、家族全員が隔離中なので休んでいるのです。奥さんは看護師で、病院で対応したマスク無しの人が感染者だと分かったそうなんです。

ワクチン接種を拒否して辞めたスタッフもいますしね、スタッフが足りないと夫はなかなか休めませんし、勤務時間も増えます。

今日は8時までの勤務なので、帰りはバスで帰りたくないと言いますから、迎えに行かなくてはいけません。通勤に私のカローラを使う娘の帰宅が間に合わないと、トラックで迎えに行かなくちゃあいけませんから今から心配です。

先日一人で運転して駅まで行きましたけどね、駅は我が家から10分くらいの距離ですし、よく知っている道ですから大丈夫だったんです。

ツールショップは高速を使って20分以上ですよ。夜の8時はもう暗いし、雨になるらしいし。

心配、心配…


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2020年12月1日

ネイティブでも間違うヘンテコ英語

その時、私はキッチンでクリスマス用のカップケーキを試作しておりました。

結構手間がかかるそのカップキーキは、私の「Chestnut Cupcakes(栗のカップケーキ)」をアレンジしたもので、刻んだ栗は生地に混ぜ込まずにカップケーキをくり抜いたところに詰めて、くり抜いた部分を逆さまに置いて、栗クリームに抹茶を混ぜで緑にしたのをモンブラン風に絞り出してクリスマスツリーに見立てたようなカップケーキを作ろうとしていたのでございます。

ところが、スーパーの健康食品売り場で買った抹茶パウダーは発色が悪くて、大さじ1杯も入れてもクリームがあまり緑にならず、クリームもいくら泡立ててもゆるくて、味も変だったから、これは腐りかけていたのかもしれないなどと思い、バタバタしていたんです。

そこにやって来たうちの娘。

「お母さん(私を呼ぶ時はいつも Okaa-san)I will be dinner tonight」
「You will be dinner tonight?ぎゃはははは!」

このヘンテコ英語の間違いに気づいた娘は、

「ええそうよ、私を丸焼きにして皆さんの晩ご飯にするつもりです」

英語で言ったんですけど。

うちの子供達は、基本的に私と話をする時には英語です。日本語を話すことはまずありません。特にうちの娘は、幼稚園少しと小学校1年生を日本で過ごしましたが、その後は英語の暮らしですから、日本語は忘れてしまっておりまして、英語がネイティブなはずなんですけど。

なんだよその英語は!

「晩ご飯は私が作るから」と言いたかった場合は、「I will cook dinner tonight」あるいは「I will be cooking dinner tonight」でないといけないだろう。

「I will be dinner tonight」では「私が今晩の晩ご飯になります」になっちゃって、聞いた瞬間に凄い食卓を想像しちゃいましたよ。


大笑いしながら、私は「チキンを食べました」を英語で言う場合に、日本人が良くする間違いの話を思い出しました。

日本人はですね、名詞には冠詞の「a」か「the」をつけなくちゃあいけないというような呪縛があって、この使い分けで苦労している方も多いのですけど。

マーク・ピーターセン著の「日本人の英語」の冒頭で紹介されている、この「チキンを食べました」という例文ですが、多くの日本人は「I ate a chicken」と言うべきか「I ate the chicken」と言うべきかで悩むんですよね。

「チキンを食べた」って言いたい場合は、「I ate chicken」でないといけません。「a」も「the」も付けないのが正解です。

何故なら、「a」は基本的に「一つの」という意味ですから「I ate a chicken」と言うとニワトリを一羽食べたという意味になっちゃうわけです。一つ以上食べたからと複数形にして「I ate chickens」と言うと複数のニワトリを食べたということになり、聞いている者が想像するのは顔を血だらけ羽だらけにしてニワトリを貪っている様子です。怖いです。

ニワトリを意味する「chicken」は数えられる名詞ですが、鶏肉という食品を意味する「chicken」は数えられませんから「a」はつかないのです。

「a」が間違いなら「the」を使えば良いんだなと「I ate the chicken」と言うと、聞いている者は「え?どのチキン?」と考えてしまいます。「the」は話し手と聞き手の両方が共通に理解している「特定のもの」という意味がありますからね。

使い方がよく分からない方は、「a」は数が一つだということを言いたい時に使い、特定のものについて話したい時には「the」をつける。それ以外は冠詞は付けない方が無難です。


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2020年10月9日

脳の情報処理能力とハエ

私達「ヒト」が外界から得る「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」の五感の全情報中、視覚情報は90パーセント近いそうです。

こうした情報は脳内の異なる経路で別々に処理しているわけですけど、視覚情報は他の感覚情報に比べて処理速度が速いそうです。

聴覚情報に関しては、いつも思うのですけどね、母国語である日本語の処理経路と外国語である英語の処理経路とは明らかに違います。

視覚情報と日本語の聴覚情報は処理の連携が速やかですが、英語だとそうはいかないんですよ。

視覚情報が優先されてしまって、聴覚情報の方はうっかりすると「ただの音」になってしまい、言語情報として処理できないことがあります。

これはね、映画やドラマを英語で見る場合にも感じますが、ニュースを見る時に特に感じるのです。ニュース映像に意識を奪われてニュースの内容を聞き取れなかったということがしょっちゅうあるのです。

ところが、いつも編み物をしている居間の隅にある椅子に座っていると、そこからはテレビの画面が見えないので映像を見ずにニュースを聞くだけになります。すると、細部までちゃんとしっかり聞き取れるのです。

ですからね、ニュースはラジオで聞く方がテレビで映像を見ながら聞くよりも理解しやすいです。

この違いは、日本語ニュースの場合はそれほど気になりませんが、日本語ニュースでも映像に気を取られて「何を言ったか分からなかった」ということは、誰にでもありますよね。

昨日のアメリカ副大統領候補の討論会でも、ペンス副大統領の頭にとまった「ハエ」に気を取られてしまい、その時ペンス氏が話していた発言を聞き逃してしまった人は、大勢いるようですよ。

もちろん、この私も、ハエがとまった瞬間から脳みその情報処理はハエに集中してしまって、ペンス氏の発言は「ただの音」になってしまいました。

いやあ、あのハエは、大統領討論会の歴史に残るハプニングでしたね。


アメリカでは、科学者から軍人まで、様々な団体が反トランプの姿勢を表明していますが、医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」は、今回の大統領選挙によってトランプ政権指導部を排除すべきだとする論説を掲載しました。

編集者全員の署名で論説を掲載するのは異例のことです。

無能なトランプ政権が、新型コロナの危機を悲劇に変えたと指摘しています。

トランプの「イエスマン」ペンス氏は、新型コロナウイルス対策責任者だったんですよ。ハエがとまってお気の毒だったなんて、私は思いません。バチが当たったと思いましたよ。


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2020年4月18日

ホワッタプリック!

このフレーズは、うちの夫が某国の大統領があきれた発言をしたり大ウソを付いたりしているのを聞く度に発するフレーズです。

「What a prick !」

私は、夫がこのフレーズを口にするのを聞く度に、なんと的確な表現だろうかと思うのです。

「また言ってるわ、コイツ」「ウンザリしちゃうわ」「何でこんなのが大統領?」「全く困ったもんだわ」「よくもまあヌケヌケと嘘八百」…

私の心の中では、言葉にならない嫌悪感や不快感やいらだちが沸き起こるんですけど、「What a prick !」というのは実に的を得た表現なんです。

直訳すると「なんていやなやつ!」ですけど、もっとニュアンスが入っていますから。

「こいつマジでムカつく!」

そんな感じでしょうか。(おばちゃんには使えない言葉です…)

「Prick(プリック)」という単語は、一般的には「チクっと刺す」という意味の動詞です。「チクっとした痛み」という意味の名詞でもあります。セーターなんかがチクチクするのは「Prickly」と言います。

この「Prick」には、「嫌なやつ」という意味もあるんです。

「嫌なやつ」を表す言葉は他にも色々あるのですが、あの「Shallow」な大統領には、やはり「Prick」で当たりかと思うのです。

ちっぽけ感を出したいですからね。


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2019年10月8日

中国人移民と英語力

私が住んでいるメルボルンから少し離れた東側地域では、アジア人が激増しています。そのほとんどは中国人。

移民だけではありませんよ。建築現場等で働く労働者も多い。どうやってビザを取ったのか不思議でたまらないんですが、どうも金持ち中国人はオーストラリア国内外の移民国境警備省と強いネットワークを持っているのだそうで、何事も金次第ということらしいんだけど。

それはともかく…

移民してきた人の親世代とかただ労働者として来ている中国人達は、英語が上手ではありません。全く喋れない人も多い。

うちの夫が勤めるツールショップにも、英語が全くできない中国人がよく電動工具や機械を買いに来るそうです。一様に「もっと安くしろ」「安くしろ」としつこいので閉口すると言います。

どうやら、言葉が通じない客が来る度に苦労している店員はよほど多いらしいですね。

何故なら、近頃私は、

あらゆる所で眉をしかめられるからです!

話しかけた店員やクリニックの受付の方などが、多くの場合は私が話し始める前からすでに眉間の辺りを歪め、困惑顔を作ってこっちを見る。

「Excuse me…」と言った私を一目見るなり、あからさまに表情を一転させる人もいる。

普通に英語を話せると分かると、安堵の表情を浮かべる人もいれば、最後まで眉をしかめ続ける人もいる。

気持ちは分かるけど…

眉をしかめられると闘争心に火が付く私は、普段以上に自信に溢れたふりをして、大きな声でオーストラリア英語を話そうと頑張るのでございます。

でもね、毎度毎度眉をしかめられると気分は良くないですよ。


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2019年2月8日

家を出るだと?

今朝、洗濯物を干していたら、ダダダダダッと2階から下りて来たうちの娘がやってきて、大真面目な顔をして言いました。

「お母さん、I'm leaving house today…」

えええっ?

とびっくり仰天して、パニックモードになったのには、私の英語力が関係しておりました。

私の頭の中では、娘が言った「リーヴィング・ハウス(leaving house)」が「リーヴィング・ホーム(leaving home)」と理解されたからでございます。

どちらも「家を出る」という意味ですけど、「リーヴィング・ホーム(leaving home)」と言ったら、独立して暮らすために家を出るという意味でしょ?家出するという意味もあるけど。

私は娘がこの家を出て暮らすと言ったと思ったからですね、びっくりしちゃったわけです。

私「Where are you going?(どこで暮らすのよお?という意味で言ったんですが...)」
娘「ヤラバレー・チョコレート・ファクトリー」
私「はあ?」
娘「カーラ(お友達の名前)と二人で」
私「???  Do you mean you are going out today?(お出かけするってこと?)」
娘「Yes」

「leaving the house」というように「the」をはっきりと言ってくださいよ。あるいは、そういう紛らわしいことを言わずに「going out」と言ってくださいよ。

もー、びっくりしたわ!

ということで、お友達と一緒にチョコレート工場へ遊びに行きました。チョコレート工場で一人暮らしをするんじゃあありません。


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2018年9月5日

お酒のシェリー

以前、「RとLの発音問題」という記事にも書きましたが、多くの日本人が苦手とする RとLの発音問題。私は、英語の発音に関しては結構自信があるのですが、うっかりすると間違うし、時々通じません。

父の日だった日曜日、ワインを買いに出かけたダン・マーフィーという酒屋でのこと。ワインを買いまして、ついでに「トライフル」というデザート用の甘口シェリー酒も買っておこうと思ったのですが、広い店内で視力も落ちているし(メガネは持って来ていなかったし)なかなかシェリー酒を見つけられなくて。

こういう時は、スタッフに尋ねるのが一番です。

「スミマセン、シェリー酒はどこにあるんでしょうか?」
「えっ、なんですか?」
「シェリー、甘口のシェリーが欲しいんですけど」
「ええっ、シェリー?ええっと…なんですか?」

ここで私はシェリーの綴りを思い出しました。「Sherry」ですよね。「Shelly」じゃあありませんよね。そこで、今度は R の音を強調しつつ、

「シェRRrrィ〜」
「おおっ、シェリーですか、こちらです」

だから最初からシェリーと言ってるじゃん!

R の音が弱すぎたか…。

日本語の「らりるれろ」の「り」に近い音で発音していたかもしれないな。

何度も記事に書いていますけどね、基本的にオーストラリア英語の R は弱めなんですよ。(っていうか、ほとんど発音しない場合が多いの。)だから R をアメリカ人みたいに舌を巻いて発音すると浮くんです。

それにしても面倒くさい。

未だに苦手な「ランプ」は、「RとL」に加え「A と U」も関わっておりますし。
Ramp: スロープ、傾斜路
Rump: 牛肉の尻肉、臀部
Lamp: 電気スタンド、ランプ、街灯
Lump: こぶ、しこり

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2018年2月11日

RとLの発音問題

中国のある会社が人が乗れる大型ドローンを開発したというニュースがありました。実際に人を乗せて空を飛ぶドローンの映像に感嘆した私は、キッチンにいた夫に教えに行きました。

「中国は大したものよ!人が乗れる大型ドローンを作ったわよ!」
「What?」
「人が乗れる大きなドローンを作ったんだって!」
「What?」
「ドローンだってばあ!人が乗れるドローン!大きなドローン!」
「ああ、Drone!!!」
「だから、ずっとドローンって言ってるじゃん!」
「... (首を傾げる)」

ちゃんと「Drone」とRに注意して発音していたのに、

なぜ通じないのよ!

私はね、英語の発音には結構自信があるんです。

日本人特有のアクセントが無いと、誰からも言われます。中学高校と米英語のアクセントを学んだので、なぜアメリカ人のような英語を話すんだと笑われた経験はありますが。もうアメリカ訛りは止めました。

日本人が苦手とする、このRとLの発音問題も、私にはあまり関係ないと思っていたんです。しかし、うっかりすると間違います。

例えば、カタカナにすると「ランプ」となる4つの英単語。

Ramp: スロープ、傾斜路
Rump: 牛肉の尻肉、臀部
Lamp: 電気スタンド、ランプ、街灯
Lump: こぶ、しこり

私はねえ、肩の所に脂肪腫ができて医者に診てもらった時に、Lump(しこり)と言うべきところを「Lだぞ、Lだぞ」と思っていたら Rump(尻肉)と言ってしまい、医者に笑われたことがあるのです。

上の例だと、AとUの「ア」の音も注意が必要です。

うっかりすると、「肩にしこりがあるんです」が「肩に電気スタンドがあるんです」になってしまうから。

米英語なら明らかに違うAとUは、オーストラリア英語だと大変似ているのです。

オーストラリアは移民の国。多くの人が母国語訛りの英語を喋りますけど、時々そのせいで会話が、

???

になっちゃうんですよねえ。

それもまた、オーストラリア生活の醍醐味!(違うか…)

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2017年11月30日

とにかく暑いメルボルン

英語で「Drain」という言葉がありますね。

動詞で、排水をする、容器などの水を抜く、食品などの水気を切る、そんな意味ですが、これが「Drained」と過去分詞となると、すっかり水分(この場合はエネルギー)を抜かれて「疲れ切った」という意味になります。

今朝の私がそれです。

I feel drained...

とにかく暑い。ずっと暑い。夜も暑いままで涼しくならない。

夏はまだ来ていないのに!

さすがに草の花粉シーズンも終わったのか、昨晩は窓を開けても大丈夫だったんですけどね、肝心の外の空気が夜の9時を回った頃でも全く涼しくなっていなくて、熱気を吸い出すというわけにもいかないので今シーズン初めて蒸発冷却式クーラーを使いました。

蒸発冷却式クーラーは水を大量に使いますし、家の中の湿度が急上昇するので、できれば使いたくないのですが、灼熱の2階で扇風機だけで寝るのは無理ですから。

冷風の吹き出し口がない私の寝室は、クーラーを入れても影響はなし。朝まで扇風機をかけて寝ましたが、ぐっすりなんて眠れないし、扇風機の風に当たり続けると「Drained」になります。

クールチェンジよ、早く来い!

天気予報によると、明日の夜には風向きが変わって涼しくなるようです。日曜日の夜には、気温も10度まで下がるらしい。10度は寒いですは寒いですが、寒い方が暑いよりはましです。


ところで…

昨日は2つの注目すべき政治のニュースがありました。

まずは、ヴィクトリア州の自発的安楽死合法化に向けた法案審議ですが、下院で再び可決されましたので、合法化されることが決定しました。

もう一つは、同性婚合法化に向けての連邦政府上院(元老院: Senate)での審議ですが、こちらは可決された瞬間を生放送で見ましたよ。賛成が圧倒的多数でした。

この法案、今度は予定を変更して来週から開かれる下院で審議されますが、下院でも可決されるだろうと思います。クリスマスまでに同性のカップルが結婚できるようになる見通しです。

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2017年10月17日

ポスティー転倒を目撃

ポスティー(Postie)というのは、ポストマン(Postman)つまり郵便配達さんのことですが、今朝うちの娘を駅に送って行った帰り、目の前で郵便配達さんが転倒するのを目撃したのです。

駅前の郵便局からモーターバイクで配達に出発して、道路に出てきた途端にツルリと滑って転んだのです。速度を出していませんでしたし、郵便配達さん自身はひょいと飛び降りて大丈夫でしたけど。

メルボルンの郵便配達さん by Australia Post

ミッチャム駅前の道路整備工事は、もう何ヶ月も過ぎたのに未だに完成していない(遅すぎる!)のですが、その工事のせいで舗装が完了していた道路上に小石や砂が散らばっていたようなんです。

私も若い頃にはバイク乗りでしたから経験がありますが、モーターバイクは路面の小石や砂のために思いがけなく簡単に転倒することがあります。

郵便配達さんはへっちゃらだったし、バイクが壊れるほどの転倒でもなかったけど、大変だったのは、バイクのボックスやバッグに入っていた郵便物が バッサー!とこぼれ落ちてしまったことでした。

運転中でなければ、あるいは車を停める所があれば、すぐにでも郵便物を拾い集めるお手伝いをしたいところでしたが、それはできず。

歯痒い思いをしていたら、サングラスをかけた作業員のお兄ちゃんが一人駆け寄りまして、郵便物を拾い始めたのでした。いやあ全く、人は見かけによりませんね。そのお兄ちゃんは、困っている人を見たらちゃんと助ける人だったのです。よかったわあ!

誰かに親切にされると嬉しいけど、誰かに親切にしている人を見ても、嬉しい気持ちになりますね。そして、私も困っている人があれば親切にしたいと思うのです。

それはともかく、

最悪のスタートを切った今日の配達業務。郵便配達さんには、ぜひ運転に気をつけて、無事に今日のお仕事を完了していただきたいものです。


それはそうと、

その郵便配達さんですけどね、非常に恥ずかしそうな顔をしておられました。そりゃそうでしょうね。「さあ出発!」と郵便局を出た途端に大勢の人の前で転倒し、その車線の交通をストップしちゃったわけですから。

こういう「恥ずかしい」というのを英語にする時に、「ashamed」と言うのは間違いです。「ashamed」というのは、良心に照らして恥である場合に使う言葉ですから、気まずいとかばつが悪い恥ずかしさの場合は「embarrassed」と言いましょう。

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2016年9月15日

シッティング・バレーボール

現在リオでパラリンピックが開催中ですが、パラリンピックのサイトで「シッティング・バレーボール(Sitting Volleyball)」というフレーズを見て目が点になりました。

「シット」すなわち「Shit」とという単語は「うんち」とか「糞」という意味の名詞あるいはそれらをするという意味の動詞です。

「シッティング・バレーボール」と聞けば、そりゃどうしたって「うんちバレーボール」と聞こえるじゃないですか。

それはなかろう...と思いながら、それじゃあ日本語で何と呼ぶべきかと考えてみると「座位バレーボール」とか「座り式バレーボール」くらいしか思いつかない。ここは、せめて「スィッティング・バレーボール」とはできなかったのかと思うのです。

「Sitting」という言葉は「Sitting Room」「Sitting Area」「Sitting Member」などと良く使われる言葉ですが、日本語に訳す場合に適当な言葉が見つからない場合に、安易に「シッティング」とするのは問題がありますよ。

例えば「Sitting Room」という言葉もですね、「居間」とか「待合室」とか「休憩室」と状況によって日本語にすればいいのに、これを「シッティング・ルーム」としてしまうと「うんちをする場所」という意味になってしまうじゃないですか?

「シッティング」は良くないわ...。

ただ、「スィ」という音を発音するのが得意でない日本人が多いのは知っています。私の母は「パーティー」の「ティー」をなかなか発音できず「パーテー」と言っておりましたから「スィ」は苦労するだろうなあ。

最近は「V」の音を「B」の音と区別するために「ヴ」と表記しているのも目にするようになっていますし、外来語のカタカナ表記は配慮が必要ですよね。ただし不可能というのも確かにあります。「TH」の音はねえ、「サ行」か「ザ行」で表すしか方法が無いですから。

それにしても「シッティング」は良くないわ...。

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2016年8月28日

映画「Lion」

3年ほど前に新聞に記事が載ったので、このSaroo Brierleyという男性のことをご存じの方もいらっしゃるでしょう。日本にいっらっしゃる皆さんは、まずご存知ではないと思います。

この人は、5歳の時にインドで迷子になり、その後オーストラリア人夫婦に養子として引き取られ、タスマニアで愛情をいっぱい受けて育ちました。成人した後、インドにいる本当の家族を見つけたいと決心して、なんとGoogle Earthを駆使して家族が住んでいた村を見つけ出し、迷子になって25年ぶりに母親と再会したという人なんです。

父親が家を出て行ってしまい極貧となった母親と4人の子供たち家族。母親の収入だけでは食べていくことすら困難で、子供たちは学校に行くこともできず、物乞いをしていたそうです。

一番上の息子は時々電車の床掃除をさせてもらって小銭を稼いでいたそうで、5歳のSarooちゃんは、ある日お兄ちゃんについて駅まで行きました。用事のあったお兄ちゃんに「すぐに戻ってくるからここで待っていろ」と言われ、プラットフォームのベンチで待っているうちに待ちくたびれてしまいました。

いくら待っても戻って来ないお兄ちゃん。実はお兄ちゃんは、電車にはねられて亡くなっていたんですが、そんなことは知らないSaroo ちゃんは、ホームに停車している電車にお兄ちゃんがいるのかもしれないと思いました。

電車の中でお兄ちゃんを探すうちに眠くなってしまったSarooちゃん。目が覚めると、電車は見知らぬ土地を走っていました。

こうして迷子になり、数日間のサバイバルの後に幸運にも警察に保護されたのですが、5歳のSarooちゃんが話す情報だけでは家族を探しだすことはできず、結局オーストラリア人夫婦に引き取られたのです。

オーストラリアに来ることは簡単なことではなかったと言っておられました。だって、インドに自分のお母さんと兄妹弟がいることは確かなのに、外国に連れて行かれたんですから。これは、Sarooさんのインタビューです。



Sarooさんは、この経験を本にされました。


そして、この度、この本を元にSarooさんのストーリーが映画になりました。「Lion」という映画です。Sarooさんを演じるのは、「スラムドッグ$ミリオネア」や「マリーゴールド・ホテル」などで活躍中の英国俳優デーヴ・パテール (Dev Patel)で、このデーヴ・パテールがこの映画「Lion」で話すオーストラリア英語が見事であると今話題なのです。

オーストラリア英語のアクセントは真似るのが難しいとされておりまして、確かにアメリカ人俳優や英国人俳優がオーストラリア人役を演じた際には、「なんかヘン」なんですけど、デーヴ・パテールの英語は違和感がなかったです。予告編を見る限りではね。


オーストラリア国内では、来年1月公開だそうです。

日本でも公開されるといいのですけど。

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2016年5月13日

英語の聞き取りに問題あり

夫が最近熱心に取り組んでいるコミュニティーマーケットの運営ですが、運営する人間が変わり、運営方針が根本的に変わり、それに伴いウェブサイトも新しくしてソーシャルネットワークを駆使したマーケティングもやるんだそうです。

うちの夫は、メールアプリの設定すら私に丸投げで頼むような人ですから、そういった仕事はできないはず。知能指数が高くて頭の良い人なのに不思議なんです。

「それで、誰かウェブサイトが作れる人がいるの?」
「いたらいいんだけどな...」
「じゃあ、私が作ってあげましょうか?」
「ホント?ハイハイお願いします!」

というわけで、私、引き受けてしまったんです。(ちょっと後悔していますけど。)

早速ドメインネームを取得しまして、某プロバイダーで cPanel のホスティングを注文いたしまして、ウェブサイトデザインに取りかかろうとしたんですが、予め設定されていたパスワードを変更したのが悪かったのか FTP にログイン出来ない!

cPanel にはログインできますけど、Wordpress を使いたいので最初にいろいろファイルをアップロードする必要があるんです。どうしても FTP がつながらない!

そこでサポートセンターに電話をかけたんです。そうしたらねえ、強いインド訛りの英語をしゃべる男が電話に出たんです。

パニック!

苦手なのよ、インド訛り英語は!
何を言っているのかさっぱり聞き取れないの!
ゆっくり喋ってもらってもやっぱり分からない!

いやあ、どうしてこんなに聞き取れないんだろ、私。インド訛り英語を避けては通れない昨今、サポートセンターとかカスタマーサービスに電話をすると非常に高い確率でインド訛り英語に出くわすでしょ?(押し売り電話もインド人が多いですけど、押し売りとは会話を続ける必要が無いですからね。)

その度に、パニックる私。

苦手意識が強すぎて「あっインドだ!」と思った瞬間に脳みそが機能停止してしまい、全部「ゴニョリゴニョリ」と聞こえてしまう。

夕方、どうしても必要で再びサポートセンターに電話したら普通のオーストラリア英語をしゃべる女の人が出たから「やれやれ助かった」と思ったらね、バックグラウンドでインド訛りの英語が聞こえるんです。それがまたすごい大声で喋っているから、女の人の英語にかぶさって聞き取りの邪魔をするのよ!

ああ、ダメだわ、私。

どうしたら、聞き取れるようになるの?

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2016年4月18日

音痴は遺伝する

夫の母は大変な音痴で、こういう人に限って歌うのが大好きと来ていますので、彼女が歌うのを幾度となく聞いてきましたが、正確な音程で歌えるのが当たり前な私には、その「もげっぷり」(岡山弁で音程の外れ具合の意味)は、何故そうなるのか理解し難いものがあります。

その母親の音痴の遺伝子をすっかり受け継いだだけでなく、「もげっぷり」をパワーアップした超人的音痴がうちの夫です。

この夫は、高校生の時に交換留学生として東京で一年を過ごしております。どういう成り行きでそうなったのかは知らないんですが、ある時「百万人の英語」というラジオ番組に出演したことがあるんだそうです。

夫を含め4人の留学生がゲスト出演して番組4回分の録音を行ったと聞きました。3人がオーストラリア人でもう一人がカナダ人だったそうです。まあ、要するにネイティブの英語を聞こうと言う趣旨だったのでしょう。

英語の歌を題材として取り上げて、その歌詞をネイティブの高校生たちが読んで聴かせた後、その歌を歌って聴かせるというようなことをやったんだそうです。

夫は、ロッド・スチュアートの「Some Guys Have All The Luck(サム・ガイズ)」の歌詞を朗読いたしました。そして、歌い始めました。すると、夫が歌っているのに他の人達が何かしゃべっていたんですって。

日本に来たばっかりで日本語が聞き取れない夫には、皆さんが何を言っているのかが分かりません。何か問題があるのかと思い歌うのを止めたところ「ああ、続けて!続けて!」と言われ、再び気持ちよく歌い始めると、やはり他の人達は何やらしゃべり続けていたそうです。

この時の番組は、留学生活の思い出にということで、カセットテープに録音したのをそれぞれがプレゼントとしてもらって帰りました。

さて、日本での1年間の留学生活に続き大学でも日本語を勉強した夫が、ある日その懐かしいカセットを見つけました。

「おお、日本に留学した時にラジオに出た時のカセットだ!」

早速、聴いてみました。

若い自分の声がロッド・スチュアートの「Some Guys Have All The Luck」を朗読します。そして、歌い始めました。

「うわっ、なんだよコレ」
「歌ってるんだよねえ?」
「いやあ、オレこんなすごいの初めて聴いた」
「信じられない!すごすぎる!」
「ああ、続けて!続けて!」
「音痴っていってもさ、ここまで外す?」
「いやあ、なんか外れているっていうかさ、もう音程がないじゃん」

…とまあ、

こういう会話を日本全国の百万人が聞いていたということでございました。


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2015年11月29日

笑われたアメリカ英語

SBSの新しいTVチャンネル「フードネットワーク」の放送が始まり、アメリカの料理番組がいくつか放送されています。

それにしても、アメリカの料理番組って冴えないというか、かなりイマイチと思っているのは私だけ?

英国の料理番組は秀逸なものが多く、見ていて楽しく面白く、「自分も作ってみたい」「食べてみたい」とインスパイアされては書籍も買い求めずにはいられないから、お料理本のコレクションは大きくなる一方です。

ジェイミー・オリバーを筆頭に、リバーコテッジのヒュー・ファーンリー・ウッティンストール、ヘストン・ブルメンソール、ナイジェラ・ローソン、レイチェル・クー、ザ・グレイト・ブリティッシュ・ベイク・オフ、リック・スタイン、…書き始めたらきりがなさそうだな。まったくもって、英国の食べ物はまずいとか言われていたのがウソのような発展ぶりです。

そんな英国の上を行くほどの食文化の発展を見せているのがオーストラリア。あのヘストン・ブルメンソールをして、今世界で一番食文化が熱い国と言わせた程なんだから。

そういう国に住んでいるせいなのか、アメリカの料理番組ってイマイチ…。

それに、彼らのアメリカ英語がやけに気になる。

「ワラ〜(water)」とか「トメイトゥ(tomato)」とか、久しぶりに聞くとなんだか違和感を感じます!

思い出すのは、20ウン年前にあるハイスクールで日本語を教えていた頃のこと。赴任してすぐ、生徒に笑われたんですよ、英語の発音を!

「なにーそれぇ!日本人なのに、なんでアメリカ人みたいな英語を話すの?」
「ちがうちがう!トメイトゥなんて言わない!トマートだよ!」

私の英語は、基本的に中学高校で真面目に勉強した賜物でして、学校で教えられたとおりに忠実に正しく発音しているつもりだったんですけど!

生徒たちに、キャー!ギャー!うわははは!と大笑いされて、とにかくアメリカ流の発音を矯正することに懸命の努力を注ぐことになったのでした。

特に「ワラ〜(water)」はいけませんよ!皆さんギョッとします。お手洗いのことも「バスルーム(bathroom)」じゃだめです。「トイレット(toilet)」と言わないと。そして、基本的に「R」を強く発音してはダメです。ほとんど舌を巻かないくらいに控えめに発音しなくては浮きます。


オーストラリア英語は、基本的に英国英語の発音や綴り、語彙がベースになっていますからね、日本人がアメリカ英語を話すと異様に聞こえるそうです。

オーストラリアは移民の国ですから、皆さん多かれ少なかれアクセントのある英語を話しています。私の英語はどんなアクセントがあると思われているのでしょうか?自分ではよくわかりませんからね。日本語アクセントは全く無いとよく言われますけど。

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